女の子を拾ったら毎日楽しくなりました。

山中波音

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16話

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 お店につき開店準備をするエルザに何をすればいいか聞きながらベアトリスも開店の準備をする。エルザは家で作って来たアクセサリーを陳列棚に並べ、ストック置き場にも少し置き余ったパーツを元の場所に戻して行った。

 開店準備が終わり、陳列されている分でまだ心もとないぶんをパーツを抜き、カウンターの後ろのテーブルで作業することにした。
 ベアトリスはエルザの下に行きお金を教えて欲しいとお願いし、エルザは作りながらお金を教えることにした。

「まず、お金の大まかの種類を教えるわね?これらが銅貨ね?次にこれらが銀貨ね?で、これが金貨ね?で…


小銅貨
大銅貨
小銀貨
大銀貨
小金貨
大金貨
白金貨

の順番です。また小銅貨から小金貨までは10枚で次の一つ上がります。例えば小銅貨10枚で大銅貨一枚になると言う計算だよ。だけれど大金貨100枚で白金貨になるの。残念ながら今お店には小金貨まだしか置いてないのよねー。白金貨はもちろんだけれど大金貨なんてそうそう見ないかな?」

 そう説明されたベアトリスは机の上にある硬貨を見たり手で触ってサイズを覚えていく。

「ちなみに一つの家族の収入ってどれくらいですか?」

 ベアトリスはお金の方がどれくらいか分からず聞いてみるが、エルザは小さい頃に両親を亡くしているので一般的な収入を知らない。

「そ、そうねー、小金貨数枚あれば1月生活できるんじゃないかしら?」

 ベアトリスは考えているのか腕を組んで、ハッとした。

「この間渡されたお金、大銀貨でしたよね?…子供にそんな大金渡しちゃダメかと…」

 そう言うと、エルザは少し考えて「ソ、ソウネ、ホラね?何があるか分からないからねー」っと言って視線を外した。

「エルザさんって実はうっかりさん?」

「うぐ…」

 子供に図星を指され目が泳ぐエルザ。でも手は止めない。

「じゃぁ今日は小銀貨3枚借りますね?…あれ?この間、お金返しました?私?」

「あ、あの時のお金は紙の袋に一緒に入っていたわよ?」

 なら良かったですとベアトリスは胸を撫で下ろした。ふとお金で気になったので聴くことにした。

「そういえばお金を入れておく財布とかないのですか?」
 
「あるわよ?」

 そう言って裏の部屋に行き袋を探しベアトリスに渡すと目を見開き驚いていた。

「…えっと…これは…え?袋?ですか?」

 エルザはベアトリスの疑問がよく分からず「袋だよ」っと言って頭を傾げた。

「いえ、せめてですね?せめて、可愛い生地に入れません?よごれ…ではなく少しくすんだ生地って何ですかこれ?」

 あまりにもの批判にエルザも驚いた。一般的にお金を入れる袋といえばベアトリスに渡した袋がお金を入れる物だ。袋といっても紐を緩め広げると袋は丸くなり中のお金が見えやすくなる物だ。

「うーん、まぁ、硬貨ばっかりだからまぁいいのかな?いやでもさ、可愛さのかけらも全くない。なんかさ可愛い柄の袋とかないのですか?」

「えーっと、、、ないかな?」

 ベアトリスの顔から表情が消えた。

 …が、あっと言う顔をした後にニヤリと笑った。

「私裁縫は得意なの!だから端切れとかどこかでもらえないですかね!?あ、一昨日の破れてしまった服でお金入れる袋作ってもいいですか?」

「か、構わないけど…あら、でも紐も必要だからー、ちょっと待ってて、確かいい具合の紐があったはずだわ」

 そう言って壁面収納の引き出しを開けたり空いている入れ物の中を見たりして必要な材料を取り出した。

「これでどうかしら」

 そう言って見せたのは赤や白、黄色の紐に色々なリボン。

「ありがとうございます!裁縫道具はありますか?」

「裁縫道具は家にあるわよ、お店には置いてないの」

 少し残念な顔をするエルザに対しベアトリスはデザインを考えて家に帰って巾着袋を作ることにした。今は袋がないのでエルザが渡してくれた袋にお金を入れてあとでお昼を買いに行くことにした。

 そんな会話をしているとお客さんが来たと知らせるベルが鳴り2人は会話をやめ、接客したりアクセサリーを作ったりデザインを考えたりとそれぞれやることをやっていった。

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