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1章 由雄と健太の夏休み
第93話 5階層到着
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ゆっくりと落ちながらやっと気持ちの落ち着いた俺は、周りの景色を見る余裕が出来て今あたりを見回しているところだ。俺にしがみついたままのファーナさんはまだそれに気がついていなく、目を閉じたまま必死にしがみついている。ちなみに鎧越しだから感触はいまいちだぞ。風に吹かれている髪の毛が顔にぶつかってきてくすぐったいくらいか?
空と雲しかないと思われたのだが、それも大分下へと降りてきたせいなのかいろんなものが見え始めてきた。所々に生えている木々、空を飛んでいる鳥、そして大きな水溜り…気のせいか水平線が見えるぞ。
「海かな…」
「ななななにがですかーーっ?!」
まだ目を開けていないファーナさんに耳に俺の声を聞く余裕があるみたいだ。怖いのはわかるけどいい加減目を開けてみればいいのに。こんな景色はきっとめったにみられないのにな。
「あ…」
「えっ?」
「ファーナさん…俺達このまま落ちると水の中だわ」
「うそーーっ!」
足元を見ると落下予測値点はどうみてもさっきみた大きな水溜りの上のようだ。そのことをファーナさんに教えるとやっと目を開けたのか足元を見て青ざめていた。
大きな水しぶきを上げて俺とファーナさんは水の中へと落ちる。『浮遊』のおかげで速度が落ちていたため水面で受けるダメージはそれほどなく一安心だ。でもファーナさんはそうもいかずさらに俺にしがみついてきた。その水溜り…というか多分海の中を見ると深さがわからないくらいに奥が暗い。でも俺達は『浮遊』のおかげで少し沈んだだけでゆっくりと水面へと戻っていった。
「はあ、はあ…こわっこわかったわ~」
海から上がったファーナさんは座り込んで息を整えている。まあ紐なしバンジーからの泳げないのに海水浴だからな。それから少しすると今度は健太も降りてきてそのまま海の中へと落ちていく。目が合ったが余裕そうな顔をしていた。
とりあえず健太が海から上がってからこれからの行動を決めるとして、俺は周辺を見回してみる。俺達は空から落ちてきたわけなんだが、まさか毎回この階層に来るたびに落とされるのかと思うと憂鬱だ。で、ざっと見た感じここの陸は狭い。このマップの大半は海のようだ。もとい、海と空らしい。そしてすぐ後ろの壁にタッチパネルがあったのですぐ帰ることも出来るので一安心だ。
「ぶはぁっぜはぁ…ごほっごほっ……」
「遅かったな~」
健太が水面から顔を出したのは5分近くたってからだった。手には丸めたぼろぼろの赤いマントを持っている。
「し…死ぬかとっ!」
「?」
おかしい…マントには『浮遊』がついているのになんで死に掛けてるんだ?水から上がった健太がマントの水を絞っている。ある程度絞り終えるとマントがフワリと浮いた。
「水吸うと重くて浮かないのか…」
「みたいだ。そのせいでマントが邪魔で溺れかけたわっ!!」
いや…そんな怒られてもしらんわ。自分でマントに付けろって言ったんだろうが。
空と雲しかないと思われたのだが、それも大分下へと降りてきたせいなのかいろんなものが見え始めてきた。所々に生えている木々、空を飛んでいる鳥、そして大きな水溜り…気のせいか水平線が見えるぞ。
「海かな…」
「ななななにがですかーーっ?!」
まだ目を開けていないファーナさんに耳に俺の声を聞く余裕があるみたいだ。怖いのはわかるけどいい加減目を開けてみればいいのに。こんな景色はきっとめったにみられないのにな。
「あ…」
「えっ?」
「ファーナさん…俺達このまま落ちると水の中だわ」
「うそーーっ!」
足元を見ると落下予測値点はどうみてもさっきみた大きな水溜りの上のようだ。そのことをファーナさんに教えるとやっと目を開けたのか足元を見て青ざめていた。
大きな水しぶきを上げて俺とファーナさんは水の中へと落ちる。『浮遊』のおかげで速度が落ちていたため水面で受けるダメージはそれほどなく一安心だ。でもファーナさんはそうもいかずさらに俺にしがみついてきた。その水溜り…というか多分海の中を見ると深さがわからないくらいに奥が暗い。でも俺達は『浮遊』のおかげで少し沈んだだけでゆっくりと水面へと戻っていった。
「はあ、はあ…こわっこわかったわ~」
海から上がったファーナさんは座り込んで息を整えている。まあ紐なしバンジーからの泳げないのに海水浴だからな。それから少しすると今度は健太も降りてきてそのまま海の中へと落ちていく。目が合ったが余裕そうな顔をしていた。
とりあえず健太が海から上がってからこれからの行動を決めるとして、俺は周辺を見回してみる。俺達は空から落ちてきたわけなんだが、まさか毎回この階層に来るたびに落とされるのかと思うと憂鬱だ。で、ざっと見た感じここの陸は狭い。このマップの大半は海のようだ。もとい、海と空らしい。そしてすぐ後ろの壁にタッチパネルがあったのですぐ帰ることも出来るので一安心だ。
「ぶはぁっぜはぁ…ごほっごほっ……」
「遅かったな~」
健太が水面から顔を出したのは5分近くたってからだった。手には丸めたぼろぼろの赤いマントを持っている。
「し…死ぬかとっ!」
「?」
おかしい…マントには『浮遊』がついているのになんで死に掛けてるんだ?水から上がった健太がマントの水を絞っている。ある程度絞り終えるとマントがフワリと浮いた。
「水吸うと重くて浮かないのか…」
「みたいだ。そのせいでマントが邪魔で溺れかけたわっ!!」
いや…そんな怒られてもしらんわ。自分でマントに付けろって言ったんだろうが。
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