僕のためにひと肌脱いで

青い縞猫

文字の大きさ
27 / 27
1年後

2人の幸せは続く【完結】

しおりを挟む
何度も何度も突き上げられ、啼かされ、意識を失っても揺さぶられ続けた結果…

無事子供をもうけることが出来た。
最初の子供は男の子だった。

その2年後、
再び神殿で胎を借りることが出来、施術を受けた。

無事、妊娠、出産することが出来たが、2人目は女の子が生まれた。
もう1人男のを望むことができるので、3度目も施術を受けた。

「ユーグ…ユーグ…」

譫言のように夫の名を呼ぶ。
もうすぐ3人目の子供が生まれそうなのだ。

「ジル、頑張ってくれ。
ジル… ジル… 」

3人目は少し難産だった。
赤子の位置がよくなかったらしい。

神官様も、腹に手を当て、生まれてきやすいように力を貸してくださるが、なかなか生まれてきてはくれない。
このまま、長時間過ぎてしまうと母体も子供も危ういと最悪の事態を回避すべく、準備が始まろうとしていた。

出産に入る前に、聞かされていたこと…

「無事生まれてこなければ、途中で堕胎することになる。
また、無事に生まれても、出産に時間がかかりすぎると、生まれてきた子供に何かしらの後遺症が残る場合がある。
そこは了承していただきたい。」と。

最初の出産でも、2人目の時も聞かされた注意事項。
しかし…
3人目の今、なかなか生まれてこない我が子に不安が募る。

このまま、諦めないといけないのか…。
そんなことはしたくない。しかし…
ユーグにはジルも子供も、両方を失うことは考えられなかった。

「大変お辛い状況ではありますが、ユーグ様にはご決断を頂かなければいけませんね…。」

神官が、額に汗を浮かべながら腹にあてた手はそのままにユーグに告げる。

「お子様の心音が弱ってきています。このままでは、両方危うい。
申し上げにくいことですが、どうかご決断を…。」

本当に、もうだめなのか?
今にも、生まれてきそうなのに…

「ジル… ジル… ごめん…
子供は…」

僕は、ジルの手を握りしめ決断を下そうとしていたんだ。
だけど…

「おギャー!!!」

突然、部屋に産声があがったんだ。
僕は何が起こったのか、すぐにはわからなくて。

でも、外にいた神官の1人が

「大神官様がお見えです。」

と大きな声を上げていたんだ。
難産だと聞かされた大神官様が、本来予定になかったこの神殿まで赴いてくださったらしい。

「奇跡をおこす大神官」
と呼ばれるお方。
男が子供を産むことが出来るようになったのも、この大神官のおかげだって言ってたな。

僕は自分の幸運をとても喜んだよ。
だって…
もう、子供はダメだって諦めていたのに、ジルも子供も両方助かったのだから。

「ありがとうございます… ありがとうございます…。」

僕は、涙が止まらなかった。
そして、ジルと生まれたばかりの子供を抱きしめて大神官様にお礼を言った。

僕たちは3人で家に帰ることが出来た。
お留守番をしていてくれた2人の子供たちに、息子を紹介した。
上の子2人は僕によく似た子供たちだったが、3人目の子はジルによく似た色をしていた。

僕たちの宝物。
あぁ、本当に幸せだ。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...