28 / 28
第24話「依頼人パウロの無理な頼み事」
しおりを挟む僕は取り敢えず、どう言う仕組みか手をクロークの内側に入れて弄ってみる。
すると手首から先がクロークの内側に入り込んで見えなくなった。
暫く弄っていると…
クロークの内側の次元収納の中には、不思議な事に小さな鞄の様な物が1つだけ入っていたのが分かった。
取り敢えず取り出して見ると……それは薄汚れた革製のもの凄く小さなポーチだった……
ポーチの中はサイズ的にポーション類の大きさのアイテムがギリギリ1個入る位だ。
何故こんなものが入っていたのか分からないので、念の為に鑑定をこれにもかけて見る。
どう言う経緯でクロークの中にあったのか不明なので、万が一を考えれば鑑定をかけて置いて損はない。
何故か収納の内部にあったのだ……迂闊に呪いの品の類を引かないとも限らない。
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
パウロの目眩し引っ掛け鞄
『マジックアイテム・鞄類・(レア度・⭐︎⭐︎⭐︎)』
収納サイズに合う1つの種類のアイテムのみ
数量に関わらず内部高次元収納に収納可能。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
パウロと言う有名な盗賊が作った魔法の鞄。
彼はこの鞄に、目眩しの玉を無数に入れ
ていた為、目眩しのパウロと呼ばれる様に
なった。
それに伴い、この鞄も目眩しの名が付く
ようになった。
本物のパウロの引っ掛け鞄には、彼の残
した最後の伝言があると言う。
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
まさかの棚ぼただった……
手に入れたクロークの中に、更に小さな鞄がありその鞄の中には目眩し玉を芯にして包んだ手紙が入っていた。
その為このパウロの引っ掛け鞄が本物だと言うことだ。
その内容は、なかなかに恨みがこもっていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『この手紙を読むものへ……』
お前が望みを叶えてくれるなら……魔法の鞄の作成図面のありかをお前に教えよう!
そして完成時には我が師匠の魔法のワンドもプレゼントしよう。
この鞄は俺と師匠が一生をかけて作り出した傑作だ。
しかしながら、俺はしがない盗賊に成り下がった!!
だから……結局こんな小さく惨めな鞄しか作ることが出来なかった……
もしお前が冒険者なら!鞄に必要な素材を集めて……必ず俺が残したその図面を元にこれより大きな魔法の鞄を作ってくれ!
そして俺が生涯をかけて作った、この『魔法のカバン』をバカにした帝都の魔導院の奴らに見せつけてやってくれ!
俺がしがない盗賊に落ちぶれたのも全部奴らのせいだ!
奴等には、俺と我が師匠が考案した魔法の鞄に使う素材とは違うデマの素材しか伝わっていない!!
師匠が残した物は全部焼却して、俺が残したものは特別な方法で守っている!!
だから奴等では100年経っても成功しないはずだ!
だからこれを読んだお前が俺の恨みを晴らしてくれ!
そのために必要な素材を購入する資金は、設計図と一緒にしまってある。
しまってある場所は『帝都の魔導院(フローゲル魔道士像)の裏』だ!
取り出し方は『この鞄の内側の魔法陣をフローゲル魔道士像前の石碑に押し当てれば』魔導師像の裏側にある、収納が一時的に使える様になる。
俺が手に入れられなかった肝になる一番重要な素材は「ハイドホラーの表皮」だ!!
見知らぬ冒険者よ!!頼んだぞ!
パウロ・フローゲル・jr
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
勝手に他人に頼むだなんて……全く持って迷惑だが、次元収納の作り方なんて言われれば興味を引かない方がおかしい。
チャンスがあったら是非素材を集めて作ってみよう。
その為にも強くなって『ハイドホラー』なる魔物を倒し、帝都の魔導院まで行き素材の資金と鞄の図面を回収せねば!
当面はこのダンジョンを脱出する事が先決だ。
その為にまずモンブランを泉で回収せねば……
流石にお喋り会もそろそろ終わっている事だろう。
僕は帰る前に、目の前の開けた空間に空間感知で敵がいないことを確認して、足を踏み入れて周囲の確認だけ済ます。
こうする事で空間感知が開けた空間内部をくまなく探知してくれる。
遠巻きから周囲を確認することも出来るが目で見るのと空間感知だけでは情報量が違う。
周囲は他の場所と対して変わらず、壁際が用水路のように湧き水が流れる場所になっていた。
それ以外は奥に続く通路もなく、感知を使っても目の前は紛れもない壁だった。
この空間の何処かに下に降りる場所があると思っていただけに、ちょっと不思議に思った。
しかし、無いので有れば先ほど行かなかった他の2本の何方かが、下に向かう方なのだろうと結論が出た。
真ん中の開けた通路を選ばなければ、階層主と闘わず済んだ事に気が付き若干運の無さを悲観したが、無事闘って勝ったのだ結果オーライだろう。
僕は来た道を足早に帰る……
通路を通りちょっと開けた分帰路に出る……そしてまた通路を通り水の精霊が水魔法をぶちかました部屋まで帰ってくると……
モンブランは水の精霊達に大人気の真っ最中だった。
話に花が咲いて僕がいなかったことも判ってない有り様だ。
しかしながら、水の中級精霊は僕を見るなり……
『うっそ!?ちょっと!!なに……超凄いものゲットしてんのよ!ってかこの短時間でナニ?どうしたらそうなるの?』
水の精霊の食い付きっぷりが凄かった……多分装備中のブレスレットの事だろう。
よく考えれば、水の祭壇とか書いてあった気がする。
『え?ナニナニ?水っ娘ちゃん?なに興奮してるの?』
『聖樹っ子!!興奮もなにも!あの手につけてるアレよ!アレ!』
『あー!!精霊の腕輪見つけたんだ?なかなかレアだよね?あれ有れば水っ娘ちゃんも私と同じでダンジョンのお外に行けるもんね?』
『いやいや!モンブラン!よく見なさいよ!!精霊の腕輪じゃなくて、水精霊特定のレアなアイテムよアレ!』
水精霊はブレスレットを見た途端、凄く饒舌にアイテムの凄さを語り始める……
『そのブレスレット水精霊の祭壇じゃない!それも下級でも中級でもなく……まさかの上級じゃない!万が一私が上級になってもあのブレスレット通して外に行き放題よ!?』
どうやら鑑定した内容に差異は無く、精霊の方にしてもすごく価値のある品だった様だ。
そして話の内容からして、この種類には下級・中級・上級がある様だ。
水の精霊は中級精霊だったので、上級種になってもそのまま使える口ぶりだ。
中級から上級へ精霊もランクを上げることができると判っただけでも良い情報だろう。
何せ精霊本体が言う言葉だ!嘘では無いだろう。
せっかくの品だが魔法を教えて貰った礼もあるし、流石に学んだ魔法と水鉄砲の等価交換では気が引けるので、折角なのでプレゼントしてチャラにするのも良い手だ。
「これそんなにレアなんですか?なんか魔法覚えられるって鑑定で出たので、装備して水障壁覚えたんですよ。でも装備外しても覚えた魔法が消えることが無いのは確認済みなので、一応僕的には役目を果たしたアイテムなんですよね。」
僕はそう言ってアイテムを外す。
そしてお礼を言いつつ、プレゼントと魔法がチャラになる様に言葉を織り込む。
「防御力も上がるしいい事尽くめだから装備したままなんですけど…魔法の説明もちゃんと覚えたのであげてもいいですよ?水魔法のお礼に!」
『いやいや……ヒロさんや……それを水っ娘ちゃんにあげてもね?装備した人がここに居たらダンジョンから出られませんよ!そもそも水っ娘ちゃんがそのブレスレットなんて装備できないしね……精霊だから』
まさかのやらかしだ……
精霊が装備できないのではチャラになんか出来るはずもない。
しかし水精霊は……
『いやいや!ダンジョンから出る出ないの問題じゃなく……って言うか!このダンジョンってそもそも!私たちの住んでる場所じゃないから!このダンジョンは最下層にたまたま地底湖があっただけだし、今ここに居るのも精霊を感知出来る人族が居る!って下級精霊が騒いでいたもんだから見に来たわけよ!それも最下層から急いでだよ!』
水精霊はマシンガンの様に言葉を発したが、その言葉が早すぎて理解が半分くらいしか出来なかった……
しかし困ったことに、その言葉は終わっていなかった……
『だから今のお出かけの話は、精霊の園からの話よ!まぁ……何も知らない君に教えてあげましょう!!その手の装備はですね?人間など魔力と知恵が在るものが装備して、精霊と契約する事で契約した人がその力を借りられる物なんですよ!!』
意外だった……
このアイテムは精霊契約した者が、精霊を好きな場所に召喚したり、連れ歩ける物のようだ。
一時的だが、精霊の力を借りれる夢の様なアイテムだった……
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜
くまみ
ファンタジー
前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?
「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。
仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。
病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。
「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!
「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」
魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。
だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。
「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」
これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。
伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
なろう小説の中では有数に面白いんだけど、人気が追いついていないね。
OPが読みにくいからかな?
第一話スタートの方がいいね。