8 / 14
7:祝言※
しおりを挟むコノハの嫁入りを祝う宴が執り行われる日がやってきた。
主役であるコノハは前日から大忙し。
夫である山神達に美味しい物を食べてもらえる絶好の機会である為、腕によりをかけて料理を作り続けていた。
来訪される神々にも振る舞う物でもある為、気合が入る。
「(出来た嫁だと思われたい……主に、御三方に)」
「コノハ、これで全てか?」
「あ、はい」
「見た事ない形の物が多いな。本当に食えんの?」
「コノハが頑張って作ったものになんて言い草。嫌なら食うな」
「嫌なんて言ってないだろ!」
配膳をするワカとミドリがムッと睨み合うのを、サンガクが咎める。
いつもの事だ。
「めでたい日に喧嘩などするでない。コノハ、ご苦労であった」
「さ、サンガク様達のお口に合うと嬉しいのですが……」
サンガクに肩をポンと叩かれる。それだけで張り詰めた何かが緩み、ニッコリ微笑むコノハ。
『トントントン』
「おーい! 山神三人衆、祝いに来たぞー!」
「外にまで良い匂いが漂っているが、これは期待できそうだな」
「ええ」
来客のノックにコノハは再び気を引き締めて、三人について出迎える。
サンガクが腕を振るうと、神域の入り口が開いた。
「お久しぶりー」
「おめでとうー」
「これ、祝いの品」
そこに立つ三人の来客の神々を見て、コノハの表情が引き攣る。
サンガクが一人から土産を受け取っている後ろで、コノハは隣に居たワカの裾をキュッと摘む。
「コノハ?」
「…………」
「あー、悪い三人とも。人型になってくれねぇか? 嫁が怖がっちまって」
「おお、こりゃあ失敬」
人を丸呑みに出来そうな大蛇。
蠢く不定形な水の塊。
傷だらけの大百足。
人の世で暮らしていたコノハからすれば、物の怪や妖怪の類でしかない。
『ポポン』
「……これでどうだ?」
だが、次の瞬間には大蛇も水も百足も山神達と同じく人型になっていた。
蛇柄模様の着物を纏った黒髪の青年と長くサラリとした青髪を結った美女、足軽の甲冑と笠を身に付けた男の姿へ各々変化した。
「それで? 怖がってるいたいけなお嫁さんって誰?」
「ココに居るだろ。見えないのか?」
「「「…………」」」
サンガクがコノハの肩を抱いて主張すれば、三人の目は幾度も瞬かれる。
「……お、おのこ?」
「しかも、結構……大人な」
「…………よめ、とは??」
「……どうも。ぉれ……私が、山神様の妻にございます」
深々と頭を下げるコノハに困惑する彼等の姿にワカは愉快愉快とケラケラ笑う。
「……本当に?」
「正真正銘、僕らのお嫁さんだ」
『カサ』
ミドリがコノハの頭にある葉を撫でれば、三人は益々信じられないとあんぐり口を開き始める。
「ごめん……え? 嫁? サンガク、冗談じゃないよな?」
「いやはや、驚きましたな……」
どうやら神々の中にも同性婚の前例はないようだ。サンガクは困ったように笑いながら、事実を伝えた。
「詳しい事は中で話さぬか?」
「ぉ、おお。そうだな」
祝いの席として用意された和室へ入れば、またも驚きの声があがる。
「こ、これは!」
「なんと……豪華な」
「街で見た食べ物もあるな」
並べられた料理を見て感心している様子に、コノハは照れ臭いらしく小さくなっていた。
「ささ、座った座った。積もる話しはあるだろうが、まずは乾杯といこうぜ」
ワカの言葉に皆、各々の座布団へ腰掛けた。手前に置かれた盃を持てば、溢れるように酒が湧き出る。
「(すごい……お酌要らずだ)」
「お集まりいただき、ありがとうございます。本日は無礼講にて御食事をお楽しみくだされ」
サンガクの短い挨拶が終われば、盃を掲げて乾杯をしていく。
「美味い! 何だこれ?!」
「それは山菜の天婦羅と山の恵みで作った煮物です」
「こっちは?」
「油で揚げた鳥の唐揚げでございます」
「……おのこの花嫁とはこれ如何にと思ったが、納得せざるを得ないな」
コノハの料理に舌鼓を打ち、客神達は次々と手をつけていく。
そして、それは夫達も例外ではない。
「……初めて食べるものばかりけど、全部美味しい」
「やべぇ……コノハって天才だったのか」
「うむ。どれもこれも食べ足りぬ程だ」
「材料を揃えてくれた旦那様達のおかげですよ。俺だけじゃ何も出来ませんから」
コノハの謙虚な物言いに益々関心が集まる。
「ほほぉ出来た嫁だな」
「髭面の大人だけど、案外可愛いじゃない」
「……良い子だ」
山神三人衆は嫁を褒められた事と、隣で嬉しげに笑うコノハを見て益々気分が上がった。
「我らが嫁の名はコノハ。村から捧げられた花嫁よ。初めは驚いたが……紆余曲折を経て現在に至っておる」
「紆余曲折って言うけど、それはサンガクの一人劇じゃん」
「僕とワカはすんなりと受け入れた」
「少しは悩め馬鹿どもが」
「ぁ、はは、不束者ですが今後とも宜しくお願い致します」
コノハは床に手を付いて深々と頭を下げる。客神達も遅れながら順に挨拶を交わす。
「俺は土地神をしているカガチだ」
「私は水神のオスイ。ワカと同じ山を管理してるわ」
「あっしは、裏裏山の山神。ツクモだ」
「カガチ様、オスイ様、ツクモ様、お越しいただき誠にありがとうございます」
もう一度頭を下げるコノハを手で制したツクモが笠を持ち上げながら料理を指差した。
「コノハ殿、料理を少し持ち帰らせていただいてもよろしいか? 人里の料理をうちの嫁に食べさせてやりたい」
「ああ、是非是非。奥方様のお口に合えば幸いです」
「そうか。ツクモの嫁も人間であったな」
「初めは環境の変化や食の違いで体調を崩していたりと苦労をかけた」
ツクモの言葉に、山神三人衆がハッとした顔でコノハへ目線をやるが、コノハは気付かず話しを続けていた。
「人間の花嫁は多いのでしょうか?」
「生贄としての花嫁は多いが、本当に神へ嫁入りしている人間はほんの僅か」
「貴方はその中でも希少。ううん、唯一かもしれないわね。男である以前に三人の神と重婚だなん初めて聞いたわ」
「あ……そう、言えば…ぃい、いいんでしょうか。重婚なんて、俺が、山神様を、独占して、しまって……こんな贅沢な」
現状を非常に珍しいと言われて、自身の異常性に気が付いたコノハが狼狽しながら神々へ問い掛けた。
コノハの言葉に神々は噴き出して、ケラケラ笑い合う。
「ぶっはっは! 道に繋がっておいて何を言ってるんだ!」
「うふふ、御三方も満足されてるみたいだし、大丈夫よ」
「ふはっ、これはまた随分と……旦那方、これから退屈しなさそうで何よりだ」
「ああ……全く、初日の図々しさは何処へ行ったのやら」
サンガクがコノハの頭をかき混ぜるように撫で付ければ、また和室から笑い合う声が響いた。
宴は夜まで続き、酒の入った神々はただの酔っ払いになっていた。
コノハも程良く酔いが回って、フワフワと良い気分になってきたが、そろそろお開きと皆が腰を上げて神域の出入り口へ向かう。
「コノハ、コイツら嫌になったらウチの嫁に来い。歓迎するぜ」
「あ、私も候補に入れて!」
「馬鹿言うんじゃねえ。コノハは俺らの嫁だ」
「コノハ殿、今日は馳走になった。次は嫁と共に伺わせていただく」
「はい。お待ちしてます」
和気あいあいと談笑しながら、一人ひとり神域から出て行くのを見送る。
片付けを済ませて一息吐いた途端に、静かな和室に寂しさを覚えるコノハ。そんな彼の腰を抱き寄せたのはミドリだった。
『グイ』
「!」
「コノハ、お疲れ様」
「ミドリ様もお疲れ様でした。酔い覚ましに水をお持ち、しま……あの、離してください」
「…………」
「?」
抱き寄せたまま、酔いで赤らんだ顔を向けてくるミドリに首を傾げるコノハ。
「おいおい、抜け駆けはダメだぞミドリ」
「ワカ様?」
背後から抱き竦められて、本格的に身動きが取れなくなった。
「サ、サンガク様」
コノハがサンガクへ助けを求めるように声を上げると、スッと眼前にサンガクの顔が広がった。
「サン──」
目を閉じる間も無く、口を塞がれてしまう。
いきなりの接吻に驚くコノハだが、二人の夫も構わず耳や頸に口を押し当てを続ける。
「んっ……はぁ……ぁ」
徐々に力が抜けていくコノハの身体を力強く支える。
「? ……っ??」
「はっ……コノハ」
「……ふぁい」
やっと離れたサンガクが濡れた唇を舌舐めずりで整える姿に、ドキリと胸が高鳴った。
ときめきではなく、これから起きる事を察した緊張によるもの。
コノハの耳をワカが食みながら、望む本心を口にする。
「優しくするから、触れていいか?」
「っ……」
嫌がる素振りのない嫁に気を良くしたミドリは、ヒタリと頬に手を当て横を向かせて唇を奪う。
サンガクの手は首から鎖骨をなぞって、胸元へ滑り込んでいく。
着物の割れ目から中へ手を差し込み、円を描くように薄くも弾力のある胸を揉む。
身体を震わすコノハはされるがままで、着物もあっという間に暴かれていく。
帯にミドリの手が伸び、慣れた手つきで解くと容易に布がはだけていく。
「今宵は、三人で良いか?」
「…………は、い」
サンガクの問いにコクリと頷くコノハの唇に、再び接吻をする。
四人が畳の上に寝転ぶと、息の合った連携を取りながらコノハの理性を溶かすように甘く優しく手解きをしていく。
「ぁあ……はぁ……はぁ」
酒気と汗で蒸れた匂い、互いの肌が擦れ合う感触に恍惚の表情を浮かべるコノハ。
「気持ちいいか?」
「……ぁぃ」
コクリと素直に頷く嫁の姿に愛しさが溢れる夫達。
三人から絶え間なく与えられる愛撫と緩やかな交わりに身体を震わせて何度も果てるコノハ。
思考回路は蕩けて、何も考えられなくなっていく。
「コノハ……コノハ……お主、幸せか? 今の生活は辛くないか?」
「さんが、く、さま……俺、しあわせ、です。さん……が、ぁぅ」
サンガクに髪を優しく撫でられて心地良さに目を細めるコノハ。彼の横に寄り添うよう寝そべるワカが手を伸ばし、胸の飾りを指先でクニクニと強弱を付けて捏ねると甘い声を漏らした。
「俺達の事……好き?」
「は、ぃ……ワカさま、は……いかが、ですか?」
「ふは、コノハが好きだ。誰にもやらねえ」
「僕もコノハが好き。いっぱい好き」
ミドリとワカに顔中に口付けられながら、コノハは嬉しそうにふにゃっと笑った。
だが、蕩けた理性の中でも、コノハは自分の言葉に引っかかりを感じてしまっていた。
「好き……です」
けれど、それを理解する前に快楽の渦に飲まれ、夜は更けていった。
33
あなたにおすすめの小説
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
オメガのブルーノは第一王子様に愛されたくない
あさざきゆずき
BL
悪事を働く侯爵家に生まれてしまった。両親からスパイ活動を行うよう命じられてしまい、逆らうこともできない。僕は第一王子に接近したものの、騙している罪悪感でいっぱいだった。
転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~
トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。
突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。
有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。
約束の10年後。
俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。
どこからでもかかってこいや!
と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。
そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変?
急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。
慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし!
このまま、俺は、絆されてしまうのか!?
カイタ、エブリスタにも掲載しています。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り
結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。
そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。
冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。
愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。
禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる