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黒い幻影
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「ああ、俺も一瞬そう考えたさ。でもお前、新田の依頼思い出してみろ。あいつは、『武田にとって、一番いい結果を出してくれ』って言ったんだぜ。新田も言ってたように、武田はかわいがられてるんだ、先輩達にな。それはあのキャプテンの態度からしても間違いない。そして新田がサッカー部の先輩達が犯人じゃないと無理矢理にでも思いたかった理由が、そこにある。
お前ならどっちがショックだ? 仲間だと思っていた奴が自分を陥れようとしてるのと、自分のドッペルゲンガーが出たんだと思うのと。あの場合の新田の答えは、『自分のドッペルゲンガーだったと武田に思い込ませ、尚且つもう出ないと彼が安心出来る事』だったんだ」
「で? 結局? どっちに隠れてたんだ?」
「ロッカーさ」
「ロッカー? でも変じゃん。だって調べた時にいなかったし、ロッカーに隠れてたんなら、あの時新田が言ったようにドアを閉める時に音がした筈だろ。お前と武田もそう言ってたじゃないか」
俺の言葉に、松岡はククッと肩を縮めて笑った。
「真相はもっと単純だぜ。――お前憶えてる? あん時キャプテンが来て、最初に言った言葉を」
「え……? 確か――何やってるんだ、みたいな感じの」
「正確には、『お前、何してるんだ』だ。いいか、あのキャプテン。『お前』って言ったんだぜ。『お前達』じゃなくな。あれは俺達に言ったんじゃない。ロッカーの向こう側に身を縮めて隠れてる、小西に言ったんだ。
あん時ドッペルゲンガーの正体に気付いたキャプテンは、小西を庇ったがそれと同時に、奴に忠告したんだ。説教じみた台詞を吐いていただろう? あれは武田にではなく、小西に言ったんだぜ。『こんな事しても無駄だ。武田をレギュラーから外すつもりはない』ってな。後はお前も知っての通り、依頼の変更がないかを新田に確認して、小西を逃がし武田を納得させる為に、トイレの方から捜し始めたって訳だ」
「あのキャプテンが共犯だったって事はないのか? だって庇ったんだろ? 小西先輩を」
それに不服そうに唇を尖らせた松岡は、首を横に振ってきっぱりと言い切った。
お前ならどっちがショックだ? 仲間だと思っていた奴が自分を陥れようとしてるのと、自分のドッペルゲンガーが出たんだと思うのと。あの場合の新田の答えは、『自分のドッペルゲンガーだったと武田に思い込ませ、尚且つもう出ないと彼が安心出来る事』だったんだ」
「で? 結局? どっちに隠れてたんだ?」
「ロッカーさ」
「ロッカー? でも変じゃん。だって調べた時にいなかったし、ロッカーに隠れてたんなら、あの時新田が言ったようにドアを閉める時に音がした筈だろ。お前と武田もそう言ってたじゃないか」
俺の言葉に、松岡はククッと肩を縮めて笑った。
「真相はもっと単純だぜ。――お前憶えてる? あん時キャプテンが来て、最初に言った言葉を」
「え……? 確か――何やってるんだ、みたいな感じの」
「正確には、『お前、何してるんだ』だ。いいか、あのキャプテン。『お前』って言ったんだぜ。『お前達』じゃなくな。あれは俺達に言ったんじゃない。ロッカーの向こう側に身を縮めて隠れてる、小西に言ったんだ。
あん時ドッペルゲンガーの正体に気付いたキャプテンは、小西を庇ったがそれと同時に、奴に忠告したんだ。説教じみた台詞を吐いていただろう? あれは武田にではなく、小西に言ったんだぜ。『こんな事しても無駄だ。武田をレギュラーから外すつもりはない』ってな。後はお前も知っての通り、依頼の変更がないかを新田に確認して、小西を逃がし武田を納得させる為に、トイレの方から捜し始めたって訳だ」
「あのキャプテンが共犯だったって事はないのか? だって庇ったんだろ? 小西先輩を」
それに不服そうに唇を尖らせた松岡は、首を横に振ってきっぱりと言い切った。
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