一話完結ヤンデレシリーズ

ルイ

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オルゴール 下

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屋上に向かうとすでに俺を呼び出した人物
姫野無月がいた。

なんというか予想外。とでもいうべきか
彼女は色恋に現を抜かすような性格ではなかったはずだが。
そう考えていると彼女は口を開き
「私と、付き合ってください」そう言われる。

さて、どうすべきなのだろうか
彼女と付き合うメリットよりデメリットのほうが多い。
それに俺は他人とは一定の距離をとりたいタイプだ。
だったら答えは一つか。
考えをまとめた俺は彼女に返事を返す。
「ごめん、俺なんかじゃ釣り合わないと思う」
これは相手を嫌な気持ちにさせない断り方だ。
断る理由が相手じゃなく自分にあることを伝えることで少しでも振られたつらさを軽くできる。
そうすれば恨まれることも少なく、日常が変わることはない。
だから自分を下げるようにして断る

これで終わると思ったが無月は
「大丈夫、私そんなの気にしないから」と言うが俺が気にするのだ。
学校で知らない人はいない彼女と付き合うということは俺も有名になってしまうし彼女に恋心を抱いている奴らから恨まれるだろう。そんなことはお断りだ。
だから断っているのにそんなこともわからないのだろうか
心の中で無月に悪態をつく

そんなことを知らず無月は
「私、これでも悪くないほうだと思ってるんです。優良物件って友達からーーー」
続きを言おうとする無月に
「もういい」と言ってやめさせる。
はっきり言わなければわからないらしい。
俺は無月のことがーーー「嫌いだ」そう言葉にする。

無月は衝撃を受けたような顔をする。
非日常を日常としている彼女が嫌いだ。
八方美人な彼女が嫌いだ。
頼みを断らずにすべて聞き入れてあげているのが嫌いだ。
彼女のすべてが嫌いだ。
だからーーーーーー
「俺は付き合えない」
そう言って屋上を後にする。



公園で溜息を着く。
最悪だ
つい感情的になって本音を相手にぶつけてしまった。
明日の学校が憂鬱になる。
いっそ不登校にでもなってしまおうか
一瞬そんなことを考えるが頭から振り払う。
それは日常では無い。
だったら無理をしてでも学校に行けばいい、最悪転校すれば良いだろう。
そう考えていると自分の手になにかの感触を感じる。
なんだろうと思い手元を見るとそれは...
「なんだよ、これ」
それは夢で見たオルゴールだった。
姿かたちも同じだ。
オルゴールはひとりでに音を奏でる。
夢の中とは違いとても暗く、聞いているとこちらまで悲しくなりそうな音楽を奏でる。
俺は気味が悪くなりそのオルゴールを投げ捨て家へと帰ろうとしたが声をかけられる。
「ねぇ」と。
その声は先程聞いたばかりの...
「無月...」
そう無月だ。先程告白を断ったあげく嫌いだと言ったのになぜここにいるのだろうか。
しかもなぜ話しかけてくるのだろうか。
わけが分からない。
俺は話す気にもなれずその場を去ろうとして彼女に背を向ける。

そして衝撃が走る。
「え?」そんな声が出る。
徐々に体が熱くなり意識が朦朧としてくる。
どうやら刺されたらしい。
誰に?そんなことは決まっている。
後ろにいてこちらに向いて刃物を刺している無月だ。

「人殺しが」と彼女を軽蔑するように吐き捨てる。
「仕方ないの、あなたは私を理解できたはずなのにそれをしなかった。だから殺されて当然。私は愛していたのにあなたは愛さなかった」だからねと彼女は言い
「さようなら、私の好きな人」
そういった彼女はもう一度刃物を俺に突き刺すのだった

最後に何故かわかったことがある。
あのオルゴールは彼女を映し出すものだったのだと
しかしそれが分かったからと何も変わらない。
俺はもう死ぬのだ。
そう考えるうちに俺の意識は完全に消えるのだった
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