上 下
8 / 19

疑惑

しおりを挟む
「この前は悪かったな」

「こちらこそ。先パイ頭触られるの苦手だったんですね。
そうとは知らなくてすみませんでした。」

「いや、タイミングが悪かったというか…あまり気にしないでほしい」

「タイミング…?まぁそれは分かりましたけど…」

これは…

「先パイ、何かありましたか?」

まずい。
いつか言われると思ってたけど今か…。
でも、今は…

「いや、特に何もないけど」

「あ…そうですか…」

本当はこいつも気づいてるとは思う。
それでも、これ以上言わないのはこいつなりの気遣いだろう。
今日は甘えさせてもらおう。

いつか、いつかは話すから
…それまで待っててくれ。
今は

「…ありがとう」

呟いた声は思ったより小さかったけど

「先パイ…先パイが困った時は俺が1番に駆けつけるので!」

1番じゃなくてもいいが…?
というか興奮し過ぎじゃないか?
そこでとある考えが生まれた。

俺に絡んでくるのは…

そんなわけが無いと頭に浮かべた思考をかき消した。
しおりを挟む

処理中です...