零の魔法

竜虎

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プロローグ

関係者

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同日 八時四十分 第二等魔法士育成学園
 
 自転車を全力で漕いだぐらいのスピードというのは存外速いもので十分で着いてしまった。ちなみに、入学式は九時から始まる予定である。 
 完全に到着が早い。十分前ぐらいなら仕方ないと言えなくないが、二十分前は早すぎた・・・・・・
 俺がそのまましまったという表情をしていると、同じ制服を着た女性が近寄ってきた。高校三年生以内だから、女子なことがわかっているのに女性と表現してしまったのは、彼女の大人びた雰囲気による物だ。
 彼女は黒髪ロング、スラっとした長身で、生徒会長が似合いそうである。

「ん?君なにしているの?ひょっとして彼女と写真撮影?」
 
 興味津々なのを隠さず、彼女は言った。これは完全に面白がっている。大人びた雰囲気なんてなかった。俺は心の中で残念さを叫ぶ。
 だがしかし、先輩は腕に『生徒会』とかかれた腕章を着けているので、生徒会の人間ではあるようだ。生徒会、大丈夫か。

「早目に着いてしまったのでどうしようかと思っていた所です」
「普通にみんな入って行っているよ?」
「教えてくれてありがとうございます」
 
 俺はぺこりとお辞儀をしながら校門をくぐろうという時、女性に耳元で囁かれた。

「ご入学おめでとう一くん。私は君が生徒会に属するのを待っているよ」俺は一沫の驚きを覚えながら校内へと入っていった。
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