巻き込まれ転移者の特殊スキルはエロいだけではないようです。

7ズ

文字の大きさ
18 / 48

17・OH! ファンタスティック!

しおりを挟む
 テントに入る前に、催してしまったので森に入って用を足しておく。

「ん?」

 何かがチラリと横切った気がする。
 目を凝らせば月夜に照られた銀髪が木々の隙間から見えたようだった。

「(聖女様? 一人で何処へ……)」

 咄嗟に追跡を行い、後を追う事にした。
 見失ったが、追跡で見える糸を辿って慎重に進むと……水の音が聞こえて、視界が少し開けた。

「(泉……?)」
『パシャ』

 おっと……不粋な事をしてしまった。
 水浴びをしている女性を見てしまったからだ。
 ココが弱い魔物しか居ないとはいえ、夜の森で一人行動をするなんて危ない。
 だが、危険を冒してまで身を清めたかったのかもしれない。女性だし。
 女性の裸を見ても性的興奮を覚えないし、罪悪感だけが募る。

「(気配殺して、終わるまで待つか)」

 気付いてしまったからには置いてはいけないので、身を隠してじっと待った。
 しかし、数分経っても終わらない。
 それどころか、何か苦し気な吐息が聞こえる。
 
「ン……ぁ……」

 チラッと様子見で覗くと腰まで水に浸かった背中しか見えないが……うん。してるな。

「(聖女様も人間だし、自慰もするよな……場所がアレだけど……あ、城だと四六時中人が居て落ち着いて出来ないとか?)」

 積み重なる罪悪感に胸を痛めながら、俺は静かに終わるのを待つ事にした。

『ガサ』
「………!」
「あっ……」

 聖女様の正面の木が大きく揺れる。
 宵闇から月明かりの下へヌッと顔を出したのは、一本角の赤い大熊だった。

「(一角紅いっかくべにはもっと山岳に居るはずなのに! なんでこんな平地の森に居るんだ!)」

一角紅:活火山の山岳に棲息する大型魔獣。角を使い縄張り争いや狩りを行う。巨体ながら俊敏な動きで獲物を追い詰める。

「(レベル39って……B級が討伐担当出来るギリギリじゃん!)」

「グルルルル」
「ひっ……」

 一角紅は聖女様に狙いを定めて、一歩ずつ近付く。

「こ、来ないでください!」
「グォオオオ」

 聖女様の声に反応して、角を突き出し地面を蹴り上げ一直線に突進してきた。

『ガキィン!』
「っ!!」
「山に帰れ!」

 一角紅よりも早く聖女様の前に躍り出て、バトルアックスで一角を弾いた。

「ジュンイチロー様!?」
「遅れてすみません。声が聞こえたのですっ飛んで来ました」

 身体を隠す聖女様に背を向けて、バトルアックスを握り直す。

『バシャ!』
「グァアッ!」
「おっと!」
「!?」

 聖女様の肩を抱き寄せて、追撃を交わしすれ違い様にアックスを前足に叩き付けてやった。

「グギャァァ」

 悲痛な声をあげて、前足を引き摺るながら逃げて行く一角紅を見送る。
 
「(聖女様の前で殺しはしたくない……)」
「あ、あの……ジュンイチロー様」
「? ……ああ、すみません!」

 裸の聖女様を抱き寄せてしまっていたのを思い出してパッと離れようとした時……腿に何か当たる。

『ゴリ……』
「?」
「~~~~ッッ!!」
「……んぇ??」

 つい視線を違和感のある方へ向けると、顔を真っ赤にした聖女様の股間にファンタスティックなスティックが生えていた。

「……そういう事もありますよね」
「ええ!?」

 だってココは異世界だし? 男も子ども産めるなら、女性が種付け出来てもおかしくない。
 だから気にしないでおこう。

「(……俺のモノよりデカいな。自信無くすわぁ)」
「あの、あの、あの……ジュンイチロー様」
「はい?」
「私のコレを見て……なんとも、思われないんですか?」

 なんとも思わないわけではないが、聖女様にちんこ生えてても俺にはデメリット無いし。

「勃起は生理現象でソレを持つ物誰しもに起こり得るものなので、あまり気にしなくて良いと思いますよ」
「え、は、はぁ……いや! そうでは無くて! 女性にコレが付いてる事についてですよ!」
「……そういう人もいるってだけですよ。人の身体的特徴に他人がとやかくいう筋合いはありません」

 娼館で時折裏ですれ違う男娼にも女の子にしか見えない人が居るんだし、人それぞれだ。

「……そう」
「では、俺は離れて水浴びが終わるのを待ちますので終わったら声を掛けてください」
『パシャパシャ』

 泉から上がり、森の木々の元へ戻ろうとしたが、グイッと防具のコートを引っ張られた。

「?」
「お、お願い、が……あります」
「なんでしょうか?」
「て、てつ、手伝ってください……上手く、出せなくて……」

 おいおいおい。聖女様に自慰の手解きお願いされちまったよ。

「うーん……聖女様にソレがあっても聖女様は女性で俺は男です。安易にそのようなお願いはしてはいけませんよ」
「……でも、このままだと……服が、着れなくて」
「…………ああーー……なら、こうしましょう」
「?」

 苦肉の策だが、とりあえず今抜いてしまえばいいだけなら手を使う必要もない。

「いいのですか? このようなモノ……その……お口で」
「絶対噛みませんから、好きに腰を動かしてください」


 俺の口に突っ込んで出してもらうのが手っ取り早い。
 着替えた神官服のロングスカートを託し上げてもらって、勃起した性器を露出してもらう。
 両膝と両手を地面につけて、口を開ける。イマラチオってやつだ。

「本当に申し訳ございません……ありがとうございます」
「いえ……」

 目の前にある美女の巨根にドキドキしてしまっている。俺、女性の裸より、男の性器に興奮してるんだな。
 
「し……失礼します」
「はい……どーほ」
『ピチャ』
「っ……」

 聖女様が腰を動かして、ゆっくり喉奥に先端が突き刺さる。
 そのまま前後に揺らされて、喉を穿たれる快感にチカチカと視界が白く点滅する。

「ンッ……ふぅ、ふぅ……」
「きも、ちぃ……舌、すご、い、です」

 出来るのは、喉締めと舌での奉仕のみ。
 聖女様は堪らないといった表情で腰を激しく動かし、俺の喉を穿ち続ける。

『ズポッ! ジュプ! ブチュ!』
「ぁ……で、でる……でちゃいます」
『ガッ!』
「ッッ!!?」

 聖女様の手に後頭部を押さえ込まれ、咽頭に亀頭が食い込む程深く嵌め込まれた。

『ドピュ!』
「あ……んっ!」
「んぶっ…………んく……んっ」
『ビュルッ! ビュルルルル!』
『ゴキュ……ゴキュ、ゴキュン』
「とま、止まらな……らめぇ、私の、のまないれくらさ、い」

 脈動する度に精液が大量に放たれる。
 言葉とは裏腹に聖女様は腰を押し付けてくるので、吐き出された子種を喉を鳴らして飲み下すしかなかった。
 こんなところで精液ジョッキ一気飲みの成果が発揮されるとは思わなかった。
 
「っ……んっ」
「あ、あ、あぁ……」
『ピュク……ビュクン……ピュル』

 ようやく放出が収まり、ゆっくりと萎えた性器が口から引き抜かれていく。

「はぁ……はぁ……はぁ……あぁ」
「ぷはっ……ふぅ……たくさん出ましたね」
「ごめんなさい……ジュンイチロー様のお口を汚してしまいました」
「あぁ、大丈夫ですよ。聖女様の物ですし、寧ろ浄化された気分です。さぁ、戻りましょう」

 口を濯いでから、聖女様を先導しながら森の中を歩いて戻る。

「……ジュンイチロー様、この度は本当にありがとうございました」
「どっちの件ですか?」
「ど、どちらもです。なので、何かお礼を……」
「では、今夜の事はお忘れください。それだけで十分です。仕事ですので礼は結構」
「ぇ……あ、はい」

 少し突き放すような言い方になってしまったが仕方ない。ココで縁を作るわけにはいかないんだ。

「(あんな感覚初めて……喉の奥がビクビクして、搾り出されるような……口淫って、こんなに凄いんですね)」
「(……喉奥でイったの初めてだ。バレてないよな?)」

 お互い別の意味でドキドキしながら野営地に戻って、何事も無かったように眠りについた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

龍は精霊の愛し子を愛でる

林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。 その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。 王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。

《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...