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最終話 俺たちの戦いはこれからだ!
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シノがダンナのインナースペースに入って消失してから長い時が経った。ダンナはあれから物一つ言わない置物になってしまった。
私達はいま危機に瀕している。他世界の神々の侵攻。人間も魔物も全てが神々の前に敗れていく。ここでももう持ちこたえることができないだろう。扉が乱暴に開かれダンナが鎮座していた最奥まで神々が侵攻してきた。
「これが邪神の言っていた呪いの元凶か」
神々の声だ。ダンナに近づき首を撥ねる。
「たいしたことないな。こんなものを恐れていたのか」
ダンナの頭が私の足元に転がる。ダンナ、もう死んでしまったの?
ダンナの頭を抱えて呆然とする私に神々が近づいてくる。リンキンが必死になって止めようとするけど止まらない。なんて私達は無力なんだろう。
ダンナの頭に、
あれ、どうして消えないの? ダンナ、生きてるなら応えてよ!
俺はインナースペースに響く精神攻撃で目を覚ました。自己強化で集中していたが思いのほか時間が経っていたようだ。
首だけになった体を捨てて再構築する。そして今までコツコツと組み上げていたガトリングとその弾丸を装填すると敵らしきものに発砲した。
一発か。連射するまでもなくその体が消え去っていく。これは強化しすぎたか。
「ダンナ!」
リンセスか。その様子だとだいぶ参っているようだな。リンキンもボロボロだ。
「状況は?」
「他世界の神々が侵攻してきた。めちゃくちゃ強ぇ。もう人間も魔物もお構いなしさ」
なるほど。これを作って来たかいがあったな。
外に出ると空を埋め尽くす神々たち。俺は両手にガトリングを装備すると薙ぎ払っていく。
この弾丸はインナースペースを構築していた卵の殻だ。たとえそれが世界の改変であろうとも防ぐことはできない。弾丸に当たった神々はインナースペースの殻を突き破り侵入してくる俺の弾丸に本体を貫かれて消えていく。世界の改変を禁止してくるものもいるが素人か。これはチートでさえ不可侵なインナースペースの構築要素だ。そんなものでは禁止できん。
俺が弾を討ち尽くす間もなく神々は消滅した。
真打登場か。空に穴が開き邪神が光臨する。
「この死の邪神に呪いをかけたのはお前か」
俺の目の前で旗折りが砕かれる。今までよく頑張ってくれた。
俺はガトリングをインナースペースに戻すとキャノンを構える。そして発射。邪神のインナースペースを貫き本体に食らいつく感覚。その要らない部分をすべて剥ぎ取って芯に残った部分だけを残す。
「この死の邪神によくも・・・」
弱体化し人間サイズになった死の邪神の顔面を掴む。
「もう呪いは必要ない。お前が全て払拭してしまったからな」
そして何の変哲もないダイヤの指輪を取り出す。
「これはただの贈り物だ。受け取ってもらうぞ」
俺はそれをシノに嵌める。
「王牙・・・?」
「ああ。王牙だ。迎えに来るのが遅すぎたようだ。お前を取り戻す準備をしていたが思いのほか時間が経っていたらしい」
「まったくだ。遅すぎだ。他世界に飛ばされてここに戻る手段を見つけるために私自身が神になってしまった。お前と掴むはずだった神の座も何の価値もない代物だった。私はもうこのまま消えてしまいたい」
「ならばここでやり直そう。お前を縛る他の世界とやらには消えてもらう」
俺は空中に砲身を構築すると空の穴に向ける。そして照射。穴もその向こうの世界も消えてしまっただろう。
「お前。なんてものを作ってたんだ」
「だから時間がかかったんだ。神になったお前を単身で止める装備だ。そう簡単にできるものか」
「また。ただのシノに逆戻りだ。お前のお陰で積み上げていたものをすべて失ったぞ」
「ならばまたここで積み上げよう。一人で積み上げ物よりはよりよいものが出来るはずだ」
「まったく貧乏くじだ。お前に関わるといつも貧乏くじだ。向こうで神を気取っていた方が楽で退屈な神生だったのに貧乏くじだ」
「残念だったな。それではともに来てもらおう。この世界はまだ何も終わってない。手つかずの冒険が待っている」
今は俺の手には相棒も出しゃばりもいない。彼らはまた新しい旅に出たのだろう。そして敵として現れる。まだ見ぬ強敵も待ち構えている。
俺達の戦いはこれからだ!
私達はいま危機に瀕している。他世界の神々の侵攻。人間も魔物も全てが神々の前に敗れていく。ここでももう持ちこたえることができないだろう。扉が乱暴に開かれダンナが鎮座していた最奥まで神々が侵攻してきた。
「これが邪神の言っていた呪いの元凶か」
神々の声だ。ダンナに近づき首を撥ねる。
「たいしたことないな。こんなものを恐れていたのか」
ダンナの頭が私の足元に転がる。ダンナ、もう死んでしまったの?
ダンナの頭を抱えて呆然とする私に神々が近づいてくる。リンキンが必死になって止めようとするけど止まらない。なんて私達は無力なんだろう。
ダンナの頭に、
あれ、どうして消えないの? ダンナ、生きてるなら応えてよ!
俺はインナースペースに響く精神攻撃で目を覚ました。自己強化で集中していたが思いのほか時間が経っていたようだ。
首だけになった体を捨てて再構築する。そして今までコツコツと組み上げていたガトリングとその弾丸を装填すると敵らしきものに発砲した。
一発か。連射するまでもなくその体が消え去っていく。これは強化しすぎたか。
「ダンナ!」
リンセスか。その様子だとだいぶ参っているようだな。リンキンもボロボロだ。
「状況は?」
「他世界の神々が侵攻してきた。めちゃくちゃ強ぇ。もう人間も魔物もお構いなしさ」
なるほど。これを作って来たかいがあったな。
外に出ると空を埋め尽くす神々たち。俺は両手にガトリングを装備すると薙ぎ払っていく。
この弾丸はインナースペースを構築していた卵の殻だ。たとえそれが世界の改変であろうとも防ぐことはできない。弾丸に当たった神々はインナースペースの殻を突き破り侵入してくる俺の弾丸に本体を貫かれて消えていく。世界の改変を禁止してくるものもいるが素人か。これはチートでさえ不可侵なインナースペースの構築要素だ。そんなものでは禁止できん。
俺が弾を討ち尽くす間もなく神々は消滅した。
真打登場か。空に穴が開き邪神が光臨する。
「この死の邪神に呪いをかけたのはお前か」
俺の目の前で旗折りが砕かれる。今までよく頑張ってくれた。
俺はガトリングをインナースペースに戻すとキャノンを構える。そして発射。邪神のインナースペースを貫き本体に食らいつく感覚。その要らない部分をすべて剥ぎ取って芯に残った部分だけを残す。
「この死の邪神によくも・・・」
弱体化し人間サイズになった死の邪神の顔面を掴む。
「もう呪いは必要ない。お前が全て払拭してしまったからな」
そして何の変哲もないダイヤの指輪を取り出す。
「これはただの贈り物だ。受け取ってもらうぞ」
俺はそれをシノに嵌める。
「王牙・・・?」
「ああ。王牙だ。迎えに来るのが遅すぎたようだ。お前を取り戻す準備をしていたが思いのほか時間が経っていたらしい」
「まったくだ。遅すぎだ。他世界に飛ばされてここに戻る手段を見つけるために私自身が神になってしまった。お前と掴むはずだった神の座も何の価値もない代物だった。私はもうこのまま消えてしまいたい」
「ならばここでやり直そう。お前を縛る他の世界とやらには消えてもらう」
俺は空中に砲身を構築すると空の穴に向ける。そして照射。穴もその向こうの世界も消えてしまっただろう。
「お前。なんてものを作ってたんだ」
「だから時間がかかったんだ。神になったお前を単身で止める装備だ。そう簡単にできるものか」
「また。ただのシノに逆戻りだ。お前のお陰で積み上げていたものをすべて失ったぞ」
「ならばまたここで積み上げよう。一人で積み上げ物よりはよりよいものが出来るはずだ」
「まったく貧乏くじだ。お前に関わるといつも貧乏くじだ。向こうで神を気取っていた方が楽で退屈な神生だったのに貧乏くじだ」
「残念だったな。それではともに来てもらおう。この世界はまだ何も終わってない。手つかずの冒険が待っている」
今は俺の手には相棒も出しゃばりもいない。彼らはまた新しい旅に出たのだろう。そして敵として現れる。まだ見ぬ強敵も待ち構えている。
俺達の戦いはこれからだ!
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