【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話

須宮りんこ

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11章

11-3

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「あいつらの前でよく写真は見てるかな。叶太の」

「オレの写真っ? いつ撮ったやつだよっ?」

 これ、と言って青が見せてきたスマホの写真。そこには叶太のドアップの写真が表示されていた。

 二、三ヶ月前に通学路で不意打ちに撮られた写真。四日連続で日直当番をすることになった日の朝だから覚えている。猛ダッシュして汗だくになった自分に救いの手を差し伸べることなく、青は勝手に自分のブサイクな写真を撮ったのだ。

「あーっ! あのときの!」

 青の手からスマホをぶん取る。撮られた直後に見たときもひどい写真だと思ったけど、日を空けて見るとよりブサイクに写っていた。

「なんでこんなもんまだ保存してんだよ。さっさと消せ!」

「やだよ。せっかく可愛いのに」

 可愛い……だと? こいつの目は節穴かと本気で心配になる。 

「おまえ大丈夫? 一回視力検査した方がいいんじゃねえの?」

「オレ視力二あるから大丈夫」

「あっそう……じゃねえよ。今すぐ消せって」

 青は「無理」と断固拒否し、叶太の手からスマホをスッと抜き取った。

 冗談じゃない。そんな写真を他の人がいる前で見られたら、たまったもんじゃない。

 青みたいなイケメンに、こんなちんちくりんな相手がいると知られたら青だって迷惑に思わないのだろうか。

 なんとしても写真を消させたい。のらりくらりと階段を降りていく男を、叶太は必死に追いかけた。

 玄関で靴を履き替え、やっと青に追いついたのは駐輪場。青は自転車の鍵をポケットから取り出すと、カチャカチャと鍵を開けてから叶太にヘルメットを渡してきた。

「オレが貸してほしいのはスマホの方なんだけど」

 受け取ったヘルメットを被りつつ、叶太はねちっこくぼやく。青は「家に帰ったらな」と自転車のストッパーを足で蹴り上げた。

「つーか、なんで今日急に送るとか言い出したん?」

 疑問を口にしながら、顎の下でベルトを留める。高校生活のほとんどを一人で帰ってきた道だ。いくら付き合い始めたからといって、青の用事を差し置いてまで一緒に帰る理由なんてどこにあるのだろう。

 昨日の夕方、家の前で青に「明日予備校ある?」と聞かれ、ないと答えたら「明日の帰り、送るから」と宣言されたときから不思議だった。

「おまえだって文化祭の準備あるんだろ?」

 と、相手の事情を心配しつつも、ヘルメットをしっかり頭に装着し終えた叶太は、自転車の持ち主より先に、サドルの後ろにある荷台へと跨った。ちゃっかり送ってもらう気満々のこれでは、説得力もないだろうけれど。

 青は少しの沈黙を挟んだあと、水たまりに水滴を一滴落とすような口調で言った。

「今日、うち親いないんだけどさ」

 突然の告白に、叶太はえっと頭を咄嗟に上げた。

「舞子さん出かけてるんだ」

「まあな。なんか今日は中学の同級生と夜食ってくるんだって」

 舞子さんは専業主婦だ。大体自分たちが帰宅する時間帯には家にいることが多い。珍しいなと思った。でも青からしたら、本題はそこじゃないらしい。

 そのときだった。

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