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家に帰って、師匠にティアメラのことについて尋ねてみた。
ティアメラとは、一般の人が使えない最上級の治癒魔法まで使うことを許される資格であるらしい。
難しい筆記試験、実技試験、面接……様々な試験を突破した者だけが、治癒の魔法制限なく使うことが出来る。
「魔法は危ない。良かれと思ってしたことが、命を奪ってしまうことさえある。薬だってそうだろう?薬は少量ならいい方向に働くが、多量だと命に危険が及ぶ。」
「もしあかりが魔法を使えたら、試験を受けさせていただろう。私もティアメラを持っている。実はジョーに勉強を見てもらってその資格を取ったのだ。」
「そ、そうだったんですか!?」
「ああ。あいつには世話になったと思っている。」
「話は変わるが……あかり、これはお前のものか?庭で見つけたのだ。」
「それっ…お母さんの…!」
私がこの国に来るきっかけになった、母のキーホルダーだった。
色々ありすぎてすっかり忘れてたな。
そういえばこれも青い目の黒猫だな…
見つかってよかった。
「これは母が作ってくれたキーホルダーなんです。」
「そうだったのか。見つかってよかったな。母親は元気なのか?」
「…いえ、1年前に病気で亡くなりました。」
「そうか。」
「あかり、家に帰りたくはないか?」
「……。」
「嫌なことを言ってしまうかもしれないが、もうすぐここで暮らすのも5ヶ月になる。向こうもここも、時間の進み方は同じだ。家族が心配しているのでは、と思うのだが。」
「家族……」
「私は帰ってくれと言っているのではない。それは分かってくれ。ただ、帰りたいと思うのであれば私はお前の考えを尊重して、帰る手伝いをしたいと……そう思っただけだ。」
「……いやです、帰りたくありません。」
「そうか。ならいい。」
家族はきっと心配するだろうから気が向いたら遠慮せずに言えと言われた。
久しぶりに家のことを思い出した。
父と、母と、義理の母親と、義理の弟。
思い出したくなかった。
私の心配なんてしているわけない。
きっと本当の家族で過ごせると喜んでいるのだろう。
帰ったってきっと、居場所なんてない。
ティアメラとは、一般の人が使えない最上級の治癒魔法まで使うことを許される資格であるらしい。
難しい筆記試験、実技試験、面接……様々な試験を突破した者だけが、治癒の魔法制限なく使うことが出来る。
「魔法は危ない。良かれと思ってしたことが、命を奪ってしまうことさえある。薬だってそうだろう?薬は少量ならいい方向に働くが、多量だと命に危険が及ぶ。」
「もしあかりが魔法を使えたら、試験を受けさせていただろう。私もティアメラを持っている。実はジョーに勉強を見てもらってその資格を取ったのだ。」
「そ、そうだったんですか!?」
「ああ。あいつには世話になったと思っている。」
「話は変わるが……あかり、これはお前のものか?庭で見つけたのだ。」
「それっ…お母さんの…!」
私がこの国に来るきっかけになった、母のキーホルダーだった。
色々ありすぎてすっかり忘れてたな。
そういえばこれも青い目の黒猫だな…
見つかってよかった。
「これは母が作ってくれたキーホルダーなんです。」
「そうだったのか。見つかってよかったな。母親は元気なのか?」
「…いえ、1年前に病気で亡くなりました。」
「そうか。」
「あかり、家に帰りたくはないか?」
「……。」
「嫌なことを言ってしまうかもしれないが、もうすぐここで暮らすのも5ヶ月になる。向こうもここも、時間の進み方は同じだ。家族が心配しているのでは、と思うのだが。」
「家族……」
「私は帰ってくれと言っているのではない。それは分かってくれ。ただ、帰りたいと思うのであれば私はお前の考えを尊重して、帰る手伝いをしたいと……そう思っただけだ。」
「……いやです、帰りたくありません。」
「そうか。ならいい。」
家族はきっと心配するだろうから気が向いたら遠慮せずに言えと言われた。
久しぶりに家のことを思い出した。
父と、母と、義理の母親と、義理の弟。
思い出したくなかった。
私の心配なんてしているわけない。
きっと本当の家族で過ごせると喜んでいるのだろう。
帰ったってきっと、居場所なんてない。
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