69 / 69
第二章
僕達の旅はこれからだ!
しおりを挟む
そして。
僕達は、精霊種の里を離れてシャクシャラに戻って来ていた。
「・・・本当に、あれで良かったのでしょうか。」
「それはこれからの僕達次第かな。」
そんなふうに話す僕達の間には、ミレイユが不思議そうな顔でこちらを見ている。
「え、えっと・・・なんの、はなし?」
「んー・・・まあ、気にしなくていいよ。大したことじゃないから。」
別に気休めでも誤魔化しでもなく、もう本当に大したことじゃない。
「家畜も戻ってきたし、レオニールさんへの報告も済ませたし。もうなんの憂いもないね。」
ついでに、法院からいくつかの素材を得る約束も取り付けることができた。
「とりあえず、しばらくはシャクシャラを拠点にしようかとも思ってたけど・・・」
「それは・・・あまり、良くないかと。」
まあ、そうだよねぇ。
互いの為にも、精霊種とは物理的に距離を取るべきだろう。
「幸い、シャクシャラ以外の法院でも素材は買えるみたいだし・・・ここを離れてもいいだろうね。」
「そうなると・・・どこに向かいますか?」
「うーん、そこが問題なんだよねぇ。この辺りの地理とか結局よく分かってないし・・・素直に誰かに聞くべきかな。ちなみにミレイユは見たいものとかある?」
目的地を決める段階だし、みんなの意見を聞くべきだろう。
海とか、山とか、あとは魔獣とか。
この辺りに無いものは沢山ある。
それらを目的にするのもいいだろう。
「み、見たいもの・・・?」
「そう。多分、ミレイユが読んだことのある物語の景色とかならこの世界のどこかにはあると思うよ?」
「そ、それなら・・・雪を、見たい、かも。」
「雪か、いいね!」
ミレイユのその言葉に、ヒルダも頷く。
「私の里も、暑い地方でしたから・・・雪は見たことありませんね。いいかもしれません。」
「シャクシャラの気候からすると少し長旅になるかもしれないけど、まあ急ぐ旅でもないし。」
だったら、雪の降る地方を目指すのもいい。
「ヒルダの着物を貰ったら、雪を目指してみよう。多分長い道のりになるけど・・・きっとそれも楽しいよ。」
「ええ、そうですね。」
よし。しばらくはここにいるけれど、目的地が決まるだけで色々と出来ることも増える。
「大目標はヒルダの里に帰ることだけど、そっちは情報も無いしね。」
「大丈夫ですよ。いざとなったら、私が全力で駆け回って情報を集めます。その気になれば、一日で国の一つや二つ越えられます。」
「頼もしいね。」
やはりヒルダが居れば、恐れる物は何も無い。もちろん、僕も彼女たちの為にあらゆる点で全力を尽くす。
「僕はこれでも旅には慣れてるし、細かい事は僕に任せてくれていいよ。」
「はい、お願いします。」
問題は色々残っているし、わからないことも沢山ある。
でもそれを恐れるほど、僕達は軟弱じゃない。
「ミレイユも、これからは色々と頼りにさせて貰うね。」
「わ、わたしにできることなら。」
「大丈夫、君はなんでも出来るよ。そのための手伝いは僕たちがしっかりする。」
ミレイユの持つ可能性は素晴らしい。知識は僕が、技術はヒルダが教えれば完璧だ。
「さて、じゃあ方針は決まった。となれば早速準備をしよう。」
「ふふっ、楽しみですね。まだこの世界には、私の見たことが無いものが沢山あるのでしょうか。」
「そうだね。楽しみにしていてよ。っていうか、この辺りの物は僕だって初めて見るものばかりだし。」
実はずっとワクワクしている。
こういうのを楽しめなきゃ、旅なんてしてられない。
「さあ、未知のものを目指して、仲良く旅といこう。」
「ええ!」
「う、うん!」
わからないことも不安なことも。僕達ならば大丈夫だ。
今を、これからを全力で楽しんで行こう。
僕達の旅は、始まったばかりなのだから。
僕達は、精霊種の里を離れてシャクシャラに戻って来ていた。
「・・・本当に、あれで良かったのでしょうか。」
「それはこれからの僕達次第かな。」
そんなふうに話す僕達の間には、ミレイユが不思議そうな顔でこちらを見ている。
「え、えっと・・・なんの、はなし?」
「んー・・・まあ、気にしなくていいよ。大したことじゃないから。」
別に気休めでも誤魔化しでもなく、もう本当に大したことじゃない。
「家畜も戻ってきたし、レオニールさんへの報告も済ませたし。もうなんの憂いもないね。」
ついでに、法院からいくつかの素材を得る約束も取り付けることができた。
「とりあえず、しばらくはシャクシャラを拠点にしようかとも思ってたけど・・・」
「それは・・・あまり、良くないかと。」
まあ、そうだよねぇ。
互いの為にも、精霊種とは物理的に距離を取るべきだろう。
「幸い、シャクシャラ以外の法院でも素材は買えるみたいだし・・・ここを離れてもいいだろうね。」
「そうなると・・・どこに向かいますか?」
「うーん、そこが問題なんだよねぇ。この辺りの地理とか結局よく分かってないし・・・素直に誰かに聞くべきかな。ちなみにミレイユは見たいものとかある?」
目的地を決める段階だし、みんなの意見を聞くべきだろう。
海とか、山とか、あとは魔獣とか。
この辺りに無いものは沢山ある。
それらを目的にするのもいいだろう。
「み、見たいもの・・・?」
「そう。多分、ミレイユが読んだことのある物語の景色とかならこの世界のどこかにはあると思うよ?」
「そ、それなら・・・雪を、見たい、かも。」
「雪か、いいね!」
ミレイユのその言葉に、ヒルダも頷く。
「私の里も、暑い地方でしたから・・・雪は見たことありませんね。いいかもしれません。」
「シャクシャラの気候からすると少し長旅になるかもしれないけど、まあ急ぐ旅でもないし。」
だったら、雪の降る地方を目指すのもいい。
「ヒルダの着物を貰ったら、雪を目指してみよう。多分長い道のりになるけど・・・きっとそれも楽しいよ。」
「ええ、そうですね。」
よし。しばらくはここにいるけれど、目的地が決まるだけで色々と出来ることも増える。
「大目標はヒルダの里に帰ることだけど、そっちは情報も無いしね。」
「大丈夫ですよ。いざとなったら、私が全力で駆け回って情報を集めます。その気になれば、一日で国の一つや二つ越えられます。」
「頼もしいね。」
やはりヒルダが居れば、恐れる物は何も無い。もちろん、僕も彼女たちの為にあらゆる点で全力を尽くす。
「僕はこれでも旅には慣れてるし、細かい事は僕に任せてくれていいよ。」
「はい、お願いします。」
問題は色々残っているし、わからないことも沢山ある。
でもそれを恐れるほど、僕達は軟弱じゃない。
「ミレイユも、これからは色々と頼りにさせて貰うね。」
「わ、わたしにできることなら。」
「大丈夫、君はなんでも出来るよ。そのための手伝いは僕たちがしっかりする。」
ミレイユの持つ可能性は素晴らしい。知識は僕が、技術はヒルダが教えれば完璧だ。
「さて、じゃあ方針は決まった。となれば早速準備をしよう。」
「ふふっ、楽しみですね。まだこの世界には、私の見たことが無いものが沢山あるのでしょうか。」
「そうだね。楽しみにしていてよ。っていうか、この辺りの物は僕だって初めて見るものばかりだし。」
実はずっとワクワクしている。
こういうのを楽しめなきゃ、旅なんてしてられない。
「さあ、未知のものを目指して、仲良く旅といこう。」
「ええ!」
「う、うん!」
わからないことも不安なことも。僕達ならば大丈夫だ。
今を、これからを全力で楽しんで行こう。
僕達の旅は、始まったばかりなのだから。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
なんかクールな世界観でまだ観覧途中ですけどこれから見させてもらいます(^^)気になったのでお気に入り登録させてもらいました(^o^)
よかったら私の作品も観れたらうれしいです(^^)/