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呪いの鎧武者
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「お前、気付いてねぇ? お前のポーカーフェイスは、ある意味、俺以上だぜ。顔では笑っていても、その眼鏡の奥の瞳は全然笑ってねぇよ。はっきり言や俺達は、馴染めてねぇんだ、この世界に。只生きてても、楽しくもなんともねぇ。――あん時。武田の寮からの帰り道、お前言ってたよな? 『学校にいる時とは、えらい違いだ』って。俺はその言葉、そっくりそのまま返したかったぜ、お前にな。俺達は間違いなく同類だ。だが――」
チラリと後ろに視線を投げた松岡が、重く首を振る。
「だが、あいつは別だ。綾香は違う。――迷える子羊じゃない。あいつはちゃんと見つけられる筈だぜ。此処じゃなくても、他に楽しい事を幾らでもさ。綾香が此処に来る目的は唯一つ。『大好きな兄貴に会いたい』、それだけだからな」
松岡の言葉に真っ直ぐと前を見据えた依羅さんは、遠くを見るように目を細めた。
「あれが友也のやさしさなんだよ。――こういう事をしているとね、どうしても身の危険を覚悟しなくてはいけない時もある。あいつは出来るだけ、引き込みたくないんだ。大事な妹をね」
その横顔はどこか寂しげに見えたが、それも一瞬にして消えてしまった。俺の視線に気付いたように、不意にこちらを見た依羅さんが、微笑を浮かべる。
「ところで、お前達の方はどうだった? 収穫はあったんだろうか?」
「ああ、勿論」
ニンマリと笑った松岡は、片肘をカウンターについて顎を支えた。
「謎は深まるばかりだぜ」
そう言って高科先輩から仕入れた情報を全て話した松岡は、反応を窺うように依羅さんを見つめた。
「それはまた、予想以上に収穫があったのだね」
「ああ! 訊き出しやすそうってだけの安直な考えで選んだんだが、彼女を選んで正解だったぜ。――で? 依羅さん。どう思う?」
「『封印』の事かい?」
「うん。高科の人間も知らないんだ。曾爺さん以外は。理事長に訊いても多分一緒。彼女以上の情報はないと思う。でさ、単純に考えりゃ、封印されてんのは鎧武者だよな?」
「そうだね。それなら、鎧武者の姿を映す魔鏡の説明もつく」
「でも変なんだ。――あの場所に鎧武者を封印してるんだったら、鎧武者が守ってる宝。それも一緒にあらなくちゃおかしい。だって、それを守る為に鎧武者は出没してるんだから。あの場所に、それらしいモンなんて無かったぜ」
「すごいね、保。素晴らしい!」
チラリと後ろに視線を投げた松岡が、重く首を振る。
「だが、あいつは別だ。綾香は違う。――迷える子羊じゃない。あいつはちゃんと見つけられる筈だぜ。此処じゃなくても、他に楽しい事を幾らでもさ。綾香が此処に来る目的は唯一つ。『大好きな兄貴に会いたい』、それだけだからな」
松岡の言葉に真っ直ぐと前を見据えた依羅さんは、遠くを見るように目を細めた。
「あれが友也のやさしさなんだよ。――こういう事をしているとね、どうしても身の危険を覚悟しなくてはいけない時もある。あいつは出来るだけ、引き込みたくないんだ。大事な妹をね」
その横顔はどこか寂しげに見えたが、それも一瞬にして消えてしまった。俺の視線に気付いたように、不意にこちらを見た依羅さんが、微笑を浮かべる。
「ところで、お前達の方はどうだった? 収穫はあったんだろうか?」
「ああ、勿論」
ニンマリと笑った松岡は、片肘をカウンターについて顎を支えた。
「謎は深まるばかりだぜ」
そう言って高科先輩から仕入れた情報を全て話した松岡は、反応を窺うように依羅さんを見つめた。
「それはまた、予想以上に収穫があったのだね」
「ああ! 訊き出しやすそうってだけの安直な考えで選んだんだが、彼女を選んで正解だったぜ。――で? 依羅さん。どう思う?」
「『封印』の事かい?」
「うん。高科の人間も知らないんだ。曾爺さん以外は。理事長に訊いても多分一緒。彼女以上の情報はないと思う。でさ、単純に考えりゃ、封印されてんのは鎧武者だよな?」
「そうだね。それなら、鎧武者の姿を映す魔鏡の説明もつく」
「でも変なんだ。――あの場所に鎧武者を封印してるんだったら、鎧武者が守ってる宝。それも一緒にあらなくちゃおかしい。だって、それを守る為に鎧武者は出没してるんだから。あの場所に、それらしいモンなんて無かったぜ」
「すごいね、保。素晴らしい!」
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