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ひかりが高校生になり、紘希が小学生高学年になるころ、ひかりはめっきり姿を見せなくなった。
紘希だけがたまに顔を出し、話し相手になってくれた。
「おばちゃんの作る猫まんまって、人が食べてもいいの?」
猫がにっちゃにっちゃと食べる姿を見ながら、紘希が質問してきた。
「そうだねえ、おいしくないけど人間も食べられるよ。作ってあげようか」
紘希は考えるそぶりを見せると、
「ううん、いらない」と答えた。
「それがいい。人間が食べるもんじゃないよ。猫にとってのごちそうだからね」
「ごちそうなの?」
「そりゃもう、いりこたっぷり、おおごちそうだよ」
「ちょっと食べてみようかな」興味をそそられた紘希は、いりこが染みたパンの耳に手を伸ばし、口に入れた。
「まずい」
紘希は顔をゆがませた。
「おいしくないでしょう。猫と人間じゃ、味覚がちがうからね」
「おいしくないね、姉ちゃんもおいしくないっていってた」
「ひかりちゃんに作ってあげた猫まんまは、これじゃなくて、人間用の猫まんまだからね」
「でも同じレシピなんでしょう?」
紘希は不思議そうに、わたしを見上げた。
「……そうだね」
「変なの」紘希はつぶやいた。
紘希だけがたまに顔を出し、話し相手になってくれた。
「おばちゃんの作る猫まんまって、人が食べてもいいの?」
猫がにっちゃにっちゃと食べる姿を見ながら、紘希が質問してきた。
「そうだねえ、おいしくないけど人間も食べられるよ。作ってあげようか」
紘希は考えるそぶりを見せると、
「ううん、いらない」と答えた。
「それがいい。人間が食べるもんじゃないよ。猫にとってのごちそうだからね」
「ごちそうなの?」
「そりゃもう、いりこたっぷり、おおごちそうだよ」
「ちょっと食べてみようかな」興味をそそられた紘希は、いりこが染みたパンの耳に手を伸ばし、口に入れた。
「まずい」
紘希は顔をゆがませた。
「おいしくないでしょう。猫と人間じゃ、味覚がちがうからね」
「おいしくないね、姉ちゃんもおいしくないっていってた」
「ひかりちゃんに作ってあげた猫まんまは、これじゃなくて、人間用の猫まんまだからね」
「でも同じレシピなんでしょう?」
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「……そうだね」
「変なの」紘希はつぶやいた。
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