たとえばこんな異世界ライフ

れのひと

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第5章 祭り祭りそして祭り

46話 祭り1日目終了

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 空が薄っすらと赤くなり始め人通りもだいぶ減り始めたころ、直人たちは自分達の露店に戻ってきた。お祭りは夜もやっているのだが、直人達の店は暗くなったら引き上げである。夜も続けてやっている店はおもに飲食店くらいだろう。昼間と違いアルコールも入り治安も悪くなる。年寄りや子供達は撤収しないと危険なのだ。

「戻りましたー」
「おおナオト、そろそろ片付けするぞー」
「わかりました。あ、2人は今日ありがとう。というか明日もよろしく…」
「はい、手伝いきますね。」
「ふぁい、あひゅしゃ、くりゅ。」

 相変わらずネネは両手に食べ物を抱えまだ食べていた。はっきり言ってあの量はどこへ消えるんだろうかと心配になる。

「…んっく。おねーちゃんにも、おみやげ、なの。」

 …ということだったらしい。たまに心の声が聞こえているんじゃないかと思う。

 2人を見送り露店に出している商品の片づけを手伝う。片付けは簡単で準備よりは時間がかからなかった。

「そうだラスティン。鉱石ってまだあまりあるかい?」
「いや、こちらで使う分以外は全部そっちに渡したぞ?」
「あーじゃあこれで全部か~」

 直人は残っていた鉱石を全部鎖に変えてしまった。今日まだこれから作らないとならないパーツの分と明日の販売分の鉱石がたらないのだ。

「なんだ足りないのか。…あれだ、採掘場のノンジーのとこへ直接今から買いにいったらどうだ?」
「あーなるほど。」
「売り上げもあるのだし、いるだけ売ってもらえばいいじゃないか。」

 確かにその通りである。ただ1つ問題があり、ノンジーが現地にいるかどうかである。

「ノンジーさんは採掘場にいますかね…?」
「ん、ああ。あいつはもうあれだ採掘場に住んでるくらいだからたぶんいるぞ。祭りの食べ物でも買っていってやればよろこぶんじゃないか?」

 採掘場の住人だったとわ…それならたしかにいるかもしれない。

 直人は片付けが終わった足でそのままノンジーがいる王都の西側、ダンジョン『フラカン』の傍の岩場に向かった。
 岩場をするすると降りていくと数日前にきた採掘場に着いた。周りを見渡すと住みに小さな小屋があるのがわかる。たぶんそこがノンジーの家なのだろう。その建物の前に立ち、扉をノックすると中から声がした。男の人の声だ。

「なんだー?今日は祭りだろ…誰だ~」
「こんな時間にすみません。ラスティンのところのナオトです。」
「ん…ああ。この間ラスティンと一緒に来たやつか。」
「はい、鉱石ありがとうございました。」
「まあ、とりあえず中はいりな…」

 案内され中に入る。質素ながら必要な家具はそろっており快適そうな空間だ。

「今日はどうしたんだ?」
「はい、売っていただいた鉱石を使いつくしてしまったので追加を売っていただきたくきました。」
「んん…?今日は祭り初日だよな…売れた、だと?」
「はい…」

 何かおかしなことを言ったのだろうか?

「ちなみに何を売ったんだ?」
「えーとアクセサリー兼魔道具です。」
「ふむ…」

 見本を見せながら説明をするとノンジーは1人頷いていた。

「はぁ~なるほど新しい商品で攻めたら売り切れてしまったわけだな。」
「まあそんなかんじですね。」
「いいだろう、同じ量でいいか?売ってやるぞ。」
「ありがとうございます!」

 立ち上がり建物から出て行く。どうやら鉱石の倉庫は別の場所にあるようだ。だいぶ薄暗くなってきたので壁沿いを慎重に進み倉庫の前に着いた。重たく分厚い扉を開けると中にはたくさんの鉱石が積まれていた。中に入り明かりをつけると、2人しかいないはずなのに背後で音がきこえてくる。扉が半分ほど閉められているのが見えた。

「誰がいる…?」
「こらーっ勝手に閉めるなっ」

 扉のほうに声をかけると数人、そのすきまに人が並んでいるのがわかる。どうやら男のようなのはわかるが誰だかわからない。

「……よぉ。この間は酷い目にあわせてくれたな。」

 1人の男が口を開いた。

「お前は誰だ??」
「僕も知らない人だけど…」

 直人もノンジーも心当たりがない。

「おま…っ…くっ忘れたならしかたない…商人ギルドで反省室に送ってくれてどうもありがとう。」
「………」

 反省室?

「…あぁ。ギルドで受付やってた名前も知らない男の人だ!」
「馬鹿にしやがって…名前なんて覚えてもらう必要もないわ!」

 男は相当怒っているようだ。

「運よく見かけたもんだからつけてきたってわけだ。まあ、今からここに閉じ込めるわけだけども…祭りが終わるまでここには誰もこないだろう?締め切って無事だといいなぁ~?」

 そうかそれで僕を閉じ込めようとしているのか…ここまで怒る反省室のほうが気になるんだけど…

 ガラガラガラと重たい音を立て扉が閉められまわりは真っ暗になってしまった…

「あいつほんとに馬鹿だな…よく商人ギルドで仕事やってられたよ…」
「変なのに絡まれたな。ナオトもちろんここから出られるんだろう?『ディメンションウォール』使えないと魔法具なんて作れないしなー?」
「ああ、出られるよー」

 『ディメンションウォール』を使用し2人は倉庫から外へと出た。その後商人ギルドにノンジーという証人つきで説明にいった。明日多分直人がやっている露店のとこに顔を出しに来るだろうから、そのときに捕まえる話になった。

 …鉱石?もちろん脱出のときに購入は忘れなかったよ。
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