ポチッと押したらオタクの俺は本当に異世界にいました。

竜虎

文字の大きさ
17 / 71
エルフ誘拐事件

事後処理

しおりを挟む
 家から出させられると外はすでに暗くまさに夜だ。そんな中外には小さいウンディーネが小さな光を当てているいろいろな子供がいた。恐らく兄妹だろうエルフ族の男の子とそれに身を隠しているエルフ族の女の子、一人で立っている人族の男の子。それに子供か小魚か呼び方がいまいち解らないが小さいウンディーネの分身みたいなのに水を掛けてもらっている魚人族の男の子とさまざまで反応も様々だった。

不安で仕方ないという表情をする子から帰れると喜ぶ子と様々だった。実は俺は少し魚人族の男の子しかいないのでがっくりしていた。いつになったら魚人族の女の子に会えるのだろうか?もしかしたらあの自称神の嫌がらせかもしれない。そんなことを思っているとウンディーネの「魚人族の男の子に水を掛けているウンディーネ以外は元に戻るのです!」という言葉で俺はいま重要でないことを考えるのを止めた。そういえばもっと考えるべきことがあるのだ。

するとリーフィアがすぐに指摘する。

「どうするんですか?この子達」

そうこの子達についてどうにかしなければならない。もちろん一緒に連れて旅を出るなどは出来ない。じゃあどうするのか?もしも前の世界ならば、交番に言うとか警察を呼ぶなどすれば一発で解決だ。なので、ダメ元で聞いてみることにした。

「警察ってある?」
「そんな組織ないですね」
「ですよねー」
「どうしよう」
「それさっき似たような事わたしが言いましたよね」
「そういえばさっきこんな会話したな」
「そうですね」
「で、どうするんですか?」
「村の中でも頭脳、魔法ともに子供達の中では一、二を争う実力なんでしょ。考えてよ」
「うーん。そういわれても、わからないものはわからないですよ」
「ですよね。はぁ」

そうため息を吐きながらもだんだん不安になってくる子供達のためにも俺は考えた。まず、問題はどうやってこの子達の親に伝えるかだ。様々な人種がいて恐らく旅に連れてって親を回るのは現実味はゼロだ。だが、お偉いさんに伝えたらどうだろうか。お偉いさんならばもしかしたら国の壁を越えることができるかもしれない。なぜなら首相か大統領か知らないがその国のトップに立つ人たちにこの情報が届けることが可能だからだ。だが、大富豪の家は残念ながらこの町には無い。

ここは発想の転換だ。別に俺たちの旅に同行させる必要は無い。つまり、ギルドに頼めばいい、冒険者ならば様々な所に行くはずだ。いや、それだと足手まといになる。と、断られてしまうかもしれない。だったら、もうこの際護衛任務とかをギルドに頼んで護衛しながらいってもらうか。いや、これもダメだ。護衛任務の依頼金を動物退治とかで稼ぐにしてもその間に子供達を維持していくお金が高いから稼ぎをそちらに全部まわさなきゃいけなくなる可能性があるし、なにより時間がかかりすぎる。俺は思わず叫んだ

「くそー!!!」
「どうしたんですか!?ってどうするのかについて考えているんでしたね」
「お偉いさんに伝えたらいいんじゃないかって思ったんだけどお偉いさんいないし、かt」
「いますよ」
「え!」
「どこに?」
「町役場です」
「あ、」

俺は完全に失念していた。そういえばそんな建物あったわ。そうと決まれば善は急げだ。俺はリーフィアに言った。

「じゃあリーフィア。町役場に行くぞ。光を出す魔法を使ってくれ」
「え、って解りました。我は闇に蝕まれている。光よ!ああ、闇とは相対する希望とも言える光よ!我に汝の一部を貸してくれたまえ!!」
「よしじゃあみんな行きますよ」

リーフィアの魔法でリーフィアの周りだけ異様に明るくなった。みんなが喜ぶなか一人?だけしょんぼりしている人がいた。その名はウンディーネである。そんなウンディーネはしょんぼりとした表情をしながら、しょんぼりとした声でつぶやいた。「ヒョウガに忘れられたのですー↓」後から来た俺らはウンディーネのちいさい分身が子供達を励まし、子供達をまとめていたことは知る由も無かった。なんとも哀れである。

そんなウンディーネを見て同じような境遇に会った人がニヤリと笑ったのは気のせいだろう。いや気のせいだった。顔や姿、口調。自称スペックまで、が優等生な少女だ。性格も優等生だと信じたい。とあるWEB小説みたいに、村長の娘は実は特殊な性癖だったとか目覚めた。みたいな奴はいらないから。まじで。なんか嫌なフラグばっかり立てたり回収してたりするな。などと思っていた。

実はいいフラグも立てて回収しつつあるのだが。もちろんそんなことを知らない氷河は肩をガックリと落としながらリーフィアに案内されて無事に町役場に着いた。

俺は明かりが確認できたので町役場の中に入った。町役場というのに相応しく木製のカウンターが目の前にあり、もう終わる時間なのかせわしなく動いているはずの役員は奥には少しだけしかいなかった。やはり役場なので高級らしい振り子時計もしっかり壁に掛けてある。そういえばなぜこういう所だけは現代日本に近いんだろうか?そんなことを考えているとすでにリーフィアが話しをしていた。

「なのでこの子達を引き取って上に報告しといてくださいますか?」
「ありがとうございます。うちも手を焼いていた組織なんです。それにしても凄いですね。上にこのことを含めて報告しときます。ほら、こっちにおいで一晩ここに泊まったらおうちに帰れるからね」
「みんな元気でね」

そうリーフィアが言うと子供達は「ありがとう」とか「うん。お姉ちゃんも元気でね」とか言いカウンターの横を通っていった。外にウンディーネを待たしているし、帰ろうかと思ったらその矢先、役場の方が聞いてきた。

「お名前はなんというんですか?」
「氷河です」
「リーフィアです」
「ヒョウガさまとリーフィアですね。わかりました」
「ありがとうございました」

俺はその言葉を聞きながら町役場を後にした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。

辰巳 蓮
ファンタジー
「転生して好きに暮らしてください。ただ、不便なところをちょっとだけ、改善していってください」 とゆうことで、多少の便宜を図ってもらった「ナッキート」が転生したのは、剣と魔法の世界でした。 すいません。年表書いてたら分かりにくいところがあったので、ちょっと加えたところがあります。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...