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緋い記憶
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済まなさそうな表情を見せた俊介は、それでも次の瞬間、クスリと笑みを洩らした。
「――でも。まさかあいつに俺の姿、視えるなんて思わなかったし……。ましてや話せるなんて、さ」
嬉しそうに微笑む俊介に、隆哉もゆっくりと頷いてみせる。
「うん。俺も最初気付かなかった。あいつ。その辺の霊感あるって言われてる奴等より、能力あると思うよ。俺を通して、その場にいなかったあんたの声、聴いちゃうんだから」
「お前を通して? そりゃあ、いい」
更に嬉しげな笑顔を見せた俊介から、隆哉は視線を逸らした。
「……なんで、笑ってるの?」
「だって、可笑しくねぇ? 彬のあの驚いたカオって言ったら」
クスクスと笑う俊介にチロリと視線を投げ、再び顔を背ける。
「あんな事されて、どうして笑えるのかが、俺には理解出来ない。あの高橋はあんたの事、蹴り飛ばしたのに」
「だからぁ、あいつは怖がりなんだって」
「それにしたって」
笑い声をあげていた俊介が、フイッと笑うのをやめた。真剣な面持ちで隆哉を見つめる。
「どうした? お前が気にする事じゃないだろう」
「――でも。まさかあいつに俺の姿、視えるなんて思わなかったし……。ましてや話せるなんて、さ」
嬉しそうに微笑む俊介に、隆哉もゆっくりと頷いてみせる。
「うん。俺も最初気付かなかった。あいつ。その辺の霊感あるって言われてる奴等より、能力あると思うよ。俺を通して、その場にいなかったあんたの声、聴いちゃうんだから」
「お前を通して? そりゃあ、いい」
更に嬉しげな笑顔を見せた俊介から、隆哉は視線を逸らした。
「……なんで、笑ってるの?」
「だって、可笑しくねぇ? 彬のあの驚いたカオって言ったら」
クスクスと笑う俊介にチロリと視線を投げ、再び顔を背ける。
「あんな事されて、どうして笑えるのかが、俺には理解出来ない。あの高橋はあんたの事、蹴り飛ばしたのに」
「だからぁ、あいつは怖がりなんだって」
「それにしたって」
笑い声をあげていた俊介が、フイッと笑うのをやめた。真剣な面持ちで隆哉を見つめる。
「どうした? お前が気にする事じゃないだろう」
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