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プロローグ
しおりを挟む「貴方の解き明かす謎は、とても美しい」
黒曜石のような瞳をゆったりと細め、目の前のあなたはそう言った。誘惑するように私の頬をなぞり、そっと耳元に唇を寄せる。
「でも、それだけだろう?」
つまらない。足りない。典型的。型に嵌まりきった答え。覆らない結末。それが退屈なのだと繰り返す。
「もっと刺激が欲しい。もっともっと強く、もっともっと激しく、心をゆり動かす力が欲しいんだ」
__貴方じゃ、僕を壊すことはできないよ。
これが後に、一人の名探偵をスランプへと導いた悪魔の言葉である。
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