幸せなΩの幸せの約束

萌於カク

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Ω狩り

雪弥は息を詰めるような日々を過ごしている。

毎日、処刑を言い渡されるのに怯えている罪人のような気持ちだ。

校内での生徒たちの視線があからさまに変わっていくのを日々感じとる。それは気のせいではない。

雪弥を見て指さしては耳打ちし合い、距離を取って離れていく生徒らが目立ち始めた。

――この学園にΩが紛れ込んでいる。

――それは藤堂雪弥である。

そんな噂が水面下で静かに流れている。

しかし、誰も口に出来なかった。

見てはいけないもの、触ってはいけないもの、聞いてはいけないもの。

雪弥は自分がそんな存在になったような気がした。

SSクラスでも腫れもの扱いだった。ただそれぞれ受験で他人どころではないのが救いだった。

そして疑念は膨らみ大きくなる。好奇心、違和感、疑念、不快感……。それらが詰まった風船は膨らみ、破裂までの秒読みが始まっている。音もなく静かに膨らみ、ある日、破綻が来る。







12月最後の登校日、避難訓練を順調に終え、生徒らが体育館に集まり、生徒総会が始まった。

完全に生徒自治であるために教師の姿は見当たらない。

順調に生徒会年度が二年から一年に交替した。

琢磨の姿がないのが気がかりだった。次期生徒会長なのにいないのはおかしい。

にもかかわらず、誰も気に留めずに議題はすこぶる早く進んでいく。

ものの十分で終わり、いざ解散というときに、急に出入り口のドアが閉められた。カーテンまでも閉まっていく。

(余興があるのか?)

多才な生徒がときおり歌やダンスを披露することがある。ゲリラライブである。もっともいつもはもっと開放的で自由参加だ。

雪弥は不安を感じた。体育館に不吉な気配を感じる。誰かに見られているような気がする。遠くから誰かに監視されているような。

壇上にスポットが当たった。制服姿にハム太郎の仮面をかぶった生徒が立っている。

ハム太郎が歌うように宣言した。

「ジェントルマン&ジェントルマン、今から魔女狩りのスタートです」
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