異世界複利! 【単行本1巻発売中】 ~日利1%で始める追放生活~

蒼き流星ボトムズ

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【降臨62日目】 所持金52万円 「設定盛り過ぎーーーー!!!」

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物音に目を覚ますと座布団の上に寝転がったエドワードがノートPCに見入っていた。


「あ、ゴメン。
起こしちゃいました?」


『あ、いえ。
睡眠貯金は人よりあるので。

…大谷選手ですか?』


「ええ。
丁度、盗塁決めたところ。」


『おお!』


「リプレイ始まりますよ。
ちな、2打数2安打。」


『おお!
今年キャリアハイかもしれませんね。』


しばらくメジャー観戦。
いつか2人で本場の野球を見たいね、という話題で盛り上がる。


『エドさん、完全にこっちに適応してますね。
私より野球に詳しいじゃないですか。』


「若い頃…
ずっと地方回りをさせられていたので。
知らない土地に馴染むコツって何となく分かっちゃうんです。
スポーツ観戦はおススメですよ。」


『え? そういうものなんですか?』


「そもそもが運動興行って民衆のガス抜きですからね。
皆を盛り上げる為に設計されてますから、部外者でも話題に入り易いんです。」


『ああ、確かに。
名古屋で中日ドラゴンズの話題に触れたら皆さん喜んでくれました。』


「お、いいですねえ。
チュニドラは敗北を楽しめる稀有なコンテンツですよ。
私は立浪監督好きだけどなあ。」


『いやあ流石の着眼点です。
スポーツを切っ掛けに社会に馴染んで行くなんて、私では到底思いつきませんよ。』


「いえいえ、無駄に歳を喰っているから思いついただけです。

補足しておくと、貧乏人が盛り上がってる娯楽を覚えるのは万事手っ取り早いですよ。
スポーツは言うまでもなく、歌舞音曲もかな。
ジャンクフードに詳しくなるのもおススメです。」


『え?
ジャンクフード、ですか?』


「スポーツと同じですよ。
貧民でも蘊蓄を語れる、これが重要なのです。
例えば、この日本国ではラーメンが流行している訳じゃないですか?
下層になればなるほど、ラーメンを語るのが好きな人は多いでしょう?」


『あ、はい。
その傾向は強いと思います。』


「なので、日本国に来てからは一軒でも多くのラーメン屋を回る様にしました。
共通の話題作りですね。」


『ラーメン、お口に合います?』


「ははは、豚骨系は苦手です。
ただ、魚介出汁系は抵抗なく食べられました。」


『おお!』


「そういう話題を早めに集められたので、割とこちらでもすぐに馴染めました。
ほら、私の風貌って日本民族の皆さんとは大きく異なるでしょう?
そんな私が日本国の食事を褒める言動をすれば、警戒心を和らげて下さるんです。」


『ああ、そこまで気を遣われるんですね。』


「現状、アウェイなんてものじゃないですからね。」


『確かに。
…地球は如何ですか?
戸籍とか国籍とか。』


「いやあ苦労してます。
なろう小説だと冒険者ギルドで一発登録可能なんですけどね。」


『「ははは。」』


聞けば、本物の異世界転移者であるエドワード王は、軍隊時代に鍛えた速読術でなろう小説を読み漁ったらしい。


『なろうって、転移の役に立ちます?』


「いや全然。
法テラスで5分話を聞くだけの方が遥かに有益ですよ。」


『ですよねー。』


「とりあえず、無戸籍者です。
こちらでの名はエドワード・ギャロ。
記憶喪失+無戸籍の状態で就籍申請中です。」


『え?
そんなガバガバで戸籍とか貰えるんですか?』


「貰えたら逆にヤバいですよー。
あくまで申請は《日本国政府に対して害意はありませんよ》というアピールですから。」


『あ、そこまで考えられるんですね。』


「パスポートもなしにガイジンがうろついてたら物騒でしょう?」


『まあ、怖いっすね。』


「若い頃、国境警備隊に半年ほど出向していたんです。
合衆国からの不法就労が激増してた時期だったので。
なので、取り締まる側の心理は理解出来ますし、むしろ共感する場面の方が多いですね。」


『エドさんは何でも経験しておられますね。』


「いえいえ、立場が弱かったので泣く泣く何でもやらされていたのです。
…特に尉官の頃は酷使されました。
今でも夢にうなされますよ。」


『お察しします。』


「なので、役所の論理はある程度理解出来ているつもりです…
まあね、皆様のね、お手間をね、煩わせないようにね…
意識はしております。」


『あの、私から何か力添え出来る事がありましたら。』


「お気遣い感謝します。
ですが、今はリンさんの問題解決を優先しましょう。
ほら、鷹見さんの公式Twitter。」


エドワードが差し出して来たスマホには、鷹見のtweetラインが表示されており
【トイチをとっ捕まえて君も大金持ちニャ♪】
という企画の要綱が長文で解説されている。


『うわああ。
私のプライバシーに一切配慮しない探し方…
ってか、実質的に賞金首ですね、コレ。』


「出頭します?」


『うーーん。
命は惜しいですねえ。』


「ええ、鷹見さんの画像や文体を見る限り…
かなり頭に血が上ってるみたいですから。
しばらくは身を隠すべきです。

こういう表情、ガンギマリって言うんでしたっけ?」


『エドさん、絶対私より日本事情に詳しいでしょw』



2人で笑いながら庭の家庭菜園でプチトマトを摘む。
トマト・胡瓜・アスパラ・紫蘇。
農業知識の無い俺が見ても、効率良く栽培している事が理解出来る。
元々、かなり農政に注力している王様だもんな、この人。

収穫が終わるとトマトと卵を炒めたものをご馳走になる。
味付けが完全に王都風。
恐らく日本人受けはしないであろうが、俺にとっては懐かしの味である。
こういう料理、カインが色々食わせてくれたなあ…


『紫蘇はどうします?』


「近所に漁協直営の直売所があるんです。
そこで魚を買って、捌いた時の臭み消しですね。」


『へえ。
満喫されておられますね。』


「イワシがねえ。
㌔400円で買えるんですよ。
先日、配り切っちゃったんですけど。
最近はオイルサーディン作りにハマってます。」


『スローライフですねぇ。』


「これで車の運転をさせて貰えれば、快適なのですが…
まあ、滞在をお目こぼし頂いているだけでも感謝ですね。」


『え? 車なしで生活しておられるんですか?
この辺、見た感じかなりの車社会っぽいですけど。』


「電動自転車頼りですね。
防犯登録にかなり苦労しましたけど。」


『…エドさん。
落ち着いたら、私に何とかさせて下さい。』


「お言葉に甘えます。
ただねえ。
こっちは勝手に召喚しておいてリンさんに滞在費すら支給しなかった訳でしょ?
だから、我ながらどの面下げて、とは思います。」


『言いっこ無しですよ。
転移者同士、仲良くさせて下さい。
それに、今泊めて貰ってますし。』


そうなのだ。
経緯不明ながらも、匿って貰っているのは俺だからな。
この男には寧ろ感謝すらしている。


『それにしても。
ノートPCとか電気自転車とか、結構いい暮らしされてますよね。
冷蔵庫も豪華だし。』


「うーーーーーん。」


エドワードは眉間に皴を寄せて天を睨む。


『どうしました?』


「リンさんに対しては打ち明けるべきですね。
…今から罪の告白をします。」


『え? 罪?』


「実はあまり行儀の宜しくない手段でカネを稼いでます。」


『そ、それは犯罪に手を染めておられるとか?』


「犯罪であればまだ可愛気があったのかも知れませんが…
もっと悪質な手段です。」


『も、もしや!
なろうでよくある!』


「…はい、チートを駆使してしまっております。」


『ひょとして…
昨日見せてくれた【自動照準(オートエイム)】ですか?』


エドワードは深刻な表情で頷いてからちゃぶ台の前に正座し、財布から4枚の紙片を取り出して置いた。


『こ、これは?』


「みずほ銀行発行…
ナンバーズです。」


『あ!』


エドワードは4枚のクジを丁寧にちゃぶ台に並べる。
そして、深々と頭を下げた。


「申し訳御座いません!」


『…いやいや、陛下!
頭を上げて下さい。』


「良からぬ振る舞いであると、重々承知しております。」


『スキルで宝くじを…』


「はい、【自動照準(オートエイム)】は必ず標的に当てるスキルです。」


『え? そ、それじゃあ!』


「…私が買えば必ず当たります!」


『…そんなんチートやん。』


「はい、私は事もあろうに、日本国に滞在させて貰ってる身でありながら…
チートを用いて生計を立ててしまっております(ペコリ)。
貴国に、みずほ銀行社に対し、何よりクジを楽しみにしておられる全ての皆様に対し、謹んでお詫び申し上げます。」


『…もうエドさんを主役にしてラノベ書きません?』


「いやあ、このスキル強すぎて。
可愛気がないんですよ。」


『まあ、聞くからに強スキルですよね。』


「…私が贔屓にしているyoutuberが居るんですけど。
《こんなスキルはアイデアとしてどうですか?》って質問したら…」


『何て返事だったんですか?』


「いや、失笑されましたよ。
《中学生が寝る前に妄想する典型的な糞なろうですね、オロロロロw》
って。」


『酷いなあw
ああ、でも私もそういう妄想した事はありますよ。』


「ええ?
リンさんでもそういう妄想するんですか?」


『しますよぉ。
私がよくした妄想はねえ。

…押せばモテる超科学スイッチをある日拾って、それでモテモテ人生を歩むという。
駄目だ! 忘れて下さいww
言ってて惨めになって来たw』


「いやいや!
男はみんなそうですって。
私も士官学校時代は、何か特別な奇跡が起こって地獄のような生活から解放される事だけを祈り続けてましたもの。」


『そっかあ。
兵隊さんは大変ですねえ。
奇跡、起こりました?』


「起こりましたよー。
ある日突然、帝国・共和国・合衆国・連邦から同時宣戦布告されました。」


『マジっすか!?』


「マジっすよー。
即日、戦時特例卒業です。
そのまま地獄の対帝国戦線へ。」


『うわあ。
いきなりですか?』


「一応、課程は5か月残ってたんですけど。
深夜に教官が廊下を絶叫しながら駆け回って…
《喜べキサマラ! 今夜で准尉任官だ!》
って、今でも覚えてますよ。」


『教官て、私が5万ウェン借りた人ですよね?
かなりマッチョな。』


「昔はもっとゴツかったですよ。
あの日なんか、そのまま首根っこ掴まれて叩き起こされて、口に無理やりラッパ突っ込まれて。
《ハンター、キサマはとりあえずラッパ吹いとけ!》
って殴られながら指示されました。」


『ハンター?』


「母方の姓です。
代々狩人の家系なんですよ。
即位の時に棄姓させられましたけど。」


『ああ、なるほど。
あのスキルは家系由来なんでしょうね。

それでどうしたんですか?』


「校内を走り回りながらずっとラッパ吹いてましたよ。
その後、教官殿に尻を蹴飛ばされながら、帝国戦線へ直行。
2年くらい塹壕暮らしですね。
同期が4人死にました。」


『軍隊怖い…』


「もうねー。
軍人にだけはなっちゃいけませんよ。
すみません、話が逸れてしまいましたね。
そんなチートです。」


『宝くじの他に何が当たるんですか?』


「…狙った女性のハートでしょうか。」


『それズルいーーーwww
設定盛り過ぎーーーーwww』


「あははははwww」


2人で肩を叩き合って爆笑しながら、宝くじの話題へ。


「転移して途方に暮れている時ですよ。
千葉市役所を出てから最初に目に入ったのがみずほ銀行の宝くじポスターだったんです。
それがまたナンバーズの説明ポスターなんですよ。」


『あはは、運命ですねw』


「もうねぇ。
市役所の中で《絶対に御迷惑は掛けません》って宣誓した直後でしたから。
罪悪感凄かったですよ。
あのポスター見た瞬間、絶対ハック出来るって直感的に分かっちゃったから。
《日本の皆様ゴメンナサイ!!》
って心の中で叫びましたもの。」


『律儀ですねえ。
その殊勝な発言、なろう主人公共に聞かせてやりたいです。』


「いやいや口だけ口だけ。
結局はスキルを発動し続けてますからね。
しかもナンバーズって毎日当選発表があるんですよ。
しかもしかも、当選金額が50万円以下なら身分証の提出が必要ないんですねえ。」


『あ! それ無敵パターン!!』


「そうなんですよ。
お陰でキャッシュには全然困らないんです。
ほら、見て。」


『何すかコレ?』


「タクシーチケットです。」


『おお!
これが噂のタクシーチケットですか!』


「タクシーを毎日チャーターしても困らない程度の貯えが出来ちゃいました。
大きな買い物をする時は、これで外房タクシーを呼んでますね。
たまに東金サンピアに行ってコロッケバーガーを食べるのがささやかな生き甲斐です。」


『あ、楽しそう。
なろうよりよっぽどスローライフしてるww』


「もうねぇ。
生まれて初めて、自分の為の時間が出来ちゃいましたから…
持て余してます。
貧乏性なんでしょうねえ。」


『私も、貴国に転移してからずっとチョコマカ動いてました。』


「あ、猊下。
しばらくはチョコマカしないで下さいね。」


『鷹見ですか?』


「ええ、今は捕まらない方がいいです。
リンさんが一番理解されていると思いますけど、鷹見さんは王国程甘くないですよ?」


俺の記憶に間違いなけば鷹見は大西のアルファードに跳ね飛ばされた筈だ。
しかし画面の中の鷹見は鼻に絆創膏一枚貼っただけ。
(コイツ不死身か!?)
快活に松村先生といつものように談笑している。

ただ一点だけいつもと違う点。
普段は上着を必ず羽織るのに、今日はサラシ姿に刺青だけの姿で配信している。
(肩の傷はヒルダのソニックブームによって切り裂かれた箇所だろうか。)


『この刺青って…』


「ヤクザとして動いてますってアピールでしょうね。
勿論、口に出すと暴対法に抵触しちゃうから、刺青を誇示する事で暗黙の宣言をしてます。」


『宣言?』


「絶対にリンさんを捕獲するという意志が伝わって…

あ!!」


画面の中の鷹見がニコニコと微笑みながら、大きく引き伸ばされた俺の顔写真を机に置く。


  「情報提供500万! 
  身柄を引き渡してくれたら!
  1億円の賞金を払うニャ♪」


  「なるべく五体満足で連れて来てねー。
  ウ↑チ↓もさあ。
  あの人には色々言いたい事があるから♪」


  「お?
  処刑用BGM流すニャ? 流すニャ?」


  「あっはっは。
  別に殺しまではしないよー。

  でもまあ、今のウ↑チ↓…
  かなりイラついてるから…
  厳しめの教育になるかもね。」


  「それ結局殺すパターンだニャww」


  「はっはっはww」

  
  「ニャガーww ニャガーーwww」



画面から聞こえるエグい会話に完全に心が折れる。
ヤバい、今あの女に捕まったら絶対に殺される。
思わず気が遠くなり、立つことすらままならない状態に陥った。


「リンさん!
大丈夫ですか!」


『す、すみません。
情けない話ですが、アイツの顔見てたら…
恐怖が…  怖いです…』


エドワードは俺をゆっくりと抱きかかえながら奥のソファーに座らせてくれる。


「落ち着いて。
大丈夫、ここら辺は特殊なリゾート地帯で、別荘や空き家やシェアハウスが入り混じってます。
そこそこ匿名性もあって、隠れるには悪くない場所なので。
何せ異世界人の私が住んでるくらいですからね。」


おどけた口調で俺を落ち着かせてくれた。
少し動悸が納まる。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


大量の汗を搔いたので、シャワーを借りてから作戦会議。
取り敢えず、エドワード王は無期限で俺を匿ってくれるつもりらしい。
流石に永住したいとは思わないが、荒ぶる鷹見を見て心が折れた俺は当面の潜伏を決意する。

どのみち、着替え・生活用品が必要になるので買い物に行かねばならない。
なので、エドワードお気に入りのショッピングモールであるサンピアにタクシーで向かう事となった。

俺はパーカーを目深に被って口元は大きめのマスクで隠した。
最近はアプリで簡単にタクシーを呼べるらしく、30分も経たずに門前に車両が停まった。
エドワードの指示で俺は一言も口を利かずに寝たふりをしていた。


「お疲れ様。
ここが大都会・東金市です。」


『おお、九十九里町より田んぼが少ない。』


「駅前と国道沿い以外は殆ど変わらない風景ですけどね。」


『エドさんは普段、ここで買い物してるんですね。』


「東金に来るのは3日に1回くらいですよ。
たまに都会の空気を吸いたくなるんです。」


JR東金駅前のサンピアに入る。
何が食べたいか聞かれたので、エドワードお気に入りのコロッケバーガーをご相伴に預かることにする。

狭いフードコートのような場所でフライドチキンバーガーとコロッケバーガーをご馳走して貰った。


『あの、やっぱり自分の分は払わせて下さい。』


「若い人がそんなに気を遣わなくて宜しいです。
今日は歓迎会ですよ。
九十九里の分と、王都の分。
纏めて開催しちゃって恐縮ですけれど。」


聞けば、俺以外のクラスメートは歓迎の宴を開いて貰ったらしい。
酔ったフェルナンデス司祭がパントマイム芸を披露して結構盛り上がったそうだ。


「選挙も近かったですからw」


『普通にしていれば、幾らでも投票してやったのにw』


あの坊主は聖職者としては一切見るところが無いが、話の肴としてはかなり良い素材だ。
こうして俺がエドワードと打ち解ける事には貢献してくれている。



「どうです?
コロッケバーガー、口に合いますか?」


『私は好きですね。
子供の頃、たまに両親がダイエーに連れて行ってくれる時があって。
それが唯一の楽しみだったので。
こういった味、懐かしいです。』


「これから、いっぱい楽しみを作って行って下さい。
リンさんは、まだまだ若いんだから。」


『…楽しみですかあ。』


「すぐに見つかりますよ。」


その前に鷹見かヒルダに殺されそうな気がするのだが…
まあいいや、今は楽しい事を考えよう。


『コロッケバーガーを食べる為に、わざわざタクシーで来てるんですか?』


「ふふふ。
今からが本番ですよ。」


食事を終えた俺達は、一旦建物の外に出る。
そこにはお馴染みの派手なノボリが立っていた。


『あ!』


「そうなんです。
サンピアには宝くじ売り場が存在するんですよ。
その名もチャンスセンター。
リンさん、これを窓口に出してみて下さい。」


『あ、はい。』


無言で窓口のオバサンにクジを渡すと
「はい、ナンバーズ3のストレート。
48000円ですね。
おめでとうございますー。」
と機械的に祝福されて、カネを貰えた。


『エドさん。
いつもこんな事をしてるんですか?』


「いつもはもっとエグい事をしております。」


『今ので十分エグイと思うんですけど。』


「実はねー。
当選金額が5万円を越えると、みずほ銀行でしか受け取れないんですね。
おまけに50万円を越えると身分証提示も求められます。」


『ああ、そうなんですね。』


「その為にわざわざ千葉市内まで出るのも億劫なんです。」


『市内まで結構時間掛かるんですか?』


「乗り換え込みで40から50分です。」


『微妙に遠いですね。』


「不正をする為に遠出するというのが、精神衛生上辛いんですよ。
なので東金駅で換金作業は完結させる事にしました。

リンさん、昨日のナンバーズ4の当選結果を見て来て下さい。」


ナンバーズなる宝くじには、3桁の数字を揃えれば良いナンバーズ3と4桁揃える必要のあるナンバーズ4があるらしい。
当然、賞金額はナンバーズ4の方が高額である。


『あ、はい。
えっと、どれどれ。
あ、ここに貼り出してるのか。

エドさん!
【1647】でした。』


「はい、どうぞ。」


『…うおーー!!
1647の券が何故かある!』


「さて、ストレート当選の当選金額に注目。」


『うおっ!
賞金131万円!?
こ、こんなのチートじゃないですか!?』


「お恥ずかしい限りです。
【自動照準(オートエイム)】の加減に難儀しておりまして。
5万以下を中々当ててくれないんです。
油断していると必ずストレートを当選してしまいますからね。
50万円以上は換金に身分証が必要になるから、正直辛いんですよ。」


『ぜ、贅沢な悩みです。』


「さて、サンピアの向かいの雑居ビル。
徒歩1分のところにー。」


『ところにー。』


「何と消費者金融。」


『王都が懐かしいです。
ニコニコ金融楽しかったなぁ。』


「今夜は我らが畏友ダン・ダグラス氏に盃を捧げましょう。」


『賛成。』


「はい、話を戻しますよー。
この消費者金融が今、不況です。
理由は分かります?」


『えっと、過払い訴訟とか?』


「お、流石ですね。
加えて銀行のカードローンが普及して、こういう雑居ビルの怪しげな高利貸しには人が来てくれないんですよ。」


言いながらエドワードは身軽に階段を昇って行く。
軍隊生活が長かっただけあって、足音が非常に軽快である。


『成る程。
確かに、どうしてもカネを借りたいなら…
私だって銀行から借りますね。』


そして重量感のある扉の前で防犯カメラを見つめる。
すぐに、中からくたびれた初老の男が出てくる。
ヤクザではなさそうだが、酸いも甘いも噛み分けてきたタイプの雰囲気。


  「やあ、ギャロさん。
  お友達というのはそちら?」


「ええ。
大切な友人です。」


  「まあいいや、入って。
  コーヒーは相変わらず苦手なんでしたね?」


「苦みは人生で十分味わっておりますからね。
じゃあ、お邪魔します。」


迂闊に口を開かないように指示されているので、俺は無言でエドワードの隣に座る。
児玉と名乗った金融屋はテーブルに3つのペットボトルを置いた。
好きな方を取れという意図らしい。


「児玉さん。
今日は3枚買い取って欲しいのです。」


「ああ、了解です。
番号、確認させて貰っていい?」


「どうぞ。」


「いつもながら、ギャロさんには驚かされます。
3枚ともストレートですか。
【0388】  935,700円
【2994】 1,790,000円
【5690】 1,549,100円
うはっw
私も色々な人間を見て来ましたけど、ギャロさんが一番怖いですよ。」


「いえいえ、私なんかはまだまだ。
どうやら世界は広いらしいですよ。」


「合計4,274,800円。
ギャロさんの取り分は2,137,400円
せめて端数くらいは全部支払わせて欲しいんですけどね。」


「児玉さんへの御恩は端数も含めてちゃんとお返ししたいのです。」


「ははは。
相変わらず如才のない人だ。
どうぞ、ご確認下さい。」


「児玉さん。
くれぐれも…」


「ええ、一つの売り場では換金しておりません。
債務者達を使って分散してカネに換えてます。
無論、ギャロさんの指示通り債務者達の返済額も大幅に相殺しております。

目立ったら負け、そうですよね?」


「ええ、仰る通りです。
こんな事をやってると世間様に知られたら…
どれだけの憎しみが向かう事か。」


「ギャロさんの意見には全面的に賛成です。
目立っていい事なんかありませんなあ。」


そう言って児玉は俺に向き合う。


「あー。
ギャロさんのご友人さん。
貴方の身元を詮索するつもりはありませんが…
そのパーカーの被り方は宜しくありませんなぁ。」


『!?』


「我々の業界で、この動画が共有されておりましてね。
まあ、見て貰った方が早いですね。
再生しますよー。」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【早い者勝ちだニャ♥】 目指せ1億円♪ 人助けキャンペーン♪  [雑談]

※この配信では「たぬきの葉っぱ」で匿名コメントができます


「どうもー。
夜猫@の夜更かし担当!
先日は大変お騒がせ致しました!
日本道路公団の皆様、死ねカス。

相模の獅子ッ!!
ルナルナ@貫通済でーーす♥」



「どもニャー♪
夜猫@の百合営業要員!
お姉様の尻ぬぐいで徹夜しました!
スポンサー車両を大破してゴメンニャ♥

仰げば尊と恩師ッ!
奈々ちゃんでーーす♪」


「みんな、見てるー♪
イエ―――――イ♥」


「オマエ、全然反省してないニャーww」


「はい、例によってバズってます。」


「現代の勝ち組だニャ。」


「そりゃあねぇ。
レインボーブリッジでチョコチョコしてたら、嫌でも目立つよねぇ。」


「他人事みたいに言うニャ!」


「もうね、ダーリン様への誹謗中傷が凄い。
全世界から抗議メール来てるからね。」


「よっぴー、あの画像出せニャー。」


  「中央部に表示しまーす!」


「ダーリン様のマジキチスマイルが表示されてますねー。
うっわー、殴りたいこの笑顔。」


「相変わらずサイコパス全開の笑顔だニャ。」


「一応、誤解を解いておきますねー。

はい、国際社会の皆様は
《ダーリン様が映画撮影の為に女同士殴り合いさせた》
って誤解しているみたいですけど。
自由意思ですからね。
ムカつくBBAを殺しに行っただけでーす。
軽くじゃれ合っただけでーす。」


「昭和の工業高校でももっと文明的だニャ。」


「まあ結局、このザマなんだけどね。
肩に傷が入っちゃってさ。
今年は水着着れないかなー。」


「どのみち最近は刺青禁止ばっかりニャ。」


「それな。
湘南は刺青OKだっけ?」


「神奈川全域、タトゥー追放ニャ。
確か鎌倉でも禁止条例出た筈ニャ。」


「へー。
まあ、傷治してから遊びに行くわ。」


「条例の意味ねーw」


「じゃあ、前フリ終了。」


「はいニャ♪」


「えっとねえ。
今日の配信は、雑談のタグは付けたんだけど…
本音の所は人探しなのね。
ちょっとさあ、あの後ダーリン様とはぐれちゃって。
連絡付かないのよ。」


「縁が無いんじゃニャい?」


「哀しい事言うなよー。
ウ↑チ↓泣くぞー。
それでさあ。
リスナーの皆に探すの手伝って貰おうと思って。」


「リスナー様、感謝企画!
【トイチをとっ捕まえて君も大金持ちニャ♪】
はっじまっるニャー♪」


「いや、別にウ↑チ↓さあ。
ダーリン様に怒ってるとか…
そういう感情は全然無いんだけどさ。
やっぱり連絡付かないと不安じゃない?
それも高速ではぐれちゃったからね。
だからさー、予算掛けてでも《保護》したいんだよねー。
うんあくまで《保護》だよー♪
ウ↑チ↓全然怒ってないから♪」


「情報提供500万! 
身柄を引き渡してくれたら!
1億円の賞金を払うニャ♪」


「なるべく五体満足で連れて来てねー。
ウ↑チ↓もさあ。
あの人には色々言いたい事があるから♪」


「お?
処刑用BGM流すニャ? 流すニャ?」


「あっはっは。
別に殺しまではしないよー。

でもまあ、今のウ↑チ↓…
かなりイラついてるから…
結構
厳しめの教育になるかもね。」


「それ結局殺すパターンだニャww」


「はっはっはww」

  
「ニャガーww ニャガーーwww」


「えっと。
ウ↑チ↓の昔馴染みにも声掛けて、協力して貰ってるんだけど。
現場でバッティングしても絶対に揉めないでね。
報酬はそのまま払うんで、現場で怖いお兄さんに会ったら、なるべく指示に従ってくれると嬉しい。
協力者には絶対に危害を加えない協定になってるから安心して♪」


「三橋、トイチの写真貼れニャ。」


  「今、お2人の後ろに映ってます。
  奈々さん半歩だけ外側に移動して下さい。
  …はい、OKです!」


「これ、トイチの直近の画像ニャ。
高校時代は身長160センチ、体重48キロ。
恐らく今は50キロを少し超えてるくらいニャ。
頬の傷が特徴的だけど、最近はファンデーションとかで隠せるから、あまり傷を意識し過ぎない様に気を付けろニャ。」


「えっと。
一応、カネもちゃんと用意してるから。
まあ口で言っても仕方ないわな。
ワッキー、テーブルの上に広げろ。」


  「はい!
  全額、並べますか?」


「いや、1億だけでいいわ。
ごっちゃになったら数え直すのめんどいし。」


  「了解!」


「ああ、コイツはスタッフのワッキーね。
いや、新顔じゃない。
音響スタッフだから、ずっと楽曲周りを任せてた。
コイツはライブハウスでバイトしてたんだけどさ、あまりに仕事ぶりがいいから、社長さんに頼み込んで1年間だけレンタル移籍して貰ってるのよ。
来年、《わから戦隊メスガキーズ》のカバーアルバムを出すんだけど、4曲ともワッキーが編曲してくれてる。
ごめんなー、音楽から離れた仕事ばっかりさせちまって。」


  「いえ!
  毎日が刺激的です!」


「極力オマエらに前科付かないように頑張るから。
ヤバくなったら逃げろよ。」


  「…最後までお供させて下さい。」


「あっそ。
世の中馬鹿が多いね。

はい、1億。
ほら、中も新聞紙じゃないだろ?
ダーリン様の身柄を押さえてくれたら、このカネはソイツのモノだ。」


「東横文化に染まったトイチは、高い確率でフードを深く被ってるニャ。
ダボついたパーカーを好む傾向にあって、腕まくりはせずに萌え袖風の着こなしが殆どニャ。
志倉、前に出ろニャ。」


  「はい!」


「丁度ねー、ダーリン様と志倉が同体格なんだよ。
オマエ身長幾つ?」


  「162センチです!」


「よし、それじゃあウ↑チ↓の横に立て。
視聴者の皆さーん。
大体こういう雰囲気です!」


「志倉、少し背筋曲げろニャ。」


  「こうですか?」


「あー、雰囲気近づいたわ。
うん、ダーリン様って猫背だから…
大体、そんな感じかな?
そのまま歩いてみろ。」


  「はい!」


「軽く足を引きずってみろニャ。」


  「あ、はい。」


「おー、雰囲気出てる!
如何にもって感じだわ。」


「キャンペーンに参加する奴は、今の志倉の立ち姿を参考にするニャ!」


「リスナーのみんな。
多少、ボコるくらいは許可するから、制圧を優先してくれ。
あ、顔はやめてね!
キスするときに、気になっちゃうから…」


「突然、乙女モード発動するのやめーニャ!」


「じゃあ、そういう訳で、歌コーナーに移行する前に一旦区切っとく?」


「この部分だけ抜き出してトイチ狩りに使うニャー♥」


「オッケー。
じゃあ、この後は別枠で歌コーナー行きまーす♥」


「secondアルバムの【わから戦隊メスガキーズ】から!
『すきすきだいすきうそぴょんぴょん♪』を頑張って歌うニャ!」


「作詞の宮沢鬼龍先生!
気合入れて歌わせて頂きます!」


「それじゃあみんニャ♪」


「次は歌枠で逢おうぜ♪」


「じゃあニャー♥」


「じゃあねー♪」



【この配信は終了しました】


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



『…。』


「貴方の身元は存じ上げませんが…
この動画…
今、全国の組関係者に確実に回ってます。」


『や、ヤクザがこんなふざけた動画に協力するものですか?』


「鷹見夜色さんは実話ナックルズの裏面広告にも出稿しておられますからね。
以前から暴力団関係者の人権保護を訴えておりますし…
かなり好意的に捉えられているのではないか、と。
いや、救世の女神みたいに思われてますね。

私もギャロさんとの付き合いが無ければ、多分このまま組に通報していたと思います。」


『…お気遣い感謝します。』


「これは独り言ですが、そのパーカーの被り方は危険です。
まるで身元を隠して逃げているようにしか見えません。」


『いや、顔を出すのが怖くて。』


「…ギャロさん、彼にちゃんとしたアドバイスしてもいい?」


  「是非、お願いします。」


「私も職業柄、手配書を見る機会が多いです。
なので、逆算的に逃亡のコツがわかるのですが、人間の特徴は9割が髪型で印象付けられます。」

『髪型、変えた方がいいでしょうか?
丸坊主とか。』


「いや、これだけ顔写真がアップされている今、顔を晒すのは危険ですね。

…ウィッグ被りましょう。」


『えー、ウィッグですか?
参ったなー。
ああいうの苦手なんですよ。』


「鷹見さんに捕まるか、ウィッグを我慢するか。
2択ですね。」


『命が惜しいです。』


「じゃあ、債務者用の変装ウィッグ。
お近づきの印にどうぞ。」


『うわっ、ボサボサですね。
ま、前が見えない。』


「うーん、やはりウィッグだけでは不自然か…
ちょっと、妻を呼びますね。」


5分程経って児玉の奥様が事務所に登って来る。


「繭子、サイズは合いそうか?」


  「多分、行けると思う。」


『え? え? え?』


「大丈夫。
女房は若い頃、優秀な夜逃げ屋でしたから。
あの頃は何度も出し抜かれました。」


『え? え? え?』


よくわからないまま、児玉夫人に奥まで連れて行かれる。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


『…。』


「ミッションコンプリート。
これで変装は完璧よ。」


『…なんじゃこりゃー!!』


「おお、似合いますねぇ。」


  「リンさんお綺麗です。」


『女装じゃないですかー!!』


「まだ、ご自身の立場を理解しておられない様ですが、遠市厘氏はそこまで切羽詰まっている状態です。
無論、貴方の身元は存じませんが。」


『ここまでする必要、ありますかね?』


「日本のヤクザ組織は…
私は暴力以上に探査能力が怖いと捉えてます。
さっきまでの服装は本当に危険ですよ?」


児玉夫人に姿見を見るように促される。


『キッショ。
何だよこのブス。』


  「いえ!
  私はリンさんを素敵だと思いますよ!
  立派なレディです!」


『全然嬉しくないですー。』


1時間ほど児玉夫人のレクチャーを受ける。
歩き方や喋り方の矯正。
夫人曰く、かなり筋がいいらしいので、そのまま帰宅を許可された。


『エドさーん。
腹を切りたいんで、介錯をお願い出来ませんか?』


「困りますよぉ。
私の方こそ、リンさんに介錯をお願いしたいと思ってたので。」


『えー、そういう魂胆で匿ってくれてたんですか?
私、介錯なんて経験ないですよ。』


「大丈夫大丈夫。
あんなもの数回やったら、すぐに上達しますから。」


『嫌だなー。
慣れたくないですー。』


2人で下らない話をしながら駅前をブラブラ。
癪だが、今の俺は完全に女に見えるらしい。
あちこちから気色の悪い目線を感じるが、気付かない事にする。


『エドさん、ゴメンナサイ。』


「どうしました?」


『ショックが大きすぎて17時を忘れておりました。』


「あ! 本当ですね。
もう30分を切った…
仕方ありません!
カラオケBOXに行きましょう。」


浜沿いまで30分以内に戻る自信が無かったので、タクシーに飛び乗ってコート・ダジュール東金店に入る。


『ハアハア。』


「消耗してますねー。」


『今日は疲れました。』


「お察しします。」


『エドさん。
後、5分ですけどどうします?』


「どうすると仰いますと?」


『いえ、キャッシュを増やすのならお手伝い出来るかな、と。』


「…あ! 
リンさんの【複利】って、それもアリなんですか!?」


『ええ、どうやらアリみたいですね。
どうします?』


「今、手元に300万程度あります。
自宅に戻ればもっと…」


『多分、御力になれると思います。』


「…では譲渡すれば良いのですか?」


『いえ、お借りします。』


「…。」


『希望額、ありますか?』


「希望と申しますと?」


『いや、お金を借りるのですから利子を付けて返さなきゃ。』


「…話が急で、脳が対処出来ません。
では、最小の利子でお貸しします。」


『じゃあ日利1%で。』


「ええ!?
そんな暴利ですよ!
リンさんにそんな酷い事は出来ません!
せめて0.1とか0.01とか!」


『すみません。
計算が苦手なので1%を払います。
じゃあ、一旦お借りますね。』



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【所持金】

5万円
 ↓
293万7000円


※エドワード・ギャロから288万7000円を借入。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


『じゃあ、出しますよー。』


「えー、本当にやっちゃうんですか。
あ! 防犯カメラ!」


『身体で隠して下さい!』


「はい!」


エドワードが俺に覆いかぶさり、カメラからの視界を塞ぐ。
その瞬間。


《50万円の配当が支払われました。》


俺の膝上に札がボトボト落ちる。


「え、リンさん。
これヤバくないですか?
もうちょっと、その、手心と言いますか…」


『そうは仰いましても…
自動発動ですからねぇ。』


エドワードはしばらく放心したまま、俺を呆然と見つめていた。
そうなんだよなあ。
王国が俺を活用していれば、財政破綻からリカバリー出来ていた可能性が高いんだよなあ。
まあ、今更言っても仕方ないんだけどね。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【所持金】

293万7000円
  ↓
343万7000円
  ↓
55万円
  ↓
52万円


※配当50万円を取得
※エドワード・ギャロに288万7000円を返済
※エドワード・ギャロに配当3万円を支払い


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


エドワードが「利子が多すぎる」とゴネるので、しばしカネを押し付け合った。
だが、計算が面倒なので切り上げで納得して貰う。
王様の癖に細かい男だ。



  「お客様!」


突然、背後から声を掛けられる。


『うわ、びっくりした!』


「急に入って来ないで下さいよ。」


気が付けば、勝手にルームに店員が入って来ていた。
何やら赤面してそっぽを向いている。


  「当店でそのような事をされては困ります!」


激しい語調に首を捻る。
何だろう?
カラオケ店側を怒らせるような事をしたかな?
現金が噴き出す瞬間を見られた?


  「規約では…
  いかがわしい行為をしたお客様は退店処分となっております!」


『え!?』


「え!?」


な、なるほど、俺とエドワードが身体を重ねていたから、客観的にはそう見えたのか。
俺は男だぞ、そんな関係じゃないよ!
店員も俺もエドワードも顔を真っ赤にして羞恥に耐えている。
今思えば、そのまま帰っても良かったのだが…
5分程弁解して許して貰った。
エドワードと少し離れて座る。


『すみません。』


「あ、いえ、こちらこそ。」


妙に気まずかったので、1時間だけ歌って帰ることにする。


『エドさんって歌われるんですか?』


「場を白けさせないよう、何曲か定番を覚えました。
人気曲を歌えるとモテますよ。」


『え!?
そうなんですか?』


「デュエットとか覚えてると強いです。」


『あ、確かに。』


折角なので、「男と女のラブゲーム」とか「ロンリー・チャップリン」を歌いながら教えて貰う。
楽しかったので、酒も飲みながら3時間くらい2人で熱唱して遊んだ。


『ふー、久しぶりに楽しい気分になりました。
最近、嫌な日ばかりだったので。』


「いや、私もですよ。
こんな爽快な気分は生まれて初めてかも知れません。

それにしてもリンさん。」


『はい?』


「貴方、最強ですね。
まさしく無敵の存在です。」


『大袈裟ですよw』


「よ、最強大魔王w」


『勘弁して下さいよーw』


酒が入った所為か、お互いガラにもなく陽気だ。
だらしなくもたれ合いながら、笑って東金駅に向かって歩く。
途中でタクシーを拾い、買い物の為に東金駅に一旦戻った。


『はあ、すっごく楽しいww
もっと遊んでおけば良かった!!!』


「貴方まだ若いでしょww
苦労しなさいww」


酔ったテンションで爆笑しながら駅前を歩く。
酒はいいなあ。
嫌な事を全部洗い流してくれる。

途中、交番の前にお巡りさんが居たので、怪しまれないよう声のトーンを落とす。
どうやらポスターを掲示していたらしい。
お巡りさんは無線機から呼び出されたらしく、面倒くさそうな顔でバイクに乗ってどこかに去って行ってしまった。

俺とエドワードは通り掛けに、何気なく貼りたてのポスターを眺めた。


「『あ!』」


同時に絶句する。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【この人を探してます】

名前 遠市厘くん (にじゅっさい)
性別 男性
身長 160センチ
特徴 軽い知的障害があります。
   自分の名前は言えます。

お心当たりがありましたら是非ご連絡下さい。
有益な情報には謝礼として500万円をお支払いします。

連絡先 株式会社ウォールナッツ
    警察庁

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


『…ヒルダ、オマエそこまでやるか…』


「あ、あ、あ、あ…」


酔いが一瞬で醒める。
自分の置かれている状況を改めて思い出して胃が痛くなる。
しばらく放心した後に、顔面蒼白のエドワードと共にタクシーを拾い浜に帰った。

玄関に辿り着き、思わずしゃがみ込んでしまう。
あれ?
レインボーブリッジの死闘って、一昨日の夜だったよな?
何で翌々日にはポスター化されてるんだ?
それだけヒルダ一派が官邸に深く食い込んでいる?
ゴメン、理解出来ない。

あれ?
裏社会の鷹見と表社会のヒルダに追われたら、俺の逃げ場なんて残されてなくない?

え?
詰んだ?

何で?
あれ?
俺はどこで間違えた?
いや、勿論初日の宿選びなんだろうけどさ。


疲れ果てて畳の上に転がる。
脳の処理が追い付かない。
こめかみの奥が刺されるようにズキズキ痛い。


「り、リンさん。
今、お話しいいですか?」


『え? あ、はい。』


「スキルの話なんかより、もっと早くこの話をするべきでした。」


『は、はい?』


「私がオーラロードを越えたのは…
ヒルダ・コリンズから逃げる為だったのです。」


『ファ?
ファイ?』


「…ほら、賞金を懸けられていたでしょ。」


『…やっぱり、アレはヒルダの差し金だったのですか?』


「他に誰が居るんですか!」


『あ、いや。
例えば私がやらせてた可能性とか。』


「貴方がそんな真似する訳ないでしょう!」


『ですよねー。』


「でも、ヒルダ・コリンズなら絶対にやります!」


『それは同感ですけど。

陛下、随分と断言されますが…
あの女と面識があるんですか?
いや、アイツは単なる宿屋の女将ですよ?
王様と接点なんかないでしょう。』


「…胡桃亭ですよね?
大魔王様がお泊りになったのは。」


『え!?
あ、はい。
王宮を出た後、胡桃亭に滞在しておりました。』


「胡桃亭創業者のジョー・コリンズ。
そして後に婿入りするケビン・ローは私の掛け替えのない友人です。」


『え!?』


「そしてジョーを処刑したのが、当時王都での経済スキャンダル事件を捜査していた私なのです。」


『…え? え? え?』


「まさしく父の仇ですよね…
ヒルダ・コリンズは、その件で酷く私を恨んでおります。」


『え? え? ちょ!
情報を後出ししないで!!

いや! 
でも、ジョー氏は罪を犯しての処刑と聞いてますよ!?
正規の理由ある処刑であれば、陛下を憎むのは筋違いでしょう!』


「いえ、あの子は人を許すような性格ではないんです。
あの子の内面は誰よりも私が知っています。」


『? ? ?』


「何故なら。
かつて私はヒルダ・コリンズとパーティーを組んでいたのですから。」



『設定盛り過ぎーーーー!!!』



ゴメン、今日は脳の処理が追い付かないからもう寝るわ。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




【名前】

遠市・コリンズ・厘


【職業】

神聖教団 大主教
東横キッズ
詐欺師


【称号】

賞金首



【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)

《LV》 17
《HP》 衰弱
《MP》 憔悴
《力》  メスガキ
《速度》 小走り不可
《器用》 ライジング・カード!
《魔力》 悪の王器
《知性》 悪魔/ド低能/自分の名前は言えます。
《精神》 吐き気を催す邪悪
《幸運》 的盧

《経験》 887463

本日取得 0
本日利息 128948

次のレベルまでの必要経験値423247

※レベル18到達まで合計1310710ポイント必要
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定
※クジラの経験値を13000と断定
※経験値計算は全て仮説



【スキル】

「複利」 

※日利17%
下4桁切り上げ 



【所持金】

52万円



【所持品】

女の子セット



【約束】

 古屋正興     「異世界に飛ばして欲しい。」
 飯田清麿     「結婚式へ出席して欲しい。」
〇         「同年代の友達を作って欲しい。」
          『100倍デーの開催!』
×         「一般回線で異世界の話をするな。」
          『世襲政権の誕生阻止。』
〇後藤響      「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
          「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
          「空飛ぶ車を運転します!」
 江本昴流     「後藤響を護って下さい。」
          『遠市王朝の建国阻止。』
×弓長真姫     「二度と女性を殴らないこと!」
×         「女性を大切にして!」   
〇寺之庄煕規    「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香     「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介     「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
          「今度、焼肉でも行こうぜ!」
〇藤田勇作     『日当3万円。』
〇堀田源      「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘     「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
〇         「お土産を郵送してくれ。」
          「月刊東京の編集長に就任する。」
 楢崎龍虎     「いつかまた、上で会おう!」
×警視庁有志一同  「オマエだけは絶対に逃さん!」
          「オマエだけは絶対に守る!」
×国連人権委員会  「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬     「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
 水岡一郎     「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人     「殺す。」
          「鹿児島旅行に一緒に行く。」
          「一緒にかすうどんを食べる」
 車坂聖夜Mk-II   「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
×今井透      「原油価格の引き下げたのんます。」
          「小麦価格の引き下げをお願いします」
〇荒木鉄男     「伊藤教諭の墓参りに行く。」
 鈴木翔      「配信に出演して。」 
×遠藤恭平     「ハーレム製造装置を下さい。」
〇         『子ども食堂を起ち上げます。』
          「紙幣焼却によりインフレを阻止する。」
〇田名部淳     「全財産を預けさせて下さい!」
          「共に地獄に堕ちましょう。」
 三橋真也     「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」 
〇DJ斬馬      『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』
 金本宇宙     「異世界に飛ばして欲しい。」
 金本聖衣     「同上。」
 金本七感     「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」
〇天空院翔真    「ポンジ勝負で再戦しろ!」
          「再戦するまで勝手に死ぬな。」
〇小牧某      「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」
 阿閉圭祐     「日本国の赤化防止を希望します。」
〇坊門万太郎    「天空院写真集を献納します!」
 宋鳳国      「全人類救済計画に協力します!」
 堀内信彦     『和牛盗難事件を解決します。』
〇内閣国際連絡局  『予算1000億円の確保します』
 毛内敏文     『青森に行きます!』
 神聖LB血盟団   「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」
〇大西竜志     「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」
 坂東信弘     「四国内でのイベント協力」
 国重辰馬     「四国内でのイベント協力」
 涌嶋武彦     「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」
 斑鳩太郎     『処刑免除を保証します。』
 志倉しぃ     「カッコいいホモの人を紹介して下さい。」
〇孝文・j・G   「英国大使館パーティーにて利息支払い」
〇グランツ(英)  「perape-ra!!!!!!!!」
 E・ギャロ     「農政助言」




 金本光戦士    「どんな危機からも必ず救い絶対に守る。」


〇木下樹理奈    「一緒に住ませて」


×松村奈々     「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇         「仲間を売るから私は許して♥」


◎鷹見夜色     「ウ↑チ↓を護って。」
〇         「カノジョさんに挨拶させて。」
〇         「責任をもって養ってくれるんスよね?」


×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
          「王国の酒…。」
          「表参道のスイーツ…。」 
×         「ポン酢で寿司を喰いに行く。」


 土佐の局     「生まれた子が男子であればリイチ。
          女子であればリコと命名する。」
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