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危機? 俊視点

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「先パイ!」

教室に響く声。

いやうるさいが…

「今日は学校来てないぞ」

「来てない…?あの皆勤の先パイがですか?」

「あぁ」

確かに優人が学校を休んだことは1度と無い

だからこそ

「何か嫌な感じがするんだよな」

「何かあったんですか!?」

「分からないけど…」

そんなの俺が知りたいくらいなんだが

心配ではあるんだよな。昨日、優人は家に帰ったからな…

「お前、今日の放課後空いてるか?」

「は、はい。空いてますけど…?」

こいつも連れていくか

「家行くぞ」

「え?」

何でこの流れでわかんないんだよ…

「だから…優人の家行くぞ、って」

「先パイの家?何でですか?」

それは

「連絡がつかないんだよ、昨日から」

何かあったら連絡を寄越せ、とは言ったが優人が素直にそうしてくれるわけがないんだよな。

「え…?何か用事があったんじゃないんですか?家族と出かけるとか…」

「それは絶対にない」

「言い切れないじゃないですか!」

確かに普通だったらそれで片付けられるけど、優人の場合そうとは考え難い

「いや、言いきれるんだよ…あいつの場合は…」

「今、何て…?」

なんでもないよ、今はまだ。

「まぁ、とりあえず俺の家に1回寄ってから行くぞ」

「何で俊さんの家に?」

「一応確かめるためだ」

「何を…?」

俺があいつの逃げ場所になっているかどうかを

「ついてくれば分かるかもな」


お前が優人の支えになれるかどうかも見極めたいしな。









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