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全知全能と帰り道
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学校からの帰り道、僕は絵空と善斗と一緒に歩いていた。
「やっと帰れる~……」
あれから宴をやるからと誘われたけど、僕はお母さんに夕食を食べない旨を直ぐに伝えなければいけなかったのと、疲れていて直ぐにベッドでゴロゴロしたかったので断った。蝕獣は美味いとか力になるとか、色々と誘い文句を貰ったけど、既にお腹が一杯だった僕には効かなかった。
「あー……」
しかし、あの神樹の雫は美味しかったなぁ。また飲みたいなぁ。うぅ、贅沢を知ってしまった。とは言え、僕が人生で初めてロールアイスを食べた時の衝撃とそこまで差はない。家族で旅行に行った時に食べて凄く美味しくて感動したけど、僕の家族はそこまで反応が良くなかったから余り好物と主張出来ずに居る。高いとか見た目だけとか、皆分かってないんだ。
「……飲みたいなぁ」
「何だ、酒かよ?」
僕が呟くと、絵空が冗談交じりに聞いて来た。
「何言ってんの、そんな訳……」
あったわ。そういえば、バチバチ酒だったわアレ。度数33%とかだったね!
「おい、お前。まさか本当に飲んだのか?」
「い、いや、違うよ!? ノンアルコールだから!」
善斗の鋭い目が僕を睨んだ。ノンアルコールというか、飲んだ瞬間にアルコールがノンになってるというか、ね?
「んだよ、つまんねぇな」
「詰まんないとかじゃないから。酒と煙草はやらないって決めてるんだよ、僕は」
「おー、大人になってもか?」
「まぁ、うん。あんまりやり過ぎないようにはしたいなぁ、って思ってる」
神樹の雫が美味すぎたのか、僕の魂が酒好きだったのかは定かではないが、酒好きだったとしても節度を守って行きたい所存ではある。でも、僕は心が弱いからめっちゃ飲んじゃう可能性も有り得るけど。
「ま、んなこと言ってても大人になったらどうせクソ飲むことになったりするぜ? だったら、ちょっとは酒に強くしといた方がマシってもんだろうよ」
「他人に酒を強要するような大人が居ること自体がそのものが間違い何だけどな」
「確かにそれはそうだけども」
そんなこと言ったって仕方ない……訳でも無いのか、こと僕に限って言えば。どうとでも出来るんだもんね、本当は。
「……」
裏世界では、神様であることを認めた僕だけど……こっちの世界では、人間だ。やっぱり、全ての人間を救ったり、悪い人間全てを戒めたりなんて言う、神様染みたことはあんまりやりたく無いし、やるべきでも無いと思う。
……もしかしたら、ちょっと手遅れかも知れないけども。
「あ、俺ここだ。じゃあまたな」
「あ、うん。またね」
「また明日な」
手を振って去って行く絵空の表情をふと見ると、少し疲れているような気がした。
「絵空、疲れてるのかな?」
「ん、そうか? 確かに、いつもより少し暗い気もしなくも無いが……」
善斗が首を傾げながら言ったので、僕も気のせいかと思って考えを振り切ることにした。
♢
家に帰って来た僕は、早速指輪を取り出そうとして思い出した。今日は紫苑ちゃんのところに行ってたんだった。僕は中身が空っぽになった黄金の指輪を取り出して少し眺めた後、棚の中に戻した。
「うーん……」
今日はどうしようかな。一先ずソラに会いに行っても良いけど、まだ昨日行った時の感じが残ってて時間が経った気がしないからなぁ。あ、勿論だけど時間の流れはちゃんと正常化している。
「よし」
異世界、行こう。そうしよう。でも、学校で疲れたからちょっとベッドでゴロゴロしてからだ。昨日も思ったけど、やっぱりベッドでスマホを見ながらゴロゴロしている時間は何にも代えがたい。惰性でありながらも至福の時間だ。
「ふー、よいしょっと」
制服から着替え、イヤホンを付けてベッドに転がり込んだ僕は動画を見たり、漫画を読んだりしながら疲れた体と心を癒し、そしてSNSをボーっと見るフェイズに入った。この時間を空虚に感じた時が、僕がスマホを触るのを止める時間である。
「……んー?」
僕はスマホを縦にスワイプする指を止めて、目を凝らした。
「うわー、こんなことあったんだ」
田宇神というゴーストタウン染みた街があるんだけど、そこの建物が幾つか吹っ飛んだらしい。爆発事故だとか何だとか、なんかヤバいことが起きたらしいね。
うへぇ、怖いなぁ。やっぱり、放置されてる場所だとそういう見えない危険みたいなのがあったりするんだろうか。行くことがあったら気を付けよう……いや、気を付けなくたってどうにかなるんだけどね。
「……よし」
僕はイヤホンを耳から外し、スマホをぽちっと切って充電した。それから耳かきをケースから取り出し、無心で楽しんだ後に全知全能の力で向こうの服に着替え、異世界へと乗り出す準備を整えた。
「行こうか」
さて、一旦は晩飯までしか時間は無いけど……今日は何をしようかな。
「やっと帰れる~……」
あれから宴をやるからと誘われたけど、僕はお母さんに夕食を食べない旨を直ぐに伝えなければいけなかったのと、疲れていて直ぐにベッドでゴロゴロしたかったので断った。蝕獣は美味いとか力になるとか、色々と誘い文句を貰ったけど、既にお腹が一杯だった僕には効かなかった。
「あー……」
しかし、あの神樹の雫は美味しかったなぁ。また飲みたいなぁ。うぅ、贅沢を知ってしまった。とは言え、僕が人生で初めてロールアイスを食べた時の衝撃とそこまで差はない。家族で旅行に行った時に食べて凄く美味しくて感動したけど、僕の家族はそこまで反応が良くなかったから余り好物と主張出来ずに居る。高いとか見た目だけとか、皆分かってないんだ。
「……飲みたいなぁ」
「何だ、酒かよ?」
僕が呟くと、絵空が冗談交じりに聞いて来た。
「何言ってんの、そんな訳……」
あったわ。そういえば、バチバチ酒だったわアレ。度数33%とかだったね!
「おい、お前。まさか本当に飲んだのか?」
「い、いや、違うよ!? ノンアルコールだから!」
善斗の鋭い目が僕を睨んだ。ノンアルコールというか、飲んだ瞬間にアルコールがノンになってるというか、ね?
「んだよ、つまんねぇな」
「詰まんないとかじゃないから。酒と煙草はやらないって決めてるんだよ、僕は」
「おー、大人になってもか?」
「まぁ、うん。あんまりやり過ぎないようにはしたいなぁ、って思ってる」
神樹の雫が美味すぎたのか、僕の魂が酒好きだったのかは定かではないが、酒好きだったとしても節度を守って行きたい所存ではある。でも、僕は心が弱いからめっちゃ飲んじゃう可能性も有り得るけど。
「ま、んなこと言ってても大人になったらどうせクソ飲むことになったりするぜ? だったら、ちょっとは酒に強くしといた方がマシってもんだろうよ」
「他人に酒を強要するような大人が居ること自体がそのものが間違い何だけどな」
「確かにそれはそうだけども」
そんなこと言ったって仕方ない……訳でも無いのか、こと僕に限って言えば。どうとでも出来るんだもんね、本当は。
「……」
裏世界では、神様であることを認めた僕だけど……こっちの世界では、人間だ。やっぱり、全ての人間を救ったり、悪い人間全てを戒めたりなんて言う、神様染みたことはあんまりやりたく無いし、やるべきでも無いと思う。
……もしかしたら、ちょっと手遅れかも知れないけども。
「あ、俺ここだ。じゃあまたな」
「あ、うん。またね」
「また明日な」
手を振って去って行く絵空の表情をふと見ると、少し疲れているような気がした。
「絵空、疲れてるのかな?」
「ん、そうか? 確かに、いつもより少し暗い気もしなくも無いが……」
善斗が首を傾げながら言ったので、僕も気のせいかと思って考えを振り切ることにした。
♢
家に帰って来た僕は、早速指輪を取り出そうとして思い出した。今日は紫苑ちゃんのところに行ってたんだった。僕は中身が空っぽになった黄金の指輪を取り出して少し眺めた後、棚の中に戻した。
「うーん……」
今日はどうしようかな。一先ずソラに会いに行っても良いけど、まだ昨日行った時の感じが残ってて時間が経った気がしないからなぁ。あ、勿論だけど時間の流れはちゃんと正常化している。
「よし」
異世界、行こう。そうしよう。でも、学校で疲れたからちょっとベッドでゴロゴロしてからだ。昨日も思ったけど、やっぱりベッドでスマホを見ながらゴロゴロしている時間は何にも代えがたい。惰性でありながらも至福の時間だ。
「ふー、よいしょっと」
制服から着替え、イヤホンを付けてベッドに転がり込んだ僕は動画を見たり、漫画を読んだりしながら疲れた体と心を癒し、そしてSNSをボーっと見るフェイズに入った。この時間を空虚に感じた時が、僕がスマホを触るのを止める時間である。
「……んー?」
僕はスマホを縦にスワイプする指を止めて、目を凝らした。
「うわー、こんなことあったんだ」
田宇神というゴーストタウン染みた街があるんだけど、そこの建物が幾つか吹っ飛んだらしい。爆発事故だとか何だとか、なんかヤバいことが起きたらしいね。
うへぇ、怖いなぁ。やっぱり、放置されてる場所だとそういう見えない危険みたいなのがあったりするんだろうか。行くことがあったら気を付けよう……いや、気を付けなくたってどうにかなるんだけどね。
「……よし」
僕はイヤホンを耳から外し、スマホをぽちっと切って充電した。それから耳かきをケースから取り出し、無心で楽しんだ後に全知全能の力で向こうの服に着替え、異世界へと乗り出す準備を整えた。
「行こうか」
さて、一旦は晩飯までしか時間は無いけど……今日は何をしようかな。
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