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1章 由雄と健太の夏休み
第107話 ダンジョンの攻略とは
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「……」
「…って何か言ってから近づけよ!」
「ええと…こんばんは?」
「はいはい、こんばんは」
しばらくバットを振り回しているといつの間にかレイノアールがすぐ横にいた。首を傾げているあたり、俺の行ったこと絶対わかっていないだろうなこれは。でもこれはちょうどいい。レイノアールには聞きたいことがあった。
「なあ」
「はい」
「ダンジョンマスターってダンジョン攻略して欲しいものなのか?」
「攻略…が何を指しているかによりますけど」
あれ?そういえば攻略って最終階層のボス倒したら終わりなのか?当然そうだと思っていたので困惑してしまう。それ以外というのはたとえば何があるんだろうか…俺には思いつかないな。
「ちなみに私を攻略するというのは許可出来ませんよ?私にも選ぶ権利がありますので~」
「…は?」
いやいやいやいや何言ってんだこの子はっ
レイノアールを攻略…って一体どういう意味なんだよ!!
「そもそも触れられないんです…」
すっと手を伸ばしたレイノアールが俺の手を触れようとしてきたが触れた感触もなく手が素通りすると、少し悲しそうな顔をした。そういえばここのところ気にしていなかったけど、レイノアールの部屋であったとき以外はこの子透けている…なんでだ?
「幽霊…じゃないんだよな」
「詳しくは言えないんですけど…この状態だと普通私が認識出来ないはずなんです…なんで、見えるんですか?」
困った顔をしてレイノアールは俺を見上げる。どうしてと言われてももちろん俺にだってそんなことはわからない。しばらく2人で首を傾げていると突然レイノアールが目の前から消えた。
「あれ?」
いったいなんなんだよ…結局一番聞きたいことの答えがもらえないままで、もやもやとした気持ちが残ってしまった。
結局それから鱗集めもやめて俺は帰ることにした。そのまま寝る支度を済ませ布団に入ったところで思い出した。
「あ、そういえばロープ探しに行ってない…まあいいか、きっと健太あたりが何とかしてくれるだろう」
もとから攻略に不安を持ち始めていた俺はロープのことなど忘れてさっさと寝てしまうことにした。
────────────────────
目の前の景色が変わった。突然体に戻されたみたいだ。たぶんダンジョンに何かしらの異変があったゆえの呼び出しだろう。体を起こすと私はその部屋を出て別の部屋へと移動をする。ダンジョン内が映し出されている部屋だ。
私はその画面を見て息を呑んだ。映し出されているのは3人の男性がダンジョンの壁に穴を開けているところだった。もちろんそんなことをしてもダンジョンが壊れることもないし、反対側に貫通することもないのだけど、この行為自体は許されないことだ。目の前のパネルに手を伸ばし私は3人の登録情報を確認する。
「要注意人物登録…っと」
これで何かあったとき情報を残しておいてくれるだろう。私は軽くため息をつき椅子に腰掛ける。
もう少しあの人と会話したかったのにとても残念だ。
「…って何か言ってから近づけよ!」
「ええと…こんばんは?」
「はいはい、こんばんは」
しばらくバットを振り回しているといつの間にかレイノアールがすぐ横にいた。首を傾げているあたり、俺の行ったこと絶対わかっていないだろうなこれは。でもこれはちょうどいい。レイノアールには聞きたいことがあった。
「なあ」
「はい」
「ダンジョンマスターってダンジョン攻略して欲しいものなのか?」
「攻略…が何を指しているかによりますけど」
あれ?そういえば攻略って最終階層のボス倒したら終わりなのか?当然そうだと思っていたので困惑してしまう。それ以外というのはたとえば何があるんだろうか…俺には思いつかないな。
「ちなみに私を攻略するというのは許可出来ませんよ?私にも選ぶ権利がありますので~」
「…は?」
いやいやいやいや何言ってんだこの子はっ
レイノアールを攻略…って一体どういう意味なんだよ!!
「そもそも触れられないんです…」
すっと手を伸ばしたレイノアールが俺の手を触れようとしてきたが触れた感触もなく手が素通りすると、少し悲しそうな顔をした。そういえばここのところ気にしていなかったけど、レイノアールの部屋であったとき以外はこの子透けている…なんでだ?
「幽霊…じゃないんだよな」
「詳しくは言えないんですけど…この状態だと普通私が認識出来ないはずなんです…なんで、見えるんですか?」
困った顔をしてレイノアールは俺を見上げる。どうしてと言われてももちろん俺にだってそんなことはわからない。しばらく2人で首を傾げていると突然レイノアールが目の前から消えた。
「あれ?」
いったいなんなんだよ…結局一番聞きたいことの答えがもらえないままで、もやもやとした気持ちが残ってしまった。
結局それから鱗集めもやめて俺は帰ることにした。そのまま寝る支度を済ませ布団に入ったところで思い出した。
「あ、そういえばロープ探しに行ってない…まあいいか、きっと健太あたりが何とかしてくれるだろう」
もとから攻略に不安を持ち始めていた俺はロープのことなど忘れてさっさと寝てしまうことにした。
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目の前の景色が変わった。突然体に戻されたみたいだ。たぶんダンジョンに何かしらの異変があったゆえの呼び出しだろう。体を起こすと私はその部屋を出て別の部屋へと移動をする。ダンジョン内が映し出されている部屋だ。
私はその画面を見て息を呑んだ。映し出されているのは3人の男性がダンジョンの壁に穴を開けているところだった。もちろんそんなことをしてもダンジョンが壊れることもないし、反対側に貫通することもないのだけど、この行為自体は許されないことだ。目の前のパネルに手を伸ばし私は3人の登録情報を確認する。
「要注意人物登録…っと」
これで何かあったとき情報を残しておいてくれるだろう。私は軽くため息をつき椅子に腰掛ける。
もう少しあの人と会話したかったのにとても残念だ。
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