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第二部
その23.面白いもの書けるダンスだ。
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「人間がこれほどに面白いものを書けるのは何か秘密があるんじゃないかと、思う」
朝から口数が多いな蔵曾。
そんでもっていきなり何を言い出すこの野郎。
今日もこれまた変わってしまった日常を過ごそうと家から出た途端にこれだよ。
お前が絡んでから俺の日常は面白おかしくされて困ったもんだぜ、頼むから陽光溢れる心地良い朝にため息なんてつかさせないでくれ。
「君は、どう思う?」
「さあな」
「何か、隠してる?」
「いいや」
蔵曾を通り過ぎて俺は学校へ向かうとした。
蔵曾が手に持ってるのはラノベ、それも面白いと評判のやつと思われる。
最近さ、ながらスマホは事故を招くから危ないって警鐘を鳴らされてるんだぜ。ながら読書はもっと危ないと思うからやめたほうがいいぞ。
「痛いっ」
ほらみろ。
「朝から電柱に頭突きかますなんて神様はやっぱり違うぜ」
「……君のせい」
「電柱あるって教えなかったからか? そりゃあ教えなかったさ、神様なら容易く気づいて避けると思ったからな」
「……ぐぬぬ」
楽しいなあ。
想像の神というのは意外と馬鹿で阿呆で間抜けだ。
待てよ……?
「蔵曾、実はな……ラノベ作家が面白いものを書けるにはな、お前の言う通り秘密がある」
「やはり。是非、教えて」
なんか謎は全て解けたような顔をしてやがる。といってもフードで目元は隠されてるが。
努力とか想像力とか、文章力とかまあそんな感じだと思うけど、どうしても秘密を知りたいならラノベ作家に聞くのがいいんじゃないかな。
――そういう真面目でつまらない回答はよしておいて、だ。
「先ずはだな、若い連中を探すんだ」
「若い連中?」
「そうだ、情報の最先端を走るのは若い連中だ、そいつらと接触してとある事をするともう大ヒットだ」
「……とある事? 非常に興味深い」
俺は近くでこれから学校へ向かう純粋な瞳を宿した小学生らを見た。
「ラノベ作家はな、自分の本を出す前にあの年齢層の子達にな、面白いもの書けるダンスをして純粋な心を持った子供達から想像力を貰うんだ」
「面白いもの書けるダンス……?」
流石に無理があるな。
「更に興味深い」
こいつ、馬鹿だ。
「よし、教えてやろう。その前にこれを見ろ」
俺は携帯電話を取り出してすぐにとあるダンス動画を検索。
あったあった。
中々キレのある動きですごい踊りをする動画が。
よくコンサート会場とかでやってる人達がいるらしい、愛情を持って、場を盛り上げるために、そしてアイドルの士気を高めるために、魂を込めたダンスだ。
「……これが」
「そうだ、面白いもの書けるダンスだ」
「この光ってるのは?」
「ラノベだ」
「ラノベッ!?」
いや、ただのペンライト。
でも動きが速すぎて蔵曾もよく見えんだろう。
「面白いものが書けるダンスによって、想像力が宿って光り輝いているんだ」
「……すごい」
「あの子達が行ってしまう前に、このダンスをなるべくやれるようにするんだ! すぐに憶えろ!」
難しいだろうがな。
「分かった」
振り付けをじっと見る蔵曾。
もう一度言おう。
こいつ、馬鹿だ。
「憶えられなければ自分なりのダンスでも大丈夫だからな」
「そう?」
「用は相手に面白いものを書きたいっていう熱意を伝えるのが重要なのさ」
「なるほど」
何を納得したのか解らんががんばれ。
蔵曾は小さく頷いて、小学生達のもとへ向かっていた。
その間に俺は、撮影モードにして携帯電話を蔵曾に向けた。
撮影は準備万端だ!
「頑張れ!」
「……頑張る」
近くには学生やサラリーマン、それに主婦とかいっぱいいるけど、まあいいか。
いざやるとなると、やっぱり勇気がいるよな。
蔵曾は躊躇して足が止まりかけるも、決意したのか一気に駆けて小学生達の前に立ちはだかる。
「!?」
皆が、このエクスクラメーションマークとクエスチョンマークを頭の上に浮かべていた。
蔵曾……いいぞっ! 勢いでいっちまえ!
つーか顔真っ赤だな! 相当恥ずかしいようだが、うん、お前のそういうところを見れるのは、ものすごく嬉しいぞ!
かなり美少女だしな! いつもフードで顔半分隠しているのはもったいない!
「せいっ」
そんでもって。
そんでもってっ、蔵曾は唐突に小学生達の前で踊りだした――踊りやがった、踊っちまった!
激しく、キレがよく、意外とそれなりにダンスをして。
手に持ったままのラノベがすごい勢いで振り回されている、いくつか残像が出てるぞ、いいぞ蔵曾!
抜群のキレだ!
右上へ高々と上がった腕を円を描いた振り下ろして左上へ、動画の通りやれてるじゃないか!
「へやっ」
その掛け声はよく解らんが最高だぞ! ばっちり撮影できてるぜ!
唖然として小学生全員が口をぽっかりと空けていたが、まあ、少々付き合ってやってくれ。
これは面白いもの書けるダンスなんだ、蔵曾のためにも必要なんだ。
いや、すまん。
何一つとして蔵曾のためにはならないが俺が満足するために必要なんだ。
蔵曾、すまんな。
お前のダンスは何一つとして面白いものが書けるようにはならん。
「はぁ……はぁ……」
五分くらい踊ってたかな?
流石に蔵曾もばててきていた。
そんなに運動はしていないだろうし、思った以上にきつそうだ。
小学生達は衝撃的過ぎて棒立ち状態。
周辺を歩く主婦達はひそひそ話をし始めた。
うん、楽しかった。
そろそろ学校に行くか。
「ちょっと君」
「……何」
……やばい。
蔵曾の後ろにいたのは、警察官。
誰かが通報したのかな?
ものすごい警戒心を抱いている気がする、蔵曾を見る目は明らかに変質者を見る目だ。
「小学生達に怪しいダンスを踊っていたという通報があって来たのだが」
やけに到着が早いな。
……あっ。
交番何気に近くだわ。
いつも朝に薫との待ち合わせ場所の近くにあったな、すっかり忘れていたよ。
「これは面白いもの書けるダンス」
「何を言ってるのか解らないが、ちょっと交番に来てもらおうか」
俺はすぐに物陰へ隠れた。
「待って。彼から教えてもら――」
「彼って誰だね? 何処にいるんだい?」
聞き耳を立てて、俺は物陰で様子を伺う。
「さっきまで、いた」
「交番でゆっくりと話をしよう」
「誤解」
「何が誤解かね」
「私は、ただ、面白いもの書けるダンスを」
「そんなダンス聞いた事がない。君は学校へ向かう小学生を狙ってタチの悪い悪戯をしていたんだろう!?」
「違う」
「兎に角、来なさい!」
「助けて」
……。
なんかあれだ。
「……蔵曾、正直すまんかった」
こうなるとは思ってもいなかったが、まあいいんじゃね? 中々ないよ? 交番に連れられるなんていう体験。
あとでもう一度謝るとしよう、うん、許してもらえるか解らないが。
少し遅れたがいつもの待ち合わせ場所に行き、ノアと薫と合流した。
「ちょっと遅かったな」
「な、なにか、あった?」
心配してくれるのはありがたいが、説明しづらいぜ。
「家を出るのが遅れてな」
とだけ、言っておく。
蔵曾の奴、今頃どうなってるのかな。
さあ、今日も楽しい学校生活を楽しもうじゃないか。
日に日に、校門をくぐるたびに注目度が増している気がする。
そりゃあノアと薫、二人の微笑が歩いていれば無理もないのだけどね。
片方は冴えない牛乳瓶みたいな眼鏡を掛けていて存在感が無いに等しく、もう片方は男だったというのにここ数日でそれはがらりと変わってしまった。
おかげで毎朝両手に華状態で学校へ行けるようになったが、四方から向けられる視線の中には俺への殺意も感じる。
教室では人気者二人の間に俺が座っている、この座席も蔵曾のおかげだ。やたら騒がしくて勘弁して欲しいぜ。
こんな学校生活だが……総合的に考えてみると前よりはマシかな。
男だった時の薫とどうしようもない会話をして一日を過ごすよりは、ね。
朝から口数が多いな蔵曾。
そんでもっていきなり何を言い出すこの野郎。
今日もこれまた変わってしまった日常を過ごそうと家から出た途端にこれだよ。
お前が絡んでから俺の日常は面白おかしくされて困ったもんだぜ、頼むから陽光溢れる心地良い朝にため息なんてつかさせないでくれ。
「君は、どう思う?」
「さあな」
「何か、隠してる?」
「いいや」
蔵曾を通り過ぎて俺は学校へ向かうとした。
蔵曾が手に持ってるのはラノベ、それも面白いと評判のやつと思われる。
最近さ、ながらスマホは事故を招くから危ないって警鐘を鳴らされてるんだぜ。ながら読書はもっと危ないと思うからやめたほうがいいぞ。
「痛いっ」
ほらみろ。
「朝から電柱に頭突きかますなんて神様はやっぱり違うぜ」
「……君のせい」
「電柱あるって教えなかったからか? そりゃあ教えなかったさ、神様なら容易く気づいて避けると思ったからな」
「……ぐぬぬ」
楽しいなあ。
想像の神というのは意外と馬鹿で阿呆で間抜けだ。
待てよ……?
「蔵曾、実はな……ラノベ作家が面白いものを書けるにはな、お前の言う通り秘密がある」
「やはり。是非、教えて」
なんか謎は全て解けたような顔をしてやがる。といってもフードで目元は隠されてるが。
努力とか想像力とか、文章力とかまあそんな感じだと思うけど、どうしても秘密を知りたいならラノベ作家に聞くのがいいんじゃないかな。
――そういう真面目でつまらない回答はよしておいて、だ。
「先ずはだな、若い連中を探すんだ」
「若い連中?」
「そうだ、情報の最先端を走るのは若い連中だ、そいつらと接触してとある事をするともう大ヒットだ」
「……とある事? 非常に興味深い」
俺は近くでこれから学校へ向かう純粋な瞳を宿した小学生らを見た。
「ラノベ作家はな、自分の本を出す前にあの年齢層の子達にな、面白いもの書けるダンスをして純粋な心を持った子供達から想像力を貰うんだ」
「面白いもの書けるダンス……?」
流石に無理があるな。
「更に興味深い」
こいつ、馬鹿だ。
「よし、教えてやろう。その前にこれを見ろ」
俺は携帯電話を取り出してすぐにとあるダンス動画を検索。
あったあった。
中々キレのある動きですごい踊りをする動画が。
よくコンサート会場とかでやってる人達がいるらしい、愛情を持って、場を盛り上げるために、そしてアイドルの士気を高めるために、魂を込めたダンスだ。
「……これが」
「そうだ、面白いもの書けるダンスだ」
「この光ってるのは?」
「ラノベだ」
「ラノベッ!?」
いや、ただのペンライト。
でも動きが速すぎて蔵曾もよく見えんだろう。
「面白いものが書けるダンスによって、想像力が宿って光り輝いているんだ」
「……すごい」
「あの子達が行ってしまう前に、このダンスをなるべくやれるようにするんだ! すぐに憶えろ!」
難しいだろうがな。
「分かった」
振り付けをじっと見る蔵曾。
もう一度言おう。
こいつ、馬鹿だ。
「憶えられなければ自分なりのダンスでも大丈夫だからな」
「そう?」
「用は相手に面白いものを書きたいっていう熱意を伝えるのが重要なのさ」
「なるほど」
何を納得したのか解らんががんばれ。
蔵曾は小さく頷いて、小学生達のもとへ向かっていた。
その間に俺は、撮影モードにして携帯電話を蔵曾に向けた。
撮影は準備万端だ!
「頑張れ!」
「……頑張る」
近くには学生やサラリーマン、それに主婦とかいっぱいいるけど、まあいいか。
いざやるとなると、やっぱり勇気がいるよな。
蔵曾は躊躇して足が止まりかけるも、決意したのか一気に駆けて小学生達の前に立ちはだかる。
「!?」
皆が、このエクスクラメーションマークとクエスチョンマークを頭の上に浮かべていた。
蔵曾……いいぞっ! 勢いでいっちまえ!
つーか顔真っ赤だな! 相当恥ずかしいようだが、うん、お前のそういうところを見れるのは、ものすごく嬉しいぞ!
かなり美少女だしな! いつもフードで顔半分隠しているのはもったいない!
「せいっ」
そんでもって。
そんでもってっ、蔵曾は唐突に小学生達の前で踊りだした――踊りやがった、踊っちまった!
激しく、キレがよく、意外とそれなりにダンスをして。
手に持ったままのラノベがすごい勢いで振り回されている、いくつか残像が出てるぞ、いいぞ蔵曾!
抜群のキレだ!
右上へ高々と上がった腕を円を描いた振り下ろして左上へ、動画の通りやれてるじゃないか!
「へやっ」
その掛け声はよく解らんが最高だぞ! ばっちり撮影できてるぜ!
唖然として小学生全員が口をぽっかりと空けていたが、まあ、少々付き合ってやってくれ。
これは面白いもの書けるダンスなんだ、蔵曾のためにも必要なんだ。
いや、すまん。
何一つとして蔵曾のためにはならないが俺が満足するために必要なんだ。
蔵曾、すまんな。
お前のダンスは何一つとして面白いものが書けるようにはならん。
「はぁ……はぁ……」
五分くらい踊ってたかな?
流石に蔵曾もばててきていた。
そんなに運動はしていないだろうし、思った以上にきつそうだ。
小学生達は衝撃的過ぎて棒立ち状態。
周辺を歩く主婦達はひそひそ話をし始めた。
うん、楽しかった。
そろそろ学校に行くか。
「ちょっと君」
「……何」
……やばい。
蔵曾の後ろにいたのは、警察官。
誰かが通報したのかな?
ものすごい警戒心を抱いている気がする、蔵曾を見る目は明らかに変質者を見る目だ。
「小学生達に怪しいダンスを踊っていたという通報があって来たのだが」
やけに到着が早いな。
……あっ。
交番何気に近くだわ。
いつも朝に薫との待ち合わせ場所の近くにあったな、すっかり忘れていたよ。
「これは面白いもの書けるダンス」
「何を言ってるのか解らないが、ちょっと交番に来てもらおうか」
俺はすぐに物陰へ隠れた。
「待って。彼から教えてもら――」
「彼って誰だね? 何処にいるんだい?」
聞き耳を立てて、俺は物陰で様子を伺う。
「さっきまで、いた」
「交番でゆっくりと話をしよう」
「誤解」
「何が誤解かね」
「私は、ただ、面白いもの書けるダンスを」
「そんなダンス聞いた事がない。君は学校へ向かう小学生を狙ってタチの悪い悪戯をしていたんだろう!?」
「違う」
「兎に角、来なさい!」
「助けて」
……。
なんかあれだ。
「……蔵曾、正直すまんかった」
こうなるとは思ってもいなかったが、まあいいんじゃね? 中々ないよ? 交番に連れられるなんていう体験。
あとでもう一度謝るとしよう、うん、許してもらえるか解らないが。
少し遅れたがいつもの待ち合わせ場所に行き、ノアと薫と合流した。
「ちょっと遅かったな」
「な、なにか、あった?」
心配してくれるのはありがたいが、説明しづらいぜ。
「家を出るのが遅れてな」
とだけ、言っておく。
蔵曾の奴、今頃どうなってるのかな。
さあ、今日も楽しい学校生活を楽しもうじゃないか。
日に日に、校門をくぐるたびに注目度が増している気がする。
そりゃあノアと薫、二人の微笑が歩いていれば無理もないのだけどね。
片方は冴えない牛乳瓶みたいな眼鏡を掛けていて存在感が無いに等しく、もう片方は男だったというのにここ数日でそれはがらりと変わってしまった。
おかげで毎朝両手に華状態で学校へ行けるようになったが、四方から向けられる視線の中には俺への殺意も感じる。
教室では人気者二人の間に俺が座っている、この座席も蔵曾のおかげだ。やたら騒がしくて勘弁して欲しいぜ。
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