聖夜の贈り物

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荒れる警察社会編(一章②)

罪を償う者。

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尾崎さんは、あっさりと死んでしまった。
 本人は全く望んでいない無惨な死に方で…

 現在、生き残ってる人は自分含め3人だ。
 そして、SAF側は10人以上いる。

 この3人でSAFを逮捕もしくは射殺する事はできるのか。それが不安だ。

「おい!根本、後ろ。」
 後ろに誰か居るのかと思い、振り返ると…
 SAFのリーダーが不気味な顔で微笑んでいた。
 怖くなり、反射的に後ろに下がった。

「ひいぃぃぃぃ!」
「驚かしてごめんねぇぇぇ。本当はナイフで滅多刺しにしたかったけどぉ。根本君はこの場所で死ぬべきではない人間だから見過ごしたよ。命拾いしたね、ネモトクン。」
 嫌味口調で言われ、少し腹が立ったが本人が言う通り命拾いしたので心から安堵した。

生き残っているSAFメンバーを逮捕に至らないといけないので、襟に付いているマイクに小声で作戦を立てた。

「西野さんにはサッフの部下を拘束してください。撃抜さんはリーダーの頭を銃で打撲させてください。合図しますので合図を待ってください。」
「ぉぅ。」

「何をしてるんだ?根本君。」
バレたかと思われたが…
「いや、何も。」 
背後に居る、先輩に合図を送った。
すると、西野さんはすばやく行動し、サッフの部下に銃で殴り拘束した。

一方、撃抜さんはサッフのリーダーの背後に迫り銃で殴り罹ろうとしたが振り向いたリーダーに銃を奪われ
腹部を打たれ、負傷した。

「私の部下が拘束されてる。根本君があの警察に合図を送ったのか?」
質問され、頷いた。
「あ~そうなの。君ってそんな人だったの。」
「僕を殺すのか?」
「いいやぁ。殺さないよぉ、根本君も罪を償ってほしいな。射殺に関与した事を…」
「それは…射殺に関与した事は事実だから僕は罪を償うよ。だが、お前も罪を償え。」
「分かったよ。君が僕に手錠を掛けてくれ。」
急に犯した犯罪を認めてきた。気味が悪いが本人が要望してるので、手錠を掛けた。

「中野さん、こいつを見張っててください!」
「おう。」
あっさりと許可を頂き、気を失い倒れてる撃抜さんの
身体を叩き。撃抜さんは、目を覚ました。

「あ、目が開いた!撃抜さんが生きてて良かったぁ。立てますか?」
「あぁ。あのリーダーに手錠を掛けれたか?」
「はい!この通り、手錠を掛けています。」

「根本、こいつを部下と一緒にして警察本部に電話を掛けろ。分かったか?」
「はい。分かりました!」

「SAFのリーダーの名前は何と言うんだ?」
「黒組空気という人間だ。それを聞いて何になる。」
「いや、刑務所の中でお世話になるのかぁって思って。」
「そうなのか。」
「あぁ。」
部下と一緒にして携帯を取り出す。
「ここから動くなよ。」
そう言って、空気は頷く。

「もしもし、根本です。SAF22のメンバーを拘束しました。」
「あぁ、良くやった。そちらに警察車を向かわせる。」

こうして、長く感じた短い戦いは終焉を迎えた…


次に続く。
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