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私の仕事
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庭に穴…『迷宮』が出来てからすでに5日。今の所庭に穴があるくらいで特に何もなく平穏だ。目の前にある半透明な板を眺めながら私は5日前のことを思い出していた。
9体の死体をしまったマジックバックを持ち帰った私を待っていたのは、ヘリコプターの旅だったのだ。そして『迷宮管理省』での取り調べ。現状起こったことを伝えることが出来るのが私しかいないからだ。で、発覚した。初めて私が『迷宮』に入ったことで手に入れたスキルがあったこと。そこから予測する起こった出来事。
今私の目の前にある半透明の板はステータスというもので、そこにスキルが書かれていた。
【環境適応】
項目はいくつかあるが、常駐スキルというところにそれはあった。このスキルはその名の通りどんな環境にでもすぐに適応できるというもの。そしてすぐ隣には…
【猛毒無効】
そうなのだ。あそこには猛毒が充満していたということだ。『環境適応』で適応した結果得たスキル。だから私はなんともなかったし、スキルが手に入ったことからもあの穴は『迷宮』と認定された訳だ。まあ…気軽に誰でも入れるところではなかったんだけどね。
さらに私は毎日の生活のおかげがスキルを習得した。
【家事】
このスキルは素晴らしい。スキルを覚えてから家事が早く終わるし、掃除はすごくきれいに、ご飯もおいしくなった。まあ…そのおかげで今は時間を持て余しているわけだけども。
チャンチャララララ~♪
「はい…」
スマホが鳴ったのでその画面を見ると私は渋い顔をしながら受け応えた。望まない相手からの電話だからだ。
<桜か古場だ、例の『迷宮』だが、やはり管理できる奴も攻略出来る奴もおらん。よってお前がやるしかないがいいか?>
「いやですけど…わかりました」
「だよなっ 放置してモンスターが湧き出たら一番やばいとこにいるからやるしかないもんな! で、ゲートのとこにはこっちで誰か置いとくから頼むな」
古場さんは5日前に『迷宮』で何があったのか取り調べをしてきた人たちの1人だ。『迷宮管理省』の職員で、『迷宮』が出来た当時からずっとその仕事に携わっている迷宮好き、なんだとか。そんな彼から聞かされた話は誰も管理出来ないと言うことたった。最初の階層から猛毒な空間が展開されているので、そもそも入れる人が限られる。その中から管理者として現地にいなければならないのだか、やはり職員の中でここにいてくれる人はいなかった。何かあった時に中に入れる私がやるしかないと言う結論に。だけど、半強制で冒険者にさせられた私には戦闘経験もない…つまり、これから戦闘訓練も受けなければならなくなったのだ。まあ、いつそれを始めるのかは聞いていないのでわからないけど。
「管理者か…」
戦闘訓練が終わったら『迷宮』の中を調査して、さっさと潰してしまおう。いつまでも『迷宮』の世話をしないといけないだなんて冗談じゃない。本当なら関わりたくなかったくらいなのだから。
ピンポーン…
玄関のチャイムが鳴った。普段からめったに鳴ることがないのに…ご近所さんも自分たちが生活するのに精いっぱいで、必要以上にかかわってこない。だから珍しいことなのだ。10年前のせいで人口の急激な減少により様々な物が機能していない。道はだいぶ整ったが減った人は中々増えないので、車を利用する人も減った。自転車やバイクを利用する人の方が多い。それもあって宅配業も縮小化。届くまでに時間もかかるし、大きなものは注文できなくなっている。だから玄関のチャイムがなるのは珍しい。
ピンポンピンポンピンポーン…
チャンチャララララ~♪
「はい…?」
<どうした桜~ 留守じゃないだろう?>
ええ…古場さん? 玄関のチャイムと同時にかかってきた電話の相手は古場さんだった。
<戦闘訓練やるから出てこいって。動きやすい服装で来いよ>
…言いたいことだけ言って電話が切れた。また強制…なんなんだ。もちろん後で面倒ごとになるので、私は大人しく学校指定のジャージに着替えて外へと向かった。
「お、来たな。ジャージか…あ! それって学校指定のだよな? そういえば今日は学校は??」
「学校は週に3日しか今はないんですよ」
「そうなのか。『迷宮』が出たころはすでに学生じゃなかったから知らなかったぞ」
教える側も教わる側も人数がいない。時間を長くとるのが無駄という考えから授業時間の短縮、教わる教科も激変…国語系は社会系と統合、数学は物理と統合され総合理科となり、音楽や美術は無くなった。体育は週に1度、外国語に至ってはならいたい人だけの科目へと変わる。そのほかの専門教科に至っては就職と同時に習うことになる。そして冒険者は15歳以上なら誰でもいつでもなれる職業だ。
「よし、それはいいとしてひとまず軽く走るぞ」
「はあ…」
「何事も体をほぐしてからってなっ」
人の返事も待たず古場さんが走り出した。後をついてこない私に気がついて振り返って手招きしている。しぶしぶ私は走り出した。
それにしても古場さん来るのが早すぎないだろうか? 最初の電話があってからそんなに時間が経っていない。その電話の時からすでに家の近くまできていたんじゃないのかと思えるくらいだ。というかそうだとすると、最初に電話をした時からその後戦闘訓練するつもりだったってことだよね。それならそうと言ってくれればいいのに…
9体の死体をしまったマジックバックを持ち帰った私を待っていたのは、ヘリコプターの旅だったのだ。そして『迷宮管理省』での取り調べ。現状起こったことを伝えることが出来るのが私しかいないからだ。で、発覚した。初めて私が『迷宮』に入ったことで手に入れたスキルがあったこと。そこから予測する起こった出来事。
今私の目の前にある半透明の板はステータスというもので、そこにスキルが書かれていた。
【環境適応】
項目はいくつかあるが、常駐スキルというところにそれはあった。このスキルはその名の通りどんな環境にでもすぐに適応できるというもの。そしてすぐ隣には…
【猛毒無効】
そうなのだ。あそこには猛毒が充満していたということだ。『環境適応』で適応した結果得たスキル。だから私はなんともなかったし、スキルが手に入ったことからもあの穴は『迷宮』と認定された訳だ。まあ…気軽に誰でも入れるところではなかったんだけどね。
さらに私は毎日の生活のおかげがスキルを習得した。
【家事】
このスキルは素晴らしい。スキルを覚えてから家事が早く終わるし、掃除はすごくきれいに、ご飯もおいしくなった。まあ…そのおかげで今は時間を持て余しているわけだけども。
チャンチャララララ~♪
「はい…」
スマホが鳴ったのでその画面を見ると私は渋い顔をしながら受け応えた。望まない相手からの電話だからだ。
<桜か古場だ、例の『迷宮』だが、やはり管理できる奴も攻略出来る奴もおらん。よってお前がやるしかないがいいか?>
「いやですけど…わかりました」
「だよなっ 放置してモンスターが湧き出たら一番やばいとこにいるからやるしかないもんな! で、ゲートのとこにはこっちで誰か置いとくから頼むな」
古場さんは5日前に『迷宮』で何があったのか取り調べをしてきた人たちの1人だ。『迷宮管理省』の職員で、『迷宮』が出来た当時からずっとその仕事に携わっている迷宮好き、なんだとか。そんな彼から聞かされた話は誰も管理出来ないと言うことたった。最初の階層から猛毒な空間が展開されているので、そもそも入れる人が限られる。その中から管理者として現地にいなければならないのだか、やはり職員の中でここにいてくれる人はいなかった。何かあった時に中に入れる私がやるしかないと言う結論に。だけど、半強制で冒険者にさせられた私には戦闘経験もない…つまり、これから戦闘訓練も受けなければならなくなったのだ。まあ、いつそれを始めるのかは聞いていないのでわからないけど。
「管理者か…」
戦闘訓練が終わったら『迷宮』の中を調査して、さっさと潰してしまおう。いつまでも『迷宮』の世話をしないといけないだなんて冗談じゃない。本当なら関わりたくなかったくらいなのだから。
ピンポーン…
玄関のチャイムが鳴った。普段からめったに鳴ることがないのに…ご近所さんも自分たちが生活するのに精いっぱいで、必要以上にかかわってこない。だから珍しいことなのだ。10年前のせいで人口の急激な減少により様々な物が機能していない。道はだいぶ整ったが減った人は中々増えないので、車を利用する人も減った。自転車やバイクを利用する人の方が多い。それもあって宅配業も縮小化。届くまでに時間もかかるし、大きなものは注文できなくなっている。だから玄関のチャイムがなるのは珍しい。
ピンポンピンポンピンポーン…
チャンチャララララ~♪
「はい…?」
<どうした桜~ 留守じゃないだろう?>
ええ…古場さん? 玄関のチャイムと同時にかかってきた電話の相手は古場さんだった。
<戦闘訓練やるから出てこいって。動きやすい服装で来いよ>
…言いたいことだけ言って電話が切れた。また強制…なんなんだ。もちろん後で面倒ごとになるので、私は大人しく学校指定のジャージに着替えて外へと向かった。
「お、来たな。ジャージか…あ! それって学校指定のだよな? そういえば今日は学校は??」
「学校は週に3日しか今はないんですよ」
「そうなのか。『迷宮』が出たころはすでに学生じゃなかったから知らなかったぞ」
教える側も教わる側も人数がいない。時間を長くとるのが無駄という考えから授業時間の短縮、教わる教科も激変…国語系は社会系と統合、数学は物理と統合され総合理科となり、音楽や美術は無くなった。体育は週に1度、外国語に至ってはならいたい人だけの科目へと変わる。そのほかの専門教科に至っては就職と同時に習うことになる。そして冒険者は15歳以上なら誰でもいつでもなれる職業だ。
「よし、それはいいとしてひとまず軽く走るぞ」
「はあ…」
「何事も体をほぐしてからってなっ」
人の返事も待たず古場さんが走り出した。後をついてこない私に気がついて振り返って手招きしている。しぶしぶ私は走り出した。
それにしても古場さん来るのが早すぎないだろうか? 最初の電話があってからそんなに時間が経っていない。その電話の時からすでに家の近くまできていたんじゃないのかと思えるくらいだ。というかそうだとすると、最初に電話をした時からその後戦闘訓練するつもりだったってことだよね。それならそうと言ってくれればいいのに…
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