とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第28話 第一期期末試験②~学科試験結果~

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 第一期期末試験が開始され1日目が終了した。
 初日は学科試験が午前と午後で2科目づつ行われ、1日目で4科目が終了した。
 手ごたえとしては、十分あったので、全く心配はせずその日は大図書館にて、次の日の残る2科目の復習を行ってから、私は寮へと帰った。

 寮では皆、試験がどうだったかと話していた。
 中には自信満々の者もいれば、手ごたえがなく勉強不足だったと言っている者もいた。
 私はそのまま食堂にて夕飯も食べてしまい、終わると自室に戻りシャワーをトウマがいない内に済まし、復習してからその日は就寝した。
 次の日、2日目の学科試験が午前中に行われ、無事に全学科試験が終了した。

「枚数も確認出来た。これにて、第一期期末試験の学科試験は終了だ。午後には、学科試験の結果が出て順位も分かるからな。それでは解散」

 私たちの担任教員がそう言うと、皆は力が抜けたように机に突っ伏した。

「はぁ~~やっと終わったわ~」
「疲れた、疲れた。昼飯行こうぜ、トウマ」
「ケビン、今回はどうだったよ?」
「もちろん完璧だ」

 あちこちで試験からの一時的な開放で、話しているとトウマが私に話し掛けて来た。

「おーい、クリス。よかったら、俺たちと昼飯どうだ?」

 そこには、トウマ、ライラック、リーガの3人がいた。
 私は学科試験も一段落した事だし、気持ちをリセットする意味でもいいかもと思い、トウマたちと昼飯を食べに行った。
 寮にも食堂はあるが、昼に関しては学院にある大食堂が開いているので、基本的にはそこで昼飯を食べている。

 大食堂は、男女共に使用でき、500人程収納できる大きな場所であり、メニューも充実しているのが人気の1つで、営業終了まで必ず人がいる場所だ。
 今日は学科試験終わりという事で、いつもより人の入りが多く、昼飯を買うまで時間がかかってしまった。
 ちなみにここでの食事は、食券を購入するのだが、それはポイントで購入することになる。
 基本的に最低1ポイントから最高10ポイント内のメニューなので、最低1ポイントだけから購入出来るのも、人気の1つだ。

「ふー、やっと昼飯にありつけるな。やっぱり、試験終わりの日は、皆大食堂に来るよな」
「そりゃなぁ。メニューも豊富、上手い、ポイントもそんなに取られないの三拍子揃った、夢みたいな場所だしな」
「何にしろ、後は実力試験だけだし、気持ちが楽だよな」

 トウマたちが話していると、トウマが私に実力試験も自信あるかと問いかけて来た。

「もちろんだ。試験内容は、まだ分からないが、どんな内容だろうがルークに勝ってやるつもりさ」
「流石クリス。ルークをライバル視する気持ちは、変わってないな」
「何々、クリス、ルークをライバル視してるのか? 凄い奴をライバル視してるな~」
「それじゃ、学科試験の方も完璧だったのか?」
「そりゃ、手ごたえあるよ。そのくらいじゃないと、前回の最終期末試験トップの奴に勝てないしね」
「「ふぅ~やるう~クリス」」

 トウマたちが声を合わして、私に両手の人差し指を向けて褒めてるのか、馬鹿にしてるのか分からない掛け声をして来た。
 その後も談笑しながら、昼飯を食べていると、シンが周囲をキョロキョロしながら歩いていたのを見かけて、トウマが呼び止めた。

「ん? おい、シン。こっちに席、開いているぞ」

 するとシンはトウマの呼びかけに気付き、頷くとこちらにやって来て開いている席に座った。
 シンは黙ったまま、トウマにお辞儀してお礼をすると昼飯を食べ始めた。

 シンは、以前ルークから聞いたが、クレイス魔法学院からの生徒交換で在学している少し特殊なクラスメイトだ。
 魔力分類は基本的に全て平均的で、ノルマに近いが、彼は変身魔法と言う変わった魔法が使える。
 名前の通り、誰かに変身出来るのだ。
 私も転入初日に担任教員に変身され、騙されている。
 それと特徴が、全く話さないで頷きだけで会話が成立しているとこだ。

 彼は首を縦に振るか、横に振るかのみで、皆との会話が成立しており皆は既に慣れているのか気にしていないが、私はまだ慣れずどうしてそれで会話が成立しているのか、謎に思っているほどだ。
 そう言えばシンは、ルークと同室だったよな。
 もしかしたらシンなら、ルークの弱点とか知ってるかもしれないな。
 ちょっと聞いてみようかな。

 私は、シンの方を向いて、ルークの弱点など知らないか問いかけた。
 シンはどうしてそんな質問をするのかと首を傾げていると、トウマが私がルークに勝ちたいから聞いていると説明してくれると、シンも納得したのか軽く頷いていた。
 暫く考えてからシンは私の方を向いて、首を横に振った。

「えっと…これは、どういう意味の首振り?」
「なるほど。同室のシンでも、ルークの弱点は分からないと」
「えっ、どうして今の首振りだけで、そんなことまで分かるの?」
「ん? どうしてって言われてもな、そう言っているよな?」

 トウマの問いかけに、ライラックもリーガも、そうだなと普通に答え、私は少し戸惑った。
 何故、あの首振りだけでそこまで理解出来るんだ? これが共に過ごしてきた友情がなせる業なのか?
 と、私が変な方向に思考を向け始めていると、クラスメイトのピース、ニック、フェルトが通りかかる。

「おっ、トウマ、ライラック、リーガ、シンにクリスもいるじゃねぇか。どうだったよ、試験」
「フェルトか。お前がうちの寮生と飯食ってるの珍しいな」
「変な言い方しないでくれよ、トウマ。俺だって、オービン寮生だぞ、いつも別の寮生と一緒に居る訳じゃねぇよ。なっ、ニック」
「俺に聞くな、フェルト。ピースにでも聞けよ」
「僕? ん~フェルトはよく、おごってくれたりするからいい奴だよ」
「おいおい、ニック冷たいこと言うなよ、初等部からの仲だろ。それに、ピースも飯換算で考えるのは止めてくれよ~」

 フェルトが笑いながら、ピースとニックに言い返していた。
 フェルトは、誰とでもすぐに仲良くなる変人とクラスでは言われている。
 他の寮生とも仲がよく、いつも別の寮生といる事が多く、顔が広いのが特徴だ。
 彼は相手の懐に入るのがうまく、仲良くなる変人であるが、相手から聞いた話は絶対に誰にも話さないと口の堅さでも有名らしい。

 次にピースは、体系が少しふくよかなのが特徴で、大食堂の住人と言われている。
 大食堂のメニューを制覇している猛者であり、食に目がない。
 彼は魔力分類よりも、学力が高く学者向きと言われているが、将来は美食家になるのが夢らしい。
 この世の美味しいものや埋もれて消えてしまう食べ物を、世の中に広めたいと思っているのだ。

 最後にニックは、オービン寮内でもルークに次ぐ実力者と言われている。
 だが基本的に授業では、全くやる気を見せず平均的な点数を取る人だ。
 しかし、トウマが言うには期末試験では全力で取り組むらしく、理由は結果で順位や成績が下がると家から呼び出しをくらうらしく、それが嫌なので期末試験だけは本気でやるらしい。
 普段から本気を出せばいいのではと私は思うのだが、本人曰くやる気にならないとらしく、やる気になる事しかやらないのだと。

「ねぇ、僕先に食べてもいいかな? もう、お腹ペコペコだよ~」
「あぁ、ごめんごめん。じゃ、俺たちはあっちで食うから、またなトウマ。」

 そう言ってフェルトは、私たちに軽く手を振って、ピースの後を追った。
 ニックは暫くその場に残って、何故か私の方を見ていた。

「な、何、ニック?」
「いや、別に何でもねぇよ」
「?」

 そう言ってニックも、フェルトの後を追って行った。
 何だったんだ、あの微妙な間は? 何か私に言いたげだったのかな? 分からん。
 私がニックの行動に首を傾げていると、学院中にアナウンスが入った。

「先程、学科試験の採点が終了しました。これより、各寮ごとの順位を発表いたします。各自近くの掲示板にて確認できるので、自由に確認してください」

 そのアナウンスが終了後、大食堂近くにある掲示板に生徒たちが集まり出す。
 そして結果が貼り出されると生徒がざわつきだす。
 私たちも遅れて掲示板を見に行くと、結果内容に皆が驚いていた。

「おいおい、マジか」
「こりゃ、実力試験が楽しみだな」
「へぇ~やるじゃん、クリス」
「これくらい当然。これであいつが焦ってくれると、面白いけど」

 学科試験の結果内容、オービン寮内の順位で私は、ルークを抜かし1位であった。
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