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第四部 魔王種
第五十九章 約定の口付け(イチャラブ注意)
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古城はもう復興を通り越して新しい城になりそうな勢いだな。狙撃オーガや鍛冶オーガだけでなく普通のオーガも混じって建設に加わっている。今の所はオーガとゴブリンサンだ。炉も大きなものが出来て魔物用の魔剣も出来始めている。効果は二の次で硬さ重視だな。施された武器と打ちあえる武器だ。
リンセスの所も新しい動きがあったらしい。ゴブリンサンが嫁を作っているようだ。最初の一人は人間だ。ゴブリンサンの一人が命を賭して守ったらしく、その後ここにきて暮らし始めていた。既に身籠っていたらしく人間とゴブリンサンの混血が生まれたとの事だ。
その喜びはリンセスの様子からみても一目瞭然だった。思い出しただけで涙が出るくらいだ。初めてできた息子の嫁に号泣していたのは想像に難くない。
これは勿論吉報だ。だがコアを持った人間であるリンセスと魔物であるゴブリンキングのリンキンの子供たちであるゴブリンサン。そして彼らと他種族の混血が生まれた。聞いている限りだと生命の支配経由の妊娠で、望まない子供はそもそも出来ないという話だがそこはいい。だがこのイレギュラーである亜人種がこの世界でどうなるのか、これに魔物を指示する存在はどう動くのか。
亜人種。それが俺の仮定で異世界転生者の手で生み出されたとして、亜人種であろうエルフには討伐指示が出ていた。同じく魔族にもだ。魔族は攻撃してくるまでは放置だったようだがその理由はわからない。もしもゴブリンサン経由の存在に討伐指示が出た場合、その元であるゴブリンサン達とその生みの親である二人がどうなるか。俺は勿論この二人につくがその状況がどうなるか。今の情勢であるならば神に手の届きそうなシノはどちらにつくか。全てが予想できる状況にない。
まあ、ここは考えていてもしょうがない。いつか必ず衝突と障害は生れるだろう。全てに備えるのは例え神でも無理だろう。
俺はシノとの憩いの時間を過ごしていたがそれに集中できないでいた。特に今はシノの消耗が激しく魔族の魔素が必要な状況だ。俺は皇帝から相棒が得た魔族の魔素の生成法を俺のコアで再現できるかをシノと試していた。
「どうやら成功したようだな」
「ああ。これならいつでも好きな時にお前から補給が出来るな。もっともらってもいいか?」
「そうだな。どこまでできるか試してみよう」
「そうか。なら、もっとくださいませ。旦那様。旦那様のお恵みがシノは欲しゅうございます」
「・・・ムリエルか?」
「そうだ。たまにはどうだ。媚びた私も新鮮だろう」
「確かにいいな。常日頃やられてはアレだがアクセントとしては良い」
「切れがないな。どうした悩み事か?」
シノには隠し事は出来ないな。
「リンキンとリンセスの子供たちが人間との混血を作ったと聞いてな。この新しい種族はどこまで許されるのか。気になってな。この世界は脆弱だ。何度も消滅の危機に瀕したことがある。特に亜人種が異世界転生の産物だとしたらその危険性は無視できなくなる」
「二人の子供が世界の害になるかもしれないという事か?」
「その可能性もあるか。だが俺の懸念点はそう判断した存在が二人と子供たちを害するという事だ。俺は何があろうとあの二人と子供たちの側に立つ。その時に誰が敵に回るのか、とな」
「それは難しいな。下手をすれば味方が居なくなるという事か」
「そうだ。シノ。もしも神への反逆とあの二人を守ることが相反するとしたらどちらの側に立つ?」
「そういう事か。ならばこう答えよう。私はお前の側に立つ。お前の言う状況がどのようなものになるのかはわからないが、お前の立つ位置が神への反逆だ。そこが私の居場所だ」
そこでシノは一息ついた。
「憶えておけ。お前はお前の望むように動け。仮に私が敵になってもだ。何度も言う。お前は私の好きなお前でいろ。いいな」
シノには敵わないな。
「それでも駄目なら一つ方法がある」
俺が問い返す前にシノの唇が俺の唇に触れる。
「いいか。口付けをしたら目を閉じ言葉も疎通も思考も全て止めてこの感触だけを感じていろ。これが私がお前に口付けをするときの約定だ。もう一度するぞ」
次は長い。
「どうだ?」
「ああ。わかった気がするな。言葉にする必要はないな?」
「そうだ。理解が早いな」
「そんな俺にご褒美が欲しいのだが」
「ようやく切れが出てきたな。仕方がない甘えさせてやる。今度は何を履かせる気だ」
「いや今回は無しだ。たんに全裸が欲しい。その後ろ姿を撫でまわすが構わんな?」
「私は良いがどうした。紐では飽き足らずとうとう無しになったか」
「そういうわけではないが前回の紐は冒涜だった。お前の美しい後ろ姿を遮る障害物だった。全裸で抱き着いてくれ。そして後ろ姿を手で愛でたい。できるなら髪もかき上げて欲しい所だ」
「この前の続きか。いいぞ」
シノがローブを脱ぎ捨てると俺に抱き着いてくる。そして右手で髪を寄せた。俺の手がシノの後ろ姿をなぞる。
「やはり何もないのが正解だな。必要ならこの後姿を彩れるほどのデザインを持った下着でないと冒涜だ」
「そんなものがあるのか?」
「今はないな。あるとすればヌーブラか」
「それはなんだ。響きが卑猥だが」
「そう特別なものではない。繋がったブラのカップを胸に張り付けるものだ。いうなれば紐がない」
「なんだそれは。変態を通り越して医療器具か」
「単純に紐を見せたくないときに胸を固定するものだ。ファッションの類だろうな。そもそもそれ単体で使うものではないだろう」
「わからなくもないがそれならこのままでいいだろう。お前の体が私のヌーブラだ」
確かにシノの胸が当たっている。
「では前を撫でてもいいか?」
「駄目だ。それは駄目だ。全裸で前は絶対にダメだ。後ろからも駄目だぞ。やるなら服を着てからだ。撫でる所が見えるのは確実にNGだ」
「後ろはいいのか?」
「それはいい。どうしても前が撫でたいならそれこそ見合った下着を用意しろ。めくれるようなものだったらお前にも着せてやるからな」
それは恐ろしい。
俺は諦めてシノの後ろ姿に集中する。やはり前回の紐はあまりにも邪魔だった。造形を考えなければならないな。細ければいいという安直さは駄目だ。そして下は尻を支える必要がある。生尻ではどうしても形が緩んでしまう。それはそれでいいがここは拘りたい所だ。
「もういいか?」
「もう少しだ。次への展望が見えてきたところだ。この尻を彩る下着か。ここもまた細ければいいひも理論は通用しないな」
「お前のその飽くなき変態欲はよくも尽きないものだ。私の体が撫でられればそれでいいだろう」
「それはそうだが調味料があるのに使わずに味わうのは勿体無いだろう」
「その思考が変態染みているんだ。体があればそれでいいだろうに」
「なるほどな。では体に口付けをするのはありか?」
「駄目だ。口付けは首から上のみだ。下に来た時は舌を硬く結んでやる」
「ではいただこう」
髪をかき上げた横顔に唇を這わす。だがそれはすぐにシノの口付けで封じられてしまった。
「ここまでだ。顔中に口付けする気かお前は。口付けはもっと大切に使え」
なるほど。それはもっともだ。
「そうだな。それも踏まえて組み立てが必要だな。撫でるの夢中になり過ぎたようだ」
「それならばいい。ならば次は私だ。劣情ではなく愛を持って撫でろ」
すっと袖を通したシノが頭を差し出してくる。ウェーブなのに滑らかな撫で心地だ。これは、と考えようとした俺はシノの髪に口付ける。これは考える必要のない事柄だな。
後日仲間で集まりがあった。何の話題かは忘れたがこうだ。
「俺は次にシノが世界の改変で救えるのなら俺は間違いなくそれを使う。世界を敵に回してもだ」
あの古城でのことだ。シノがコアに浸食されかけた時、俺は改変を使わずに状況に流されるままになっていた。
「全くお前は考え過ぎだ。それで正解だっただろう。私は無事だ」
「しかしだな・・・」
そういう俺にシノは口付けた。これは、そう。口付けの約定だ。俺は目を閉じ言葉も疎通も思考も止めた。
「わかったか?」
「ああ理解した」
そしてシノは退室した。それで色めきだったのは他のメンバーだ。
「なになになに今の! ダンナ。なにがわかったの!?」
リンセスだ。
「わが父、私も知りたいです! 今のは何も、疎通でさえありませんでした! 何が起こったのですか!?」
アリエスも興奮を隠せてない。
なんだ? なにがそんなに気になる?
「シノとの約定だ。口付けをする時は目を閉じ言葉も疎通も思考も止める。それで理解し合える状況もあるというだけだ」
なんだ? 何かの感銘を受けているようだがなんだ?
「姉御は本当に何もんだよ。たまにこう凄いことブッこんでくるよなぁ」
リンキンか。子持ちが口付けで驚くような事か?
「王牙。君は少し刺激が強すぎる」
タウラスだ。こいつもアリエスと愛し合っているはずだが、なにがそんなに刺激になる。
俺が頭に?を浮かべていると恋人たちが当てられたように口付けを始めた。
??? まるで意味が分からん。口付けなどしたことない者達ならわかるがコイツラはそうではないだろう。
「王牙。我とキスをするのじゃ!」
「流石にそれは好意でも行きすぎだ」
俺はムリエルのポシェットに入っている棒付き飴玉を取り出すとそれをムリエルの口に入れる。それをコロコロと転がし口の中を撫でまわす。
ムリエルが気持ちよさそうにしているが俺とシノがやっていたのはつまりこういう事だ。それほど特別なことだとは思えんのだがな。
それからしばらくはこの約定の口付けが流行ったようだが。
流石に意味が分からんな。
リンセスの所も新しい動きがあったらしい。ゴブリンサンが嫁を作っているようだ。最初の一人は人間だ。ゴブリンサンの一人が命を賭して守ったらしく、その後ここにきて暮らし始めていた。既に身籠っていたらしく人間とゴブリンサンの混血が生まれたとの事だ。
その喜びはリンセスの様子からみても一目瞭然だった。思い出しただけで涙が出るくらいだ。初めてできた息子の嫁に号泣していたのは想像に難くない。
これは勿論吉報だ。だがコアを持った人間であるリンセスと魔物であるゴブリンキングのリンキンの子供たちであるゴブリンサン。そして彼らと他種族の混血が生まれた。聞いている限りだと生命の支配経由の妊娠で、望まない子供はそもそも出来ないという話だがそこはいい。だがこのイレギュラーである亜人種がこの世界でどうなるのか、これに魔物を指示する存在はどう動くのか。
亜人種。それが俺の仮定で異世界転生者の手で生み出されたとして、亜人種であろうエルフには討伐指示が出ていた。同じく魔族にもだ。魔族は攻撃してくるまでは放置だったようだがその理由はわからない。もしもゴブリンサン経由の存在に討伐指示が出た場合、その元であるゴブリンサン達とその生みの親である二人がどうなるか。俺は勿論この二人につくがその状況がどうなるか。今の情勢であるならば神に手の届きそうなシノはどちらにつくか。全てが予想できる状況にない。
まあ、ここは考えていてもしょうがない。いつか必ず衝突と障害は生れるだろう。全てに備えるのは例え神でも無理だろう。
俺はシノとの憩いの時間を過ごしていたがそれに集中できないでいた。特に今はシノの消耗が激しく魔族の魔素が必要な状況だ。俺は皇帝から相棒が得た魔族の魔素の生成法を俺のコアで再現できるかをシノと試していた。
「どうやら成功したようだな」
「ああ。これならいつでも好きな時にお前から補給が出来るな。もっともらってもいいか?」
「そうだな。どこまでできるか試してみよう」
「そうか。なら、もっとくださいませ。旦那様。旦那様のお恵みがシノは欲しゅうございます」
「・・・ムリエルか?」
「そうだ。たまにはどうだ。媚びた私も新鮮だろう」
「確かにいいな。常日頃やられてはアレだがアクセントとしては良い」
「切れがないな。どうした悩み事か?」
シノには隠し事は出来ないな。
「リンキンとリンセスの子供たちが人間との混血を作ったと聞いてな。この新しい種族はどこまで許されるのか。気になってな。この世界は脆弱だ。何度も消滅の危機に瀕したことがある。特に亜人種が異世界転生の産物だとしたらその危険性は無視できなくなる」
「二人の子供が世界の害になるかもしれないという事か?」
「その可能性もあるか。だが俺の懸念点はそう判断した存在が二人と子供たちを害するという事だ。俺は何があろうとあの二人と子供たちの側に立つ。その時に誰が敵に回るのか、とな」
「それは難しいな。下手をすれば味方が居なくなるという事か」
「そうだ。シノ。もしも神への反逆とあの二人を守ることが相反するとしたらどちらの側に立つ?」
「そういう事か。ならばこう答えよう。私はお前の側に立つ。お前の言う状況がどのようなものになるのかはわからないが、お前の立つ位置が神への反逆だ。そこが私の居場所だ」
そこでシノは一息ついた。
「憶えておけ。お前はお前の望むように動け。仮に私が敵になってもだ。何度も言う。お前は私の好きなお前でいろ。いいな」
シノには敵わないな。
「それでも駄目なら一つ方法がある」
俺が問い返す前にシノの唇が俺の唇に触れる。
「いいか。口付けをしたら目を閉じ言葉も疎通も思考も全て止めてこの感触だけを感じていろ。これが私がお前に口付けをするときの約定だ。もう一度するぞ」
次は長い。
「どうだ?」
「ああ。わかった気がするな。言葉にする必要はないな?」
「そうだ。理解が早いな」
「そんな俺にご褒美が欲しいのだが」
「ようやく切れが出てきたな。仕方がない甘えさせてやる。今度は何を履かせる気だ」
「いや今回は無しだ。たんに全裸が欲しい。その後ろ姿を撫でまわすが構わんな?」
「私は良いがどうした。紐では飽き足らずとうとう無しになったか」
「そういうわけではないが前回の紐は冒涜だった。お前の美しい後ろ姿を遮る障害物だった。全裸で抱き着いてくれ。そして後ろ姿を手で愛でたい。できるなら髪もかき上げて欲しい所だ」
「この前の続きか。いいぞ」
シノがローブを脱ぎ捨てると俺に抱き着いてくる。そして右手で髪を寄せた。俺の手がシノの後ろ姿をなぞる。
「やはり何もないのが正解だな。必要ならこの後姿を彩れるほどのデザインを持った下着でないと冒涜だ」
「そんなものがあるのか?」
「今はないな。あるとすればヌーブラか」
「それはなんだ。響きが卑猥だが」
「そう特別なものではない。繋がったブラのカップを胸に張り付けるものだ。いうなれば紐がない」
「なんだそれは。変態を通り越して医療器具か」
「単純に紐を見せたくないときに胸を固定するものだ。ファッションの類だろうな。そもそもそれ単体で使うものではないだろう」
「わからなくもないがそれならこのままでいいだろう。お前の体が私のヌーブラだ」
確かにシノの胸が当たっている。
「では前を撫でてもいいか?」
「駄目だ。それは駄目だ。全裸で前は絶対にダメだ。後ろからも駄目だぞ。やるなら服を着てからだ。撫でる所が見えるのは確実にNGだ」
「後ろはいいのか?」
「それはいい。どうしても前が撫でたいならそれこそ見合った下着を用意しろ。めくれるようなものだったらお前にも着せてやるからな」
それは恐ろしい。
俺は諦めてシノの後ろ姿に集中する。やはり前回の紐はあまりにも邪魔だった。造形を考えなければならないな。細ければいいという安直さは駄目だ。そして下は尻を支える必要がある。生尻ではどうしても形が緩んでしまう。それはそれでいいがここは拘りたい所だ。
「もういいか?」
「もう少しだ。次への展望が見えてきたところだ。この尻を彩る下着か。ここもまた細ければいいひも理論は通用しないな」
「お前のその飽くなき変態欲はよくも尽きないものだ。私の体が撫でられればそれでいいだろう」
「それはそうだが調味料があるのに使わずに味わうのは勿体無いだろう」
「その思考が変態染みているんだ。体があればそれでいいだろうに」
「なるほどな。では体に口付けをするのはありか?」
「駄目だ。口付けは首から上のみだ。下に来た時は舌を硬く結んでやる」
「ではいただこう」
髪をかき上げた横顔に唇を這わす。だがそれはすぐにシノの口付けで封じられてしまった。
「ここまでだ。顔中に口付けする気かお前は。口付けはもっと大切に使え」
なるほど。それはもっともだ。
「そうだな。それも踏まえて組み立てが必要だな。撫でるの夢中になり過ぎたようだ」
「それならばいい。ならば次は私だ。劣情ではなく愛を持って撫でろ」
すっと袖を通したシノが頭を差し出してくる。ウェーブなのに滑らかな撫で心地だ。これは、と考えようとした俺はシノの髪に口付ける。これは考える必要のない事柄だな。
後日仲間で集まりがあった。何の話題かは忘れたがこうだ。
「俺は次にシノが世界の改変で救えるのなら俺は間違いなくそれを使う。世界を敵に回してもだ」
あの古城でのことだ。シノがコアに浸食されかけた時、俺は改変を使わずに状況に流されるままになっていた。
「全くお前は考え過ぎだ。それで正解だっただろう。私は無事だ」
「しかしだな・・・」
そういう俺にシノは口付けた。これは、そう。口付けの約定だ。俺は目を閉じ言葉も疎通も思考も止めた。
「わかったか?」
「ああ理解した」
そしてシノは退室した。それで色めきだったのは他のメンバーだ。
「なになになに今の! ダンナ。なにがわかったの!?」
リンセスだ。
「わが父、私も知りたいです! 今のは何も、疎通でさえありませんでした! 何が起こったのですか!?」
アリエスも興奮を隠せてない。
なんだ? なにがそんなに気になる?
「シノとの約定だ。口付けをする時は目を閉じ言葉も疎通も思考も止める。それで理解し合える状況もあるというだけだ」
なんだ? 何かの感銘を受けているようだがなんだ?
「姉御は本当に何もんだよ。たまにこう凄いことブッこんでくるよなぁ」
リンキンか。子持ちが口付けで驚くような事か?
「王牙。君は少し刺激が強すぎる」
タウラスだ。こいつもアリエスと愛し合っているはずだが、なにがそんなに刺激になる。
俺が頭に?を浮かべていると恋人たちが当てられたように口付けを始めた。
??? まるで意味が分からん。口付けなどしたことない者達ならわかるがコイツラはそうではないだろう。
「王牙。我とキスをするのじゃ!」
「流石にそれは好意でも行きすぎだ」
俺はムリエルのポシェットに入っている棒付き飴玉を取り出すとそれをムリエルの口に入れる。それをコロコロと転がし口の中を撫でまわす。
ムリエルが気持ちよさそうにしているが俺とシノがやっていたのはつまりこういう事だ。それほど特別なことだとは思えんのだがな。
それからしばらくはこの約定の口付けが流行ったようだが。
流石に意味が分からんな。
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