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第6話「鑑定スキルと鑑定魔法の違い……」
しおりを挟む変な風に始まった自己紹介も終わり、気恥ずかしさの中魔の森の中を周囲を探索して歩く。
因みに一緒に森を見て回っている、筋肉ムキムキのスキンヘッドの人はロズと言う名前らしく、意外に気さくで良い人だ。
ロズになぜこんな短期間で仲良くされているかと言うと、リュックに入ってた飴を2人に渡しただけなのだが、砂糖菓子はこの世界では高級品だったらしく貴族が食べる嗜好品だったらしい……当然砂糖が高級という事になる。
急に飴を取り出して皆に配ったもんだから、2人は目を白黒させてとても面白かった。
因みにコレは廃棄品ではなく、倉庫内でメーカー卸値格安で買える懐にとても優しい菓子類で、リュックには数種類買い置きが入ってる。
バイト行った時いつも買う妹へのお土産だった。
ロズが言っている錬金術については、自分が使えるとは一言も言って無い。
たまたまハーバリウムの鑑定結果に、錬金術師が主に使うと思われる文字があったので、皆が勘違いしたんだろう……と思いエクシアに説明した。
「異世界製の仕組みはよく分からないね……でも何にせよあれはいい物だよ!」
と、そう教えてくれた。
「あんた達は『流れ』だから知らなくて当然だろうが、鑑定の巻物って言ってね物はもちろんありとあらゆる品が鑑定できるんだ。それに自分の簡易的な能力鑑定が出来るんだよ」
たしかに自分のステータスもわからずに魔の森をうろつくのは危険だ。
エクシアの説明では、自分のステータス位は子供でも親に調べて貰ってるものだという。
孤児でさえ最低限の事は、孤児院で調べている程らしい。
なので街に戻ったら一番最初に確認する方がいい様だ。
じゃないとこっちで暮らすだけでも大変だろう。
ただし、マッコリーニから買うのは辞めた方がいい様で、『流れ』とかそれ以外にも厄介な事が知られる可能性も捨てきれないからだと言う。
自分自身を知らないんだから当然だ。
極め付けだが、僕達みたいなのは『コッソリ鑑定して読んだら即燃やす』証拠残して得はないという事だ。
エクシアにそう詳しく説明をして貰った。
異世界の夜を過ごす初日に、貴重な体験ができて本当によかった。
折角なので、この際に質問できる事はしておこうと決め、エクシアと話をする。
「ところでエクシアさん。教えて欲しいことがあるんですが」
「ん?なんだい?年齢を聞いたら首から上と下が暫くサヨナラするから、そのつもりでな!」
と、物騒な事を言いながらも、一応は質問に答えてくれるらしい。
「実はさっきから見かける物の殆どに、名称が浮かんでるんですが……コレはこの世界では常識なんでしょうか?」
そう言うと、
「は?…た…例えば?」
などと、エクシアは不思議そうに尋ね返す。
僕はおもむろに足元のキノコを獲って、
「例えばコレなんですが『ゴブ茸 回復キノコ類、サイズ中、食用、とても美味、傷薬・軟膏・ポーション小の材料、etc』などなど、色々文字が浮かんで書いてあるんです」
「…(エクシア)」
「…(ロズ)」
「…(そうま)」
それを聞いて黙ってしまったが、見回すと何故かそうまも唖然な顔で黙っている。
僕は流れ組の皆に、更に質問を変えて質問をする。
「3人は見える?『文字とかマーク』とか何か………何か特別な感じになっているとか?」
そうすると、そうまが見たままを答える。
「キノコが見える?って言うかキノコだよな?」
しかし相反して、結菜と美香は……
「「薬効茸『塗り薬の材料』って文字なら読めます」」
思わず声がハモった2人はお互いを見合う。
どうやら2人も何かが見えるが、見えない様に装っていた様だ。
「…え~~~?(エクシア)」
「…い?(ロズ)」
「…お?(そうま)」
それを聞いた3人は、更にびっくりした様子だ。
ロズとそうまは、今の返事で色々と聴きたそうな雰囲気だったが、脱線気味になりそうだったエクシアは話を本題にもどす。
「ちょっと待った!美香と結菜の2人の見え方は今は置いとこう!それより意味不明なコッチだ!」
「姉さん!そうっすね!コレはもしかすると~もしかしますぜ!」
「だねぇ!とんでもない事になるかもだ……」
2人共そう話して、とても興奮気味に僕を見る。
「文字が浮かんで見えるって言ってたけど、まさかアタシにも文字が見えるのかい?」
そう言われたので、エクシアをよくよく見ると…
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
エクシア (紅蓮のエクシア)
冒険者ランク 銀級 グループ等級 銀3級
LV.23
HP.◇◇◇ MP.◇◇◇
STR.◇◇ ATK.◇◇◇ VIT.◇◇
DEF.◇◇ INT.◇◇ REG.◇◇
DEX.◇◇AGI.◇◇ LUK.◇◇◇
武器、鉄の剣(劣化15)(破損10)
盾、オークジェネラル革のスモールシールド(劣化5)(破損15)
兜、ワイバーンスカリーヘルム(劣化5)(破損4)
鎧、ハイリザードスカリーメイル(劣化12)(破損5)
籠手、ワイバーンスカリーガントレット(劣化5)(破損3)
靴、オークジェネラル革グリーブ&ブーツ(劣化5)(破損5)
アクセサリー1、魔物除けのチャーム(範囲効果 50歩)
skill◆
skill◇
所持品
魔石ランタン(効果 魔石が切れるまで周りを照らす)
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
じっくり見てみるともっと詳しい詳細が現れたので、見たままをエクシアに伝える。
エクシアはロズとびっくりした顔で見あってからは、記憶を頼りに何やら考え込んでいる。
「成る程……理由は判らないがアタイの知っている鑑定魔法とは何かが違うね。無意識で魔法を対象に唱えてるのかね?」
そう僕の顔を見ながら言った後、首を傾げながら……
「それとも……まだ使い始めて間も無い『鑑定』だからなのかね?って言うか紙に書き写して見るんじゃないかね?鑑定の魔法ってさ。あ、触媒紙が無いからかな……うーん……色々わからなすぎるね…」
ぶつぶつ呟きながら情報を整理するエクシアに、何故かロズが質問をする。
「所で◇◇◇って言ってましたが、なんで◇が3つも連なってるんですかね?姐御?」
ロズがそう聞くとエクシアは、心の底から呆れた様に説明をする
「ちょっと!問題はそこかい?まったく。そりゃ……決まってんだろ3桁ってこった」
「じゃあ……何でステータスに◇◇って2個しか無い部分があるんでさぁ?」
「あんた…冒険者やって何年なんだい?基本値は最大99だって鑑定師に何時も言われてんだろう?HPにMPそれと攻撃力に防御力なんかは武器や防具、力に耐久が関係してんだって。だから3桁があるんじゃないか!」
「場合によっては4桁だって行くんだよ。一から冒険者やり直せ脳筋!ったく……」
何やら他の鑑定とは違う様だが◇の所には数字が入るらしい。
今は経験不足なのか……それとも他の理由からか、伏せ文字の様になってるらしい。
今日異世界に来たばかりで全部が解る方が都合が良すぎるだろう。
当然それらの質問をする……聞ける時に聞かねば困るのは自分だ!あの真紅の魔女の時の様な事態はごめんだ!
「成る程!いい事教えて貰えました。って事は今はまだ力不足で見えないって事なんですね?」
そう質問すると、エクシアは『通常の鑑定と比べる様』に説明をしてくれる。
「色々と知っている鑑定と違うが、その部分は多分そうだね。レベルなんかは数字で出てんだろう?だったら見えない部分は理由があるんだろうね。まぁ話では今日あんたがいた世界からコッチに来たばかりなんだろう?出来なくて当然なんじゃ無いかい?」
エクシアの回答は、僕のさっき考えた事と似ているので、多分使っているうちに変化が起きるかもだ!
そしてエクシアは結菜と美香を見て、説明をする。
「それと、2人の見え方が違うのは『鑑定じゃなく薬師』だからだね。私も同じスキルがあるから、同じ風に見えてるからね」
意外にも、エクシアは結菜と美香と同じスキルを持っていた。
同じ話題が出来るせいか、エクシアはちょっと興奮気味に話し始める。
「びっくりしたわ!あたしゃこの薬師のスキルやっとの思いで取ったのに!既に持ってるなんて……それも2人も!」
エクシアは、横に倒れている木に座り話し始める。
「薬師ってスキルはね、適性が無いと使えないんだよ!薬師の店で薬草を買っては磨り潰す……それを繰り返し適性があるか調べるんだ」
そう言って足元の変な形の草を取るが、それは『雑草』だ。
しかし、気にせずに話を続ける……
「まぁ薬草は採取してもいいんだが、薬師でも無いと薬草がどれかも判らないからね!大概店で買うんだ。それも薬師は、適性が分かるまで個人差が有るから厄介なんだよ!」
その説明にいち早く声を出したのは、結菜でも美香でも無く、ロズだった。
「姉さん薬師のスキル取れたんすか!とうとう!すげぇっす~。コレで冒険も楽になりギルドも、もっと賑わいますね!街に帰ったらお祝いっすね!」
「まだ作れるのは低級塗り薬がやっとだよ。それにしてもスキル2の◇ってのは何なんだろうね?あたしゃ持ってるスキルの薬師だけなんだけどね」
どうやら2人が持っているスキルは、それなりにレアなスキルらしい。
文字通り取得方法が厄介で、取るにも地道な準備が必要らしい。
それでも取れるかどうかは適性による運任せと言う……一生かけても取れない可能性さえあるスキルだけに、2人とも嬉しそうだ。
結菜にしてみれば仕事が、看護師だけに薬関係のスキルが取れたのは大きかった様で、薬効の高いキノコ類や草花についてエクシアを質問攻めにしている。
その間、美香に関しては近場のキノコや草花やらを中心に色々と集めていた。
よく考えてみれば、2人とも歩きながら草や茸を中心に集めていて、てっきり浮かび文字が同じ様に見えていて、食用のキノコや草を集めていたのかと思った。
今日は仕方ないとして、ちゃんと自分たちの情報を纏めて、皆で話す時間を作る必要がありそうだ。
今でさえ魔の森に足を踏み入れている。
何も出来ない自分達が『魔物除けのチャーム』に頼りっきりではいけない……そんな事を考えていると、ロズの何げ無い一言が、僕の考え方に大きな変化をもたらした。
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