秋のエンディング

黒猫

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プロローグ

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この出来事で、彼の人生は大きく変わることとなる。
勢いよく突っ込んで来たのは大型のトラックだった。
明らかに速度制限を完全に無視した暴走行為。甲高いブレーキ音と共にその巨体は一人の女性を意味もなく撥ねる。
圧倒的に小さな体は軽々と宙に舞い僕の目の前で鈍い音を響かせ転がり落ちた。
その場は少しの間、沈黙と困惑が続き…
気づいた頃には人々の恐怖一色で染まった。
あちらこちらから沢山の悲鳴が混ざり合う。
その場から立ち去る者、嗚咽する者、写真を取り出す者。
一番近くで悲劇を見ていた僕は、どれでもなく
滝の様に流血する女性の元にふらふらと歩み寄り、崩れ落ちた。
「さ…さや?」
酷く弱々しい囁き声よりも小さな声で呼びかける。
無論、ピクリともしない女性から返答はなく、生気はほとんどなかった。
わかってはいたことだと思う。でも理解したくはない。ドッキリでもなんでもいい、嘘だよって言ってくれよ・・・
しかしそんな願いを神様は叶えてはくれなかった。
ある日突然は起きてしまったのだ。
誰も気づかず、気付かれずに。
高校二年の秋、緑葉が紅葉へと変化する季節に翔は愛する彼女を交通事故で失った。
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