1 / 2
1
私としてはそれなりに仲良く出来ていたと思っていたのですが…。
旦那様はそうは思っていらっしゃらなかったみたい。
だって旦那様は今、私の目の前で頭を下げて「どうか私と別れて欲しい」と仰っておられるのですもの。
「旦那様、理由をお伺いしても?」
私がそう言うと旦那様は気まずそうに顔を上げられた。
「………」
理由はお聞かせ頂けないのかしら?
まあそうね、あまり胸を張って言える理由ではありませんものね。
聞かなくても知っている別れの理由を聞くあたり私も意地悪かしら?
でも、その位は許されるでしょう?
だって旦那様が私に頭を下げられるくらいには己が悪いと思われているのでしょうから。
理由は旦那様の不貞行為。
他に好きな女性が出来てしまわれたのです。
好きになるまでは……まあ、妻のある身で良い事とは言えませんが、人を好きになるのに理由など無くいきなり好きになってしまうものですものね。
妻の立場としては複雑ですが、理解出来なくもないです。
私も出会って居ないだけで何処かにそんな運命的に恋に落ちる相手が居るのかもしれませんし。
ですが、許されるのは想うまで。
実際に裏切り行為をされてしまってはこちらとしてもとても困ってしまいますわ。
しかも隠し通して頂けるのであればまだマシなものを隠す気も無かったのか、はたまた初めての恋に浮かれて隠すという行為自体頭に無かったのか、旦那様の不貞行為は社交界でも頻繁に目撃されていまして、自ずと私の耳にも入って来るのです。
まあ私自ら目撃した事も御座いますが、その時の私の隣にいた方の顔を思い出すと申し訳ない気持ちになってしまいますわ。
きっととても気まずい思いをなさった事でしょう。
まあ、私もそれと同じくらいには気まず思いをしましたが、それは今はどうでも良いですわね。
未だに何も話さず心底困ったという顔をなされている旦那様。
私も暇では無いのですが、執事もチラチラとこちらを見ていますし、そもそもここは屋敷の玄関ホールなのです。
外から戻られた旦那様をお迎えにあがったらいきなり「別れて欲しい」と頭を下げられて……執事もメイド達も沢山人のいる所でこんな事を言われるとは驚きますよねぇ。
こんな事すら隠す気が無いのは最早潔くて好感すら持てますわ……いえ、それは嘘ですが。
私は一つ息をつき目の前の何とも情けない旦那様を見やる。
そして満面の笑みを浮かべると、屋敷のみんなを見渡して返事をする。
「お断り致します」と。
旦那様はそうは思っていらっしゃらなかったみたい。
だって旦那様は今、私の目の前で頭を下げて「どうか私と別れて欲しい」と仰っておられるのですもの。
「旦那様、理由をお伺いしても?」
私がそう言うと旦那様は気まずそうに顔を上げられた。
「………」
理由はお聞かせ頂けないのかしら?
まあそうね、あまり胸を張って言える理由ではありませんものね。
聞かなくても知っている別れの理由を聞くあたり私も意地悪かしら?
でも、その位は許されるでしょう?
だって旦那様が私に頭を下げられるくらいには己が悪いと思われているのでしょうから。
理由は旦那様の不貞行為。
他に好きな女性が出来てしまわれたのです。
好きになるまでは……まあ、妻のある身で良い事とは言えませんが、人を好きになるのに理由など無くいきなり好きになってしまうものですものね。
妻の立場としては複雑ですが、理解出来なくもないです。
私も出会って居ないだけで何処かにそんな運命的に恋に落ちる相手が居るのかもしれませんし。
ですが、許されるのは想うまで。
実際に裏切り行為をされてしまってはこちらとしてもとても困ってしまいますわ。
しかも隠し通して頂けるのであればまだマシなものを隠す気も無かったのか、はたまた初めての恋に浮かれて隠すという行為自体頭に無かったのか、旦那様の不貞行為は社交界でも頻繁に目撃されていまして、自ずと私の耳にも入って来るのです。
まあ私自ら目撃した事も御座いますが、その時の私の隣にいた方の顔を思い出すと申し訳ない気持ちになってしまいますわ。
きっととても気まずい思いをなさった事でしょう。
まあ、私もそれと同じくらいには気まず思いをしましたが、それは今はどうでも良いですわね。
未だに何も話さず心底困ったという顔をなされている旦那様。
私も暇では無いのですが、執事もチラチラとこちらを見ていますし、そもそもここは屋敷の玄関ホールなのです。
外から戻られた旦那様をお迎えにあがったらいきなり「別れて欲しい」と頭を下げられて……執事もメイド達も沢山人のいる所でこんな事を言われるとは驚きますよねぇ。
こんな事すら隠す気が無いのは最早潔くて好感すら持てますわ……いえ、それは嘘ですが。
私は一つ息をつき目の前の何とも情けない旦那様を見やる。
そして満面の笑みを浮かべると、屋敷のみんなを見渡して返事をする。
「お断り致します」と。
あなたにおすすめの小説
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
【完結済み】妹の婚約者に、恋をした
鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。
刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。
可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。
無事完結しました。
妹の方がかわいいからと婚約破棄されましたが、あとで後悔しても知りませんよ?
志鷹 志紀
恋愛
「すまない、キミのことを愛することができなくなった」
第二王子は私を謁見の間に連れてきて、そう告げた。
「つまり、婚約破棄ということですね。一応、理由を聞いてもよろしいですか?」
「キミの妹こそが、僕の運命の相手だったんだよ」
「そうですわ、お姉様」
王子は私の妹を抱き、嫌な笑みを浮かべている。
「ええ、私は構いませんけれど……あとで後悔しても知りませんよ?」
私だけが知っている妹の秘密。
それを知らずに、妹に恋をするなんて……愚かな人ですね。
妹に初恋を奪われ追放された王女、私を捨てた騎士がなぜか二度恋してきます〜迷宮の通信機で再会したら執着が重すぎる〜
唯崎りいち
恋愛
妹を刺した――。
身に覚えのない罪で、迷宮へ捨てられた王女の私。
絶望の中で拾ったのは、スマホに似た『未知の魔導具』だった。
繋がった相手は、見知らぬ「名もなき騎士」。
孤独を癒やしてくれる彼に、私は正体を知らないまま惹かれていく。
「君のためなら、国にだって逆らう」
けれど、再会した彼の正体は……?
「国だって滅ぼす。それくらいの覚悟でここに来たんだ」
通信機から始まる、二度目の初恋と逆転ざまぁ。
どうやら貴方の隣は私の場所でなくなってしまったようなので、夜逃げします
皇 翼
恋愛
侯爵令嬢という何でも買ってもらえてどんな教育でも施してもらえる恵まれた立場、王太子という立場に恥じない、童話の王子様のように顔の整った婚約者。そして自分自身は最高の教育を施され、侯爵令嬢としてどこに出されても恥ずかしくない教養を身につけていて、顔が綺麗な両親に似たのだろう容姿は綺麗な方だと思う。
完璧……そう、完璧だと思っていた。自身の婚約者が、中庭で公爵令嬢とキスをしているのを見てしまうまでは――。
悪役令嬢の私が転校生をイジメたといわれて断罪されそうです
白雨あめ
恋愛
「君との婚約を破棄する! この学園から去れ!」
国の第一王子であるシルヴァの婚約者である伯爵令嬢アリン。彼女は転校生をイジメたという理由から、突然王子に婚約破棄を告げられてしまう。
目の前が真っ暗になり、立ち尽くす彼女の傍に歩み寄ってきたのは王子の側近、公爵令息クリスだった。
※2話完結。