15 / 53
謁見
しおりを挟む
ステンドグラスから光が溢れている、金縁に彩られた壁面、豪奢なシャンデリアに調度品。豪華絢爛の中央には真っ赤な絨毯がフロア奥まで敷かれ、フロア奥には一段高い場所に皇帝の椅子が置かれている。
何故か僕は皇帝陛下へ謁見に来ていた
セオと二人で謁見の間で待っていると。
刺繍があしらわれた皇族服に身を纏い、首周りに白いファーの付いたマントを翻し頭上には王冠を被っているのはオドヴァル・ブリュイエール陛下(ペルシャ種)とライナルト・ブルクハウセン宰相(イリオモテヤマネコ種)がお見えになった。
短身の陛下がゆっくりと歩を進めて、背もたれが長い玉座に座る、座高は背もたれの四分の一程しかない。その後に長身で怜悧そうな風貌の宰相閣下が続く。
あの小さな身体で22人も王子王女を……、すごいな。あんまりセオに似ていない気がする……そしてなんだか優しい雰囲気の方だな。
「今日は忙しい中、来てもらって悪かったね」
「陛下におかれましては、ご機嫌麗しく謁見恐悦至極でございます」
二人で片膝をついて挨拶する。人払いが出来たか宰相に確認する陛下。
「今日来て貰ったのは……、国宝の魔石が人手に渡って、さらに捕食されてしまった件でね……」
ん!?待って!セオから貰ったあの魔石って国宝だったの!そんな事、一言も言ってなかったよ。
「私はね、テディ……いや、セオドールが騎士団に入ると言うから、持つ者を守ってくれると言い伝えのある、あの魔石を譲ったんだよ」
今テディって聞こえた気が、まさか陛下にそう呼ばれてたなんて……、だからあんなに嫌がってたんだ。謁見というより普通の親子の会話、ゆるく自由気儘な猫の性格が故かな。
「陛下、失礼を承知の上で申し上げますが、守ってくれる魔石と聞いておりましたので、私が一番守りたい者に譲りました」
セオは誇らしげにもっともらしい表情してるけど、これ国宝だからね。昔から、こうと決めたら突き進んでしまう所あるよね。
セオドール→国宝を庶民にあげちゃった人
ルカ→国宝を食べちゃった人
どう考えても処罰対象だ。打首拷問はいやだ~。……っていうか、何処からバレたんだ!?
…………あっ!病院かぁ、そういえば採取した。……え、あれを鑑定した人がいるの!?詳細まで鑑定出来たの?恥ずかし過ぎる。尻尾をバタバタさせたり、ピンと伸ばしたり。目を白黒させながら脳内をぐるぐる思考を巡らせる。
「はぁ~、こうと言ったら聞かんからな。どうしたものか……」
宰相閣下が嘆息する陛下に耳打ちをする。
「ふむふむ、そうねぇ~、……じゃあ二人が番になれば良いと。……ルカ、君が皇族になれば問題ない、番になる約束をしていたんでしょ?」
「ふぇ!?」思わず間の抜けた声が出てしまい、慌てて口を塞ぐ。
隣を見ると、セオが真剣な眼差しで「いいか?」と聞いてきた。
もともと、番になる覚悟はあった。平民でオスで……沢山、反対されると思っていた、答えは決まっている。僕は「はい」と頷いた。
「陛下の仰せのままに」意を決した表情のセオ。僕も合わせて頭を下げる。
「じゃあ、次の満月はいつ?……ふむふむ2月22日、2時22分、なんと良い大安吉日!その日に番の儀式を行うが良い」
この世界では22など2が続く数字が縁起が良いとされている。
「仰せのままに……、あの、不遜を承知で申し上げます。皇族になった後、魔石省での仕事は続けられますか?」
魔石に携わるこの仕事だけは続けたくて、思わず口から出てしまった。
「君の本能が仕事を続けたいと言っているのかな?」
「は、はい」
「うちはね皇族でも皆、得意分野の仕事をして各々活躍している。結果、国の繁栄に繋がっているからね。公務は手の空いた者がすれば良い。全ては本能のままに!」
「有り難き仕合わせに存じます」優しい言葉に感謝した、本能至上主義万歳!
「一つだけ言っておかなきゃならない事がある」と陛下は仰って、突然猫型になり僕の元へ駆け寄ったと思ったら、再び人型に戻って間近で。
「君自体が国宝みたいな物だから、許可なく国外に出てはいけないよ」鋭い目つきで言い放つ、逆毛が立つほど怖いと感じた。この目つきセオにそっくりだ。
「陛下の仰せのままに」
詳細については宰相と打ち合わせするよう言い、陛下は謁見の間より出て行かれた。
☆
別室にて打ち合わせを行なった。ライナルト宰相閣下は、怜悧そうな風貌と合わせて近くで見ると端正な顔立ちで、スクエア型の白縁のハーフリムタイプのメガネが良く似合っている、イリオモテヤマネコに会うのは初めてで、丸い耳先と特徴的な縞模様の毛色が特徴的だ。
「まずは大まかなスケジュールを、儀式の日まで約一ヶ月は妃教育を受けて頂きます。お仕事お休みになられるのでしたら国から要請書を出しましょうか?」
「いえ、仕事と両立したいのですが可能でしょうか?」
「大変だとは思いますが……ではその様に進めましょう、あまりご無理はなさらない様に。次に2月22日の晩、番の儀式を執り行い、翌日の日中に大聖堂にて皇族即位の儀式を、夜には親類縁者、貴族を招待して晩餐会を行い。翌々日は結婚祝賀パレードで城下を周ります」
聞いただけでも、目まぐるしいスケジュールだ、全然頭に入ってこない。
「承知しました、宜しくお願いします」とだけ伝え、その日は帰宅した。
何故か僕は皇帝陛下へ謁見に来ていた
セオと二人で謁見の間で待っていると。
刺繍があしらわれた皇族服に身を纏い、首周りに白いファーの付いたマントを翻し頭上には王冠を被っているのはオドヴァル・ブリュイエール陛下(ペルシャ種)とライナルト・ブルクハウセン宰相(イリオモテヤマネコ種)がお見えになった。
短身の陛下がゆっくりと歩を進めて、背もたれが長い玉座に座る、座高は背もたれの四分の一程しかない。その後に長身で怜悧そうな風貌の宰相閣下が続く。
あの小さな身体で22人も王子王女を……、すごいな。あんまりセオに似ていない気がする……そしてなんだか優しい雰囲気の方だな。
「今日は忙しい中、来てもらって悪かったね」
「陛下におかれましては、ご機嫌麗しく謁見恐悦至極でございます」
二人で片膝をついて挨拶する。人払いが出来たか宰相に確認する陛下。
「今日来て貰ったのは……、国宝の魔石が人手に渡って、さらに捕食されてしまった件でね……」
ん!?待って!セオから貰ったあの魔石って国宝だったの!そんな事、一言も言ってなかったよ。
「私はね、テディ……いや、セオドールが騎士団に入ると言うから、持つ者を守ってくれると言い伝えのある、あの魔石を譲ったんだよ」
今テディって聞こえた気が、まさか陛下にそう呼ばれてたなんて……、だからあんなに嫌がってたんだ。謁見というより普通の親子の会話、ゆるく自由気儘な猫の性格が故かな。
「陛下、失礼を承知の上で申し上げますが、守ってくれる魔石と聞いておりましたので、私が一番守りたい者に譲りました」
セオは誇らしげにもっともらしい表情してるけど、これ国宝だからね。昔から、こうと決めたら突き進んでしまう所あるよね。
セオドール→国宝を庶民にあげちゃった人
ルカ→国宝を食べちゃった人
どう考えても処罰対象だ。打首拷問はいやだ~。……っていうか、何処からバレたんだ!?
…………あっ!病院かぁ、そういえば採取した。……え、あれを鑑定した人がいるの!?詳細まで鑑定出来たの?恥ずかし過ぎる。尻尾をバタバタさせたり、ピンと伸ばしたり。目を白黒させながら脳内をぐるぐる思考を巡らせる。
「はぁ~、こうと言ったら聞かんからな。どうしたものか……」
宰相閣下が嘆息する陛下に耳打ちをする。
「ふむふむ、そうねぇ~、……じゃあ二人が番になれば良いと。……ルカ、君が皇族になれば問題ない、番になる約束をしていたんでしょ?」
「ふぇ!?」思わず間の抜けた声が出てしまい、慌てて口を塞ぐ。
隣を見ると、セオが真剣な眼差しで「いいか?」と聞いてきた。
もともと、番になる覚悟はあった。平民でオスで……沢山、反対されると思っていた、答えは決まっている。僕は「はい」と頷いた。
「陛下の仰せのままに」意を決した表情のセオ。僕も合わせて頭を下げる。
「じゃあ、次の満月はいつ?……ふむふむ2月22日、2時22分、なんと良い大安吉日!その日に番の儀式を行うが良い」
この世界では22など2が続く数字が縁起が良いとされている。
「仰せのままに……、あの、不遜を承知で申し上げます。皇族になった後、魔石省での仕事は続けられますか?」
魔石に携わるこの仕事だけは続けたくて、思わず口から出てしまった。
「君の本能が仕事を続けたいと言っているのかな?」
「は、はい」
「うちはね皇族でも皆、得意分野の仕事をして各々活躍している。結果、国の繁栄に繋がっているからね。公務は手の空いた者がすれば良い。全ては本能のままに!」
「有り難き仕合わせに存じます」優しい言葉に感謝した、本能至上主義万歳!
「一つだけ言っておかなきゃならない事がある」と陛下は仰って、突然猫型になり僕の元へ駆け寄ったと思ったら、再び人型に戻って間近で。
「君自体が国宝みたいな物だから、許可なく国外に出てはいけないよ」鋭い目つきで言い放つ、逆毛が立つほど怖いと感じた。この目つきセオにそっくりだ。
「陛下の仰せのままに」
詳細については宰相と打ち合わせするよう言い、陛下は謁見の間より出て行かれた。
☆
別室にて打ち合わせを行なった。ライナルト宰相閣下は、怜悧そうな風貌と合わせて近くで見ると端正な顔立ちで、スクエア型の白縁のハーフリムタイプのメガネが良く似合っている、イリオモテヤマネコに会うのは初めてで、丸い耳先と特徴的な縞模様の毛色が特徴的だ。
「まずは大まかなスケジュールを、儀式の日まで約一ヶ月は妃教育を受けて頂きます。お仕事お休みになられるのでしたら国から要請書を出しましょうか?」
「いえ、仕事と両立したいのですが可能でしょうか?」
「大変だとは思いますが……ではその様に進めましょう、あまりご無理はなさらない様に。次に2月22日の晩、番の儀式を執り行い、翌日の日中に大聖堂にて皇族即位の儀式を、夜には親類縁者、貴族を招待して晩餐会を行い。翌々日は結婚祝賀パレードで城下を周ります」
聞いただけでも、目まぐるしいスケジュールだ、全然頭に入ってこない。
「承知しました、宜しくお願いします」とだけ伝え、その日は帰宅した。
10
あなたにおすすめの小説
触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?
雪 いつき
BL
仕事帰りにマンホールに落ちた森川 碧葉(もりかわ あおば)は、気付けばヌメヌメの触手生物に宙吊りにされていた。
「ちょっとそこのお兄さん! 助けて!」
通りすがりの銀髪美青年に助けを求めたことから、回らなくてもいい運命の歯車が回り始めてしまう。
異世界からきた聖女……ではなく聖者として、神聖力を目覚めさせるためにドラゴン討伐へと向かうことに。王様は胡散臭い。討伐仲間の騎士様たちはいい奴。そして触手生物には、愛されすぎて喘がされる日々。
どうしてこんなに触手生物に愛されるのか。ピィピィ鳴いて懐く触手が、ちょっと可愛い……?
更には国家的に深刻な問題まで起こってしまって……。異世界に来たなら悠々自適に過ごしたかったのに!
異色の触手と氷の(天然)騎士様に溺愛されすぎる生活が、今、始まる―――
※昔書いていたものを加筆修正して、小説家になろうサイト様にも上げているお話です。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
【完結】異世界転移で落ちて来たイケメンからいきなり嫁認定された件
りゆき
BL
俺の部屋の天井から降って来た超絶美形の男。
そいつはいきなり俺の唇を奪った。
その男いわく俺は『運命の相手』なのだと。
いや、意味分からんわ!!
どうやら異世界からやって来たイケメン。
元の世界に戻るには運命の相手と結ばれないといけないらしい。
そんなこと俺には関係ねー!!と、思っていたのに…
平凡サラリーマンだった俺の人生、異世界人への嫁入りに!?
そんなことある!?俺は男ですが!?
イケメンたちとのわちゃわちゃに巻き込まれ、愛やら嫉妬やら友情やら…平凡生活からの一転!?
スパダリ超絶美形×平凡サラリーマンとの嫁入りラブコメ!!
メインの二人以外に、
・腹黒×俺様
・ワンコ×ツンデレインテリ眼鏡
が登場予定。
※R18シーンに印は入れていないのでお気をつけください。
※前半は日本舞台、後半は異世界が舞台になります。
※こちらの作品はムーンライトノベルズにも掲載中。
※完結保証。
※ムーンさん用に一話あたりの文字数が多いため分割して掲載。
初日のみ4話、毎日6話更新します。
本編56話×分割2話+おまけの1話、合計113話。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた
k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。
言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。
小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。
しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。
湊の生活は以前のような日に戻った。
一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。
ただ、明らかに成長スピードが早い。
どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。
弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。
お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。
あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。
後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。
気づけば少年の住む異世界に来ていた。
二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。
序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます
トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。
魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・
なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️
エブリスタにも、掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる