手違いで異世界に強制召喚されました!

ZOMBIE DEATH

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第11話「初めての村」

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 僕らを乗せた商団の荷馬車は魔物に襲われながらも数日走った後、目的の街から3日程にあると言う村「ロックバード」に早朝に着いた。


 僕らがこの異世界に辿り着いて、初めて見る多くの人が暮らす場所だった。


「すいません皆様……実は荷馬車の車軸に負荷がかかり過ぎて、修理せねばこのままでは街まではとても着く事が出来ません。ですのでこの村にて一度荷馬車を修理させて戴きます」


そうマッコリーニに言われた僕らは、荷馬車の修理が終わるまでこの村に足止めとなった。

 この村には運良く部品もあり、修理には約1日かかるとの事なので、修理が完了するそれまでの間はこの村で滞在となった。

 滞在期間の宿代と食事代は、なんと僕達の分まで商団側で負担してくれた。

 そして、酒場と食堂及び宿屋は既に手配済みだったので、各々が気兼ね無く寛いでいた。


 村の規模は一番近くの街から、3日程度ともあり他の村に比べて比較的大きいとエクシアが教えてくれた。


 僕達流れ組にとっては異世界初めての村ともあり、僕らはエクシア達に連れられて色々と教えて貰いながら街を巡る。


 とりあえず、魔物がいるこの世界で武器が無いことでは身も守れないので、一番最初に行ったのは『武器屋』だ。


 街から近いと言っても『村』程度の武器屋なので街の様な専門店では無いらしく、武器と防具の両方を取り扱っていた。



「おお!エクシアさん久しぶりだね!この村には何の用事だい?」


「おお~おっちゃん!実はマッコリーニ商団の依頼で海辺の街まで行ってきた帰りだよ!実はさ、おっちゃんにちょっとお願いがあるんだけど、コイツらに武器と防具見繕ってくれないか?」


「はいよ!んで……お連れさんは何人で、職業はなんだい?」


「コイツ達4人さ……まだ冒険者の登録がまだだから基本の装備でいいよ。適性見てからじゃ無いと揃えるにも、無駄になるしさ。」


「おいおい!そこのは商人じゃないのか?この辺りでなんの装備もなく出歩いてんのか?死にに行く様なもんだぞ!いい歳して何考えてんだ……それも4人ともか!?なんだ……訳ありか?」


「詮索はしないでくれると助かる。一応全員、初心者装備でよろしく頼むよ」


「おし!任せとけ!どんなマヌケでも客には違いないからな、外套もだよな?じゃあ一揃え持ってくるから待ってな」


 ひどい言われ様だ……物騒な世界に来たくて来た訳じゃない!と言いたいがバレるから辞めておこう。


 店主が用意している間、流れの皆で店内の武器や防具を見て回る。


 刀や槍などは、修学旅行で城の見学行った時に何度か見た事があるが、今ここにある武器は元の世界では使う事のない本物の武器で、それ等を買いに来たなんて実感が湧かない。


 暫くして木箱数個に山盛り4人前用意されたのは、この村の武器屋の基本装備らしく店主が説明をしながら配ってくれた。


 装備一覧はこんな感じだ。

・ナイフ
・バックラー(沼バッファローの革張り)
・沼バッファローの革張りヘルム
・オークと沼バッファローの鞣革の胸当て
・沼バッファローの革張り籠手
・ホーンラビットの毛皮ブーツ
・道具袋(小)(腰ベルトタイプ)
・道具袋(大)(片紐タイプ)
・革製の外套

 一振りのナイフに、革張りのバックラーと言われる小さい盾、コレは初心者冒険者には基礎中の基礎らしい。


 ナイフと言ってもフルーツを切るようなナイフでは無く、中世のダガーと呼ばれる方が相応しい。


 刃の厚みは1.5cm以上はあるだろう、長さにしては20cm位はあり、主に戦闘用だと言うのが見てすぐにわかる。


 バックラーは取り回しが良く、消耗品に近い扱いだとエクシアが言ってたがロズと店主は頷かなかった。


 ぼそっとロズが……『いつも敵に放り投げるから無くなるんですよ』と言って殴られていた。


 頭部の装備と籠手は、沼バッファローと言われる非常に厚く耐久に優れた厚革を持つ魔物の革を使った帽子と手袋で、価格が安いのに使い勝手はそこそこらしく、使い込むと凄く馴染む装備らしい。


 鎧はオーク革を使ったの胸当てで、致命傷を避ける為に重要な場所にはオーク革が使われそれ以外の場所は沼バッファローの鞣革が使われている。


 ブーツは足元が冷えるこれからの季節を考えてホーンラビットブーツで、内側に名前の通り毛皮が使われていて非常に暖かそうだ。


 この地方の冬は非常に寒いらしく、現地の村人も使うらしい。


 他にも冒険をする上で必要な防寒具にもなる外套も入っていた…所謂マントだ。


 これは冒険をする上で急に雨が降ってくる事もあるし、野宿を強いられる事もあるので必須との事だ。


 それとアイテムをしまう為の腰ポーチ型と背負型の道具袋……腰ポーチ型はポーションや解毒剤をいつでもすぐに取れる形状で背負型は布製のリュックの様な物だ。


 僕は『不壊』のリュックがあるので必要無いと思ったが、わざわざ戦闘中に背中のリュックを開けて戦っていたら命が何個あっても足らない。

 ……と、気がついたので腰ポーチ型を買うことにした。

 この間の戦闘訓練で大変だったからだ!


 背負型はリュックがあるから断ろうとしたが、エクシア達は革製の大型の背負いバッグの他に布製を幾つか予備で持っているらしく、店主が折り畳めば嵩張らないと言ったので僕も買う事にした。


 戦闘の訓練をした時に分かった事だが、戦闘中はリュックの取り回しは非常に悪かった。

 戦闘中の事だが攻撃を避けた際に、背後の茂みに隠れていたラビットの噛みつきで怪我をしてしまい、貰っていた傷薬を取ろうとした。

 しかしその時、ホーンラビットの突進攻撃が当たりそうになった事があり、運良くリュックの不壊に救われた。


 この村に来るまで馬車で移動中の数日間で暇を見ては、何度か戦闘訓練をエクシア達に手伝って貰っていた。

 そのお陰で、ここの装備分の費用を賄える位の素材が手に入ったので、それ等を支払いに充てた。


 エクシア達にしてみれば貴重なチャームを売ってくれたお礼の様だったが、実は入れる瓶さえあれば、あと30個は造れる位素材が余っているのは話さないでおいた。


 訓練終了後に『鑑定』の件やステータスの見方など、急ぎの質問があることは済ませておいた。


 しかしエクシアは内容を聴くなり


「絶対に他言しちゃダメな内容だから!ステータス情報なんて絶対に人に教えるもんじゃない。」


 って言いながらも、流れのステータスに興味があるのだろう根掘り葉掘り聞いていた。


 此方はと言うと……聞いた上で注意事項を詳しく教えて貰わないと判断さえ覚束ない。

 ゲームなどで見かけた内容が見て取れるが、僕ではこっちの世界では『普通じゃない』って事が判別出来ない。


 そんな訳で味方が必要だと判断して、エクシアなら信用がおけそうなのでその事を伝えると……


「街に帰ったら(魔法契約)を作成するから、取り敢えず話してみな!」


 とまで言われた……感謝しかない!


 困るのは自分なのでつつみ隠さず話したが、スキルの話をし始めた頃には


「絶対ダメなやつだ……鑑定屋には勿論、鑑定神殿なんてとても出せない内容だ!スキル内容を知られたら王都軟禁で研究対象まっしぐらだ。鑑定魔法じゃなくて!スキルの鑑定って何だよ!初耳だよ!」


 と言い始めていた。


 因みに、鑑定LV.2 の話をした時は、


「鑑定にレベルが存在してるとは思わなかった……何と無く熟練度かとか思ってたけど……レベルで鑑定結果変わるんだ!凄いこと聞いちゃった!」


 と……錬金術LV.5の話をして、この世界での錬金術に対する扱いの説明を求めた時は、


「れ…錬金術師様……うちのギルドに……錬金術師様……王都のギルドにも居ないのに!ウチに!」


 目が虚だ……スキルレベルの話と錬金術の詳しい説明を求めたが……話を聞いてない様だ。


 失われて久しいとロズが会った時に言ってたので聞いても判らないかもだけど……


 目が虚で話も聴こえてない様なので、仕方なく暫くホーンラビットの解体練習をする事にした。


 因みにホーンラビットは数匹で群れを作る魔物で、額の角を武器に群れで勢いをつけて突っ込んでくる攻撃をする。


 ウサギにツノを付けた様な可愛らしい体躯だが、ツノは非常に長く螺旋状に渦を巻いていて刺さるとなかなか抜けず、無理に抜くと周辺の肉を巻き込み傷が深くなる。


 そんな攻撃を仕掛けて来るので突撃攻撃には注意が必要だった。


 攻撃は結構早いのに、エクシアは突撃してくる最後の1匹に標的を絞りながらも他の突撃は避け、躱した時に蹴り飛ばす。


 最後の標的は、躱しつつも武器を持つ手とは反対の手でツノの根元を器用に掴み、ツノを持って掴み上げてトドメを刺していた。


 そうやって倒されたホーンラビットのツノを根元に刃を入れてから引き抜き、毛皮素材を剥ぎ魔石を抜いていたら正気に戻ったので、その時に空間魔法LV.2を聞いたら思考停止した後動かなくなり最後の方はまたゴニョゴニョ言いながら虚になっていた。


 実はポンコツなのかもしれない…とは言わずにおいた。
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