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あの打ち上げの日以降、瀬戸は佐々木を変に意識するようになってしまった。酔った色気にあてられたようだ。
(佐々木さん、今日もいい匂いしたな……)
1人思い出し、ホワホワする瀬戸。パソコンで書類を作成する合間にも、チラッと佐々木のデスクの方をみる。時計を見るように、何度も何度も見てしまう。
いつも話しかけられる時はフワフワした笑顔なのに、パソコンに向かっている時は、キリッと男らしい表情で仕事に打ち込んでいる。
(ギャップがスゴすぎて追いつけない……)
瀬戸がしばらくみていると、佐々木が急にハッとした。見ていたのがバレたのかと慌てて目を逸らすが、どうやら違ったようだ。
「お疲れ様でーす。」
オフィスに入ってきた声で分かった。このゆる~い感じ。
(望月係長だ……)
再度、チラッと佐々木をみると、さっきまでのキリッと男らしい表情ではなく、笑顔がほころぶ佐々木がいた。その表情をみた瞬間、気づいてしまった。
(あれ?佐々木さんって……望月さんのこと好き?)
それは、初恋をしている少女のような笑顔だった。その笑顔をみて、ドッドッドッと脈が早くなるが、なぜそうなったのかがわからず戸惑う瀬戸。
「佐々木!おつかれ!」
望月はオフィスに来るなり、佐々木のデスクにニコニコと近づいて行った。
(うわ……あんなニヤニヤしながら佐々木さんのところいって。まさかデキてるの?)
瀬戸はパソコンを打っていた手が止まり、ギュッと手を握った。2人が付き合っていたとしたら……と何故か不安になる。
「じゃーん!悟君へのプレゼント、持ってきました!」
佐々木をわざわざ下の名前で呼び、ニコニコと茶色の封筒を見せている。が、その瞬間、佐々木の表情は固まり、無表情になった。きっとそんな表情をするのも、望月だからだろう。
茶封筒のその中身をいそいそと取り出し、よろしくと手渡す望月。
「勘弁してくださいよ。まだ前回頼まれたのも終わってないのに。」
プレゼントとは、案件の処理だった。イヤだと駄々をこねる、あんな子供っぽい佐々木を見るのは新鮮だ。
(あ~あれ、望月さん俺にもやるヤツだ~。望月さんは通常運転だったわ。)
でも、やっぱり佐々木はいつもと違う。怒っていても、望月を見る目が優しい。そんな視線を自分は向けられたことがないからわかる。
「佐々木だからお願いするんだよ、ね?お願い?」
佐々木の手を取り、顔を近づけて甘えたように言う望月はふざけているのだが、佐々木は顔を赤くし、仕方ないですね、と呟いた。
そんな2人のやり取りを見て、少し悔しくなってしまった。
(てか、ホント望月係長いると平和だ……)
いつもの怒声が聞こえない。
(あれ……望月係長いる時って、絶対加藤課長パワハラしないじゃん……)
階級は加藤の方が上だし、評価を気にする必要はないはずだ。そもそも望月のゆる~いオーラで怒りのゲージがたまらないのか?とか、社長ご子息説立証なのか?とか『課長』ではなく『さん』付けで呼んでいるところをみると弱みを握っているのか?などと考えるも答えには辿り着かない。
まぁ、平和ならそれでいいと思う瀬戸だった。
「瀬戸く~ん、君にもプレゼントだよ~」
ニコニコした望月が瀬戸にも近づいてきて、思わず「うげぇっ」と言ってしまった。
(佐々木さん、今日もいい匂いしたな……)
1人思い出し、ホワホワする瀬戸。パソコンで書類を作成する合間にも、チラッと佐々木のデスクの方をみる。時計を見るように、何度も何度も見てしまう。
いつも話しかけられる時はフワフワした笑顔なのに、パソコンに向かっている時は、キリッと男らしい表情で仕事に打ち込んでいる。
(ギャップがスゴすぎて追いつけない……)
瀬戸がしばらくみていると、佐々木が急にハッとした。見ていたのがバレたのかと慌てて目を逸らすが、どうやら違ったようだ。
「お疲れ様でーす。」
オフィスに入ってきた声で分かった。このゆる~い感じ。
(望月係長だ……)
再度、チラッと佐々木をみると、さっきまでのキリッと男らしい表情ではなく、笑顔がほころぶ佐々木がいた。その表情をみた瞬間、気づいてしまった。
(あれ?佐々木さんって……望月さんのこと好き?)
それは、初恋をしている少女のような笑顔だった。その笑顔をみて、ドッドッドッと脈が早くなるが、なぜそうなったのかがわからず戸惑う瀬戸。
「佐々木!おつかれ!」
望月はオフィスに来るなり、佐々木のデスクにニコニコと近づいて行った。
(うわ……あんなニヤニヤしながら佐々木さんのところいって。まさかデキてるの?)
瀬戸はパソコンを打っていた手が止まり、ギュッと手を握った。2人が付き合っていたとしたら……と何故か不安になる。
「じゃーん!悟君へのプレゼント、持ってきました!」
佐々木をわざわざ下の名前で呼び、ニコニコと茶色の封筒を見せている。が、その瞬間、佐々木の表情は固まり、無表情になった。きっとそんな表情をするのも、望月だからだろう。
茶封筒のその中身をいそいそと取り出し、よろしくと手渡す望月。
「勘弁してくださいよ。まだ前回頼まれたのも終わってないのに。」
プレゼントとは、案件の処理だった。イヤだと駄々をこねる、あんな子供っぽい佐々木を見るのは新鮮だ。
(あ~あれ、望月さん俺にもやるヤツだ~。望月さんは通常運転だったわ。)
でも、やっぱり佐々木はいつもと違う。怒っていても、望月を見る目が優しい。そんな視線を自分は向けられたことがないからわかる。
「佐々木だからお願いするんだよ、ね?お願い?」
佐々木の手を取り、顔を近づけて甘えたように言う望月はふざけているのだが、佐々木は顔を赤くし、仕方ないですね、と呟いた。
そんな2人のやり取りを見て、少し悔しくなってしまった。
(てか、ホント望月係長いると平和だ……)
いつもの怒声が聞こえない。
(あれ……望月係長いる時って、絶対加藤課長パワハラしないじゃん……)
階級は加藤の方が上だし、評価を気にする必要はないはずだ。そもそも望月のゆる~いオーラで怒りのゲージがたまらないのか?とか、社長ご子息説立証なのか?とか『課長』ではなく『さん』付けで呼んでいるところをみると弱みを握っているのか?などと考えるも答えには辿り着かない。
まぁ、平和ならそれでいいと思う瀬戸だった。
「瀬戸く~ん、君にもプレゼントだよ~」
ニコニコした望月が瀬戸にも近づいてきて、思わず「うげぇっ」と言ってしまった。
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