【BL】異世界転移したら猫獣人の国でした〜魔石食べたらチートになりました〜

アベンチュリン

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謁見

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 ステンドグラスから光が溢れている、金縁に彩られた壁面、豪奢なシャンデリアに調度品。豪華絢爛の中央には真っ赤な絨毯がフロア奥まで敷かれ、フロア奥には一段高い場所に皇帝の椅子が置かれている。

 何故か僕は皇帝陛下へ謁見えっけんに来ていた

 セオと二人で謁見の間で待っていると。

 刺繍があしらわれた皇族服に身を纏い、首周りに白いファーの付いたマントを翻し頭上には王冠を被っているのはオドヴァル・ブリュイエール陛下(ペルシャ種)とライナルト・ブルクハウセン宰相(イリオモテヤマネコ種)がお見えになった。

 短身の陛下がゆっくりと歩を進めて、背もたれが長い玉座に座る、座高は背もたれの四分の一程しかない。その後に長身で怜悧そうな風貌の宰相閣下が続く。

 あの小さな身体で22人も王子王女を……、すごいな。あんまりセオに似ていない気がする……そしてなんだか優しい雰囲気の方だな。

「今日は忙しい中、来てもらって悪かったね」

「陛下におかれましては、ご機嫌麗しく謁見恐悦至極でございます」

 二人で片膝をついて挨拶する。人払いが出来たか宰相に確認する陛下。

「今日来て貰ったのは……、国宝の魔石が人手に渡って、さらに捕食されてしまった件でね……」

 ん!?待って!セオから貰ったあの魔石って国宝だったの!そんな事、一言も言ってなかったよ。

「私はね、テディ……いや、セオドールが騎士団に入ると言うから、持つ者を守ってくれると言い伝えのある、あの魔石を譲ったんだよ」

 今テディって聞こえた気が、まさか陛下にそう呼ばれてたなんて……、だからあんなに嫌がってたんだ。謁見というより普通の親子の会話、ゆるく自由気儘な猫の性格が故かな。

「陛下、失礼を承知の上で申し上げますが、守ってくれる魔石と聞いておりましたので、私が一番守りたい者に譲りました」

 セオは誇らしげにもっともらしい表情してるけど、これ国宝だからね。昔から、こうと決めたら突き進んでしまう所あるよね。

 セオドール→国宝を庶民にあげちゃった人

 ルカ→国宝を食べちゃった人

 どう考えても処罰対象だ。打首拷問はいやだ~。……っていうか、何処からバレたんだ!?
 …………あっ!病院かぁ、そういえば採取した。……え、あれを鑑定した人がいるの!?詳細まで鑑定出来たの?恥ずかし過ぎる。尻尾をバタバタさせたり、ピンと伸ばしたり。目を白黒させながら脳内をぐるぐる思考を巡らせる。

「はぁ~、こうと言ったら聞かんからな。どうしたものか……」

 宰相閣下が嘆息する陛下に耳打ちをする。

「ふむふむ、そうねぇ~、……じゃあ二人が番になれば良いと。……ルカ、君が皇族になれば問題ない、番になる約束をしていたんでしょ?」

「ふぇ!?」思わず間の抜けた声が出てしまい、慌てて口を塞ぐ。

 隣を見ると、セオが真剣な眼差しで「いいか?」と聞いてきた。
 もともと、番になる覚悟はあった。平民でオスで……沢山、反対されると思っていた、答えは決まっている。僕は「はい」と頷いた。

「陛下の仰せのままに」意を決した表情のセオ。僕も合わせて頭を下げる。

「じゃあ、次の満月はいつ?……ふむふむ2月22日、2時22分、なんと良い大安吉日!その日に番の儀式を行うが良い」

 この世界では22など2が続く数字が縁起が良いとされている。

「仰せのままに……、あの、不遜を承知で申し上げます。皇族になった後、魔石省での仕事は続けられますか?」

 魔石に携わるこの仕事だけは続けたくて、思わず口から出てしまった。

「君の本能が仕事を続けたいと言っているのかな?」

「は、はい」

「うちはね皇族でも皆、得意分野の仕事をして各々活躍している。結果、国の繁栄に繋がっているからね。公務は手の空いた者がすれば良い。全ては本能のままに!」

「有り難き仕合わせに存じます」優しい言葉に感謝した、本能至上主義万歳!

「一つだけ言っておかなきゃならない事がある」と陛下は仰って、突然猫型になり僕の元へ駆け寄ったと思ったら、再び人型に戻って間近で。

「君自体が国宝みたいな物だから、許可なく国外に出てはいけないよ」鋭い目つきで言い放つ、逆毛が立つほど怖いと感じた。この目つきセオにそっくりだ。

「陛下の仰せのままに」

 詳細については宰相と打ち合わせするよう言い、陛下は謁見の間より出て行かれた。

     ☆

 別室にて打ち合わせを行なった。ライナルト宰相閣下は、怜悧そうな風貌と合わせて近くで見ると端正な顔立ちで、スクエア型の白縁のハーフリムタイプのメガネが良く似合っている、イリオモテヤマネコに会うのは初めてで、丸い耳先と特徴的な縞模様の毛色が特徴的だ。

「まずは大まかなスケジュールを、儀式の日まで約一ヶ月は妃教育を受けて頂きます。お仕事お休みになられるのでしたら国から要請書を出しましょうか?」

「いえ、仕事と両立したいのですが可能でしょうか?」

「大変だとは思いますが……ではその様に進めましょう、あまりご無理はなさらない様に。次に2月22日の晩、番の儀式を執り行い、翌日の日中に大聖堂にて皇族即位の儀式を、夜には親類縁者、貴族を招待して晩餐会を行い。翌々日は結婚祝賀パレードで城下を周ります」

 聞いただけでも、目まぐるしいスケジュールだ、全然頭に入ってこない。

「承知しました、宜しくお願いします」とだけ伝え、その日は帰宅した。
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