30 / 44
第五章 マタニティ
第29話 遅速
「シコル!」
俺は二人、ギンガとアレスに抱き留められて意識を取り戻した。
ゼロスが去った後の事は憶えている。
ただその後、少しぼーっとしていたみたいだ。
「・・・やっぱりおかしいよな」
俺は力なく呟く。それにアレスが応える。
「何がです?」
「俺が幸せになろうなんてさ」
「・・・」
「俺みたいなやつが転生して、ここに来て、人殺しちまって、あんな幸せだったカップルを死なせた。そんな俺が舞い上がってるなんてさ」
「・・・」
「ここが潮時なのかもしれねぇな。俺はもう十分幸せだった。毎日が凄く楽しかった。それで十分なのかもな」
「・・・」
アレスは何も言わなかった。そんな俺に口を開いたのはギンガだった。
「シコル。逃げるのなら私はシコルと一緒に行くけど? 私はシコルと一緒に居る。アリアならきっと受け入れてくれる。そこでならこの幸せが続くんじゃない?」
それは、そうだろう。
俺とアリアとギンガの三人なら、きっと楽しくやっていける。
・・・。
「楽しいけど、幸せじゃねぇな」
俺は顔を上げる。
「どうせ幸せなんて手に入らねぇんだ。いいさ。俺の変態を突き詰めてやる! ゼロスと女体の探索だ!!! 嫌だと言ったらシコリ倒してやる!!!」
「では急ぎましょう」
俺の復帰と同時にアレスが珍しく焦りのある表情をして言葉を繋ぐ。
「いつかも言いましたが本当に死にたい人間は形態進化してしまいます。正直シコルさんよりもゼロスさんの方が心配です。シコルさん。見つけても慎重に。ここは惑星ファンタジーです。彼が、ゼロスさんがあの状態で形態進化しないのは間違いなくシコルさん。あなたが居るからです。決して迷わないでください」
ーーー
ゼロスはすぐに見つかった。ヘカトンケイルのセンサーがあれば一発だったのだが、早い。本気で逃げるゼロスのスピードは誰も追いつけなかった。
俺のヘカトンセンサーがあればウォールハック、つまり壁越しにゼロスの姿が捉えられる。だが追いつめようとするとその地形が、最短ルートが通れない。
ゼロスのヤツ、これに気付いていたのか?
俺はヘカトンセンサーのゼロスの姿に翻弄されている。目で追うせいで思考での追従が疎かになっている。
俺はセンサーの目を閉じる。
ゼロスの向かう先は何処だ? 最終目的地じゃない。いま、何処に行こうとしている?
俺は目ではなく思考で追従し、ゼロスが向かうであろう小道に単発式煙幕グレネードを射出する。そしてセンサーの目を開くとゼロスが煙幕を避ける様子が見て取れた。思考での追従は成功している。
ゼロスの動きが変わる。煙幕には突っ込まない。そのまま人通りのある道を通っている。流石に人が居る所には煙幕は撃ちこめない。ゼロスもわかっているのだろう。
距離が縮まり城壁に近づく。
これは誘いだ。乗るしかないな。
ーーー
「なにしにきた変態野郎。俺のケツが狙いか」
「わかってるじゃねぇか。一発入れて行けよ。それからでも遅くねぇだろ」
「ふざけるな。俺は、俺は、女を愛せねぇ。だからと言って男に走る趣味はねぇぞ」
「だったら丁度いいじゃねぇか。リハビリに付き合うって言ってんだ。ケツ向けろよ」
「・・・」
「俺はいつでもいいぜ。ゼロス。約束したじゃねぇか。ED治ったら処女はやるって。信じられねぇのかよ。証明だってしてやるさ。ベッドの上でな」
「・・・」
「なんだ? 掘ったら絶交とか最初の時の事でも気にしてんのか? 今更だろ。ベッドで寝ていたあの続きだ」
「・・・ああ。そんなことは気にしてねぇよ」
「だろ? なら一体何だってんだ? 俺が欲しくて仕方がないんだろう? ゼロス先生は」
「ああ、そうだ。シコル、お前が欲しくて仕方がない。お前を俺だけのものにしたいってな」
「なってやるって言ってんだろ」
「そこに愛はあるのか?」
「・・・」
俺は返答に詰まる。
これはどっちだ?
愛があれば抱けるのか?
愛がなければ抱けるのか?
「お前の答えを聞かせろよシコル。俺の答えじゃねぇ。お前は愛のない行為を受け入れられるのか?」
「・・・」
俺の答え。それは決まっている。
「愛のない行為は嫌だ。そんなもんで気持ちよくなれるかよ。お前となら気持よくなるって言ってんだゼロス。お前は立てれば愛はいらねぇだろ」
「いるに決まってんだろ!!!」
それは初めて聞くゼロスの絶叫だった。
「なんで俺は愛し合えなかった!!! なんで俺は気付けなかった!!! 俺がもう一度愛を叫べるわけねぇだろうが!!!」
ゼロスの絶叫は続いた。その言葉は俺に届かせる言葉じゃない。それはゼロス自身に向けられていた。
「俺は空っぽで良い。もう何もいらない。そこに現れたのがお前だシコル。馬鹿な野郎だ。俺みたいなのを信じてついてくるんだからな。最初っっっからお前のケツ狙いさ。可愛かったよ。俺好みさ。やりてぇと思ったよ」
ゼロスの俺に向けられた眼差しは憎しみすら感じられた。
「でも立たねぇ。俺はそれでいいと思ったさ。これでお前とバカみたいなオママゴトだ。それでいいと思ってたさ。だが立っちまった。お前を求めちまった。わかるか? 体じゃねぇんだよ。心が、感情が、お前を求めてる。一発やってサヨナラだ? それで終わる訳ねぇだろ」
なんだそんな事か。
俺はゼロスの独白を聞いてニヤニヤが止まらない。
「なんだゼロス先生も同じじゃないか」
「何がだ」
「俺も、ゼロス先生に入れて欲しかった。やられたかった」
「ッ馬鹿かッ! そうじゃねぇって言ってんだろ!」
「そうなんだよ。これからずっと、俺とゼロスで俺の女体の探求だ。これは終わらねぇ。一人じゃ出来ねぇ。俺とゼロスでないと出来ない旅だ。付き合ってくれんだろ? 俺のダンナ様は」
俺はニヤケ面でゼロスに近づく。
「そうじゃねぇ!!!」
そうは言ってもゼロスからは俺のダンナ様が顔を覗かせている。
「ゼロス。俺のダンナ様はそう言ってないぜ?」
ゼロスの顔が赤く染まっている。これはもう怒りじゃねぇな。
「遅・速・で・シ・コ・ル・ギ・ウ・ス」
俺は低速のシコル・ギウスで逃がさないようにシコリ上げる。
ゼロスの溜まっていたものが次々と吐き出され、それは光になって消えていった。
ーーー
俺とアレスはゼロスに肩を貸しながら帰途についていた。
あれだけ走り回って放出すればさもありなん。
「悪いなアレス。シコルを付き合わせちまった」
「そこは気にしていませんよ。それよりも無事でよかったです」
「ああ。以後気を付けるぜ」
「・・・ゼロスさん。あなたの事ですよ。シコルさんは問題ありませんでした。鈍感なシコルさんでさえ気付くぐらいあなたの状態は酷い物でしたよ」
誰が鈍感だ。
「ああ、俺の事か。そんなに気に掛ける事か?」
「・・・ゼロスさん。あなたはシコルさんの旦那さんですよ? あなたがひいてはシコルさんのダメージになるんです。ご自愛ください」
「お前はそれでいいのかアレス? 俺はお前が腹の中じゃ俺を殺そうとしているとばかり思っていたぜ」
「これですよシコルさん。これだから僕達変態は健常者とは分かり合えない。ゼロスさんがご自身を変態だと名乗れるのは10年以上先でしょうね」
そこに俺が口を挟む。
「そんなにかからないぜアレス。何しろこれから女体の探求劇が始まるからな。ゼロスの変態性を暴いてやるぜ」
そこに憮然としたゼロスが返す。
「俺の変態性はお前といるだけで知れてるだろうが。もう俺はTS好きのED詐称クソ野郎だって出回っているだろうぜ」
「ゼロスさん。浅いです。浅すぎます。変態が人の意見で左右されるというその前提が間違っています。これは一筋縄ではいきませんよシコルさん」
「確かにな。なんでゼロスみたいな健常者が俺のことを好きになるんだ?」
「俺が知るか。案外ただ体が反応しただけかもしれないぜ?」
「そんなに俺はゼロスの好みなのか?」
「さあな。それと忘れてるかもしれねぇがEDが完治したかどうかはわからねぇぞ。立っただけで使えるかどうか。これでTSに拒否反応が出ても恨むなよ。俺もTSとやったことはねぇからな」
「なんだ。ゼロス先生の初TSも俺のモノか。駄目でも安心しろよ。そんときゃ仕方ねぇ諦めるぜ!」
俺がサムズアップをすると男二人が渋い顔をする。
「なんだよ」
何かおかしなことを言ったか?
「うるせぇ! 立たなかったら立つまで入れ続けるぞシコル!」
「シコルさん。今のはないわー。安心しろよダンナ様♡の流れでしょう」
あ、そうか。
「悪ぃ。自信がないのがバレちまったな!」
俺が無理して笑顔を作ると男二人が顔を伏せる。
「おいどうした二人とも」
男二人が妙な空気になる。
「ゼロスさん。お幸せに。でなければ殺します」
「ああ。わかってる。幸せにするさ」
なんだ? この二人が気が合うのは珍しいな。
・・・もしかして俺はもう男ではなくなっているのか?
これもTS体験の一つなのかもな。
そして俺達は宿舎に着いた。
俺は二人、ギンガとアレスに抱き留められて意識を取り戻した。
ゼロスが去った後の事は憶えている。
ただその後、少しぼーっとしていたみたいだ。
「・・・やっぱりおかしいよな」
俺は力なく呟く。それにアレスが応える。
「何がです?」
「俺が幸せになろうなんてさ」
「・・・」
「俺みたいなやつが転生して、ここに来て、人殺しちまって、あんな幸せだったカップルを死なせた。そんな俺が舞い上がってるなんてさ」
「・・・」
「ここが潮時なのかもしれねぇな。俺はもう十分幸せだった。毎日が凄く楽しかった。それで十分なのかもな」
「・・・」
アレスは何も言わなかった。そんな俺に口を開いたのはギンガだった。
「シコル。逃げるのなら私はシコルと一緒に行くけど? 私はシコルと一緒に居る。アリアならきっと受け入れてくれる。そこでならこの幸せが続くんじゃない?」
それは、そうだろう。
俺とアリアとギンガの三人なら、きっと楽しくやっていける。
・・・。
「楽しいけど、幸せじゃねぇな」
俺は顔を上げる。
「どうせ幸せなんて手に入らねぇんだ。いいさ。俺の変態を突き詰めてやる! ゼロスと女体の探索だ!!! 嫌だと言ったらシコリ倒してやる!!!」
「では急ぎましょう」
俺の復帰と同時にアレスが珍しく焦りのある表情をして言葉を繋ぐ。
「いつかも言いましたが本当に死にたい人間は形態進化してしまいます。正直シコルさんよりもゼロスさんの方が心配です。シコルさん。見つけても慎重に。ここは惑星ファンタジーです。彼が、ゼロスさんがあの状態で形態進化しないのは間違いなくシコルさん。あなたが居るからです。決して迷わないでください」
ーーー
ゼロスはすぐに見つかった。ヘカトンケイルのセンサーがあれば一発だったのだが、早い。本気で逃げるゼロスのスピードは誰も追いつけなかった。
俺のヘカトンセンサーがあればウォールハック、つまり壁越しにゼロスの姿が捉えられる。だが追いつめようとするとその地形が、最短ルートが通れない。
ゼロスのヤツ、これに気付いていたのか?
俺はヘカトンセンサーのゼロスの姿に翻弄されている。目で追うせいで思考での追従が疎かになっている。
俺はセンサーの目を閉じる。
ゼロスの向かう先は何処だ? 最終目的地じゃない。いま、何処に行こうとしている?
俺は目ではなく思考で追従し、ゼロスが向かうであろう小道に単発式煙幕グレネードを射出する。そしてセンサーの目を開くとゼロスが煙幕を避ける様子が見て取れた。思考での追従は成功している。
ゼロスの動きが変わる。煙幕には突っ込まない。そのまま人通りのある道を通っている。流石に人が居る所には煙幕は撃ちこめない。ゼロスもわかっているのだろう。
距離が縮まり城壁に近づく。
これは誘いだ。乗るしかないな。
ーーー
「なにしにきた変態野郎。俺のケツが狙いか」
「わかってるじゃねぇか。一発入れて行けよ。それからでも遅くねぇだろ」
「ふざけるな。俺は、俺は、女を愛せねぇ。だからと言って男に走る趣味はねぇぞ」
「だったら丁度いいじゃねぇか。リハビリに付き合うって言ってんだ。ケツ向けろよ」
「・・・」
「俺はいつでもいいぜ。ゼロス。約束したじゃねぇか。ED治ったら処女はやるって。信じられねぇのかよ。証明だってしてやるさ。ベッドの上でな」
「・・・」
「なんだ? 掘ったら絶交とか最初の時の事でも気にしてんのか? 今更だろ。ベッドで寝ていたあの続きだ」
「・・・ああ。そんなことは気にしてねぇよ」
「だろ? なら一体何だってんだ? 俺が欲しくて仕方がないんだろう? ゼロス先生は」
「ああ、そうだ。シコル、お前が欲しくて仕方がない。お前を俺だけのものにしたいってな」
「なってやるって言ってんだろ」
「そこに愛はあるのか?」
「・・・」
俺は返答に詰まる。
これはどっちだ?
愛があれば抱けるのか?
愛がなければ抱けるのか?
「お前の答えを聞かせろよシコル。俺の答えじゃねぇ。お前は愛のない行為を受け入れられるのか?」
「・・・」
俺の答え。それは決まっている。
「愛のない行為は嫌だ。そんなもんで気持ちよくなれるかよ。お前となら気持よくなるって言ってんだゼロス。お前は立てれば愛はいらねぇだろ」
「いるに決まってんだろ!!!」
それは初めて聞くゼロスの絶叫だった。
「なんで俺は愛し合えなかった!!! なんで俺は気付けなかった!!! 俺がもう一度愛を叫べるわけねぇだろうが!!!」
ゼロスの絶叫は続いた。その言葉は俺に届かせる言葉じゃない。それはゼロス自身に向けられていた。
「俺は空っぽで良い。もう何もいらない。そこに現れたのがお前だシコル。馬鹿な野郎だ。俺みたいなのを信じてついてくるんだからな。最初っっっからお前のケツ狙いさ。可愛かったよ。俺好みさ。やりてぇと思ったよ」
ゼロスの俺に向けられた眼差しは憎しみすら感じられた。
「でも立たねぇ。俺はそれでいいと思ったさ。これでお前とバカみたいなオママゴトだ。それでいいと思ってたさ。だが立っちまった。お前を求めちまった。わかるか? 体じゃねぇんだよ。心が、感情が、お前を求めてる。一発やってサヨナラだ? それで終わる訳ねぇだろ」
なんだそんな事か。
俺はゼロスの独白を聞いてニヤニヤが止まらない。
「なんだゼロス先生も同じじゃないか」
「何がだ」
「俺も、ゼロス先生に入れて欲しかった。やられたかった」
「ッ馬鹿かッ! そうじゃねぇって言ってんだろ!」
「そうなんだよ。これからずっと、俺とゼロスで俺の女体の探求だ。これは終わらねぇ。一人じゃ出来ねぇ。俺とゼロスでないと出来ない旅だ。付き合ってくれんだろ? 俺のダンナ様は」
俺はニヤケ面でゼロスに近づく。
「そうじゃねぇ!!!」
そうは言ってもゼロスからは俺のダンナ様が顔を覗かせている。
「ゼロス。俺のダンナ様はそう言ってないぜ?」
ゼロスの顔が赤く染まっている。これはもう怒りじゃねぇな。
「遅・速・で・シ・コ・ル・ギ・ウ・ス」
俺は低速のシコル・ギウスで逃がさないようにシコリ上げる。
ゼロスの溜まっていたものが次々と吐き出され、それは光になって消えていった。
ーーー
俺とアレスはゼロスに肩を貸しながら帰途についていた。
あれだけ走り回って放出すればさもありなん。
「悪いなアレス。シコルを付き合わせちまった」
「そこは気にしていませんよ。それよりも無事でよかったです」
「ああ。以後気を付けるぜ」
「・・・ゼロスさん。あなたの事ですよ。シコルさんは問題ありませんでした。鈍感なシコルさんでさえ気付くぐらいあなたの状態は酷い物でしたよ」
誰が鈍感だ。
「ああ、俺の事か。そんなに気に掛ける事か?」
「・・・ゼロスさん。あなたはシコルさんの旦那さんですよ? あなたがひいてはシコルさんのダメージになるんです。ご自愛ください」
「お前はそれでいいのかアレス? 俺はお前が腹の中じゃ俺を殺そうとしているとばかり思っていたぜ」
「これですよシコルさん。これだから僕達変態は健常者とは分かり合えない。ゼロスさんがご自身を変態だと名乗れるのは10年以上先でしょうね」
そこに俺が口を挟む。
「そんなにかからないぜアレス。何しろこれから女体の探求劇が始まるからな。ゼロスの変態性を暴いてやるぜ」
そこに憮然としたゼロスが返す。
「俺の変態性はお前といるだけで知れてるだろうが。もう俺はTS好きのED詐称クソ野郎だって出回っているだろうぜ」
「ゼロスさん。浅いです。浅すぎます。変態が人の意見で左右されるというその前提が間違っています。これは一筋縄ではいきませんよシコルさん」
「確かにな。なんでゼロスみたいな健常者が俺のことを好きになるんだ?」
「俺が知るか。案外ただ体が反応しただけかもしれないぜ?」
「そんなに俺はゼロスの好みなのか?」
「さあな。それと忘れてるかもしれねぇがEDが完治したかどうかはわからねぇぞ。立っただけで使えるかどうか。これでTSに拒否反応が出ても恨むなよ。俺もTSとやったことはねぇからな」
「なんだ。ゼロス先生の初TSも俺のモノか。駄目でも安心しろよ。そんときゃ仕方ねぇ諦めるぜ!」
俺がサムズアップをすると男二人が渋い顔をする。
「なんだよ」
何かおかしなことを言ったか?
「うるせぇ! 立たなかったら立つまで入れ続けるぞシコル!」
「シコルさん。今のはないわー。安心しろよダンナ様♡の流れでしょう」
あ、そうか。
「悪ぃ。自信がないのがバレちまったな!」
俺が無理して笑顔を作ると男二人が顔を伏せる。
「おいどうした二人とも」
男二人が妙な空気になる。
「ゼロスさん。お幸せに。でなければ殺します」
「ああ。わかってる。幸せにするさ」
なんだ? この二人が気が合うのは珍しいな。
・・・もしかして俺はもう男ではなくなっているのか?
これもTS体験の一つなのかもな。
そして俺達は宿舎に着いた。
あなたにおすすめの小説
畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜
グリゴリ
ファンタジー
木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。
SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。
祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。
恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。
蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。
そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。
隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ダンジョン銭湯 ~鎧は脱いでお入りください~
こまちゃも
ファンタジー
祖父さんから受け継いだ銭湯ごと、ダンジョンに転移してしまった俺。
だがそこは、なぜか”完全安全地帯”だった。
風呂に入れば傷は癒え、疲れも吹き飛ぶ。
噂を聞きつけた冒険者たちが集まり、宿やギルドまでできていく。
俺には最強の武器もスキルもないがーー最強のヒーラーや個性豊かな常連たちに囲まれながら、俺は今日も湯を沸かす。
銭湯を中心に、ダンジョンの中に小さな拠点が広がっていく。
――ダンジョン銭湯、本日も営業中。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
新米農家、配信者になる
グリゴリ
ファンタジー
木村蒼太、三十歳。ダンジョン省の幹部を父に持ち、探索庁の局長を母に持つエリート官僚一家に生まれながら、蒼太は家族の期待とは真逆の道を選んだ。不登校の過去を経て、祖父の古民家と農地を借り、誰にも頼らず新米農家として生きていくことを決意する。
ところが、農家として出発したばかりの蒼太を、世界が静かに放っておかなかった。
納屋の床下に、世界唯一の「ブレイクリスクゼロ」EXランクダンジョンが突如出現。弱り果てていたスライムを保護し「ソル」と名付けたことをきっかけに、蒼太は前例のないスキル【絆の創世者】の保持者として探索者登録を果たす。このスキルは戦闘のためではなく、あらゆる命と「繋がる」ための力だった。
蒼太はソルとの絆を深めながらダンジョンを攻略し、同時に農業配信者としてのチャンネルを立ち上げる。「新米農家、配信者になる。」と名付けたチャンネルは、農業の日常とダンジョンキャンプ配信、カードゲームのサブチャンネルを武器に、想定外の速さで登録者を伸ばしていく。
ダンジョン深層では瀕死のドラゴン「イグニア」を看護し、銀色の卵から前例のない種族「天龍種」のセレスティアが誕生する。「パパ」と呼ばれた瞬間、蒼太の中で何かが変わった。農家として、配信者として、探索者として——そして父として、蒼太の日常は静かに、しかし確かに豊かになっていく。
チャンネルのデザインを依頼したことから知り合ったグラフィックデザイナーの宮坂灯は、蒼太の配信の全てを見ていたファンだった。仕事のやり取りを通じて距離が縮まり、蒼太は初めて「人と一緒にいることが落ち着く」という感覚を知っていく。恋愛経験の薄い蒼太が、自分の気持ちに気づくまでの不器用な時間が、物語に温かさを添える。
一方で、ダンジョンの壁に刻まれた解読不明の古代文字、省が管理権を狙う動き、天龍種という前例のない存在の意味——世界は蒼太の周囲で少しずつ動き始めていた。
農家として土と向き合い、配信者として視聴者と繋がり、探索者として深層へ踏み込み、父として命を育てる。蒼太の物語は「強さ」ではなく「絆」の物語だ。ソルとセレスティアとイグニア、田中さん夫婦、灯、そして視聴者——それぞれとの繋がりが、一人の青年を少しずつ変えていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます
青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。
藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。
溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。
その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。
目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。
前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。
リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。
アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。
当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。
そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。
ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。
彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。
やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。
これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。