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第2章 カフェから巡る四季
第111話 定休日は映画三昧!
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定休日の今日、しっかり休みたいがために仕込みも完璧に終わらせた莉子だったが、全ての作業が終了したのは、本日の午前3時を回っていた。
そのため彼女がベッドから体を起こした時刻は、朝の10時に迫る頃だった。
連藤にはあらかじめ連絡を入れておいたので、問題はないだろう。
そう思って携帯を見ると、5通もメールがある。
最初はおはようだが、体調は大丈夫か? 食事はとれているか? しっかり休んでいるか? やっぱり体調が悪いのか? 続く心配の言葉の数々に、莉子は思わず「お前は母親かっ」画面にツッコミを入れたのは言うまでもない。
歯を磨きながら携帯で、今起きました、これからご飯です。と打ち込み送ると、瞬く間に返信が届く。
『今日は定休日だから、ゆっくり休んでくれ』
そうだからゆっくり休んでいるのだが、彼はもっとゆっくりしろと言う。
「……さぁ、何しようか……」
莉子はポットに水を注ぎながら呟いた。
いつもどおり部屋の片付けから始まる定休日だが、片付けもこまめに行なっていたかいがあり、10時に起きたにも関わらず、12時30分の段階で自由な時間が生まれた。
さきほど簡単な食事も済ましたため、昼食はまだ早く、それならと莉子はテレビの電源を押した。
久しぶりのテレビだ。
連藤が来ているときはラジオのように使うことがあっても映像を見ることは少ない。
「今日は映画でもみるか」
莉子はひとり呟き、月額登録しているビデオ配信アプリにテレビをつなげた。
新作から探し、さらにジャンルを絞って探していくと、ゾンビ特集が現れた。
何も考えず、ポテトチップスを頬張りながら、ダラダラ見たい……!
その一心で探していくと、引っかかった映画がある。「ゾンビスクール!」だ。
イライジャ・ウッドが出ているらしい。ホラーコメディでもあるようだ。
「よし、これ見るか」
そう決めると、冷蔵庫からゼロカロリーのコーラとポテトチップスをテーブルに置いて、さっそく再生にボタンを合わせ、リモコンを操作していく。
──冒頭から主人公のダメっぷり、また小学校を舞台にしているのだが、その先生方の個性的な登場シーン。
笑える。これは笑える。
莉子にとってはツボにはまったようだ。
が、なかなかゾンビが出てこない。
主人公のバックボーンが長い気がする。
早送りしたい気持ちを抑え、ゾンビを待つことしばらくして……
(自主規制。ネタばらしになるので割愛)
割と笑い通しで終わった、かも……
小出しにされる笑いのネタをすべて拾い上げた感がある。
その間コーラはもうひとつ消費され、大袋のポテトチップスは半分より進んだだろうか。
「結構疲れたな……」
莉子は指を舐めつつ、一度テレビを消し、音楽をかけることにする。
あなたへのオススメというカテゴリーがあったため、それをランダムで流してみる。
……確かに、自分好みの曲だ。
その音楽に合わせて、さらにもう少しだけ部屋の片付けを進めたとき、携帯が震えた。
メールが来たのを教えてくれたのだ。
服を片付けながらメールを開くと、今日の夕飯はどれがいい? というメッセージとともに、写真が添付されていた。
連藤がランチにフレンチ惣菜の店へ行ったようだ。それはいいのだが、撮ったのは誰だろう。
巧が見切れて入っている。惣菜がメインで撮られてはいるが、頭の先や横顔がうまい具合に入り込んでいる。
こんな手の込んだことをするのは、瑞樹ぐらいか?
惚れ惚れするほど美しい巧の横顔を眺めながら、莉子はどの惣菜にするか悩む。
唸る声が部屋に響くほど、真剣に悩むのも無理はない。
本当にどの写真も美味しそうなのだ。
写真の中で季節限定の商品が3つあるのがわかった。春野菜を使った惣菜だ。菜の花、タラの芽と、本当に春の香りが写真から漂ってきそうなほど。
莉子はこの春野菜の惣菜が欲しいと決め、連藤に返信するが、逆にどんな白ワインが似合うか、またはロゼにするべきか悩み始めてしまう。
春は桃色がよく似合う。そのためロゼも多く出回る時期なのだ。
ロゼは万能ワイン。スパイシーな料理からさっぱりした料理まで幅広く対応できるポテンシャルがある。
春野菜の苦味もロゼなら味わいに変えてくれるだろうか……
「白とロゼ、どっちも冷やしとこ」
今晩の食事の確保も確認できた莉子は、一度背のびをした。
今日は時間の進み方が遅いようだ。
「もう一本、映画みちゃおうかなぁ……」
再びテレビの電源をつけると、映画選びが始まった。
缶ビールに手を伸ばさないように注意して、今回もコーラと残りのチップスで過ごすことにしよう。
莉子が次に選んだのは「メン・イン・キャット」。
どんな映画なのだろう? 可愛らしいふわふわな猫が主役なのだろうか……
たまらず莉子は再生を押したのだった。
そのため彼女がベッドから体を起こした時刻は、朝の10時に迫る頃だった。
連藤にはあらかじめ連絡を入れておいたので、問題はないだろう。
そう思って携帯を見ると、5通もメールがある。
最初はおはようだが、体調は大丈夫か? 食事はとれているか? しっかり休んでいるか? やっぱり体調が悪いのか? 続く心配の言葉の数々に、莉子は思わず「お前は母親かっ」画面にツッコミを入れたのは言うまでもない。
歯を磨きながら携帯で、今起きました、これからご飯です。と打ち込み送ると、瞬く間に返信が届く。
『今日は定休日だから、ゆっくり休んでくれ』
そうだからゆっくり休んでいるのだが、彼はもっとゆっくりしろと言う。
「……さぁ、何しようか……」
莉子はポットに水を注ぎながら呟いた。
いつもどおり部屋の片付けから始まる定休日だが、片付けもこまめに行なっていたかいがあり、10時に起きたにも関わらず、12時30分の段階で自由な時間が生まれた。
さきほど簡単な食事も済ましたため、昼食はまだ早く、それならと莉子はテレビの電源を押した。
久しぶりのテレビだ。
連藤が来ているときはラジオのように使うことがあっても映像を見ることは少ない。
「今日は映画でもみるか」
莉子はひとり呟き、月額登録しているビデオ配信アプリにテレビをつなげた。
新作から探し、さらにジャンルを絞って探していくと、ゾンビ特集が現れた。
何も考えず、ポテトチップスを頬張りながら、ダラダラ見たい……!
その一心で探していくと、引っかかった映画がある。「ゾンビスクール!」だ。
イライジャ・ウッドが出ているらしい。ホラーコメディでもあるようだ。
「よし、これ見るか」
そう決めると、冷蔵庫からゼロカロリーのコーラとポテトチップスをテーブルに置いて、さっそく再生にボタンを合わせ、リモコンを操作していく。
──冒頭から主人公のダメっぷり、また小学校を舞台にしているのだが、その先生方の個性的な登場シーン。
笑える。これは笑える。
莉子にとってはツボにはまったようだ。
が、なかなかゾンビが出てこない。
主人公のバックボーンが長い気がする。
早送りしたい気持ちを抑え、ゾンビを待つことしばらくして……
(自主規制。ネタばらしになるので割愛)
割と笑い通しで終わった、かも……
小出しにされる笑いのネタをすべて拾い上げた感がある。
その間コーラはもうひとつ消費され、大袋のポテトチップスは半分より進んだだろうか。
「結構疲れたな……」
莉子は指を舐めつつ、一度テレビを消し、音楽をかけることにする。
あなたへのオススメというカテゴリーがあったため、それをランダムで流してみる。
……確かに、自分好みの曲だ。
その音楽に合わせて、さらにもう少しだけ部屋の片付けを進めたとき、携帯が震えた。
メールが来たのを教えてくれたのだ。
服を片付けながらメールを開くと、今日の夕飯はどれがいい? というメッセージとともに、写真が添付されていた。
連藤がランチにフレンチ惣菜の店へ行ったようだ。それはいいのだが、撮ったのは誰だろう。
巧が見切れて入っている。惣菜がメインで撮られてはいるが、頭の先や横顔がうまい具合に入り込んでいる。
こんな手の込んだことをするのは、瑞樹ぐらいか?
惚れ惚れするほど美しい巧の横顔を眺めながら、莉子はどの惣菜にするか悩む。
唸る声が部屋に響くほど、真剣に悩むのも無理はない。
本当にどの写真も美味しそうなのだ。
写真の中で季節限定の商品が3つあるのがわかった。春野菜を使った惣菜だ。菜の花、タラの芽と、本当に春の香りが写真から漂ってきそうなほど。
莉子はこの春野菜の惣菜が欲しいと決め、連藤に返信するが、逆にどんな白ワインが似合うか、またはロゼにするべきか悩み始めてしまう。
春は桃色がよく似合う。そのためロゼも多く出回る時期なのだ。
ロゼは万能ワイン。スパイシーな料理からさっぱりした料理まで幅広く対応できるポテンシャルがある。
春野菜の苦味もロゼなら味わいに変えてくれるだろうか……
「白とロゼ、どっちも冷やしとこ」
今晩の食事の確保も確認できた莉子は、一度背のびをした。
今日は時間の進み方が遅いようだ。
「もう一本、映画みちゃおうかなぁ……」
再びテレビの電源をつけると、映画選びが始まった。
缶ビールに手を伸ばさないように注意して、今回もコーラと残りのチップスで過ごすことにしよう。
莉子が次に選んだのは「メン・イン・キャット」。
どんな映画なのだろう? 可愛らしいふわふわな猫が主役なのだろうか……
たまらず莉子は再生を押したのだった。
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