38 / 48
おまけ
おまけ・その後の話②
しおりを挟む
『ガチャ……バタン』
寝室の扉が閉じられて、薄暗い部屋に二人きり。
俺は背伸びをしてモモにキスをすると、彼は目を細めて笑ってくれる。
「んぅ……」
唇を重ねるだけの優しい触れ合いから舌を絡ませる大人の口付けに変わる。
ちゅく、ぴちゃと音が鳴って、鼓膜を刺激する音に熱が上がっていく。
「ふは……」
「……お前は、本当に可愛いな」
「モモぐらいだよ。そんな事言うの」
「いいんだ。私だけじゃないと困る」
束ねていた黒髪の紐を解かれて、肩甲骨に毛先が広がる感覚が妙に鮮明だ。
モモに抱き締められながら、ゆっくりと布団に押し倒される。
俺を見下ろす眼差しは優しくて、いつもより瞳が柔らかくなるのが、好きだ。
「ジュン、脱がすぞ」
「うん」
服のボタンを外されて、肌を露わにする。
「……ぁ……もも、んっ」
まだ風呂の温度が抜けていない肌の熱を堪能するように、首筋から鎖骨まで丁寧に舐められていく。
時折甘噛みされたり、跡を付けるように強く吸われる。その度に俺が身を捩って悶える様を楽しんでいるモモ。
モモはそういう所がある。普段は真面目で良い父親の顔をしているのに、いざコトが始まると意地悪になる。俺が嫌がったり、逃げようとする素振りを見せると執拗に責めてくる。
昔は俺の嫌がる事はしたくないって言ってたのに、俺の本気の嫌か、たじろぎの嫌か判断出来る様になってから、少しタガを緩めたらしい。俺も本気で嫌だったら抵抗してるが、嫌じゃないからされるがままになってしまっているのだが。
「あ……ん……もも」
胸元まで下りてきたモモの顔に俺は制止をかける。
「なんだ? 痛かったか?」
「うぅん……キスしたい」
「わかった」
モモが屈んで俺に顔を寄せてくる。
彼の頬に手を添えて、引き寄せるように力を加えると、意図を理解して口を開けてくれた。
「んぅ……」
「はぁ……」
熱い吐息が零れる。角度を変えて何度も貪り合う。
『グリ』
「んんっ!」
両胸の突起を同時に押し潰され、痺れが走る。ビクっと身体が跳ねて、腰が浮いてしまう。
キスも胸を弄る手も止まらない。モモは俺を逃がさない様にしっかりと押さえ込んでくる。
「ん……ふっ……う」
指先で摘まれて引っ掻かれてると身体の奥が熱くなっていく。
快楽を教え込まれたソコはぷっくり腫れて、もっと触って欲しそうにピンと芯を持ち、主張を始めた。
「ジュン……」
「あぁ! んやぁ!」
性器と変わらぬ感度を持つ突起に爪を立てられ鋭い快感を与えられる。そのまま口に含み、飴玉を転がす様に舌で執拗に責め立てられる。
「ひゃっ、あっ! だめ、ダメだっ、もも、ももぉ!」
身体中の熱が一気に下半身に集まる。
モモは俺が絶頂を迎えそうなのを察知して動きを止めた。
寸止めされた俺が潤んだ目でモモを睨むとモモは微笑みながら額に口づけを落とす。
「あまり煽るな」
「あぉって、ない」
「……無意識は恐ろしいな」
「?」
苦笑してモモは、自分の膝をついている場所に目を落とした。俺もモモの視線を追う。
……股の間にあるモモの足に擦り付けるように腰が縦に波打っていた。
「ぁ、あ、違……」
「何が違う? よくある事だ。そう恥ずかしがるな」
卑猥なダンスをしてしまった事実を指摘される。俺は羞恥で首まで真っ赤になった。
しかし、この状態は苦しいだけだ。
一度行動を意識してしまうとどんどん辛くなる。
顔を覆って必死に耐えようとするとモモはそんな事させまいと腕を剥がしてくる。
俺の目尻に浮かんだ涙にモモが吸い付いて、宥めるような口付けを施して頭を撫でられる。
「私しか見ていないんだ。存分に乱れても、何も問題は無い」
「……ぅ、ん」
「このままでは動き辛い。足を開いてくれ」
促されるままに、腿を挟んでいた両足を開脚する。股座でパジャマの薄生地を押し上げていた自身が苦しげにひくついていた。
モモがズボンごとパンツをずらすと、勢いよく飛び出したいつ見ても凶悪な造形の性器の先端から先走りの雫が飛び散る。
その光景を目の当たりにした俺は堪らず喉を鳴らした。
「……口が開いてる。咥えたいのか?」
「なっに、違……わ、ない、かもしれない」
ダラっと涎が垂れてしまい、否定し辛い。しても説得力が無い。
この身体は、モモの全てを欲している。大好物を目の前にした犬のように舌を出して息を荒げている自分に気付いても、どうしようもない。
『ピト』
「ほら、ジュン。あーん、してみろ」
俺の胸に跨りながら、唇に自身の先を押し付けてくるモモを見上げた。
愉快気に笑うモモを見て、俺はちょっとムカついて眉間に皺を寄せる。
「……モモのエッチ」
「ふふ、今更だろう?」
「…………そうだな」
言い合うつもりはない。俺は素直に従って大きく口を開けた。モモはそんな俺の頭を押さえてゆっくりと挿入していく。
「ぐっ……んっ……んんっ」
熱くて硬い質量が口内を満たして呼吸が詰まる。
俺の唾液なのかモモの先走りなのか分からない液体が混ざって口腔を満たして口角から溢れ出す。
モモの性器は人間のモノとは違って、表面に肉粒が無数に生えている。それが喉奥や頬の内側に擦れる度に気持ち良くてゾクゾクした。
「んぅ……ふ……んっ……んっ!」
上顎に亀頭が当たってビクッと腰が揺れる。
「ジュン、すごく気持ちいい」
「んぶっ! ん、ん、ふっ!」
両手を掴まれて、モモが動く。激しく抜き差しされて、まるで道具のように扱われるがそれも嫌じゃなかった。
「く……っ、は……ジュン、そろそろ出る……」
切羽詰まったモモの声音に俺は応えるように強く吸い上げる。するとモモの腰が震えて喉に大量の精液が叩き付けられた。
「んぅっ……んんぅ!」
飲み込みが間に合わず、口に溜まっていく。ズルリと引き抜かれた瞬間、溢れないように口を結ぶ。頬が少し膨れる程度には収まった。
もったりと粘性のある生暖かい感触が舌の上に乗っている。
モゴモゴと小分けに嚥下していると、モモが何を思ったのかククッと喉を鳴らした。
「?」
「ゴックン出来たか? 飲み込むまで、次はなしだぞ?」
「ぅ、ゲホ! ゴホッゴホッ!」
なんで今このタイミングで言うんだソレを!
「やめろ。萎える」
「そうか? 娼館にはこういうプレイもあるんだろ?」
「あるけど、俺の守備範囲外だ。もぉ……」
俺の上から降りたモモと向かい合うように身体を起こす。
「セックスの最中に子どもの事あんまり言わないでくれ」
「……すまん。嫌だったか。しかし、何故? 悪い事ではないはずだが?」
「うーん……そう、なんだけどさ。純粋な子ども達の事思うと、エッチな気持ちでいる自分が酷く恥ずかしくて、居た堪れなくなる」
「……?」
モモはピンと来てないようだ。コレは個人的なメンタルの問題だしな。
性的な事を未だにいけない事、汚い事だと思ってしまっている所為だ。
「……自分の汚さが浮き彫りになると言うか」
「お前は綺麗だが?」
「……いや、そうじゃなくてコレは俺の考え方の問題。ごめん、変な空気にして」
「…………ジュン」
モモが神妙な顔付きで俺の頬に張り付いた髪を払うように撫でてきた。
「私にはよくわからない部分だ。しかし、やはりお前は美しいぞ。ジュンが汚れと思っているものは、私にとってはジュンの模様の一つにしか過ぎない。だから、そんな風に自分を貶めるような言い方は止めてくれ」
「……ありがとう。わかったよ」
モモは俺が自虐的な態度を取ると途端に不機嫌になる。
自分を傷付けるな。大切にしろ。耳にタコが出来るくらい言われた言葉だ。
けど、それはそれとしてセックスの子どもの話題はNGとした。俺の精神上どうしても無理だ。
モモは深々と頷き了解してくれた。
「……続き、するか?」
「ああ。勿論」
向き合った状態から、お互いの服を全て脱がし合い、肌を密着させる。
対面座位の状態で俺達は何度も口付けを交わしながら、挿入の準備をする。
潤滑油要らずの俺のアナルはしとどに濡れて、モモの性器を待ちわびていた。
指で軽く解されただけで、すぐにでもモモのモノを受け入れる事が出来る。
「挿れるぞ?」
「ん、きて」
『くちゅ』
「あっ……ぁ……ふぅ……っ!」
『ぐぷん!』
モモの首に腕を回して抱き着き、腰に足を絡めて身体を固定する。
奥まで入り込んだ熱い楔に息が止まりそうになる。
「ん……は……はいった、ぜんぶ」
「そうだ。ジュンの好きな所に私のモノが届いている」
「ん……わかる、モモの、ドクンドクンしてる」
脈打つモモ自身を感じながら微笑む。
モモも俺の腹を撫でながら嬉しそうに目を細めた。
「動いても大丈夫か?」
「ん、大丈夫」
「……ふっ、く……ぅ……ん、ん」
『パチュッパチュン』
「はっ……んっ……んんっ」
最初はゆっくり、徐々に速度を上げてピストンされる。
突き上げられる度に前立腺が刺激されて快感が身体中に広がっていく。
「あ、そこっ! んっ……いいっ! んゃ、もっと……!」
「もっとか。良いだろう。お望み通り……っ」
「あぅ! ひぃ! ぁああ! 激しすぎ、はげし、いっ!」
急に激しく揺さぶられて目の前がチカチカした。
結合部からはジュブジュブと卑猥な音が響き、肉同士がぶつかり合う乾いた音と混じって聴覚を刺激する。
ああ、何百と経験したはずの営みと快楽なのに、何故こんなにも飽きも慣れも無く、夢中になれるのだろう。
「はっ……ふっ……んんっ! イき、そ……!」
「ああ、いいぞ」
「やっぁ、だめ! 奥ぐりぐりしたら! すぐイッちゃうから!」
「はは、ジュンは本当にココが好きだな」
「好き、すき! 奥、モモのでゴリゴリされると頭真っ白になって、気持ち良くて……っ!」
聞かれた事以上の事をベラベラと喋ってしまう。モモはそんな俺の痴態を見て楽しげに笑い、より一層腰の動きを強めた。
「は、ぁ、イクッ、イグゥッ!!」
「ジュン、私も……」
「なか、出して、いっぱい……モモのせーえき欲しい……っ」
四肢でモモに縋り付いて、自らモモを締め付ける。
絶頂に向けて駆け上がる感覚に背筋が震えた。
一際強く打ち付けられて最奥まで突かれた瞬間、俺は精液を吹き上げモモと自分の腹を汚した。
「ぁ……ぁ、あつい」
ドプンとナカにモモの精液が注ぎ込まれる。
疲れが癒えていく感覚は、爽快感があって好き。
暫く余韻に浸っていると、モモが身体を離そうとしたので、慌てて身体に回した手足に力を入れる。
「ジュン、ちょっと、力を緩めてくれ」
少し焦った様子でモモが俺を引き剥がそうとする。
俺は眉間にシワを寄せた。嫌だ。まだこのままが良い。そう意思表示すると、モモは困ったように溜息を吐いて苦笑を浮かべた。
「……仕方のない奴だな」
呆れたような物言いだが、声音は優しかった。
モモは優しく俺の頭を撫でて、そのまま長い髪を指に絡ませて遊んでいる。
「モモ、まだシたい」
「……明日起きれなくなるぞ」
「一回だけ」
「一回で済んだ事あったか?」
「…………」
無いな。いつも最終的に二回三回して寝落ちするパターンが多い。
今日だってきっとそうなる。
「ジュン、また明日の夜にシような」
「……うん」
もう少し、モモの熱を感じていたかったが、あまりわがままを言ってはモモに呆れられてしまう。
手足を解いて、二人でセックスの後始末をして着替えた。
ベッドに横になったら、甘えるように首に頬擦りする。
モモは俺の意図に気付いたのか、俺の背中に腕を回し、あやすようにポンポンと叩いた。
モモの胸に抱かれて、次第に眠気が襲ってくる。
「ジュン、おやすみ」
「……おやすみ」
意識が落ちる瞬間、モモにキスをされた気がするが確認する間も無かった。
※※※
『チュンチュン……』
『ゴソゴソ』
「ん、んん……ジュン、朝からは熱烈だな」
……? モモの寝惚けた声が聞こえて目が覚めた。覚醒しきれていない頭でモモの言葉を理解しようとしたら……ベッドの中でモゾモゾと何かが這い回っていた。
何だコレはとぼんやりしていると、モモが目を開けた俺にキスをしてきた。
「んっ……ん、ぁ」
ぬるりと舌を絡めあう。ゆったりとマイペースに。
脳が蕩けてしまいそうに甘い。
満足して口を離すと、モモが幸せそうに微笑んでいた。
額をくっつけて、もう一度キスを──
「……パパ?」
「「!!?」」
俺達は勢いよく飛び起きて布団を捲り上げた。
ベッドの中にはアカリが居た。
モゾモゾゴソゴソしてた原因はいつの間にか潜り込んだアカリだったらしい。
「ア、アカリ……おはよう。どうした?」
「卵探しに来たの」
「……はぁ、アカリ。そんな昨日の今日で卵は見つからないよ」
俺は大きな欠伸をしながらアカリを諭す。
モモはまだ眠そうに目を擦っている。
しかし、そんな事はお構い無しに、アカリは頬をぷくぅ~っと膨らませて、不服を訴えている。
「いつ!? いつ見つかるの!?」
「アカリ、命はそう簡単に産まれないんだ。大事な家族を迎える為の準備が色々あるんだよ」
「……でもぉ」
「アカリ、とりあえず朝ごはん食べようか」
「うぅぅ~」
アカリは納得いかない様子だったが、空腹には勝てなかったようで渋々と部屋を出て行った。
「モモ、大丈夫か?」
「……ああ、平気だ」
少し青い顔をしているモモの体調が心配になった。平気と言いつつ手で顔を覆っている。
「…………お前が言っていた事がよくわかった」
「?」
「子どもに自分の性欲を見られるのは、酷く心苦しい」
「……ああ、そうだな」
先程の甘ったるいキスを思い出して冷や汗が止まらない。
俺のは興奮して勃ちそうになっていたが、モモのは完全に息子さんが反応していた。
知らなかったとは言え、娘の前で勃った罪悪感でモモは酷く落ち込んでいた。
「鍵でも取り付けとくか?」
「……そうだな」
次の子達を考える前に上の子達への対策が必要のようだ。
寝室の扉が閉じられて、薄暗い部屋に二人きり。
俺は背伸びをしてモモにキスをすると、彼は目を細めて笑ってくれる。
「んぅ……」
唇を重ねるだけの優しい触れ合いから舌を絡ませる大人の口付けに変わる。
ちゅく、ぴちゃと音が鳴って、鼓膜を刺激する音に熱が上がっていく。
「ふは……」
「……お前は、本当に可愛いな」
「モモぐらいだよ。そんな事言うの」
「いいんだ。私だけじゃないと困る」
束ねていた黒髪の紐を解かれて、肩甲骨に毛先が広がる感覚が妙に鮮明だ。
モモに抱き締められながら、ゆっくりと布団に押し倒される。
俺を見下ろす眼差しは優しくて、いつもより瞳が柔らかくなるのが、好きだ。
「ジュン、脱がすぞ」
「うん」
服のボタンを外されて、肌を露わにする。
「……ぁ……もも、んっ」
まだ風呂の温度が抜けていない肌の熱を堪能するように、首筋から鎖骨まで丁寧に舐められていく。
時折甘噛みされたり、跡を付けるように強く吸われる。その度に俺が身を捩って悶える様を楽しんでいるモモ。
モモはそういう所がある。普段は真面目で良い父親の顔をしているのに、いざコトが始まると意地悪になる。俺が嫌がったり、逃げようとする素振りを見せると執拗に責めてくる。
昔は俺の嫌がる事はしたくないって言ってたのに、俺の本気の嫌か、たじろぎの嫌か判断出来る様になってから、少しタガを緩めたらしい。俺も本気で嫌だったら抵抗してるが、嫌じゃないからされるがままになってしまっているのだが。
「あ……ん……もも」
胸元まで下りてきたモモの顔に俺は制止をかける。
「なんだ? 痛かったか?」
「うぅん……キスしたい」
「わかった」
モモが屈んで俺に顔を寄せてくる。
彼の頬に手を添えて、引き寄せるように力を加えると、意図を理解して口を開けてくれた。
「んぅ……」
「はぁ……」
熱い吐息が零れる。角度を変えて何度も貪り合う。
『グリ』
「んんっ!」
両胸の突起を同時に押し潰され、痺れが走る。ビクっと身体が跳ねて、腰が浮いてしまう。
キスも胸を弄る手も止まらない。モモは俺を逃がさない様にしっかりと押さえ込んでくる。
「ん……ふっ……う」
指先で摘まれて引っ掻かれてると身体の奥が熱くなっていく。
快楽を教え込まれたソコはぷっくり腫れて、もっと触って欲しそうにピンと芯を持ち、主張を始めた。
「ジュン……」
「あぁ! んやぁ!」
性器と変わらぬ感度を持つ突起に爪を立てられ鋭い快感を与えられる。そのまま口に含み、飴玉を転がす様に舌で執拗に責め立てられる。
「ひゃっ、あっ! だめ、ダメだっ、もも、ももぉ!」
身体中の熱が一気に下半身に集まる。
モモは俺が絶頂を迎えそうなのを察知して動きを止めた。
寸止めされた俺が潤んだ目でモモを睨むとモモは微笑みながら額に口づけを落とす。
「あまり煽るな」
「あぉって、ない」
「……無意識は恐ろしいな」
「?」
苦笑してモモは、自分の膝をついている場所に目を落とした。俺もモモの視線を追う。
……股の間にあるモモの足に擦り付けるように腰が縦に波打っていた。
「ぁ、あ、違……」
「何が違う? よくある事だ。そう恥ずかしがるな」
卑猥なダンスをしてしまった事実を指摘される。俺は羞恥で首まで真っ赤になった。
しかし、この状態は苦しいだけだ。
一度行動を意識してしまうとどんどん辛くなる。
顔を覆って必死に耐えようとするとモモはそんな事させまいと腕を剥がしてくる。
俺の目尻に浮かんだ涙にモモが吸い付いて、宥めるような口付けを施して頭を撫でられる。
「私しか見ていないんだ。存分に乱れても、何も問題は無い」
「……ぅ、ん」
「このままでは動き辛い。足を開いてくれ」
促されるままに、腿を挟んでいた両足を開脚する。股座でパジャマの薄生地を押し上げていた自身が苦しげにひくついていた。
モモがズボンごとパンツをずらすと、勢いよく飛び出したいつ見ても凶悪な造形の性器の先端から先走りの雫が飛び散る。
その光景を目の当たりにした俺は堪らず喉を鳴らした。
「……口が開いてる。咥えたいのか?」
「なっに、違……わ、ない、かもしれない」
ダラっと涎が垂れてしまい、否定し辛い。しても説得力が無い。
この身体は、モモの全てを欲している。大好物を目の前にした犬のように舌を出して息を荒げている自分に気付いても、どうしようもない。
『ピト』
「ほら、ジュン。あーん、してみろ」
俺の胸に跨りながら、唇に自身の先を押し付けてくるモモを見上げた。
愉快気に笑うモモを見て、俺はちょっとムカついて眉間に皺を寄せる。
「……モモのエッチ」
「ふふ、今更だろう?」
「…………そうだな」
言い合うつもりはない。俺は素直に従って大きく口を開けた。モモはそんな俺の頭を押さえてゆっくりと挿入していく。
「ぐっ……んっ……んんっ」
熱くて硬い質量が口内を満たして呼吸が詰まる。
俺の唾液なのかモモの先走りなのか分からない液体が混ざって口腔を満たして口角から溢れ出す。
モモの性器は人間のモノとは違って、表面に肉粒が無数に生えている。それが喉奥や頬の内側に擦れる度に気持ち良くてゾクゾクした。
「んぅ……ふ……んっ……んっ!」
上顎に亀頭が当たってビクッと腰が揺れる。
「ジュン、すごく気持ちいい」
「んぶっ! ん、ん、ふっ!」
両手を掴まれて、モモが動く。激しく抜き差しされて、まるで道具のように扱われるがそれも嫌じゃなかった。
「く……っ、は……ジュン、そろそろ出る……」
切羽詰まったモモの声音に俺は応えるように強く吸い上げる。するとモモの腰が震えて喉に大量の精液が叩き付けられた。
「んぅっ……んんぅ!」
飲み込みが間に合わず、口に溜まっていく。ズルリと引き抜かれた瞬間、溢れないように口を結ぶ。頬が少し膨れる程度には収まった。
もったりと粘性のある生暖かい感触が舌の上に乗っている。
モゴモゴと小分けに嚥下していると、モモが何を思ったのかククッと喉を鳴らした。
「?」
「ゴックン出来たか? 飲み込むまで、次はなしだぞ?」
「ぅ、ゲホ! ゴホッゴホッ!」
なんで今このタイミングで言うんだソレを!
「やめろ。萎える」
「そうか? 娼館にはこういうプレイもあるんだろ?」
「あるけど、俺の守備範囲外だ。もぉ……」
俺の上から降りたモモと向かい合うように身体を起こす。
「セックスの最中に子どもの事あんまり言わないでくれ」
「……すまん。嫌だったか。しかし、何故? 悪い事ではないはずだが?」
「うーん……そう、なんだけどさ。純粋な子ども達の事思うと、エッチな気持ちでいる自分が酷く恥ずかしくて、居た堪れなくなる」
「……?」
モモはピンと来てないようだ。コレは個人的なメンタルの問題だしな。
性的な事を未だにいけない事、汚い事だと思ってしまっている所為だ。
「……自分の汚さが浮き彫りになると言うか」
「お前は綺麗だが?」
「……いや、そうじゃなくてコレは俺の考え方の問題。ごめん、変な空気にして」
「…………ジュン」
モモが神妙な顔付きで俺の頬に張り付いた髪を払うように撫でてきた。
「私にはよくわからない部分だ。しかし、やはりお前は美しいぞ。ジュンが汚れと思っているものは、私にとってはジュンの模様の一つにしか過ぎない。だから、そんな風に自分を貶めるような言い方は止めてくれ」
「……ありがとう。わかったよ」
モモは俺が自虐的な態度を取ると途端に不機嫌になる。
自分を傷付けるな。大切にしろ。耳にタコが出来るくらい言われた言葉だ。
けど、それはそれとしてセックスの子どもの話題はNGとした。俺の精神上どうしても無理だ。
モモは深々と頷き了解してくれた。
「……続き、するか?」
「ああ。勿論」
向き合った状態から、お互いの服を全て脱がし合い、肌を密着させる。
対面座位の状態で俺達は何度も口付けを交わしながら、挿入の準備をする。
潤滑油要らずの俺のアナルはしとどに濡れて、モモの性器を待ちわびていた。
指で軽く解されただけで、すぐにでもモモのモノを受け入れる事が出来る。
「挿れるぞ?」
「ん、きて」
『くちゅ』
「あっ……ぁ……ふぅ……っ!」
『ぐぷん!』
モモの首に腕を回して抱き着き、腰に足を絡めて身体を固定する。
奥まで入り込んだ熱い楔に息が止まりそうになる。
「ん……は……はいった、ぜんぶ」
「そうだ。ジュンの好きな所に私のモノが届いている」
「ん……わかる、モモの、ドクンドクンしてる」
脈打つモモ自身を感じながら微笑む。
モモも俺の腹を撫でながら嬉しそうに目を細めた。
「動いても大丈夫か?」
「ん、大丈夫」
「……ふっ、く……ぅ……ん、ん」
『パチュッパチュン』
「はっ……んっ……んんっ」
最初はゆっくり、徐々に速度を上げてピストンされる。
突き上げられる度に前立腺が刺激されて快感が身体中に広がっていく。
「あ、そこっ! んっ……いいっ! んゃ、もっと……!」
「もっとか。良いだろう。お望み通り……っ」
「あぅ! ひぃ! ぁああ! 激しすぎ、はげし、いっ!」
急に激しく揺さぶられて目の前がチカチカした。
結合部からはジュブジュブと卑猥な音が響き、肉同士がぶつかり合う乾いた音と混じって聴覚を刺激する。
ああ、何百と経験したはずの営みと快楽なのに、何故こんなにも飽きも慣れも無く、夢中になれるのだろう。
「はっ……ふっ……んんっ! イき、そ……!」
「ああ、いいぞ」
「やっぁ、だめ! 奥ぐりぐりしたら! すぐイッちゃうから!」
「はは、ジュンは本当にココが好きだな」
「好き、すき! 奥、モモのでゴリゴリされると頭真っ白になって、気持ち良くて……っ!」
聞かれた事以上の事をベラベラと喋ってしまう。モモはそんな俺の痴態を見て楽しげに笑い、より一層腰の動きを強めた。
「は、ぁ、イクッ、イグゥッ!!」
「ジュン、私も……」
「なか、出して、いっぱい……モモのせーえき欲しい……っ」
四肢でモモに縋り付いて、自らモモを締め付ける。
絶頂に向けて駆け上がる感覚に背筋が震えた。
一際強く打ち付けられて最奥まで突かれた瞬間、俺は精液を吹き上げモモと自分の腹を汚した。
「ぁ……ぁ、あつい」
ドプンとナカにモモの精液が注ぎ込まれる。
疲れが癒えていく感覚は、爽快感があって好き。
暫く余韻に浸っていると、モモが身体を離そうとしたので、慌てて身体に回した手足に力を入れる。
「ジュン、ちょっと、力を緩めてくれ」
少し焦った様子でモモが俺を引き剥がそうとする。
俺は眉間にシワを寄せた。嫌だ。まだこのままが良い。そう意思表示すると、モモは困ったように溜息を吐いて苦笑を浮かべた。
「……仕方のない奴だな」
呆れたような物言いだが、声音は優しかった。
モモは優しく俺の頭を撫でて、そのまま長い髪を指に絡ませて遊んでいる。
「モモ、まだシたい」
「……明日起きれなくなるぞ」
「一回だけ」
「一回で済んだ事あったか?」
「…………」
無いな。いつも最終的に二回三回して寝落ちするパターンが多い。
今日だってきっとそうなる。
「ジュン、また明日の夜にシような」
「……うん」
もう少し、モモの熱を感じていたかったが、あまりわがままを言ってはモモに呆れられてしまう。
手足を解いて、二人でセックスの後始末をして着替えた。
ベッドに横になったら、甘えるように首に頬擦りする。
モモは俺の意図に気付いたのか、俺の背中に腕を回し、あやすようにポンポンと叩いた。
モモの胸に抱かれて、次第に眠気が襲ってくる。
「ジュン、おやすみ」
「……おやすみ」
意識が落ちる瞬間、モモにキスをされた気がするが確認する間も無かった。
※※※
『チュンチュン……』
『ゴソゴソ』
「ん、んん……ジュン、朝からは熱烈だな」
……? モモの寝惚けた声が聞こえて目が覚めた。覚醒しきれていない頭でモモの言葉を理解しようとしたら……ベッドの中でモゾモゾと何かが這い回っていた。
何だコレはとぼんやりしていると、モモが目を開けた俺にキスをしてきた。
「んっ……ん、ぁ」
ぬるりと舌を絡めあう。ゆったりとマイペースに。
脳が蕩けてしまいそうに甘い。
満足して口を離すと、モモが幸せそうに微笑んでいた。
額をくっつけて、もう一度キスを──
「……パパ?」
「「!!?」」
俺達は勢いよく飛び起きて布団を捲り上げた。
ベッドの中にはアカリが居た。
モゾモゾゴソゴソしてた原因はいつの間にか潜り込んだアカリだったらしい。
「ア、アカリ……おはよう。どうした?」
「卵探しに来たの」
「……はぁ、アカリ。そんな昨日の今日で卵は見つからないよ」
俺は大きな欠伸をしながらアカリを諭す。
モモはまだ眠そうに目を擦っている。
しかし、そんな事はお構い無しに、アカリは頬をぷくぅ~っと膨らませて、不服を訴えている。
「いつ!? いつ見つかるの!?」
「アカリ、命はそう簡単に産まれないんだ。大事な家族を迎える為の準備が色々あるんだよ」
「……でもぉ」
「アカリ、とりあえず朝ごはん食べようか」
「うぅぅ~」
アカリは納得いかない様子だったが、空腹には勝てなかったようで渋々と部屋を出て行った。
「モモ、大丈夫か?」
「……ああ、平気だ」
少し青い顔をしているモモの体調が心配になった。平気と言いつつ手で顔を覆っている。
「…………お前が言っていた事がよくわかった」
「?」
「子どもに自分の性欲を見られるのは、酷く心苦しい」
「……ああ、そうだな」
先程の甘ったるいキスを思い出して冷や汗が止まらない。
俺のは興奮して勃ちそうになっていたが、モモのは完全に息子さんが反応していた。
知らなかったとは言え、娘の前で勃った罪悪感でモモは酷く落ち込んでいた。
「鍵でも取り付けとくか?」
「……そうだな」
次の子達を考える前に上の子達への対策が必要のようだ。
12
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる