150 / 793
1章 魔法少女とは出逢わない
1章21 旗ノ下ノ定メ ①
しおりを挟む
「――ん……んぅ…………」
「マ、マナっ! よかった……目を覚ましたんスね……!」
小さく呻いて水無瀬 愛苗が目を覚ますと、彼女の友人であるネコ妖精のメロが安堵の声をあげる。
「……あれ……? わたし……?」
「つ、疲れてたんッス! マナは疲れてうっかり寝ちゃったんスよ!」
「つかれ……? あれ? そうだっけ……? そんなことないような……」
「いーや、あるッス! 魔力切れッス! いっぱい魔法使って魔力切れしちゃったんスよ!」
「そっかぁ……魔力切れかぁ……。メロちゃんずっと着いててくれたんだね? ゴメンね……?」
「な、なぁにっ、気にすることないッス! 魔力切れなら仕方ねぇーッス!」
水無瀬に気を失う前後の記憶があやふやな様子が見受けられ、メロはワンチャンに賭けて誤魔化しにいった。
お助けマスコットであるネコ妖精的には、自分の主にはトラウマ級の衝撃体験など出来れば忘れて欲しかったからだ。
しかし――
「……あれっ? でも……あっ――そうだ! ゴミクズーさんは⁉ 弥堂くんが……っ!」
「――えっ⁉ あっ、いや……、それは、その……大丈夫ッス!」
「えっ? だいじょうぶ……?」
「だだだだだいじょうぶッス! その、けっこう大丈夫っス!」
「そっかぁ……、だいじょうぶなんだね……」
意識の覚醒に伴い次第に記憶が鮮明になっていく水無瀬の認識の整合がとれるのを少しでも遅らせようとゴリ押しで悪足掻きをする。
メロは自分でもさすがにこれはどうかと思ったが、素直なよいこの愛苗ちゃん相手ならそれでも大丈夫そうだった。
「さ、さぁ……、そろそろ帰るッスよ。もうすぐ晩ごはんの時間ッス。朝にママさんがお花に水やりしながら『今夜はカレー♪』って口ずさんでたッス。悪いけどジブン今夜はガチらせてもらうッスよ」
「え? でも……、メロちゃんはネコさんだし、あんまり刺激の強いものをガチるのは……」
「あっ、えっと、だいじょうぶッス! 安心するッス! ちゃんとカレー抜きのカレーライスにしてもらうッス!」
「あ、そっか。カレーを抜けばいいのか。それなら安心だね! さすがメロちゃん、お利口さんだね!」
「――それはただの米だろうが。お前ら本気で言ってんのか?」
「――え?」
間に挟まれた声の方を見てみると、この魔法少女の活動の現場に巻き込んでしまった同級生の弥堂 優輝が呆れたような瞳を自分たちに向けていた。
路上に座り込んで何かしらの作業に没頭していた弥堂だったが、あまりに気の抜ける会話が聴こえてきた為に、つい手を止めて口を挟んでしまったのだ。
「あ、あわわわわわ……っ!」
「あ、弥堂くん。こんばんは。あのね? ちゃんとお肉とかも洗ってからメロちゃんにあげるから大丈夫なんだよ?」
「……だったらカレー鍋を経由する必要ないだろ。そのままくれてやれよ。生肉のままで十分だろ、そいつみたいなもん」
「なんだとーーッス! 誰がみたいなもんッスか! ちゃんとネコさんの健康にも気を遣えーッス! ポークカレーだったらどうしてくれんスか! ジブンどうなっちゃうんスか⁉」
「知るか」
大声で抗議するメロに迷惑そうな顔を見せると、彼はまた振り向いて元通り何かしらの作業を再開した。
「ところで弥堂くん。何して――」
「――ニャアァァーーーーッス!」
自身と彼との間の宙に浮くメロを右から迂回して弥堂の方を覗き込もうとすると、大慌てな様相でメロが視界に割り込んでくる。
「えっと、弥堂くんが何してるのかなーって――」
「――フニャアァーーーーッス!」
少しだけ怪訝そうにしながら今度は左側に身体を傾けて向こうを覗こうとすると、またもメロが素早く視界を塞いでくる。
ダラダラと顔面の毛皮から汗を流す彼女のことを、水無瀬はぱちぱちと瞬きをして見る。
「メロちゃん、どうしたの?」
「こ、これは――ッスッスディフェンスッス!」
「え?」
「しょ、勝負ッス、マナっ! 1ON1で決着をつけるッス!」
「えっ? えっ?」
「さぁこいッス! カンタンにジブンを抜けると思うなよッス!」
「え、えっと……、じゃあ、いくね……?」
戸惑いつつも水無瀬は『遊んでアピール』をする飼い猫と遊んであげることにしたようだった。
メロが塞ぐ方の逆をとりにいこうとする。
すると――
「ッス! ッス! ッス! ッス! ディーフェン! ディーフェンっ! ッス! ッス! ッス! ッス! ディーフェン! ディーフェンっ!」
「わぁ、すごいっ! メロちゃんがいっぱいいるみたい!」
残像を残すような速度で水無瀬の視界に身体を伸ばしてブロックをする。
水無瀬の目にはそれがネコさんの壁に見えた。
やがて体力を使い果たしゼェーゼェーと息を荒げるメロの肉球から滴る汁を、ポッケから取り出したハンカチで水無瀬が拭いてあげていると――
「おい、お前らさっきから何遊んでんだ」
「こっち向くんじゃあねえよおぉぉぉッバカやろうがあぁッ!」
ネコごときに怒鳴られて弥堂は不快げに眉を歪める。
「なに気分害してんだテメーッ! さっきからジブンがどんだけ苦労して隠してっと思ってんだボケがッ! 少しは空気を読まんかいぃっ!」
「あ? ネコの分際であまりナメた口をきくなよ。躾をされたいか?」
「――あっ⁉」
弥堂が立ち上がり二人の方へ歩き出そうとしたことで、水無瀬の目から隠されていたモノが白日の下に晒された。
「あっ……、あっ……、そんな……ネズミさん……」
彼女は息を呑む。
「なにしてくれとんじゃボケェーーッス!」
「なにだと? お前らのためにペンダントを取り返した上に時間稼ぎまでしてやってたんだろうが」
「そうだったーーッ! けどっ! コンプラを! コンプラを守って欲しいッス!」
「コンプラ……? 意味のわからんことを言うな。ここは戦場だぞ」
言い合いをする弥堂とメロを他所に、水無瀬はペタンと地面にヘタリこむと――
「ひぐっ……、うぇぇ……、うわぁぁぁぁーーんっ!」
――ギャン泣きをした。
「あっ、あぁ、マナっ! ちくしょう……っ! かわいそうに……っ!」
「おい、うるせえぞ。さっさとしろ」
「このど畜生がよおぉっ! オマエふざけんなよ! こんなグロ死体、完全に18禁だろうがっ! エグイもんをウチのマナに見せんじゃねぇッスよ! オマエこれ淫行だからな! 条例にひっかかるッスよ!」
「死体? 死んでねえぞ」
不可解そうに首を傾げると、弥堂はネズミさんの惨殺死体だと思われるものに爪先を蹴り入れる。
すると短く細い声で呻き、ゴミクズーは僅かに身動ぎをした。
それを見た愛苗ちゃんはさらに大きな声で泣く。
「う、うぇぇぇ……、グロすぎッス……。ジブンも毛玉吐きそうっス……」
「よくわからんがこいつがあるのが問題なら、魔法を撃ち込んで消しちまえばいいだろ。とっととこの生ゴミ処分しろ」
「ギャアァァァーッ⁉ 痛い痛い痛いッスー! やめろーっ!」
言いながら弥堂がネズミの頭蓋骨から生えた鉄筋に足を乗せてゴリゴリと踏み躙ると、メロは体感幻覚に似た痛みを感じて頭を抱えた。
「チクショー……、このクソニンゲンめ。やりたい放題してくれやがって……、もう許せねえッス!」
「ほう」
「所詮は高校生のガキ。多少燥いでるくらいなら見逃してやろうと思ったッスけど、マナを泣かしたのは完全にライン越えッス!」
「そうか」
「毎日水無瀬家の押入れの襖を引っ掻いて研いでる、この自慢の爪でズタズタに引き裂いてやるッス!」
「お前、本当に何の躾もされてないのか?」
「ククク……ジブンのことより自分のことを心配するんスね」
「……結局誰を心配すればいいんだ?」
「いい加減にその減らない口を閉じろ、ニンゲン。崇高なるネコ妖精のこのワレが矮小なるキサマをシツケてくれるわ」
「そうか。やる気なら余計な口をきかずにとっとと向かってこい。お前の全身の骨を粉々にしてそこのネズミの腹の中に詰めてやる」
「フン……」
崇高なるネコ妖精は頭を低くしてお尻を少し持ち上げて構える。
前足で地面を均すようにフミフミしながら若干後退すると、全身の毛をぶわっと逆立たせてプシッと粗相をした。
「ビビってんじゃねえか」
「チッ、チチチチビってねぇーしッ⁉」
口ぶりとは裏腹にプルプルと震えるメロを、弥堂はつまらなそうに見下した。
「まぁいい。お前はいちいち煩くて生意気だ。ついでにここで躾てやる」
「グッ、ウゥ……」
メロは気圧され後退る。
すると尻尾が何かに触れたことにより、後退する足が止まる。
自分の後ろには泣いている友人がいることを思い出した。
その彼女の後ろへと隠れるか、それとも前に出るか。
その判断に逡巡している間に目の前の男がこちらへ近づこうと一歩を踏み出した。
決断を下す速度に決定的な差がある。
それでもまだ、メロは決断をすることが出来ずに弥堂の二歩目の足が路面を踏むのをただ見つめ――
「――そこまでだぁーーーっ!」
背後から弥堂ではない男の声が突如響き、そして一つの人影が宙を舞った。
「マ、マナっ! よかった……目を覚ましたんスね……!」
小さく呻いて水無瀬 愛苗が目を覚ますと、彼女の友人であるネコ妖精のメロが安堵の声をあげる。
「……あれ……? わたし……?」
「つ、疲れてたんッス! マナは疲れてうっかり寝ちゃったんスよ!」
「つかれ……? あれ? そうだっけ……? そんなことないような……」
「いーや、あるッス! 魔力切れッス! いっぱい魔法使って魔力切れしちゃったんスよ!」
「そっかぁ……魔力切れかぁ……。メロちゃんずっと着いててくれたんだね? ゴメンね……?」
「な、なぁにっ、気にすることないッス! 魔力切れなら仕方ねぇーッス!」
水無瀬に気を失う前後の記憶があやふやな様子が見受けられ、メロはワンチャンに賭けて誤魔化しにいった。
お助けマスコットであるネコ妖精的には、自分の主にはトラウマ級の衝撃体験など出来れば忘れて欲しかったからだ。
しかし――
「……あれっ? でも……あっ――そうだ! ゴミクズーさんは⁉ 弥堂くんが……っ!」
「――えっ⁉ あっ、いや……、それは、その……大丈夫ッス!」
「えっ? だいじょうぶ……?」
「だだだだだいじょうぶッス! その、けっこう大丈夫っス!」
「そっかぁ……、だいじょうぶなんだね……」
意識の覚醒に伴い次第に記憶が鮮明になっていく水無瀬の認識の整合がとれるのを少しでも遅らせようとゴリ押しで悪足掻きをする。
メロは自分でもさすがにこれはどうかと思ったが、素直なよいこの愛苗ちゃん相手ならそれでも大丈夫そうだった。
「さ、さぁ……、そろそろ帰るッスよ。もうすぐ晩ごはんの時間ッス。朝にママさんがお花に水やりしながら『今夜はカレー♪』って口ずさんでたッス。悪いけどジブン今夜はガチらせてもらうッスよ」
「え? でも……、メロちゃんはネコさんだし、あんまり刺激の強いものをガチるのは……」
「あっ、えっと、だいじょうぶッス! 安心するッス! ちゃんとカレー抜きのカレーライスにしてもらうッス!」
「あ、そっか。カレーを抜けばいいのか。それなら安心だね! さすがメロちゃん、お利口さんだね!」
「――それはただの米だろうが。お前ら本気で言ってんのか?」
「――え?」
間に挟まれた声の方を見てみると、この魔法少女の活動の現場に巻き込んでしまった同級生の弥堂 優輝が呆れたような瞳を自分たちに向けていた。
路上に座り込んで何かしらの作業に没頭していた弥堂だったが、あまりに気の抜ける会話が聴こえてきた為に、つい手を止めて口を挟んでしまったのだ。
「あ、あわわわわわ……っ!」
「あ、弥堂くん。こんばんは。あのね? ちゃんとお肉とかも洗ってからメロちゃんにあげるから大丈夫なんだよ?」
「……だったらカレー鍋を経由する必要ないだろ。そのままくれてやれよ。生肉のままで十分だろ、そいつみたいなもん」
「なんだとーーッス! 誰がみたいなもんッスか! ちゃんとネコさんの健康にも気を遣えーッス! ポークカレーだったらどうしてくれんスか! ジブンどうなっちゃうんスか⁉」
「知るか」
大声で抗議するメロに迷惑そうな顔を見せると、彼はまた振り向いて元通り何かしらの作業を再開した。
「ところで弥堂くん。何して――」
「――ニャアァァーーーーッス!」
自身と彼との間の宙に浮くメロを右から迂回して弥堂の方を覗き込もうとすると、大慌てな様相でメロが視界に割り込んでくる。
「えっと、弥堂くんが何してるのかなーって――」
「――フニャアァーーーーッス!」
少しだけ怪訝そうにしながら今度は左側に身体を傾けて向こうを覗こうとすると、またもメロが素早く視界を塞いでくる。
ダラダラと顔面の毛皮から汗を流す彼女のことを、水無瀬はぱちぱちと瞬きをして見る。
「メロちゃん、どうしたの?」
「こ、これは――ッスッスディフェンスッス!」
「え?」
「しょ、勝負ッス、マナっ! 1ON1で決着をつけるッス!」
「えっ? えっ?」
「さぁこいッス! カンタンにジブンを抜けると思うなよッス!」
「え、えっと……、じゃあ、いくね……?」
戸惑いつつも水無瀬は『遊んでアピール』をする飼い猫と遊んであげることにしたようだった。
メロが塞ぐ方の逆をとりにいこうとする。
すると――
「ッス! ッス! ッス! ッス! ディーフェン! ディーフェンっ! ッス! ッス! ッス! ッス! ディーフェン! ディーフェンっ!」
「わぁ、すごいっ! メロちゃんがいっぱいいるみたい!」
残像を残すような速度で水無瀬の視界に身体を伸ばしてブロックをする。
水無瀬の目にはそれがネコさんの壁に見えた。
やがて体力を使い果たしゼェーゼェーと息を荒げるメロの肉球から滴る汁を、ポッケから取り出したハンカチで水無瀬が拭いてあげていると――
「おい、お前らさっきから何遊んでんだ」
「こっち向くんじゃあねえよおぉぉぉッバカやろうがあぁッ!」
ネコごときに怒鳴られて弥堂は不快げに眉を歪める。
「なに気分害してんだテメーッ! さっきからジブンがどんだけ苦労して隠してっと思ってんだボケがッ! 少しは空気を読まんかいぃっ!」
「あ? ネコの分際であまりナメた口をきくなよ。躾をされたいか?」
「――あっ⁉」
弥堂が立ち上がり二人の方へ歩き出そうとしたことで、水無瀬の目から隠されていたモノが白日の下に晒された。
「あっ……、あっ……、そんな……ネズミさん……」
彼女は息を呑む。
「なにしてくれとんじゃボケェーーッス!」
「なにだと? お前らのためにペンダントを取り返した上に時間稼ぎまでしてやってたんだろうが」
「そうだったーーッ! けどっ! コンプラを! コンプラを守って欲しいッス!」
「コンプラ……? 意味のわからんことを言うな。ここは戦場だぞ」
言い合いをする弥堂とメロを他所に、水無瀬はペタンと地面にヘタリこむと――
「ひぐっ……、うぇぇ……、うわぁぁぁぁーーんっ!」
――ギャン泣きをした。
「あっ、あぁ、マナっ! ちくしょう……っ! かわいそうに……っ!」
「おい、うるせえぞ。さっさとしろ」
「このど畜生がよおぉっ! オマエふざけんなよ! こんなグロ死体、完全に18禁だろうがっ! エグイもんをウチのマナに見せんじゃねぇッスよ! オマエこれ淫行だからな! 条例にひっかかるッスよ!」
「死体? 死んでねえぞ」
不可解そうに首を傾げると、弥堂はネズミさんの惨殺死体だと思われるものに爪先を蹴り入れる。
すると短く細い声で呻き、ゴミクズーは僅かに身動ぎをした。
それを見た愛苗ちゃんはさらに大きな声で泣く。
「う、うぇぇぇ……、グロすぎッス……。ジブンも毛玉吐きそうっス……」
「よくわからんがこいつがあるのが問題なら、魔法を撃ち込んで消しちまえばいいだろ。とっととこの生ゴミ処分しろ」
「ギャアァァァーッ⁉ 痛い痛い痛いッスー! やめろーっ!」
言いながら弥堂がネズミの頭蓋骨から生えた鉄筋に足を乗せてゴリゴリと踏み躙ると、メロは体感幻覚に似た痛みを感じて頭を抱えた。
「チクショー……、このクソニンゲンめ。やりたい放題してくれやがって……、もう許せねえッス!」
「ほう」
「所詮は高校生のガキ。多少燥いでるくらいなら見逃してやろうと思ったッスけど、マナを泣かしたのは完全にライン越えッス!」
「そうか」
「毎日水無瀬家の押入れの襖を引っ掻いて研いでる、この自慢の爪でズタズタに引き裂いてやるッス!」
「お前、本当に何の躾もされてないのか?」
「ククク……ジブンのことより自分のことを心配するんスね」
「……結局誰を心配すればいいんだ?」
「いい加減にその減らない口を閉じろ、ニンゲン。崇高なるネコ妖精のこのワレが矮小なるキサマをシツケてくれるわ」
「そうか。やる気なら余計な口をきかずにとっとと向かってこい。お前の全身の骨を粉々にしてそこのネズミの腹の中に詰めてやる」
「フン……」
崇高なるネコ妖精は頭を低くしてお尻を少し持ち上げて構える。
前足で地面を均すようにフミフミしながら若干後退すると、全身の毛をぶわっと逆立たせてプシッと粗相をした。
「ビビってんじゃねえか」
「チッ、チチチチビってねぇーしッ⁉」
口ぶりとは裏腹にプルプルと震えるメロを、弥堂はつまらなそうに見下した。
「まぁいい。お前はいちいち煩くて生意気だ。ついでにここで躾てやる」
「グッ、ウゥ……」
メロは気圧され後退る。
すると尻尾が何かに触れたことにより、後退する足が止まる。
自分の後ろには泣いている友人がいることを思い出した。
その彼女の後ろへと隠れるか、それとも前に出るか。
その判断に逡巡している間に目の前の男がこちらへ近づこうと一歩を踏み出した。
決断を下す速度に決定的な差がある。
それでもまだ、メロは決断をすることが出来ずに弥堂の二歩目の足が路面を踏むのをただ見つめ――
「――そこまでだぁーーーっ!」
背後から弥堂ではない男の声が突如響き、そして一つの人影が宙を舞った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる