息子に縁を切られました

子育てがわからない

出産まではどうすれば…

覚悟を決めた後のロンタールは無事初夜をやり遂げ、
アテニアは子供を授かった。


ただ…
身重のアテニアにどう接していいのかわからないロンタールは
執事にすべてを任せ領地運営に忙しく、アテニアの身体を気遣うことはなかった。

両親はロンタールが20歳の時に馬車の事故で亡くなった。
ロンタールの両親も政略結婚で、跡継ぎが出来たらお互いに干渉することはなく
外遊や領地の視察など、どうしても外せない場合のみ一緒に行動していた。

そんな夫婦だったのに、最後は2人同時に亡くなってしまったのだった。


15歳で成人し、領地運営の一部には携わってはいたけれど
いきなり当主の業務を引き継ぐことになったロンタールは
婚約者が決まっても、会いに行く時間を作ることはむつかしく
また、8歳も年下であったことから積極的に交流することもなく
結婚式を迎えてしまった。

妊娠までの間が空いていれば、まだ交流の機会もとれたかもしれないが
懐妊がわかってしまえば、ロンタールはますます積極的に妻に時間を割こうとはしなくなった。

1人慣れない屋敷に放置されたアテニアは、心細さから実家に帰ることを願い出る。
ロンタールも、どう接していいのかわからないアテニアといるより
実家でくつろいで出産をしてもらった方が楽だと考え許可を出した。