イーテマーヴの聖典

Nonama

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彼女

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「だから付き合ったんですか」

大きな黒い波が
目の前まで迫る感覚だった。
「死」と呼びたい。

「なんにも弱点がないと、人生がつまらない。パワーバランスを取るために、弱みを作る必要があった。だから、私と付き合ったんですか」

違う。
違うが、違うとは言えない。
そしてそのとおりだとも云いたくない。

「どうして答えないの」

答えたら確定するから。
答えたら逃げられない。
答えたら決まってしまうから。
君との思い出を
決めつけてしまいたくはない。

弱みだ。
傷だ。
餌だ。
大切なもの。
それでも構わない。

「ごめんね、もう好きじゃなくなった」

大好きでした。
貴方のことを
本当に好きだと思っていました。
守れなくてごめんなさい。
弱くて申し訳ない。
好きでした。
好きでした。

本当に。
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