14 / 17
潤side
しおりを挟む腹減ったという、俺の言葉で
近くの定食屋に入った。
飯を食ってる最中に愛結が俺に
「ねぇ潤くん?」
「ん?」
「お客さん…大丈夫?」
と聞いてきた。
いや、大丈夫だけど。
あれ?なんか心配してる?
普通嫌がるよな?客となんて連絡とってるの。
前に付き合ってた彼女も嫌がってブチブチ言われたのを思い出す。
「うん?なんで?」
俺がそう答えると
「連絡とかさ…返さないの?」
なんか、連絡したほうがいいってことなのかな?
「愛結といるし、しかも休みなのに邪魔されたくないし。もともと休みは連絡しないんだよ俺。」
俺はそうやって愛結に言う。
それでも何故か不服そうなので
「そんなに客と連絡取って欲しいの?」
といじけた子供のように聞いた。
「そんなんじゃないよ?」
そう言って愛結も飯を小さな口に頬張っていた。
「あー食べたなー。」
「ねぇ、また、奢ってもらっちゃってる。」
腹一杯になり、会計を済ませ店をでると彼女はまた慌てて財布からお金を出して俺に渡そうとする。
「いらない。てゆーか彼氏なんだから当たり前だし。それより、帰るの?」
「仕事あるし…」
少し考え込んでから俺の問いに答えた。
帰したくない。ほんとこのままずっと。
「じゃ、荷物持ってきて?家から」
「え?」
「え?やなの?俺は離れたくないのに」
正直な気持ちをそのまま言って、愛結はもうという顔で俺の横を歩き出す。
愛結の部屋へつき、玄関に入ると
「汚いけど」
そう言ってクローゼットをあけていた。
部屋の辺りを見回すと
綺麗に整頓されている部屋に
写真が置かれ、そこには2人の写真や
プリクラがあった。
心がザワザワする。
こいつ…知ってる。
「ねぇ愛結。」
「んー?」
「ここ引っ越そう?」
嫌だ。この部屋で愛結を抱いたり
この部屋が全部愛結を閉じ込めたり。
それだけでも、そいつとの
思い出がある部屋になんて
いてほしくなかった。
「あ…それ…。」
愛結は俺がプリクラとか写真とかを見てるのをわかり、身体を動かそうとする。
「ここでずっと?」
「出なきゃ出なきゃって思ったんだけど…出来なかった…。」
あぁ、またそいつを思い出して。
イライラする。
「…荷物…用意できた?」
「うん…」
この部屋から早く出たくて出したくて仕方がなかった。
「もう、ここに帰らなくていい。必要なものはまた買えばいいから。」
玄関からでると俺はそう言った。
俺、こんなに独占欲強かったか?
子供みたいになにイラついてんだし。
愛結の手を繋ぎ、そう思った。
家について、クローゼットをあけ
愛結にここにいれろと言った。
スーツだって、あの部屋には置きっぱなしで
愛結が捨てられないことにまたイラついて。
仕方ないことなのに。
俺が先にであっていれば…。
「今度の休み、必要なもの買いに行こう」
俺は愛結にそう言う。
愛結が忘れられないそいつは
ホストをやってれば大体知っている人で
亜季さんに連れられて同業として
そいつの店へ行ったことがあり
会ったこともある。
不動のNo.1だったそいつは突然店を辞め
突然この歓楽街から姿を消した。
それは有名な話で。
愛結の…相手がそいつだったことに
俺は凄くむしゃくしゃした。
なんだかんだふたりでやってると
いつの間にか眠りについてて。
「潤くん?もう行くよ?」
という愛結の声で目が覚める。
「んー…」
目を開けると愛結は化粧をばっちりしていて
「なんか、他の人のとこ行かれるみたいで凄く嫌だ。」
まだ完全に起きてない頭で俺は言い、愛結をおでこまで引き寄せた。
「ヘアメの時間だからもう行かなきゃ。」
少し困ったように愛結は言って
「んー…行ってらっしゃい。」
そう言って身体を離して起き上がった。
「行ってきます。」
俺の頬にキスをしてパタパタと玄関の方へと走っていく。
あいつじゃなく、俺を見てくれてると思うと
それだけで充分だった。
愛結が出ていってから
ベランダに出て
たばこへ火をつける。
本当は仕事なんて行って欲しくない。
本当は仕事なんて行かないで
俺の帰りを待ってて欲しい。
そんな独占欲を白い煙に
吹き掛けていた。
出勤する前に玄関で鍵をしめようとしたら
あっ、あいつ鍵忘れてる笑。
そう思って玄関を出た。
終わったら連絡して
と携帯に連絡をして店へ向かう。
ヘアメが終わり、携帯を触ってると
「お前俺になにか言うことあるだろ」
そう言って俺の横に座る。
「あるっちゃあります。」
でた。と思い俺はそう答える。
「はぁん?お前愛結になにしたんだよ」
亜季さんはたばこを吸いながら俺に聞く。
「ちゃんと付き合ってます。」
俺がそう言うと
「は?なに?手出したんか?」
そう言ってまた大声を出す。
「あー…もううるさ笑。ちゃんと同意のもとです。」
俺がそう言うと
「…潤。愛結は…」
さっきまでとうってかわって小さな声を出す。
「知ってますよ?でも、いなくなった奴より俺を見てくれたし、俺を選んだ。」
そう俺が言うと
「ならいいんだけどさ。だけど俺愛結の親父みたいだからまだ許してはないけどな笑。」
と、ガハハとでかい声で笑った
あーうるせぇ。
なんだかんだ営業が始まり
愛結から電話がきた。
席に着いてたから慌ててリストへ入る。
「もしもし?」
「終わったよ~」
「愛結、鍵なくてどうやって家入るんだよ笑。」
「あっ…そうだった。」
「今から取りこれる?それとも、玲奈ちゃんちで待ってる?」
「どっちでもいいけど…忙しいでしょ?」
そう愛結に言われて
「でも、駄目だ。玲奈ちゃんちで待ってて?店の前でも入らなくてもやっぱりこっちにきて欲しくないしこの辺ブラブラされて他のやつに声なんてかけられるの想像しただけで無理だから。」
と言った。
「なにそれ笑。」
「玲奈ちゃんにかわって?」
そう言って玲奈ちゃんの声が聞こえた。
「はいはい?」
玲奈ちゃんと言う言葉で亜季さんは隣にピトッと俺にくっつく。
「鍵を渡すの忘れたから家にお邪魔させて下さい僕の奥さんを」
と、言ったら
「うんうん、わかりましたー!」
と言われ愛結にかわった。
「もしもし?」
「じゃ、大人しく玲奈ちゃんちで待ってて?あっ玲奈ちゃんちでじゃなくて亜季さんち…」
「わかったよ。」
「終わったら連絡するし迎え行くから。」
そう言って電話を切った。
0
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
メリザンドの幸福
下菊みこと
恋愛
ドアマット系ヒロインが避難先で甘やかされるだけ。
メリザンドはとある公爵家に嫁入りする。そのメリザンドのあまりの様子に、悪女だとの噂を聞いて警戒していた使用人たちは大慌てでパン粥を作って食べさせる。なんか聞いてたのと違うと思っていたら、当主でありメリザンドの旦那である公爵から事の次第を聞いてちゃんと保護しないとと庇護欲剥き出しになる使用人たち。
メリザンドは公爵家で幸せになれるのか?
小説家になろう様でも投稿しています。
蛇足かもしれませんが追加シナリオ投稿しました。よろしければお付き合いください。
【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!
山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」
夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
【完結】どくはく
春風由実
恋愛
捨てたつもりが捨てられてしまった家族たちは語る。
あなたのためだったの。
そんなつもりはなかった。
だってみんながそう言うから。
言ってくれたら良かったのに。
話せば分かる。
あなたも覚えているでしょう?
好き勝手なことを言うのね。
それなら私も語るわ。
私も語っていいだろうか?
君が大好きだ。
※2025.09.22完結
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる