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魔女の娘のアリーちゃん編
小洗屋のシラタマと魔女の娘のアリーちゃん 1話
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本日、シラタマはろくろ首のリッカちゃんとりんご狩りに来ている。
木を痛めなければ、いかようにも取っていいとこのとで、因幡白兎果樹園は、定期的に来ているが、この前、サチヨちゃんと食べたアップルパイが美味しすぎたのもある。
今まで食べたアップルパイのなかでも、カラメル具合といい、りんごのシャキトロ感といい、最高においしかった!
父と母に熱弁したシラタマは、翌日、両親の分も買いに行ったほどだ。
父と母にも好評で、父は、このアップルジャムがどうにか作れないかと首をひねる日々が続いている。
今はりんごが美味しい時期。
和菓子にも美味しいりんごを使いたいと思っているのだが、なかなかにむずかしい。
リッカちゃんは慣れた手つきで、首をぽーんと飛ばすと、ぷかぷかと浮いてから、ゆっくりと戻ってきた。
「上の方は、まだ、だった……」
そういうリッカちゃんの口元はモゴモゴと動いている。
「かじったの、もってきて! だめよ、そーいうのは!」
「……シラタマちゃんきびしい」
「きびしくない!」
シャー! と、一回うなると、リッカちゃんはしぶしぶくわえてくる。
「ほんとに、これだけ?」
「うん」
リッカちゃんのうなずきを無視して、シラタマはふわふわの肉球で、シュタタと木に登っていく。
「まだあるよ、ここにも! 歯型ついてる!」
「そう?」
酸っぱいから、かじるのをやめたのだろう。
それをシラタマはもぎると、リッカちゃんのおでこに向かって投げつける。
「いったーーーい!」
「ウソついたからよ!」
くるんと頭が回ったことで、リッカちゃんの目の前にツヤツヤのりんごが飛びこんだ。
んあーと口を開けたリッカちゃんの頬に向かって、シラタマの肉球がのびる。
「ふわふわぱーんち!」
リッカちゃんの頭がゴロンと地面に落っこちていく。
「いだい! パンチはふわふわだったけど、地面がいだい!」
「かじりつくの、なし!」
ぶーぶーシャーシャーやりあってると、クスクスと笑い声が聞こえてくる。
見れば同い年くらいの金髪の女の子が立っていた。
西洋の子だ。
格好は、黒いワンピースに、黒いとんがり帽子──
「あ、ごめんなさい。ワタシ、魔女ミランダの娘、アリーいいます」
彼女はスカートのはしをつまむと、小さくお辞儀をしてくれた。
少しカタコトな日本語だが、まさか話ができるなんて……!
シラタマとリッカちゃんはお互い顔を合わせて、パァーと明るくなる。
2人はあわてながらも身なりをととのえ、きれいにお辞儀をし返すが、
「「アリーちゃんとおしゃべりしたかったの!」」
シラタマとリッカちゃんの声がそろう。
シラタマはアップルパイに入っていたりんごのことが聞きたくて、リッカちゃんは西洋のおしゃれ事情、主にドラマ情報を知りたくて、2人はおしゃべりしたいねーと、今日、ここへ来るまでしゃべっていたのだ。
まさか、こんなところで会えるなんて!
「アタシも、ここのアヤカシちゃんと、おしゃべりしたかった!」
ずいっと出てきたアリーちゃんの手をシラタマとリッカちゃんが握る。
思わず、うふふと笑っちゃうのは、年が近いからだろう。
木を痛めなければ、いかようにも取っていいとこのとで、因幡白兎果樹園は、定期的に来ているが、この前、サチヨちゃんと食べたアップルパイが美味しすぎたのもある。
今まで食べたアップルパイのなかでも、カラメル具合といい、りんごのシャキトロ感といい、最高においしかった!
父と母に熱弁したシラタマは、翌日、両親の分も買いに行ったほどだ。
父と母にも好評で、父は、このアップルジャムがどうにか作れないかと首をひねる日々が続いている。
今はりんごが美味しい時期。
和菓子にも美味しいりんごを使いたいと思っているのだが、なかなかにむずかしい。
リッカちゃんは慣れた手つきで、首をぽーんと飛ばすと、ぷかぷかと浮いてから、ゆっくりと戻ってきた。
「上の方は、まだ、だった……」
そういうリッカちゃんの口元はモゴモゴと動いている。
「かじったの、もってきて! だめよ、そーいうのは!」
「……シラタマちゃんきびしい」
「きびしくない!」
シャー! と、一回うなると、リッカちゃんはしぶしぶくわえてくる。
「ほんとに、これだけ?」
「うん」
リッカちゃんのうなずきを無視して、シラタマはふわふわの肉球で、シュタタと木に登っていく。
「まだあるよ、ここにも! 歯型ついてる!」
「そう?」
酸っぱいから、かじるのをやめたのだろう。
それをシラタマはもぎると、リッカちゃんのおでこに向かって投げつける。
「いったーーーい!」
「ウソついたからよ!」
くるんと頭が回ったことで、リッカちゃんの目の前にツヤツヤのりんごが飛びこんだ。
んあーと口を開けたリッカちゃんの頬に向かって、シラタマの肉球がのびる。
「ふわふわぱーんち!」
リッカちゃんの頭がゴロンと地面に落っこちていく。
「いだい! パンチはふわふわだったけど、地面がいだい!」
「かじりつくの、なし!」
ぶーぶーシャーシャーやりあってると、クスクスと笑い声が聞こえてくる。
見れば同い年くらいの金髪の女の子が立っていた。
西洋の子だ。
格好は、黒いワンピースに、黒いとんがり帽子──
「あ、ごめんなさい。ワタシ、魔女ミランダの娘、アリーいいます」
彼女はスカートのはしをつまむと、小さくお辞儀をしてくれた。
少しカタコトな日本語だが、まさか話ができるなんて……!
シラタマとリッカちゃんはお互い顔を合わせて、パァーと明るくなる。
2人はあわてながらも身なりをととのえ、きれいにお辞儀をし返すが、
「「アリーちゃんとおしゃべりしたかったの!」」
シラタマとリッカちゃんの声がそろう。
シラタマはアップルパイに入っていたりんごのことが聞きたくて、リッカちゃんは西洋のおしゃれ事情、主にドラマ情報を知りたくて、2人はおしゃべりしたいねーと、今日、ここへ来るまでしゃべっていたのだ。
まさか、こんなところで会えるなんて!
「アタシも、ここのアヤカシちゃんと、おしゃべりしたかった!」
ずいっと出てきたアリーちゃんの手をシラタマとリッカちゃんが握る。
思わず、うふふと笑っちゃうのは、年が近いからだろう。
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