弱小種族による、危険な世界の歩き方。

ハイイロカラス

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用語解説

上位元素、及び異能と権能について

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この世界には、上位元素と呼ばれる『物質』がある。
ただし、それらは4次元空間よりも更に上位の次元に存在するため、基本的に視認することは出来ない。

しかしどう言った原理か、この世界に存在する者たちはその上位元素を扱うことが出来るのだ。
いや、正しくは。
森羅万象、その全てが上位元素の影響を受けている。

道端の雑草から、秘境の大樹まで。
路傍の石から、伝説の宝石まで。
小さき羽虫から、永久を生きる龍まで。

望むと望まざるとに関わらず、その超常の力の影響下にある。
その影響の最たる例は。上位元素による、生体そのものの強化だ。

上位次元の物質が干渉することで、存在自体が上位次元に近づく。
それにより、生身での強度が大きく向上する。

素手で山を砕くもの。
音よりも早く動くもの。
体が千切れても再生するもの。

もはや生物の理を超えた強力な生命体の数々。
それが、当然の存在として世界を跋扈していた。



上位元素は、その性質により大きく4種類に大別される。

魔力。直接的な事象改変を得意とする元素。
魔力を用いて事象を改変する技術を魔法と呼び、多くの種族の長い歴史の中で体系化されている。
その特徴は、非常に高い汎用性。
使い手の制御によって、炎や氷、風や土、そして光や闇といった様々な属性の攻撃魔法を発動することが可能であり。
また、翻訳魔法や探知魔法、回復魔法といった特殊な魔法も数多く存在する。
ただし、攻撃以外の魔法に関しては他の専門性が高い上位元素に様々な面で劣る。

呪力。法則を改変した間接的な事象改変を得意とする元素。
呪力を用いて法則を改変する技術を呪法と呼び、それぞれの種族など限定された環境下で独自の発達を遂げている。
その特徴は、特定目的に対した高い専門性。
音や光の伝わり方を改変することによって、一切の痕跡を残さない隠密呪法。
感覚器官が察知する情報をねじ曲げることにより不特定多数の存在に不快感を与える敬遠呪法。
これらのような、状況は限られるが魔法よりも有効性の高い呪法が多くある。

霊力。生体、とくに動物の肉体改変を得意とする元素。
霊力を用いて生体を改変する技術を霊術と呼び、民族ごとの口伝や武術における秘伝として、それぞれ細かい違いが生まれながら、しかし本質的にはほとんど同一のものとして各地に存在している。
その特徴は、放出ではなく蓄積による長期的な効果の発揮。
霊力は元々の生体強化が他の上位元素以上であり、また霊術を使うことにより短期的に更に身体能力を向上させることも出来る。
外部ではなく内部に対する影響を与えることを目的とした霊術が多い。

法力。状態復元、すなわち改変対抗を得意とする元素。
法力を用いて状態復元を行う技術を法術と呼び、宗教団体などにより多くの者に浸透している。
その特徴は、改変対抗に対する高い専門性。
呪力と同様に、汎用性に欠けるが適応した局面では比類なき効果を発揮する。
状態復元の特性から、上位元素による事象改変への対抗だけでなく、通常の外傷や病気にも効果がある。
また、不死者を正しく死者に戻すことは法術でしか出来ない。


そして、これらの上位元素を扱うには『適性』が必要だ。
適性は、種族によってある程度の傾向はあるが個人差も大きい。
まず、どの上位元素に適性があるか。
次に、どれだけの適性があるか。
それによって、扱える上位元素が決まる。

人によっては、全ての元素に高い適性を示すこともあれば。
ひとつの元素に、僅かしか適性を持たないこともある。

それは完全に生まれながらに決まっており、後天的に変化することは無い。
ただし、あくまで適性とは「扱う」ための指標であり、僅かでも上位元素の影響を受けていれば生体の強化はほぼ同等に受ける。
同様に、魔力や法力の適性が無くても回復魔法や法術の恩恵を受けることができる。
上位元素の影響を、受けてさえいれば。



上位元素は4種類に大別されるが、その枠組みから外れている物も存在する。
いわゆる例外であり、特性を一括りにすることが困難な物たちだ。

そういった、例外の力を用いた能力。
それを、『異能』や『権能』と呼ぶ。

異能。一部の種族が持つ、何かに特化した効果を持つ能力。
上位元素の適性のような個人差は無く、異能を持つ種族であればその全てが異能を扱うことができる。
その種類は多岐に渡り、異能によって様々な特性を持っている。
異能全てに共通する特徴として、強力ではあるが非常に消耗が大きい。
その代わりか上位元素よりも『優先順位』が高く、同じ様な攻撃であれば異能による攻撃か優先される。

権能。突発的に使用者が生まれる、世界のルールそのものを創り操る能力。
種族に関係無く、また法則性も無く突然使用者が現れる。
権能を使用することができる者は『権能持ち』と呼ばれ、通常の上位元素によるものを超える生体強化と、適性そのものへの高い補正を受ける。
権能は異能と同様に上位元素よりも優先順位が高い。優先度自体は異能と同等だが、消耗は比較的少ない。
ただし、権能そのものに干渉力とでも言うべき力の上限があり、使用者の体力が残っていても干渉力が尽きれば権能は効果を失う。
その干渉力には大きな個人差があり、権能持ちの中でもかなりの実力差が生まれる。


これら四種の上位元素と、異能と権能。
それが、この世界を支配する絶対の力。誰もが意識することなく、日常を生きている。
上位元素たちは、当然のごとく存在するものという認識の元に。
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