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1章 由雄と健太の夏休み

第97話 ミネとリノ

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「ファーナ・エレノアールについて、ミネ…どこまでわかる?」

 ダンジョンから戻ってきた私達は今、すぐその傍のナナント村に戻ってきていた。ここは私達が昔から住んでいる村なんだけど、最近近くに突然ダンジョンが出来たせいで私達が調査を行っている。

「えーと…エレノアールってどっか町の名前じゃなかったかなーくらい?」
「そうね、東にあるスルガンナ…そのさらに北にある少し大きな町の名前ね」

 リノの質問にちゃんと応えられた私は少しだけ胸をはり、鼻を高くする。私のそんな姿を見たリノは鋭い目つきをし、さらに私の胸を思いっきり叩いてきた。

「い、痛いんだけどっ」
「何かしら?」
「いえ…」
「話を戻すわね」

 私達は双子だけど完全に見た目が同じじゃない。髪の毛の色とか瞳の色とか顔の作りは同じなんだけど体系が違う。私のほうが少しだけ背が高く胸もある。ファーナよりあるわけじゃないけどね。それと違いリノは少し背が低くつるぺただ。完全に大人になればきっと同じになると思うんだけど、リノはその成長の差に納得していないのだ。

「…ということなの」
「ん?」
「それで少し、ファーナと話してみようと思うの」
「……いいんじゃないかな?」

 しまった、話全然聞いてなかったよ!これがばれたらまたリノに怒られてしまう。なのでとりあえずそれっぽい返事をしておいたら、どうやらリノは気がつかなかったみたいだ。

「じゃあ明日、ダンジョン1階層で、待ち伏せ、ね?」
「うん、どうやって話が出来る状況にするかリノに任せた」

 話を聞いてなかった私には何をしたいのかわからないし、こういったことを考えるのは断然リノのが得意。だから私は黙って成り行きを見守ろう。うん、それがいいっそれにどうやら明日は空を飛ぶことが出来るみたいで少し楽しみだしね。まあその前にまたゴブリンナイトを倒さないといけないんだけど、これは私の火力ならよゆーだもんね。

「明日の予定も決まったし、さっさと畑の手入れ、終わらすわよ」
「あ、はい…」

 一気に現実に戻されたわ。そうだった、まだ畑仕事が残っていたんだよ…まあ仕方ないって言えばそうなんだけど、早くダンジョン探索だけで生活できるようにならないかなー早朝の畑仕事がつらいんだよね…なんていったらリノにさらに怒られてしまう。こういっちゃなんだけど私ってリノに怒られてばっかだなーまああれかな、結局姉には逆らえないってことなんだよね。

「もたもた、しない」
「うはぁ~い」

 慌てて変な声でた!リノが睨んでる怖いっでもすぐに動き始めたらその視線がなくなったからまあよしということで。
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