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初遭遇戦
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大人しく私は古場さんの次の言葉を待った。
「こいつは毒持ちのスライムだ。酸と同時に毒を吐き出してきやがる。俺がこれに触れたらスーツが解けてお陀仏だ」
「倒し方は?」
「体の中に核ってやつがあってそれが傷つけば倒せる。だがやつの体も毒で出来ているから下手に触れられない。リーチのある武器を持ってくるべきだったか…」
中々厄介なモンスターのようだ。だけど私には毒は効かない。
「酸って直接肌に受けたらやばいですか?」
「そうだな…軽いやけどくらいだ。金属は腐食する」
となると盾で酸を受けるのはあまりよろしくない。肌に触れるのは軽いやけど…赤くなるくらいだろうか?
「一度戦って見ていいです? だめそうなら出直しましょう」
「無理はするなよ~」
ここはまだ序盤だ。たとえ最初にあったモンスターがやばそうだとしても、これをどうにかしないとこの先へと進むことは難しい。私は盾を古場さんに預けそのままそっとスライムへと近づいていく。
「気づかれたっ」
スライムの体の動きが激しくなった。これが警戒態勢ということかな。いつ酸が飛んでくるかわからないから気をつけなければ。流石に顔にやけどはしたくはない。じっと眺めているとスライムの体がグッと沈み込む。次の瞬間スライムは何かを飛ばしてきた。
「酸だ!」
背後から聞こえてきた古場さんの声で私はそれを避ける。地面に落ちた酸は小さな水たまりから小さな気泡をだし弾けていた。すぐにスライムへと視線を向けるとまた激しい動きをしていた。連続で吐き出すことはしない…? 再び体を沈めた。酸が飛んでくるっ 私は飛んできた酸を避けると前へと走り出した。
「はっ」
実際スライムに前とか裏とかあるかは知らないが、裏だと思われる方向へと周ってから短剣を剣帯から引き抜き突き刺した。すぐさまスライムから視線を外さないようにしながら距離をとる。するとスライムはまるで溶けるかのように地面に吸収されていき、姿が消えた。なぜかそこに小瓶が転がり落ちたが。
「ドロップしたな。モンスターは倒すとどんな仕組みかわからんが何かアイテムを残すんだ」
「つまり倒せたってこと?」
「ああそう言うことだ。ほら、初討伐のドロップ品だ拾ってこい」
念のために前方を警戒しながらドロップ品を拾いに行く。一応見えるところにモンスターはいない。手に取った小瓶は透明なガラスのようなもので出来ていて、中には鮮やかな緑色の液体が入っている。
「これは?」
「色からして毒消しポーションじゃないか?」
ポーション…聞いた事がある。『迷宮』産の薬だ。
「桜は使わないものだから今後出たら売るといい。そんなに高くないが貴重な収入源だ。売る時は冒険者ギルドへ行くといいな」
「次いこう」
お金はありがたい。稼げれば今の生活が楽になる。だから私は古場さんを急かす。
「お前な…」
パリンッ…
歩き出してすぐガラスが割れる音がして光が消えた。あたりは真っ暗だ。どうやら頭の上の懐中電灯が壊れたみたい…
「触るな!!」
頭の上へと伸ばしかけていた手を途中で止める。やっぱり古場さんは暗くても見えているみたい。私は見えなくなって困った。
「くそ…天井にもいやがったっ」
つまりなんだ…酸がヘルメットに落ちて壊された訳か。うん、素手で触ったら火傷しちゃうね。ちらりと頭上を見て見るが何も見えない。酸が落ちてくるといやだからすぐに視線は下へと向ける。
「桜外へ出るぞ。暗くて見えないんだろう? そんなんじゃ倒せるものも倒せない」
古場さんが私の手を取り歩き出す。確かにその通りだけど…やられたまま帰るというのは少しばかり悔しい。せめて天井にいるスライムだけでも倒してから戻りたいところ。だけど暗くて私には見えない。じっとスライムがいると思われるほうを眺めた。あれ、気のせいかな。何かが薄っすらと見える気がしてきた。
「ちゃんと歩けよ~ この状態で足を止めると酸が飛んでくるかもしれん」
あれ…古場さんの方を見るとガスマスクが見える。ということは…私は振り返り天井を見上げた。いた、スライムだ。見えるようになったのはいいけどどうやって倒す? 相手は天井に張り付いていて届きそうもない。こんなことなら少しでも遠距離の武器を持たせてもらうんだったね。何度か使っていればスキルを覚えて使えるようになったかもしれないし。
あ…これって投げられないかな? 私は剣帯に刺してある短剣に触れた。物は試しだ投げて見よう。新しいスキルを手に入れられたらありがたい。
「んっ」
短剣を1本手に持ち天井のスライムを狙って投げて見た。短剣はスライムの手前の天井に刺さる。思ったよりも難しい…呼びに剣帯に刺してあるもう1本の短剣も投げた。
「あ、こらっ」
古場さんに怒られた。短剣は…スライムを通り過ぎたところに刺さっていた。もうちょっとでできそうな気がする…だけど短剣はもう持っていない。何かないかと周りを見回す。あった。よく見れば古場さんも短剣を2本剣帯に刺していた。それを奪い3本目の短剣を投げる。
「…まじか」
スライムに短剣が刺さるとドロリと形が崩れてきて短剣と一緒に下へと落下。すーっと消えていき、そこには短剣とドロップ品が残る。今度は深い緑色をした液体が入った瓶だった。
「こいつは毒持ちのスライムだ。酸と同時に毒を吐き出してきやがる。俺がこれに触れたらスーツが解けてお陀仏だ」
「倒し方は?」
「体の中に核ってやつがあってそれが傷つけば倒せる。だがやつの体も毒で出来ているから下手に触れられない。リーチのある武器を持ってくるべきだったか…」
中々厄介なモンスターのようだ。だけど私には毒は効かない。
「酸って直接肌に受けたらやばいですか?」
「そうだな…軽いやけどくらいだ。金属は腐食する」
となると盾で酸を受けるのはあまりよろしくない。肌に触れるのは軽いやけど…赤くなるくらいだろうか?
「一度戦って見ていいです? だめそうなら出直しましょう」
「無理はするなよ~」
ここはまだ序盤だ。たとえ最初にあったモンスターがやばそうだとしても、これをどうにかしないとこの先へと進むことは難しい。私は盾を古場さんに預けそのままそっとスライムへと近づいていく。
「気づかれたっ」
スライムの体の動きが激しくなった。これが警戒態勢ということかな。いつ酸が飛んでくるかわからないから気をつけなければ。流石に顔にやけどはしたくはない。じっと眺めているとスライムの体がグッと沈み込む。次の瞬間スライムは何かを飛ばしてきた。
「酸だ!」
背後から聞こえてきた古場さんの声で私はそれを避ける。地面に落ちた酸は小さな水たまりから小さな気泡をだし弾けていた。すぐにスライムへと視線を向けるとまた激しい動きをしていた。連続で吐き出すことはしない…? 再び体を沈めた。酸が飛んでくるっ 私は飛んできた酸を避けると前へと走り出した。
「はっ」
実際スライムに前とか裏とかあるかは知らないが、裏だと思われる方向へと周ってから短剣を剣帯から引き抜き突き刺した。すぐさまスライムから視線を外さないようにしながら距離をとる。するとスライムはまるで溶けるかのように地面に吸収されていき、姿が消えた。なぜかそこに小瓶が転がり落ちたが。
「ドロップしたな。モンスターは倒すとどんな仕組みかわからんが何かアイテムを残すんだ」
「つまり倒せたってこと?」
「ああそう言うことだ。ほら、初討伐のドロップ品だ拾ってこい」
念のために前方を警戒しながらドロップ品を拾いに行く。一応見えるところにモンスターはいない。手に取った小瓶は透明なガラスのようなもので出来ていて、中には鮮やかな緑色の液体が入っている。
「これは?」
「色からして毒消しポーションじゃないか?」
ポーション…聞いた事がある。『迷宮』産の薬だ。
「桜は使わないものだから今後出たら売るといい。そんなに高くないが貴重な収入源だ。売る時は冒険者ギルドへ行くといいな」
「次いこう」
お金はありがたい。稼げれば今の生活が楽になる。だから私は古場さんを急かす。
「お前な…」
パリンッ…
歩き出してすぐガラスが割れる音がして光が消えた。あたりは真っ暗だ。どうやら頭の上の懐中電灯が壊れたみたい…
「触るな!!」
頭の上へと伸ばしかけていた手を途中で止める。やっぱり古場さんは暗くても見えているみたい。私は見えなくなって困った。
「くそ…天井にもいやがったっ」
つまりなんだ…酸がヘルメットに落ちて壊された訳か。うん、素手で触ったら火傷しちゃうね。ちらりと頭上を見て見るが何も見えない。酸が落ちてくるといやだからすぐに視線は下へと向ける。
「桜外へ出るぞ。暗くて見えないんだろう? そんなんじゃ倒せるものも倒せない」
古場さんが私の手を取り歩き出す。確かにその通りだけど…やられたまま帰るというのは少しばかり悔しい。せめて天井にいるスライムだけでも倒してから戻りたいところ。だけど暗くて私には見えない。じっとスライムがいると思われるほうを眺めた。あれ、気のせいかな。何かが薄っすらと見える気がしてきた。
「ちゃんと歩けよ~ この状態で足を止めると酸が飛んでくるかもしれん」
あれ…古場さんの方を見るとガスマスクが見える。ということは…私は振り返り天井を見上げた。いた、スライムだ。見えるようになったのはいいけどどうやって倒す? 相手は天井に張り付いていて届きそうもない。こんなことなら少しでも遠距離の武器を持たせてもらうんだったね。何度か使っていればスキルを覚えて使えるようになったかもしれないし。
あ…これって投げられないかな? 私は剣帯に刺してある短剣に触れた。物は試しだ投げて見よう。新しいスキルを手に入れられたらありがたい。
「んっ」
短剣を1本手に持ち天井のスライムを狙って投げて見た。短剣はスライムの手前の天井に刺さる。思ったよりも難しい…呼びに剣帯に刺してあるもう1本の短剣も投げた。
「あ、こらっ」
古場さんに怒られた。短剣は…スライムを通り過ぎたところに刺さっていた。もうちょっとでできそうな気がする…だけど短剣はもう持っていない。何かないかと周りを見回す。あった。よく見れば古場さんも短剣を2本剣帯に刺していた。それを奪い3本目の短剣を投げる。
「…まじか」
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