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2章 そして冬休みが始まった

第27話 準備

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 次の日全員集まると9階層へ向かうメンバーは準備を終え出発をした。全員といってもレイノアールは数に入っていないし、まあ来ていなかったが。つまり今この部屋に残っているのは俺と健太だけになる。

「みんな出かけちまったしどうすっかな~」
「……」
「退屈だな~」
「……」
「退屈だな~」
「……」
「退屈…」
「3回も言わなくても聞こえてるわっ」

 折角今日は静かに過ごせるかと思いきや健太と2人っきりと言うのもちょっと失敗だったかもしれん。

「なあなあよっすー。折角だからさちょっと2人で11階層へ行かないか?」
「…は? それ本気か??」
「おうよ」

 魔物も強くなっているだろうししかも4人で進んで少しきつそうにしていたところだろう? そこを2人で?? あーいや…最初はファーナさんと健太の2人で攻略していたか。

「無理をしなければ平気だぞ。地図はある程度埋まってるし、見学がてらにどうだ?」
「うーん…」

 まあ確かにまったく興味がないわけでもないが…もうダンジョンに行かないと言い張ったから首を縦に振るのがしづらいというか…手伝いとはいえダンジョン行ってるじゃないかと言われればそれもそうなんだけど…むーっ 悩む。

「あ、ちょっとまて。今無理をしなければとか言わなかったか?」
「…言ったかな?」
「つまり危ない狩りもしているってことだな…?」
「ん~…」

 俺の言葉に健太の視線がそこらをさまよい始めた。この様子から察するに結構危険なこともしているのかもしれない。リノという回復役が付いているから回復はしてもらえているんだろうが、回復してしまうとその怪我がなかったことになるから帰ってきた時に俺にはわからない。

「はぁ…いくよ見学。一度どんなとこか見ておいた方がよさそうだ」
「おっ やったね!」

 喜んでいる健太の態度に軽くイラっとくる。でもまあこれでダンジョンに行く口実が出来たし、健太の言葉に毎回怒っていたらきりがない。それにこれで本当に危険なところだとわかったら俺も健太の狩りについていかざるを得ないだろう。回復手段は多いだけ安心できるしな。

「準備するわ」
「おー」

 手伝いだけならそのまま装備だけ付けていけばよかったが、11階層へ行くとなるとこのままでは心もとない。一度売られているアイテムと自分の装備の再確認、それとステータスのチェックもしておいた方がいいだろう。


名前:神崎由緒かんざきよしお
 性別:男
 年齢:17

レベル:19
 体力:106/106
 魔力:110/110

 筋力:71
 知力:68
 速さ:47

 物防:15
 魔防:6

スキル:言語理解(on)
 魔法:ウォータースプレー ミニメテオ フライト
スキル:合成 ソリスト 分解 融合


 タッチパネルの操作でステータスを呼び出してみたがやっぱりあんま上がっていない。レベルは多少上がっているがステータスの上りが悪い。後ここに装備で上がった効果は表示されないみたいだな。やっぱあれかなリアルに筋トレとかしないとだめってことか? まあ店は売っている物が多少増えているみたいだが今回はとりあえず回復剤を多めに用意していこう。
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