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【降臨97日目】 所持金31億3613万0283円 「至誠通兵」
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目が覚めると10時。
両脇にレニーとアネモネが居るので身体を起こせない。
『ねえ、貴女達。
どうしてワタクシのベッドで寝ているのかしら?』
「ふわああ、りんりこりんオハヨーッス。」
「大魔王様、おはでーす♪」
『ちょ、重い。
前も言ったと思いますけど、腕に乗るのやめて下さる?』
「腕枕、腕枕♪」
「ハーレム♪ ハーレム♪」
『いいから早くどきなさい!』
「昨日はあんなに愛し合ったじゃないッスか、オッヒョッヒョ♥」
「えー、少しは楽しみましょうよ♥」
『…貴女達、どうやら大麻がいらないようね。』
「(サッ!) えへへ、冗談ッスよー。
そんなに怒らなくてもいいじゃないッスか。」
「(サッ!) おはようございます大魔王様!
今日もアネモネちゃんは忠義全開ですよー!」
『さっさと身支度して、殿方衆に御奉仕してきなさい!』
「「へーい!」」
思わず溜息が漏れる。
たかだか雑兵2人の扱いにこうも苦労させられるとは。
…俺、分隊長ですら務まらないだろうな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
シャワーを浴びてからリビングに向かう。
先に階下に降りたレニーとアネモネはリビングのソファーにふんぞり返ってTVを見ていた。
江本がアレコレとバラエティ番組の解説をしてやっている。
やっぱりアイツ、外交官向きだよな。
「おはようございます、リン子お嬢様。」
『おはよう石賀。』
「本日の朝食は明太子バケット・胡麻鯖のカルパッチョサラダで御座います。
デザートにはあまおう苺大福を用意致しました。」
『あらぁ、美味しそうね。
早速頂くわ。』
テーブルに並んだ朝食をゆっくりと時間を掛けて食べる。
石賀の報告によると、毛内・寒河江・竹内は車両ナンバーの変更に向かったらしい。
確かにな、九州で苫小牧ナンバーはあまりに目立ち過ぎる。
『小牧、何を遠慮しているの?
オマエも食べなさい。』
「あ、はい。
食欲が… 乏しくて…」
『あらあら、じゃあノンニコチン煙草でも吸う?』
「え!?
あ、いや…
で、では少しだけ頂きます。」
『石賀、ストックから大麻を持って来なさい。』
「畏まりました、お嬢様。」
「え!?
あ、あの大麻という言葉はあまり使って欲しくないというか…」
『あら、ごめんなさいね♪
はい、ノンニコチン煙草♥』
「…頂戴します。」
本来の小牧は相当タフな部類だとは思うのだが、流石に憔悴しきっている。
曰く原因は俺にあるとのことなので、心苦しい限りである。
「…猊下。」
『はい?』
「日本を滅ぼさないで下さいね?」
『ええ、ご安心なさって。
日本は残すつもりです。』
「…。」
『ご不満かしら?』
「いえ、それで満足致します。」
『ワタクシがどれだけ加減出来るかは小牧次第よ。』
「…私次第ですか。」
『ええ、余裕がある限りは周囲と妥協するつもりですから。』
「…。」
嘘ではない。
俺は異世界でも各省庁からのプレゼンに積極的に耳を傾け、予算もちゃんとつけてやった。
問題は、日本国政府からの挨拶がまだである点。
(と言うより賞金首の身である。)
つまり、まだ義理が生じていない。
役人の小牧にはこの危険性が痛いほど理解出来ている。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
11時。
博多ナンバーへの書き換えを終えた毛内翁達が帰還。
往路、苫小牧ナンバーはジロジロ見られたらしいので、早めに手続きをした判断は正しかったのだろう。
寒河江からの報告。
博多の繁華街・中洲では地元暴力団が派手にトイチ狩りを行っていたのだが、それが福岡県警の逆鱗に触れたらしく一斉検挙されたとのこと。
なので繁華街も(九州基準で)平和になったらしい。
ただ手配書の貼り方から察するに、県警上層部が俺に怒っているのは明白なので楽観は厳禁とのこと。
写メを見せて貰うが、博多南署の壁面はわざわざ拡大コピーされた遠市厘の顔写真で埋まっており、露骨な敵意を感じた。
皆で警察対策を論じていると、先に九州入りしていた久我が訪ねて来る。
『あらぁ、久我さん。
何から何までありがとございます。
これは些少ですが…』
「礼は不要。
江本君から既にもらっている。」
俺の差し出した謝礼を拒みながら、久我は背後を振り返った。
「…出羽の修験者を連れて来たから、謝礼ならそっちに払ってやってくれ。」
『あら、羽黒の山伏さんが?
良かったわぁ、ずっとお礼を言いたいと思ってましたの。』
奥州逃避行では出羽三山の山伏達が連絡役を果たしてくれた。
江本や久我を通しての遣り取りしかなかったので、心苦しかったのだ。
「こんちわー。」
その緩い声を聞いた瞬間に心苦しさが消えた。
リビングに入って来たのは、登山服を着た小柄な男であり、ヘラヘラした表情は俺の知る山伏像から大きく離れていた。
「ガルパン動画と全然違いますねー。
次はお嬢様路線っすか(笑)」
5分程話しても性別も年齢も分からなかった。
お互いにソファーに腰掛けて探るように礼を述べ合ううちに、おぼろげに30半ばを過ぎた女だと本人の言葉から確認出来た。
中学生男子と言われても40代女性と言われても納得してしまうような、そんな得体の知れない女だった。
名を安久津明という。
地元では(悪い意味で)相当な有名人であるらしく、冗談交じりに「地元で私の名前を出すと嫌われちゃいますよ。」と笑った。
嫌われ者特有の歪んだ笑顔が、その言葉を如実に裏付けていた。
「江本君には私から売り込んだんですよ。
画面で見るよりイケメンでテンション上がりました!」
詳しく話を聞いて失望したのだが、どうやら羽黒の支援者というのは、この女とその取り巻きの事であり、出羽三山が組織だって俺を支持している訳ではなかったらしい。
この女は鶴岡市羽黒町に大きな駐車場を保有していたが、修験者ではない。
江本・久我・福田も最初は羽黒の山伏を広く味方に付けたかったらしいのだが、この女が全てのオーダーに応えてしまったので自然と重用してしまったらしい。
無論、羽黒の山伏は概ね好意的だったのだが、現代ビジネスパーソンとしての即応性を持っているのが安久津明だったので、この女以外に仕事の頼みようが無かった。
江本達も本当は出羽三山全体を俺の味方に付けたく思っていて、それとなく安久津以外にも話を振っていたのだが、全ての仕事をこの女にインターセプトされてしまったとのこと。
なので不本意ながら、こうして安久津明を羽黒衆の代表として俺に紹介している。
『ねえ、福田。
安久津さんと寝たの?』
「本人の前で言うなや。」
『寝たの?』
「…。」
『ふーん、そうなんだ。
ワタクシは全然気にしてませんけど。』
「…いや、俺は。」
『ギャオオオオオ―――――――ンッ!!!』
「(ビクツ)
…いや、誰と寝ようが俺の勝手やろ。」
表情から察するに江本や久我とも関係を持ったらしい。
身体を武器にして男に取り入るなんて穢らわしい女だ。
…そうか、それで江本達は羽黒衆の話題になると抽象的にしか語らなかったのだな。
「いやあ、それで3人共猊下の話題になると口を濁していたんすね(笑)」
安久津が値踏みするような目で俺を見る。
全身を舐め回すような視線に不快感を必死で堪えた。
「いやあ、誤算だったなあ。
折角、エロい下着を色々準備して来たのに。
猊下には逆効果なんすよね(笑)?」
『そう思うなら口を慎まれては如何?』
「あはははは、勘弁して下さいよ。
DV動画でハズってる人がメス化してるなんて予想出来ないじゃないっすか(笑)
ねえ、江本クン。
キミ、猊下とヤッたでしょ(笑)」
「あ、いや。」
『江本!
オマエは下がってなさい!』
「あ、はい。」
「うわっー、怖っえー(笑)
やっべー、想像の百倍くらいヤベー人に絡んじゃったかも(笑)
ねぇ猊下、怒ってます?」
『ぷいっ!』
「あははは!
…でも本当は?」
『…俺は賢い女性は尊敬します。』
「うわっ!!
急に男になった!!
怖っ!怖っ!怖っ!
この人、絶対ヤバいって!!!!」
「だから言ったやないですか。
怒らせたらアカンって。」
「怒るとかそういうレベルじゃないでしょー。
世界滅ぼす系の人だわ。この人。」
『改革の必要は感じていますが、滅ぼそうとまでは考えておりません。』
「あはは、改革の邪魔になる人はどうなるんですかぁ↑(煽り語尾)」
『…。』
「冗談! 冗談っすよ!
私、絶対に猊下の邪魔をしませんから!
それどころか忠実なイヌになりますから!
殺さないで(笑)殺さないで(笑)」
参ったなあ。
俺、こういうふざけた奴が大好きなんだよなあ。
安久津明はそういうツボを理解してフザけるのが上手いよな。
『じゃあ、安久津さんはしばらくワタクシとルームメイトね。』
「私が狙っていた同衾とはちょっと違いますねー(笑)」
『でも楽しんでくれてるでしょ、貴女。』
「あっはっは。
人生で1番スリル感じてます!
殺さないで下さいね?」
勿論、こうも小賢しい女なのでニーズも正確に汲み取ってくれる。
2人きりになると淡々と諸情報を報告してきた。
特に寺社勢力や地方政党の神聖教へのスタンスを主観を交えずに教えてくれたのはありがたかった。
『それでアキラさん。
ワタクシからは貴女に何を提供すれば良いのかしら。』
「元々、婚活の一環でドタバタしてたんですよ。」
『あらそう。
じゃあ素敵な殿方が居たら紹介するわね。』
「それも最高の男をずっと探してたんです。」
『あらそう。
じゃあ最高の殿方が居たら紹介するわね。』
「…猊下に勝てる男とか居るんすか?」
『どうかしら。
でも長期戦でワタクシをどうこうするのは難しいのではなくて?』
「ははは、最高じゃないっすか!」
安久津が従軍を願い出たので、1人1人に挨拶をさせる。
皆との受け答えを見ても非凡な女だ。
頭の回転が異常に早く適応力が頭抜けている。
だからこそ、これも失敗。
現時点の俺が求めているのは一定規模の組織との提携なのだから
出羽三山などは歴史・知名度・規模・社会性、どれをとっても理想だった。
にも関わらず、1個の天才に縁を占有されてしまった。
安久津は間違いなく傑物である。
恐らくは俺の役に立ってくれるだろう。
但し、引き換えに組織よりも自分を選ばせる。
結果、出羽三山全体よりも安久津明やその子孫を優遇してしまう。
これは封建構造の成り立ちそのものであり、俺の目指す平等社会とは対極のあり方である。
極めて好ましくない。
だが安久津が提出した報告書を見る限り、ここまでの協力姿勢と才覚を他から獲得出来るとは到底思えなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【安久津明】
山形県酒田市出身の古物商。
35歳バツ2。
離婚に際して親権は剥奪されたのだが、托卵行為が発覚し前夫の一族×2から民事訴訟を起こされている。
小学生時代から男性アイドルのコンサートチケット転売などで収益を得ていた。
地元で発生した産業廃棄物の不法投棄事件をヒント
に、処分場確保の代行ビジネスを考案。
捨て値で購入した山林での放射性廃棄物処分場建設を仄めかすことで、周辺自治体から多額の金銭を脅し取ることを生業としていた。
近年では選挙ビジネスに参入。
地権を盾に出羽三山への参道を封鎖し、その解除と引き換えに任意の候補への支援を強要していた。
江本昴流の烏天狗化と同時にコンタクトを開始、遠市派との実質的な独占交渉権を獲得する。
威力業務妨害罪で3度逮捕されるも、いずれも証拠不十分で不起訴となっている。
【リン子パーティー編成】
パーティー名 「大魔王親衛隊」
遠市・コリンズ・リン子・厘 (お嬢様)
石賀一博 (執事)
福田魁 (護衛兵)
毛内敏文 (狙撃兵)
寒河江尚元 (運転兵)
江本昴流 (伝令兵)
レニー・アリルヴァルギャ (補充兵)
アネモネ・I・ギャラルホルン (補充兵)
竹内遊馬 (徴募兵)
小牧晃 (偵察兵)
安久津明 (輜重兵) ←new
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、本来の予定とは大きく異なるが…
九州に流れ着いた以上、俺の所為で弾圧を受けている英彦衆に改めて謝罪しておくべきだと思い、久我に連絡を取って貰う。
「…今、テレグラムで連絡を取った。
謝罪を受け入れるとのことだ。
但し、九州に来ているのであれば、本人が事情説明に来るのが筋合いであると先方が申している。」
『出頭すると返信して下さい。』
山伏達は福岡大分両県警からの弾圧を逃れて、県境である岳滅鬼山の奥地で潜伏しているとのこと。
高師直や大友宗麟の猛攻を凌ぎ切った秘密要害なので、10年くらいは耐え忍べるらしい。
そんな山奥まで呼び出されるのかと気が滅入るのだが、どうやら高住なる神社までの出頭で許してくれると聞いて安堵する。
寒河江が見せてくれたGoogleMapでは同社が車道に隣接していたので、思わず笑みがこぼれる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【パーティーメンバー割り振り】
「山組」
久我、安久津、毛内、江本、レニー、アネモネ、小牧
「留守&休暇」
石賀、福田、寒河江、竹内
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
14時。
高住神社に到着。
同社には日本八大天狗の英彦山豊前坊が住まうとされているとのこと。
必然、烏天狗仮面に何らかの一発芸が強要される可能性が高いので、江本は抜かりなくミニカラオケセットやジャグリング道具を持参している。
「…失礼、遠市大主教は車内かね?」
俺達が神社の境内に入った途端に、錫杖を握りしめた修験者達に包囲される。
まあな、俺の所為で仲間が逮捕されまくっているそうだからな。
腸が煮えくり返っているのが本音だろう。
『あ、ワタクシです。』
「は?」
『この度は誠に申し訳御座いませんでした。』
「失礼?
遠市大主教の奥様ですか?」
『いえ、ワタクシが遠市厘です。』
90分ほど掛けて自分が遠市厘である旨を伝える。
中々話が進まなかったが、英彦衆の1人が妻を呼び出し車の中で俺を性別判定。
一応、グレー寄りの雄と認定して貰えた。
「なるほど。
肉体に関しては貴方が男性であると認めます。」
『ありがとうございます。
性自認も殿方に近いと思うのですが。』
「大主教の性自認に口を挟むつもりはありませんが…
所詮、人間の内面など証明のしようがないので。」
英彦衆のリーダーらしき老人が拳をプルプルと震わせながら息をゆっくりと吐く。
「遠市大主教にお会いしたら、有無を言わさず殴り倒してやろうと考えておりました。」
背後の一同がうんうんと頷く。
『あの、ワタクシもその覚悟で参りました。
どうか御打擲下さい。
んーーー。』
俺は覚悟を決めて、潔く顔を突き出す。
そりゃあね、拳は俺達男のケジメだからね。
「りんこりん、それキス顔だから。」
「あ、いや。
女性の形をしたものを殴るのは…
こちらの方がダメージが大きいと言うか…」
『あらあ、申し訳ございません。』
「絶対に確信犯だよね、このケツ穴大魔王。」
『あ、忘れておりましたわ。
こちら苫小牧の地酒【美苫】で御座います。
お詫びにもならないと思いますが、ご笑納下さい。』
「??
何故、苫小牧?」
『あ、いえ。
先日まで滞在しておりましたので。』
一同はしばらく静まり返っていたが、後方にいた男が「あっ!」と声を挙げる。
「ひょっとして先日発生した苫小牧大火災って!!」
流石に勘が良いな。
いや、状況的に怪しまれても仕方ないのだが。
「えー、アタシ心当たりがないっスよー。
無罪っスー。 冤罪っスー。」
レニーのふてぶてしい言い訳に英彦衆は俺達が犯人だと確信したらしく、恐ろしい表情で睨み付けてくる。
まるで悪役にでもなった気分である。
その後、俺は見舞金を支払おうとするのだが頑として受け取ってくれなかった。
「大体、何で新札なのに連番じゃないの?
怪しいよ、アンタ!!!」
「これ、偽札じゃないのか?」
「失礼だけど、ちゃんと確定申告してる?」
生真面目な連中なのだろう。
正論で追及してくる。
『えっと、お金は神様が毎日くれるんです。
ワタクシも連番で貰えた方がありがたいのですが…
あまり図々しいお願いはしたくないので、我慢してます。
確定申告は、前向きに善処します。』
「え?
それって無申告偽札ってこと?」
『いえ、財務省からは本物認定を頂いております。
財務省公認パラレル紙幣とワタクシは認識しております。』
「パラレル紙幣!?
…いや、言葉遊びはやめなさいよ。
要は脱税偽札じゃないですか。」
参った。
どう考えても英彦衆の言い分が正しい。
『…グス、グス。
ヒック、ヒック…
ウワーーーーーーーーンッ!!』
「猊下が泣き始めたけど、大丈夫なの?」
「アキラ姐さんも分かってると思うんスけど。
アレがりんこりんの泣き芸っス。」
「まともに相手にしない方がいいですよ。
ああやって男に媚びるのが手口なんです。」
『ビエーーーーーーーーンッ!!!』
「ねえレニーさん。
私、あの人が心底怖いんだけど。
貴女と同じ異世界人ではないのよね?」
「いやいや、あんなバケモンw
アタシらの地元に居て堪るかって感じっス。」
「ウザいけど…
おカネくれるから文句言えないですよねー。」
『アオーーーーーーーン!!!』
「嘘!?
これで解決しちゃったの!?
巻き添えで逮捕者30人以上出てるのに!?」
「男って馬鹿っスからねー。
女がビービー泣いたら許しちゃうんスよ。」
「レニー姐さん、あの人も一応オトコです。」
『じゃあこれからは神聖教団と英彦山❤
信仰に生きる者同士、仲良くしましょうね❤』
「マジかー。
強引に話を纏めちゃったぞー。」
「見た目に寄らず強引っスよ。
まあ、あれでも一応。
アタシらの世界で天下獲った人っスからね。」
「面の皮の厚さはまさしく大魔王ですわ。
悪い意味で政治家ですよねー。」
俺が誠心誠意謝罪したことによって、場は収まった。
ふう、やれやれ。
今度から座右の銘を尋ねられたら【至誠通天】とでも答えよう。
あわよくば同盟関係までもって行きたかったのだが、英彦衆は固く拒絶。
「邪悪の者と結ぶ手はない!」
とまで言われてしまう。
何とか歓心を買いたかったので、レニーやアネモネや江本に一発芸をさせるがますます不信感を募らせてしまう。
まあ、アネモネの暗黒魔法なんて邪法以外の何物でもないからな。
微妙な空気になった所で説得工作に長けた小牧が進み出て、如何に俺が善徳を積んでいるかを主張し始める。
「口では何とでも言えるよ!
でも、やってる事は偽札じゃない!!
確定申告もしてないんでしょ!?」
「いやいや!
猊下の奇跡は人々を助けてるんです!
私の所属官庁とか!」
「じゃあ実際に救ってみなさいよ!!!
今、世界がどれだけ大変なことになってると思うの!?
コ□ナ禍! ウクライナ戦争! 消費税増税! 政治腐敗!!
悪いことばっかり起こってるでしょーーー!!!
物価は上がる一方!! みんな生活が大変だって言ってるよ!!!」
それな。
俺の主食だった片親パンも値上がりするし、本当困るよな。
ウインナーパンが160円とか、家計直撃し過ぎだろ。
『やはり九州でも値上がりは厳しいですか?』
「そりゃあね。
都会から来た遠市大主教にはわからないかも知れないけど!
九州は昔から貧しい土地だから…
ちょっとでも物価が上がればみんな苦しむんですよ!
最近はコメも値上がりして!
年金暮らしのお婆さん達もみんな嘆いてますよ!!!」
『はあ、ではコメを配りますので。
それで話を収めて下さいな。』
「?」
『小牧。
毛内達にコメを買わせてここに運び込ませなさい。』
「すみません。
ここは道が悪いです。
秋月城あたりで合流しませんか?」
『ああ、じゃあそれで。』
皆で麓の秋月城まで下る。
空気を和ませようと思って自己紹介タイムを設けるのだが、安久津が名乗った瞬間に敵対ムードが再燃する。
この女、想像以上に憎悪されているな。
なーにが、【業界のアイドル的存在】だよ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
結局、留守組も全員合流。
キャンピングカーには大量の玄米(10キロ袋)が積まれていた。
「何?
これを皆に配るということ?」
『ええ、そのつもりですわ。』
「偽札で買ったコメで救世主気取り?
偽善の域にすら達していないな。」
『否めませんわね。』
そうは言いつつ、英彦衆の敵意はかなり弱まっている。
やはり積み上げた米袋のビジュアル的な威力は絶大らしい。
「リン子お嬢様。
20袋しか用意出来ず申し訳御座いません。。」
『いえ、この短時間でよくやってくれましたわ。』
「お嬢様!
後、10分です!」
『皆を下がらせなさい。
これより恩寵の儀を執り行う!!』
「はッ!!」
やれやれ。
今日くらいは皆に休養を与えてやりたかったのだがな。
結局、動き回らせる羽目になってしまった。
《7億0926万円の配当が支払われました。》
その気になればカネもコメも整然と射出可能なのだが、サービスの意味も兼ねてハラハラと空中に舞い散らせる。
米袋もドサドサと空中から落として神性を演出しておいた。
ここまでやれば文句はないだろう。
「お待ち下さい!」
『何か?』
「今、空中から出現した米袋!!
トレーサビリティ番号が割り振られてますよ!!!
どういうことですか!?」
…真面目な連中だなあ。
いや、俺はこういうオッサンが好きなんだけどさ。
『神様が割り振って下さったんじゃありませんこと?』
「申し訳ありませんが確認させて頂きますよ!
場合によっては米トレーサビリティ法違反になりますからね!」
…まあ、人の口に入るものだしな。
なるだけ厳密に扱うべきか。
30分ほど待たされて、農水省への確認が終わる。
恩寵の儀で射出されたコメ。
米トレーサビリティ法に照らし合わせても問題なし!
「でも、明らかに空中から出現してましたよね。」
『神様が農水省に調整させているのでしょう。』
「…そんなこと出来るんですかね?」
『神様は万能ですから。』
「いえ、農水省如きに神様の指示に応対する能力があるとは到底思えません。」
『お役人さんは自分より偉い相手が来た時だけは頑張るから。』
「なるほど。
納得しました。」
どうやら物質への日利機能も健在らしく、200キロのコメに対して27%つまり54キロの利息が発動していた。
持って帰るのも億劫なので、義援米として英彦衆から困民に配らせることにする。
最後に久我が進み出て、「この様に遠市猊下は神秘によって人民を救済することを志しておられるのです!」と叫んだ。
場は大いに和み、英彦衆の口元にようやく笑みが浮かんだ。
「あーーーー!!!
りんこりん!!
大麻も増えてるーーー!!!」
「流石大魔王様❤
これで毎日キメセク三昧ですね❤」
レニー達が満面の笑みで増えた大麻をブンブン振ったことにより、雪解けムードは一瞬で終わった。
俺達は怒りに打ち震える英彦衆に追い出され、彼らに九州諸勢力との仲介を願う案は霧消した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
26億2687万0283円
↓
33億3613万0283円
↓
32億3613万0283円
↓
31億3613万0283円
※配当7億0926万円を取得
※臣下に日当として計1億円を支給
※苫小牧市に義援金として1億円を匿名寄付
☆保有大麻20キロ→25キロ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ヴィラに帰った頃にはすっかり暗くなっていた。
今日も実りのない一日だった。
「…猊下。」
『あら小牧、顔が怖いわよ?』
「何度数えても計算が合いません。
26%と仰ってたじゃないですか。」
『あら、ゴメンさいね。
今日から27%貰えるみたい。』
「…そんな大雑把な。
ひょっとして利率に利息が付いてるとか!!
流石にそんな反則はしてないですよね!?」
『あらあらうふふ。』
「反則! 反則!
それもう無敵じゃないですか!!!」
『まあまあ、そんなに怒ると小皺が増えますよ♪
Hな御褒美をあげるから、少しは落ち着いて下さいな❤
竹内、アレを買ってくれたわね?』
「あ、はい。
博多は都会なんで何でも揃いました。」
「オヒョヒョヒョ♪
りんこりん、エロパートっスか?
アタシも一肌脱ぎますよー❤」
「大魔王様、ダークエルフの裏奥義をお見せしましょう。
どんな男の人でもイチコロですよ♪」
「猊下ー。
早速お役に立てそうな場面っすね。
夜の登記簿も捏造しちゃいますよー❤」
『はぁ!?
なあに貴女達。
身体を使って殿方に取り入ろうだなんて腐った性根ね。
ワタクシ、心の底から軽蔑しますわ。』
「「「…。」」」
『あっ、江本ぉー❤
今日はお疲れ様♪
約束通りプリキュアの恰好でご褒美あげるわね♪』
「ちょっと待つっスー!!!!」
『何よレニーさん、耳元で大声出さないで下さる?』
「自分が一番身体で男に取り入ってるじゃないっスか!!
卑怯! 卑怯! 腐れケツマン大魔王!!!
軽蔑するっス!!!」
『うるさいわねー。
これは部下への恩賞という立派な軍務なの!
ワタクシが好きでやってるみたいに言わないで下さる!?』
「いや、ケツを振りながら言われても!
大体、今日はアタシも隠し芸見せたじゃないっスか。
アタシにも恩賞下さいよ!」
『チッうるさいですわね。
…じゃあ、まあ。
増えた大麻でも勝手に吸ってればいいんじゃありませんこと?
致死量の吸引を許可しますわ❤』
「…それって遠回しな死刑っスよね?
まあいっか。ちょっくらチルって来ます。」
九州入り初日。
見事なまでに収穫が無かった。
江本に膝枕をしてやりながら、俺は無力感に打ちひしがれ溜息を吐く。
『何よ小牧。
オマエにもプリキュア御褒美してあげるから待ってなさい。』
「いや、そうではなく。」
『?』
「日利が1%向上したのって、とてつもない収穫だと思うのですが。」
『ゴメンなさいね。
最近は数えるのが面倒だから、あまり利率は意識してないの。』
「全然至誠じゃないですか!!!」
『通天してるから平気平気♪』
「何かズルいです!!!」
『その分社会に還元してるから平気平気❤』
コメやカネを配るのも、こういう男受けする恰好をするのも、全ては俺の還元行為だ。
隣でブツブツ文句を言ってた小牧も結局は安久津に貰ったエロ下着を着けてやったら納得してしまったしな。
仕方ないじゃないか。
男は配られたカードで戦うしかないのだから。
オマエらみたいな雑兵を喜ばせてやることこそが、大将たる俺の責務なのだ。
天が誠意なんて見ていないことを貧乏人の俺は誰よりも知っている。
だが想いが兵に伝わるという事実を一番理解しているのも、また俺なのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
大魔王りんこりん
(俗名) 遠市・コリンズ・リン子・厘
【職業】
お嬢様
便所紙
ホステス
パチンコ台
神聖教団 大主教
東横キッズ
詐欺師
【称号】
淫売
賞金首
【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)
《LV》 27
《HP》 快調♪
《MP》 充実♪
《力》 深窓の令嬢
《速度》 神出鬼没
《器用》 変幻自在(♀限定)
《魔力》 悪の王器
《知性》 脳味噌エルデフリダ
《精神》 絶対悪
《幸運》 天佑
《経験》 7億5808万5911
本日取得 0
本日利息 1億5643万0426
次のレベルまでの必要経験値5億8409万1359
※レベル28到達まで合計ポイント必要13億4217万7270
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定
※クジラの経験値を13000と断定
※経験値計算は全て仮説
【スキル】
「複利」
※日利27%
下4桁切り上げ
【所持金】
31億3613万0283円
1516万BTC (下4桁切り上げ)
↓
1926万BTC
646万XRP (下4桁切り上げ)
↓
821万XRP
646万SOL (下4桁切り上げ)
↓
821万SOL
※ユーロ・ポンド・ルーブル・バーツ・ペソ・ドルも保有。
※ユーロ・ポンド・ルーブル・ドルの保管権を孝文・j・Gに付与。
※仮想通貨の運用権を孝文・j・Gに付与。
※米国債・タイバーツ・フィリピンペソの保管権を児玉繭子に付与。
☆保有大麻25キロ
【残り寿命】
1073万8500日 (下4桁切り上げ)
↓
1363万8500日
【所持品】
Maison Margiela ショルダーバッグ 白
Archi Diorリング ホワイトゴールド×ダイヤモンド
ティファニー ビクトリア グラジュエイテッド ネックレス
カルティエ Juste un Clou ブレスレット
【約束】
〇古屋正興 「異世界に飛ばして欲しい。」
飯田清麿 「結婚式へ出席して欲しい。」
〇 「同年代の友達を作って欲しい。」
『100倍デーの開催!』
× 「一般回線で異世界の話をするな。」
『世襲政権の誕生阻止。』
〇後藤響 「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
「空飛ぶ車を運転します!」
江本昴流 「後藤響を護って下さい。」
『遠市王朝の建国阻止。』
×弓長真姫 「二度と女性を殴らないこと!」
× 「女性を大切にして!」
〇寺之庄煕規 「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香 「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介 「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
「今度、焼肉でも行こうぜ!」
〇藤田勇作 『日当3万円。』
〇堀田源 「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘 「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
〇 「お土産を郵送してくれ。」
「月刊東京の編集長に就任する。」
楢崎龍虎 「いつかまた、上で会おう!」
×警視庁有志一同 「オマエだけは絶対に逃さん!」
「オマエだけは絶対に守る!」
×国連人権委員会 「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬 「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
水岡一郎 「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人 「殺す。」
「鹿児島旅行に一緒に行く。」
「一緒にかすうどんを食べる」
車坂聖夜Mk-II 「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
×今井透 「原油価格の引き下げたのんます。」
「小麦価格の引き下げをお願いします」
〇荒木鉄男 「伊藤教諭の墓参りに行く。」
鈴木翔 「配信に出演して。」
×遠藤恭平 「ハーレム製造装置を下さい。」
〇 『子ども食堂を起ち上げます。』
「紙幣焼却によりインフレを阻止する。」
〇田名部淳 「全財産を預けさせて下さい!」
「共に地獄に堕ちましょう。」
三橋真也 「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」
〇DJ斬馬 『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』
金本宇宙 「異世界に飛ばして欲しい。」
金本聖衣 「同上。」
金本七感 「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」
〇天空院翔真 「ポンジ勝負で再戦しろ!」
「再戦するまで勝手に死ぬな。」
〇小牧晃 「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」
「日本を滅ぼさないで下さい。」
阿閉圭祐 「日本国の赤化防止を希望します。」
〇坊門万太郎 「天空院写真集を献納します!」
宋鳳国 「全人類救済計画に協力します!」
堀内信彦 『和牛盗難事件を解決します。』
〇内閣国際連絡局 『予算1000億円の確保します』
〇毛内敏文 『青森に行きます!』
神聖LB血盟団 「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」
Top Girls 「招待ホモ枠の仲間として色々便宜を図ってあげマース♥」
〇大西竜志 「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」
『貴方の遺族に篤く報います。』
坂東信弘 「四国内でのイベント協力」
国重辰馬 「四国内でのイベント協力」
涌嶋武彦 「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」
斑鳩太郎 『処刑免除を保証します。』
志倉しぃ 「カッコいいホモの人を紹介して下さい。」
〇孝文・j・G 「英国大使館パーティーにて利息支払い」
「永遠の忠誠と信仰を(以下略)」
〇グランツ(英) 「perape-ra!!!!!!!!」
E・ギャロ 「農政助言」
「王都で星を見る。」
福永史奈 「出産すれば1億円支給」
野上絵麻 「以下同文」
桂川風香 「以下同文」
久能木瀬里奈 「ジャンジャンバリバリ!!」
児玉繭子 「ウチの旦那に色目を使うな。」
「アメリカ経済を破綻させないように努力する。」
古河槐 「jetの救済をお願い。」
カミーラ・B 「perape-ra♪」
故バーゼル卿 「perape-ra!」
〇有村拓我 「福田魁との連絡を取る。」
×福田魁 「男らしゅうせー!」
竹内遊馬 『異世界に飛ばしてあげますわ♪』
ポーラ・P 「いつか一緒にお茶しましょう。」
×アネモネ・I・G 「元帥で我慢してあげます♪」
「上級大将で勘弁してあげます♪」
安久津明 「愛人枠に入れて下さい。」
金本光戦士 「どんな危機からも必ず救い絶対に守る。」
古河槐 「シンママで産む」
◎木下樹理奈 「一緒に住ませて」
×松村奈々 「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇 「仲間を売るから私は許して♥」
× 「ウンコは便器の中にするニャ♪」
「未来永劫ずっと一緒♥
ずっとずっとずっとずーーと×∞
厘を守ってあげるね♥」
◎鷹見夜色 「ウ↑チ↓を護って。」
〇 「カノジョさんに挨拶させて。」
〇 「責任をもって養ってくれるんスよね?」
×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
「王国の酒…。」
「表参道のスイーツ…。」
× 「ポン酢で寿司を喰いに行く。」
土佐の局 「生まれた子が男子であればリイチ。
女子であればリコと命名する。」
両脇にレニーとアネモネが居るので身体を起こせない。
『ねえ、貴女達。
どうしてワタクシのベッドで寝ているのかしら?』
「ふわああ、りんりこりんオハヨーッス。」
「大魔王様、おはでーす♪」
『ちょ、重い。
前も言ったと思いますけど、腕に乗るのやめて下さる?』
「腕枕、腕枕♪」
「ハーレム♪ ハーレム♪」
『いいから早くどきなさい!』
「昨日はあんなに愛し合ったじゃないッスか、オッヒョッヒョ♥」
「えー、少しは楽しみましょうよ♥」
『…貴女達、どうやら大麻がいらないようね。』
「(サッ!) えへへ、冗談ッスよー。
そんなに怒らなくてもいいじゃないッスか。」
「(サッ!) おはようございます大魔王様!
今日もアネモネちゃんは忠義全開ですよー!」
『さっさと身支度して、殿方衆に御奉仕してきなさい!』
「「へーい!」」
思わず溜息が漏れる。
たかだか雑兵2人の扱いにこうも苦労させられるとは。
…俺、分隊長ですら務まらないだろうな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
シャワーを浴びてからリビングに向かう。
先に階下に降りたレニーとアネモネはリビングのソファーにふんぞり返ってTVを見ていた。
江本がアレコレとバラエティ番組の解説をしてやっている。
やっぱりアイツ、外交官向きだよな。
「おはようございます、リン子お嬢様。」
『おはよう石賀。』
「本日の朝食は明太子バケット・胡麻鯖のカルパッチョサラダで御座います。
デザートにはあまおう苺大福を用意致しました。」
『あらぁ、美味しそうね。
早速頂くわ。』
テーブルに並んだ朝食をゆっくりと時間を掛けて食べる。
石賀の報告によると、毛内・寒河江・竹内は車両ナンバーの変更に向かったらしい。
確かにな、九州で苫小牧ナンバーはあまりに目立ち過ぎる。
『小牧、何を遠慮しているの?
オマエも食べなさい。』
「あ、はい。
食欲が… 乏しくて…」
『あらあら、じゃあノンニコチン煙草でも吸う?』
「え!?
あ、いや…
で、では少しだけ頂きます。」
『石賀、ストックから大麻を持って来なさい。』
「畏まりました、お嬢様。」
「え!?
あ、あの大麻という言葉はあまり使って欲しくないというか…」
『あら、ごめんなさいね♪
はい、ノンニコチン煙草♥』
「…頂戴します。」
本来の小牧は相当タフな部類だとは思うのだが、流石に憔悴しきっている。
曰く原因は俺にあるとのことなので、心苦しい限りである。
「…猊下。」
『はい?』
「日本を滅ぼさないで下さいね?」
『ええ、ご安心なさって。
日本は残すつもりです。』
「…。」
『ご不満かしら?』
「いえ、それで満足致します。」
『ワタクシがどれだけ加減出来るかは小牧次第よ。』
「…私次第ですか。」
『ええ、余裕がある限りは周囲と妥協するつもりですから。』
「…。」
嘘ではない。
俺は異世界でも各省庁からのプレゼンに積極的に耳を傾け、予算もちゃんとつけてやった。
問題は、日本国政府からの挨拶がまだである点。
(と言うより賞金首の身である。)
つまり、まだ義理が生じていない。
役人の小牧にはこの危険性が痛いほど理解出来ている。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
11時。
博多ナンバーへの書き換えを終えた毛内翁達が帰還。
往路、苫小牧ナンバーはジロジロ見られたらしいので、早めに手続きをした判断は正しかったのだろう。
寒河江からの報告。
博多の繁華街・中洲では地元暴力団が派手にトイチ狩りを行っていたのだが、それが福岡県警の逆鱗に触れたらしく一斉検挙されたとのこと。
なので繁華街も(九州基準で)平和になったらしい。
ただ手配書の貼り方から察するに、県警上層部が俺に怒っているのは明白なので楽観は厳禁とのこと。
写メを見せて貰うが、博多南署の壁面はわざわざ拡大コピーされた遠市厘の顔写真で埋まっており、露骨な敵意を感じた。
皆で警察対策を論じていると、先に九州入りしていた久我が訪ねて来る。
『あらぁ、久我さん。
何から何までありがとございます。
これは些少ですが…』
「礼は不要。
江本君から既にもらっている。」
俺の差し出した謝礼を拒みながら、久我は背後を振り返った。
「…出羽の修験者を連れて来たから、謝礼ならそっちに払ってやってくれ。」
『あら、羽黒の山伏さんが?
良かったわぁ、ずっとお礼を言いたいと思ってましたの。』
奥州逃避行では出羽三山の山伏達が連絡役を果たしてくれた。
江本や久我を通しての遣り取りしかなかったので、心苦しかったのだ。
「こんちわー。」
その緩い声を聞いた瞬間に心苦しさが消えた。
リビングに入って来たのは、登山服を着た小柄な男であり、ヘラヘラした表情は俺の知る山伏像から大きく離れていた。
「ガルパン動画と全然違いますねー。
次はお嬢様路線っすか(笑)」
5分程話しても性別も年齢も分からなかった。
お互いにソファーに腰掛けて探るように礼を述べ合ううちに、おぼろげに30半ばを過ぎた女だと本人の言葉から確認出来た。
中学生男子と言われても40代女性と言われても納得してしまうような、そんな得体の知れない女だった。
名を安久津明という。
地元では(悪い意味で)相当な有名人であるらしく、冗談交じりに「地元で私の名前を出すと嫌われちゃいますよ。」と笑った。
嫌われ者特有の歪んだ笑顔が、その言葉を如実に裏付けていた。
「江本君には私から売り込んだんですよ。
画面で見るよりイケメンでテンション上がりました!」
詳しく話を聞いて失望したのだが、どうやら羽黒の支援者というのは、この女とその取り巻きの事であり、出羽三山が組織だって俺を支持している訳ではなかったらしい。
この女は鶴岡市羽黒町に大きな駐車場を保有していたが、修験者ではない。
江本・久我・福田も最初は羽黒の山伏を広く味方に付けたかったらしいのだが、この女が全てのオーダーに応えてしまったので自然と重用してしまったらしい。
無論、羽黒の山伏は概ね好意的だったのだが、現代ビジネスパーソンとしての即応性を持っているのが安久津明だったので、この女以外に仕事の頼みようが無かった。
江本達も本当は出羽三山全体を俺の味方に付けたく思っていて、それとなく安久津以外にも話を振っていたのだが、全ての仕事をこの女にインターセプトされてしまったとのこと。
なので不本意ながら、こうして安久津明を羽黒衆の代表として俺に紹介している。
『ねえ、福田。
安久津さんと寝たの?』
「本人の前で言うなや。」
『寝たの?』
「…。」
『ふーん、そうなんだ。
ワタクシは全然気にしてませんけど。』
「…いや、俺は。」
『ギャオオオオオ―――――――ンッ!!!』
「(ビクツ)
…いや、誰と寝ようが俺の勝手やろ。」
表情から察するに江本や久我とも関係を持ったらしい。
身体を武器にして男に取り入るなんて穢らわしい女だ。
…そうか、それで江本達は羽黒衆の話題になると抽象的にしか語らなかったのだな。
「いやあ、それで3人共猊下の話題になると口を濁していたんすね(笑)」
安久津が値踏みするような目で俺を見る。
全身を舐め回すような視線に不快感を必死で堪えた。
「いやあ、誤算だったなあ。
折角、エロい下着を色々準備して来たのに。
猊下には逆効果なんすよね(笑)?」
『そう思うなら口を慎まれては如何?』
「あはははは、勘弁して下さいよ。
DV動画でハズってる人がメス化してるなんて予想出来ないじゃないっすか(笑)
ねえ、江本クン。
キミ、猊下とヤッたでしょ(笑)」
「あ、いや。」
『江本!
オマエは下がってなさい!』
「あ、はい。」
「うわっー、怖っえー(笑)
やっべー、想像の百倍くらいヤベー人に絡んじゃったかも(笑)
ねぇ猊下、怒ってます?」
『ぷいっ!』
「あははは!
…でも本当は?」
『…俺は賢い女性は尊敬します。』
「うわっ!!
急に男になった!!
怖っ!怖っ!怖っ!
この人、絶対ヤバいって!!!!」
「だから言ったやないですか。
怒らせたらアカンって。」
「怒るとかそういうレベルじゃないでしょー。
世界滅ぼす系の人だわ。この人。」
『改革の必要は感じていますが、滅ぼそうとまでは考えておりません。』
「あはは、改革の邪魔になる人はどうなるんですかぁ↑(煽り語尾)」
『…。』
「冗談! 冗談っすよ!
私、絶対に猊下の邪魔をしませんから!
それどころか忠実なイヌになりますから!
殺さないで(笑)殺さないで(笑)」
参ったなあ。
俺、こういうふざけた奴が大好きなんだよなあ。
安久津明はそういうツボを理解してフザけるのが上手いよな。
『じゃあ、安久津さんはしばらくワタクシとルームメイトね。』
「私が狙っていた同衾とはちょっと違いますねー(笑)」
『でも楽しんでくれてるでしょ、貴女。』
「あっはっは。
人生で1番スリル感じてます!
殺さないで下さいね?」
勿論、こうも小賢しい女なのでニーズも正確に汲み取ってくれる。
2人きりになると淡々と諸情報を報告してきた。
特に寺社勢力や地方政党の神聖教へのスタンスを主観を交えずに教えてくれたのはありがたかった。
『それでアキラさん。
ワタクシからは貴女に何を提供すれば良いのかしら。』
「元々、婚活の一環でドタバタしてたんですよ。」
『あらそう。
じゃあ素敵な殿方が居たら紹介するわね。』
「それも最高の男をずっと探してたんです。」
『あらそう。
じゃあ最高の殿方が居たら紹介するわね。』
「…猊下に勝てる男とか居るんすか?」
『どうかしら。
でも長期戦でワタクシをどうこうするのは難しいのではなくて?』
「ははは、最高じゃないっすか!」
安久津が従軍を願い出たので、1人1人に挨拶をさせる。
皆との受け答えを見ても非凡な女だ。
頭の回転が異常に早く適応力が頭抜けている。
だからこそ、これも失敗。
現時点の俺が求めているのは一定規模の組織との提携なのだから
出羽三山などは歴史・知名度・規模・社会性、どれをとっても理想だった。
にも関わらず、1個の天才に縁を占有されてしまった。
安久津は間違いなく傑物である。
恐らくは俺の役に立ってくれるだろう。
但し、引き換えに組織よりも自分を選ばせる。
結果、出羽三山全体よりも安久津明やその子孫を優遇してしまう。
これは封建構造の成り立ちそのものであり、俺の目指す平等社会とは対極のあり方である。
極めて好ましくない。
だが安久津が提出した報告書を見る限り、ここまでの協力姿勢と才覚を他から獲得出来るとは到底思えなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【安久津明】
山形県酒田市出身の古物商。
35歳バツ2。
離婚に際して親権は剥奪されたのだが、托卵行為が発覚し前夫の一族×2から民事訴訟を起こされている。
小学生時代から男性アイドルのコンサートチケット転売などで収益を得ていた。
地元で発生した産業廃棄物の不法投棄事件をヒント
に、処分場確保の代行ビジネスを考案。
捨て値で購入した山林での放射性廃棄物処分場建設を仄めかすことで、周辺自治体から多額の金銭を脅し取ることを生業としていた。
近年では選挙ビジネスに参入。
地権を盾に出羽三山への参道を封鎖し、その解除と引き換えに任意の候補への支援を強要していた。
江本昴流の烏天狗化と同時にコンタクトを開始、遠市派との実質的な独占交渉権を獲得する。
威力業務妨害罪で3度逮捕されるも、いずれも証拠不十分で不起訴となっている。
【リン子パーティー編成】
パーティー名 「大魔王親衛隊」
遠市・コリンズ・リン子・厘 (お嬢様)
石賀一博 (執事)
福田魁 (護衛兵)
毛内敏文 (狙撃兵)
寒河江尚元 (運転兵)
江本昴流 (伝令兵)
レニー・アリルヴァルギャ (補充兵)
アネモネ・I・ギャラルホルン (補充兵)
竹内遊馬 (徴募兵)
小牧晃 (偵察兵)
安久津明 (輜重兵) ←new
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、本来の予定とは大きく異なるが…
九州に流れ着いた以上、俺の所為で弾圧を受けている英彦衆に改めて謝罪しておくべきだと思い、久我に連絡を取って貰う。
「…今、テレグラムで連絡を取った。
謝罪を受け入れるとのことだ。
但し、九州に来ているのであれば、本人が事情説明に来るのが筋合いであると先方が申している。」
『出頭すると返信して下さい。』
山伏達は福岡大分両県警からの弾圧を逃れて、県境である岳滅鬼山の奥地で潜伏しているとのこと。
高師直や大友宗麟の猛攻を凌ぎ切った秘密要害なので、10年くらいは耐え忍べるらしい。
そんな山奥まで呼び出されるのかと気が滅入るのだが、どうやら高住なる神社までの出頭で許してくれると聞いて安堵する。
寒河江が見せてくれたGoogleMapでは同社が車道に隣接していたので、思わず笑みがこぼれる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【パーティーメンバー割り振り】
「山組」
久我、安久津、毛内、江本、レニー、アネモネ、小牧
「留守&休暇」
石賀、福田、寒河江、竹内
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
14時。
高住神社に到着。
同社には日本八大天狗の英彦山豊前坊が住まうとされているとのこと。
必然、烏天狗仮面に何らかの一発芸が強要される可能性が高いので、江本は抜かりなくミニカラオケセットやジャグリング道具を持参している。
「…失礼、遠市大主教は車内かね?」
俺達が神社の境内に入った途端に、錫杖を握りしめた修験者達に包囲される。
まあな、俺の所為で仲間が逮捕されまくっているそうだからな。
腸が煮えくり返っているのが本音だろう。
『あ、ワタクシです。』
「は?」
『この度は誠に申し訳御座いませんでした。』
「失礼?
遠市大主教の奥様ですか?」
『いえ、ワタクシが遠市厘です。』
90分ほど掛けて自分が遠市厘である旨を伝える。
中々話が進まなかったが、英彦衆の1人が妻を呼び出し車の中で俺を性別判定。
一応、グレー寄りの雄と認定して貰えた。
「なるほど。
肉体に関しては貴方が男性であると認めます。」
『ありがとうございます。
性自認も殿方に近いと思うのですが。』
「大主教の性自認に口を挟むつもりはありませんが…
所詮、人間の内面など証明のしようがないので。」
英彦衆のリーダーらしき老人が拳をプルプルと震わせながら息をゆっくりと吐く。
「遠市大主教にお会いしたら、有無を言わさず殴り倒してやろうと考えておりました。」
背後の一同がうんうんと頷く。
『あの、ワタクシもその覚悟で参りました。
どうか御打擲下さい。
んーーー。』
俺は覚悟を決めて、潔く顔を突き出す。
そりゃあね、拳は俺達男のケジメだからね。
「りんこりん、それキス顔だから。」
「あ、いや。
女性の形をしたものを殴るのは…
こちらの方がダメージが大きいと言うか…」
『あらあ、申し訳ございません。』
「絶対に確信犯だよね、このケツ穴大魔王。」
『あ、忘れておりましたわ。
こちら苫小牧の地酒【美苫】で御座います。
お詫びにもならないと思いますが、ご笑納下さい。』
「??
何故、苫小牧?」
『あ、いえ。
先日まで滞在しておりましたので。』
一同はしばらく静まり返っていたが、後方にいた男が「あっ!」と声を挙げる。
「ひょっとして先日発生した苫小牧大火災って!!」
流石に勘が良いな。
いや、状況的に怪しまれても仕方ないのだが。
「えー、アタシ心当たりがないっスよー。
無罪っスー。 冤罪っスー。」
レニーのふてぶてしい言い訳に英彦衆は俺達が犯人だと確信したらしく、恐ろしい表情で睨み付けてくる。
まるで悪役にでもなった気分である。
その後、俺は見舞金を支払おうとするのだが頑として受け取ってくれなかった。
「大体、何で新札なのに連番じゃないの?
怪しいよ、アンタ!!!」
「これ、偽札じゃないのか?」
「失礼だけど、ちゃんと確定申告してる?」
生真面目な連中なのだろう。
正論で追及してくる。
『えっと、お金は神様が毎日くれるんです。
ワタクシも連番で貰えた方がありがたいのですが…
あまり図々しいお願いはしたくないので、我慢してます。
確定申告は、前向きに善処します。』
「え?
それって無申告偽札ってこと?」
『いえ、財務省からは本物認定を頂いております。
財務省公認パラレル紙幣とワタクシは認識しております。』
「パラレル紙幣!?
…いや、言葉遊びはやめなさいよ。
要は脱税偽札じゃないですか。」
参った。
どう考えても英彦衆の言い分が正しい。
『…グス、グス。
ヒック、ヒック…
ウワーーーーーーーーンッ!!』
「猊下が泣き始めたけど、大丈夫なの?」
「アキラ姐さんも分かってると思うんスけど。
アレがりんこりんの泣き芸っス。」
「まともに相手にしない方がいいですよ。
ああやって男に媚びるのが手口なんです。」
『ビエーーーーーーーーンッ!!!』
「ねえレニーさん。
私、あの人が心底怖いんだけど。
貴女と同じ異世界人ではないのよね?」
「いやいや、あんなバケモンw
アタシらの地元に居て堪るかって感じっス。」
「ウザいけど…
おカネくれるから文句言えないですよねー。」
『アオーーーーーーーン!!!』
「嘘!?
これで解決しちゃったの!?
巻き添えで逮捕者30人以上出てるのに!?」
「男って馬鹿っスからねー。
女がビービー泣いたら許しちゃうんスよ。」
「レニー姐さん、あの人も一応オトコです。」
『じゃあこれからは神聖教団と英彦山❤
信仰に生きる者同士、仲良くしましょうね❤』
「マジかー。
強引に話を纏めちゃったぞー。」
「見た目に寄らず強引っスよ。
まあ、あれでも一応。
アタシらの世界で天下獲った人っスからね。」
「面の皮の厚さはまさしく大魔王ですわ。
悪い意味で政治家ですよねー。」
俺が誠心誠意謝罪したことによって、場は収まった。
ふう、やれやれ。
今度から座右の銘を尋ねられたら【至誠通天】とでも答えよう。
あわよくば同盟関係までもって行きたかったのだが、英彦衆は固く拒絶。
「邪悪の者と結ぶ手はない!」
とまで言われてしまう。
何とか歓心を買いたかったので、レニーやアネモネや江本に一発芸をさせるがますます不信感を募らせてしまう。
まあ、アネモネの暗黒魔法なんて邪法以外の何物でもないからな。
微妙な空気になった所で説得工作に長けた小牧が進み出て、如何に俺が善徳を積んでいるかを主張し始める。
「口では何とでも言えるよ!
でも、やってる事は偽札じゃない!!
確定申告もしてないんでしょ!?」
「いやいや!
猊下の奇跡は人々を助けてるんです!
私の所属官庁とか!」
「じゃあ実際に救ってみなさいよ!!!
今、世界がどれだけ大変なことになってると思うの!?
コ□ナ禍! ウクライナ戦争! 消費税増税! 政治腐敗!!
悪いことばっかり起こってるでしょーーー!!!
物価は上がる一方!! みんな生活が大変だって言ってるよ!!!」
それな。
俺の主食だった片親パンも値上がりするし、本当困るよな。
ウインナーパンが160円とか、家計直撃し過ぎだろ。
『やはり九州でも値上がりは厳しいですか?』
「そりゃあね。
都会から来た遠市大主教にはわからないかも知れないけど!
九州は昔から貧しい土地だから…
ちょっとでも物価が上がればみんな苦しむんですよ!
最近はコメも値上がりして!
年金暮らしのお婆さん達もみんな嘆いてますよ!!!」
『はあ、ではコメを配りますので。
それで話を収めて下さいな。』
「?」
『小牧。
毛内達にコメを買わせてここに運び込ませなさい。』
「すみません。
ここは道が悪いです。
秋月城あたりで合流しませんか?」
『ああ、じゃあそれで。』
皆で麓の秋月城まで下る。
空気を和ませようと思って自己紹介タイムを設けるのだが、安久津が名乗った瞬間に敵対ムードが再燃する。
この女、想像以上に憎悪されているな。
なーにが、【業界のアイドル的存在】だよ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
結局、留守組も全員合流。
キャンピングカーには大量の玄米(10キロ袋)が積まれていた。
「何?
これを皆に配るということ?」
『ええ、そのつもりですわ。』
「偽札で買ったコメで救世主気取り?
偽善の域にすら達していないな。」
『否めませんわね。』
そうは言いつつ、英彦衆の敵意はかなり弱まっている。
やはり積み上げた米袋のビジュアル的な威力は絶大らしい。
「リン子お嬢様。
20袋しか用意出来ず申し訳御座いません。。」
『いえ、この短時間でよくやってくれましたわ。』
「お嬢様!
後、10分です!」
『皆を下がらせなさい。
これより恩寵の儀を執り行う!!』
「はッ!!」
やれやれ。
今日くらいは皆に休養を与えてやりたかったのだがな。
結局、動き回らせる羽目になってしまった。
《7億0926万円の配当が支払われました。》
その気になればカネもコメも整然と射出可能なのだが、サービスの意味も兼ねてハラハラと空中に舞い散らせる。
米袋もドサドサと空中から落として神性を演出しておいた。
ここまでやれば文句はないだろう。
「お待ち下さい!」
『何か?』
「今、空中から出現した米袋!!
トレーサビリティ番号が割り振られてますよ!!!
どういうことですか!?」
…真面目な連中だなあ。
いや、俺はこういうオッサンが好きなんだけどさ。
『神様が割り振って下さったんじゃありませんこと?』
「申し訳ありませんが確認させて頂きますよ!
場合によっては米トレーサビリティ法違反になりますからね!」
…まあ、人の口に入るものだしな。
なるだけ厳密に扱うべきか。
30分ほど待たされて、農水省への確認が終わる。
恩寵の儀で射出されたコメ。
米トレーサビリティ法に照らし合わせても問題なし!
「でも、明らかに空中から出現してましたよね。」
『神様が農水省に調整させているのでしょう。』
「…そんなこと出来るんですかね?」
『神様は万能ですから。』
「いえ、農水省如きに神様の指示に応対する能力があるとは到底思えません。」
『お役人さんは自分より偉い相手が来た時だけは頑張るから。』
「なるほど。
納得しました。」
どうやら物質への日利機能も健在らしく、200キロのコメに対して27%つまり54キロの利息が発動していた。
持って帰るのも億劫なので、義援米として英彦衆から困民に配らせることにする。
最後に久我が進み出て、「この様に遠市猊下は神秘によって人民を救済することを志しておられるのです!」と叫んだ。
場は大いに和み、英彦衆の口元にようやく笑みが浮かんだ。
「あーーーー!!!
りんこりん!!
大麻も増えてるーーー!!!」
「流石大魔王様❤
これで毎日キメセク三昧ですね❤」
レニー達が満面の笑みで増えた大麻をブンブン振ったことにより、雪解けムードは一瞬で終わった。
俺達は怒りに打ち震える英彦衆に追い出され、彼らに九州諸勢力との仲介を願う案は霧消した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
26億2687万0283円
↓
33億3613万0283円
↓
32億3613万0283円
↓
31億3613万0283円
※配当7億0926万円を取得
※臣下に日当として計1億円を支給
※苫小牧市に義援金として1億円を匿名寄付
☆保有大麻20キロ→25キロ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ヴィラに帰った頃にはすっかり暗くなっていた。
今日も実りのない一日だった。
「…猊下。」
『あら小牧、顔が怖いわよ?』
「何度数えても計算が合いません。
26%と仰ってたじゃないですか。」
『あら、ゴメンさいね。
今日から27%貰えるみたい。』
「…そんな大雑把な。
ひょっとして利率に利息が付いてるとか!!
流石にそんな反則はしてないですよね!?」
『あらあらうふふ。』
「反則! 反則!
それもう無敵じゃないですか!!!」
『まあまあ、そんなに怒ると小皺が増えますよ♪
Hな御褒美をあげるから、少しは落ち着いて下さいな❤
竹内、アレを買ってくれたわね?』
「あ、はい。
博多は都会なんで何でも揃いました。」
「オヒョヒョヒョ♪
りんこりん、エロパートっスか?
アタシも一肌脱ぎますよー❤」
「大魔王様、ダークエルフの裏奥義をお見せしましょう。
どんな男の人でもイチコロですよ♪」
「猊下ー。
早速お役に立てそうな場面っすね。
夜の登記簿も捏造しちゃいますよー❤」
『はぁ!?
なあに貴女達。
身体を使って殿方に取り入ろうだなんて腐った性根ね。
ワタクシ、心の底から軽蔑しますわ。』
「「「…。」」」
『あっ、江本ぉー❤
今日はお疲れ様♪
約束通りプリキュアの恰好でご褒美あげるわね♪』
「ちょっと待つっスー!!!!」
『何よレニーさん、耳元で大声出さないで下さる?』
「自分が一番身体で男に取り入ってるじゃないっスか!!
卑怯! 卑怯! 腐れケツマン大魔王!!!
軽蔑するっス!!!」
『うるさいわねー。
これは部下への恩賞という立派な軍務なの!
ワタクシが好きでやってるみたいに言わないで下さる!?』
「いや、ケツを振りながら言われても!
大体、今日はアタシも隠し芸見せたじゃないっスか。
アタシにも恩賞下さいよ!」
『チッうるさいですわね。
…じゃあ、まあ。
増えた大麻でも勝手に吸ってればいいんじゃありませんこと?
致死量の吸引を許可しますわ❤』
「…それって遠回しな死刑っスよね?
まあいっか。ちょっくらチルって来ます。」
九州入り初日。
見事なまでに収穫が無かった。
江本に膝枕をしてやりながら、俺は無力感に打ちひしがれ溜息を吐く。
『何よ小牧。
オマエにもプリキュア御褒美してあげるから待ってなさい。』
「いや、そうではなく。」
『?』
「日利が1%向上したのって、とてつもない収穫だと思うのですが。」
『ゴメンなさいね。
最近は数えるのが面倒だから、あまり利率は意識してないの。』
「全然至誠じゃないですか!!!」
『通天してるから平気平気♪』
「何かズルいです!!!」
『その分社会に還元してるから平気平気❤』
コメやカネを配るのも、こういう男受けする恰好をするのも、全ては俺の還元行為だ。
隣でブツブツ文句を言ってた小牧も結局は安久津に貰ったエロ下着を着けてやったら納得してしまったしな。
仕方ないじゃないか。
男は配られたカードで戦うしかないのだから。
オマエらみたいな雑兵を喜ばせてやることこそが、大将たる俺の責務なのだ。
天が誠意なんて見ていないことを貧乏人の俺は誰よりも知っている。
だが想いが兵に伝わるという事実を一番理解しているのも、また俺なのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
大魔王りんこりん
(俗名) 遠市・コリンズ・リン子・厘
【職業】
お嬢様
便所紙
ホステス
パチンコ台
神聖教団 大主教
東横キッズ
詐欺師
【称号】
淫売
賞金首
【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)
《LV》 27
《HP》 快調♪
《MP》 充実♪
《力》 深窓の令嬢
《速度》 神出鬼没
《器用》 変幻自在(♀限定)
《魔力》 悪の王器
《知性》 脳味噌エルデフリダ
《精神》 絶対悪
《幸運》 天佑
《経験》 7億5808万5911
本日取得 0
本日利息 1億5643万0426
次のレベルまでの必要経験値5億8409万1359
※レベル28到達まで合計ポイント必要13億4217万7270
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定
※クジラの経験値を13000と断定
※経験値計算は全て仮説
【スキル】
「複利」
※日利27%
下4桁切り上げ
【所持金】
31億3613万0283円
1516万BTC (下4桁切り上げ)
↓
1926万BTC
646万XRP (下4桁切り上げ)
↓
821万XRP
646万SOL (下4桁切り上げ)
↓
821万SOL
※ユーロ・ポンド・ルーブル・バーツ・ペソ・ドルも保有。
※ユーロ・ポンド・ルーブル・ドルの保管権を孝文・j・Gに付与。
※仮想通貨の運用権を孝文・j・Gに付与。
※米国債・タイバーツ・フィリピンペソの保管権を児玉繭子に付与。
☆保有大麻25キロ
【残り寿命】
1073万8500日 (下4桁切り上げ)
↓
1363万8500日
【所持品】
Maison Margiela ショルダーバッグ 白
Archi Diorリング ホワイトゴールド×ダイヤモンド
ティファニー ビクトリア グラジュエイテッド ネックレス
カルティエ Juste un Clou ブレスレット
【約束】
〇古屋正興 「異世界に飛ばして欲しい。」
飯田清麿 「結婚式へ出席して欲しい。」
〇 「同年代の友達を作って欲しい。」
『100倍デーの開催!』
× 「一般回線で異世界の話をするな。」
『世襲政権の誕生阻止。』
〇後藤響 「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
「空飛ぶ車を運転します!」
江本昴流 「後藤響を護って下さい。」
『遠市王朝の建国阻止。』
×弓長真姫 「二度と女性を殴らないこと!」
× 「女性を大切にして!」
〇寺之庄煕規 「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香 「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介 「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
「今度、焼肉でも行こうぜ!」
〇藤田勇作 『日当3万円。』
〇堀田源 「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘 「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
〇 「お土産を郵送してくれ。」
「月刊東京の編集長に就任する。」
楢崎龍虎 「いつかまた、上で会おう!」
×警視庁有志一同 「オマエだけは絶対に逃さん!」
「オマエだけは絶対に守る!」
×国連人権委員会 「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬 「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
水岡一郎 「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人 「殺す。」
「鹿児島旅行に一緒に行く。」
「一緒にかすうどんを食べる」
車坂聖夜Mk-II 「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
×今井透 「原油価格の引き下げたのんます。」
「小麦価格の引き下げをお願いします」
〇荒木鉄男 「伊藤教諭の墓参りに行く。」
鈴木翔 「配信に出演して。」
×遠藤恭平 「ハーレム製造装置を下さい。」
〇 『子ども食堂を起ち上げます。』
「紙幣焼却によりインフレを阻止する。」
〇田名部淳 「全財産を預けさせて下さい!」
「共に地獄に堕ちましょう。」
三橋真也 「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」
〇DJ斬馬 『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』
金本宇宙 「異世界に飛ばして欲しい。」
金本聖衣 「同上。」
金本七感 「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」
〇天空院翔真 「ポンジ勝負で再戦しろ!」
「再戦するまで勝手に死ぬな。」
〇小牧晃 「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」
「日本を滅ぼさないで下さい。」
阿閉圭祐 「日本国の赤化防止を希望します。」
〇坊門万太郎 「天空院写真集を献納します!」
宋鳳国 「全人類救済計画に協力します!」
堀内信彦 『和牛盗難事件を解決します。』
〇内閣国際連絡局 『予算1000億円の確保します』
〇毛内敏文 『青森に行きます!』
神聖LB血盟団 「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」
Top Girls 「招待ホモ枠の仲間として色々便宜を図ってあげマース♥」
〇大西竜志 「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」
『貴方の遺族に篤く報います。』
坂東信弘 「四国内でのイベント協力」
国重辰馬 「四国内でのイベント協力」
涌嶋武彦 「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」
斑鳩太郎 『処刑免除を保証します。』
志倉しぃ 「カッコいいホモの人を紹介して下さい。」
〇孝文・j・G 「英国大使館パーティーにて利息支払い」
「永遠の忠誠と信仰を(以下略)」
〇グランツ(英) 「perape-ra!!!!!!!!」
E・ギャロ 「農政助言」
「王都で星を見る。」
福永史奈 「出産すれば1億円支給」
野上絵麻 「以下同文」
桂川風香 「以下同文」
久能木瀬里奈 「ジャンジャンバリバリ!!」
児玉繭子 「ウチの旦那に色目を使うな。」
「アメリカ経済を破綻させないように努力する。」
古河槐 「jetの救済をお願い。」
カミーラ・B 「perape-ra♪」
故バーゼル卿 「perape-ra!」
〇有村拓我 「福田魁との連絡を取る。」
×福田魁 「男らしゅうせー!」
竹内遊馬 『異世界に飛ばしてあげますわ♪』
ポーラ・P 「いつか一緒にお茶しましょう。」
×アネモネ・I・G 「元帥で我慢してあげます♪」
「上級大将で勘弁してあげます♪」
安久津明 「愛人枠に入れて下さい。」
金本光戦士 「どんな危機からも必ず救い絶対に守る。」
古河槐 「シンママで産む」
◎木下樹理奈 「一緒に住ませて」
×松村奈々 「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇 「仲間を売るから私は許して♥」
× 「ウンコは便器の中にするニャ♪」
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ずっとずっとずっとずーーと×∞
厘を守ってあげるね♥」
◎鷹見夜色 「ウ↑チ↓を護って。」
〇 「カノジョさんに挨拶させて。」
〇 「責任をもって養ってくれるんスよね?」
×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
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タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
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楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
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