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第37話 初デートと怪しい3人組
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ルークは、クリスとの約束の時間の30分前に、集合場所であるジェルバンス内でも有名な、噴水の時計台に到着していた。
辺りにクリスらしき人物も見つからない為、早く着き過ぎたかと思い、近くにある腰掛けられる椅子の様な場所で待つことにした。
ルークにとって、久しぶりの外出でもあり、この日は休日でもある為か、予想よりも多くの人が噴水の時計台近くにいた。
「(集合をここにしたはいいが、あいつどんな格好してくるんだ? こんなに人がいるなら、せめて事前に聞いておくべきだったな)」
などと思いつつ、約束の時間まで持ってきた本を読み待っていると、突然見知らぬ長髪の金髪で眼鏡を掛けた女性に声を掛けらて驚く。
「ねぇ、そこのイケてる貴方。これから、私とデートしない?」
「申し訳ない、今日は友人と待ち合わせをしているんだ。声を掛けてくれたのは光栄だが、別の日にまた見かけたら声を掛けてくれ」
ルークはその相手の顔を見ずに、優しい口調で断った。
心の中では、またナンパかと呆れていた。
ここに来るまでも、女性に声を掛けれていたので、手慣れたように対応したがその女性は立ち去らず、正面に立ったままだった。
それに気付き、目線を向けるとルークは、目を見開いたて黙ってしまう。
すると正面の女性が、何故か小さくガッツポーズした。
「よしっ! どうだみたか、ルーク。お前が見惚れるほど、いい女にお前はいつも変なちょっかい出してたんだぞ。少しは改めろ!」
「……っえ。お前、まさかクリスなのか?」
「おいおい、確かに髪も長めに戻して、服も女性らしくお店の人のおすすめを着ているが、本当に分からなかったか?」
「あぁ、全然分からなかった」
そのルークの言葉は、何故か少し気の抜けた感じだったが、ルークが私に見惚れているからだと受け取って、気分がよくなった。
それに、久しぶりに素の自分でいられるので、ストレスがなく伸び伸びできるのも関係しているのだろうと思っていた。
口調に関しては、少し男ぽっさが抜けてない所もあるが、そこはもう気にしない事にしていた。
「まぁ、逆に言えばここまで完全に素になれば、誰にもクリスだと思われないだろ。まさか、お前まで見抜けないとはな。私の変装は完璧だったという事だな」
「あぁ、そうだな」
「おいルーク。さっきからなんだよ、その気の抜けた返事は? 少しは褒めたらどうだ。お前の為に、服も買ってデートしてやるんだから」
「少し知り合いに似てて、驚いただけだ。似合ってるよ、マリア」
「……う~ん。言わせておいてあれだが、何かお前に言われても、何にもときめかないな~」
「失礼過ぎるだろ、お前。で、今日は、どっちの名前で呼んでいいんだ?」
そう聞かれた私は、一瞬アリスと言いそうになるも、ルークにはマリアで通しているのを思い出し、そっちの名前でと伝えた。
「にしても、本当にクリスの面影が全くないな。服と髪の違いでここまで変わるとは、改めてお前が女だと実感できたわ」
「変な所に関心するな。それで、今日はどこに連れてってくれるんだ?」
するとルークは、首を傾げたので、私も首を傾げた。
そして暫く沈黙が続き、私はもしかしてと思い口を開いた。
「お前まさかだが、デートに誘っておいて何もプランがないとかじゃ、ないだろうな?」
「はぁ? 何言ってるんだ、誘ったのはお前だろうが」
「いやいや、にしてもだな、条件でデートを出してるのはお前だからな。はぁ~お前それじゃいつか、婚約者に見限られるぞ」
「……あ~婚約者ね。それは問題ないよ」
その何故か自信ありげな答え方に、少しムッとしたが、それよりもこの後どうするかの方が大事なので、意識を変えた。
まさか本当にプランを何も用意してないとは、男としてどうなんだよ……少しは考えたりするだろ。
もしかして私がそう思っているだけで、常識はそうじゃないのか? いやいや、今はそんな私の常識がどうのとかは考えなくていいんだ。
全くどうしてこんな性格も悪くて、デート初心者みたいな奴が、学院でモテたりするんだ? ジュリルには悪いが、全く好きになれる箇所が私にはないぞ。
さて、どうしたものか……とりあえず、ここにいても仕方ないし、ぶらつきながら考えるか
「ひとまず、ここにずっといても仕方ないし、適当にデートぽく歩き回るか」
「お前がそういうなら、そうするか」
そう言ってルークが先に歩き出すが、私は一歩もそこを動かなかった。
疑問に感じたルークが振り返り、どうしたと言われるが、私はそっぽを向いた。
全く意図が分からないルークに私はしびれを切らせ、こっちに来いと呼ぶとルークが近寄って来た。
「お前、デリカシーなさすぎだろ。もしかして、女の子とデートした事ないだろ、そんなにモテるくせに!」
「なっ!?」
思っていた以上の動揺を見せたので、これは図星だなと分かり、ため息をついた。
「いい、女の子とデートする時には男がリードするもんなのよ。それなのに、お前はプランもなし、代わりに私が考えた案も、お前がそういうならとか、他人事のように言いやがって。そんな奴とデートしたいとは、この世の誰も思わないわ! というか、こっちから願い下げだわ!」
「っう」
少し目線を落とし、落ち込む様な表情を見せるルークに私は、流石にここまで言えば理解するし、落ち込むんだなこいつもと思っていた。
まぁ、私も経験がある様に偉そうに言っているが、全てマリアからの受け売りなんだけどもね。
私はマリアからの受け売り知識をフル回転させ、デートでの振る舞いをルークに叩き込んだ。
以外にも真剣に聞くルークに、女子との接し方とか興味あるんだと男子の一面を見て、こいつも意外と内面はトウマたちと変わらないのかもしれないと思った。
レクチャーが終了すると、ルークは自身に満ちた顔に戻り、私に手を差し出して来た。
「それじゃ行こうか、マリア」
「なっ……」
「どうしたんだい? 今日は、俺とのデートなのだから手を繋いでほしいな、マリア」
優しい口調と微笑みに、私は不覚にも恥ずかしくなってしまい、うつむきながらその手を取った。
そして顔を上げると、ルークが仕返しとばかりに、やってやったぞと言う顔をしていて、違う意味で顔が赤くなった。
そのまま握力対決の様に、力強く握り合いながら私とルークは歩き出した。
そんな姿を遠くの方から、物陰に隠れながら見つめる怪しい3人組みがいた。
「ちょっと! 手、手を握ってますわよ! どういう事ですの、自称親友!」
「その呼び方止めろ! トウマって言えよ、トウマって! だからさっきも言ったが、俺に聞かれても知らん」
「2人とも、喧嘩してると気付かれるよ。まぁ、この時点で周囲からは、怪し人にしか見られてないと思うけど」
周囲から見ると、3人はあからさまに怪しい感じがにじみ出ていたのだった。
「にしても、やたらと楽しそうに会話するな。ルークが女子と仲いいのなんて、あんま見たことないから、新鮮だ」
「本当ですわ。学院でも、あまり一緒になる事が少ないのに、学院外であんな女狐がルーク様に近付いて、あわよくば陥れようとしているなんて!」
「ジュリル様、さすがにそれはないんじゃないかと……普通にデートしているだけに見えますけど」
「デート? あれのどこがデートですのよ! 絶対に認めませんわ、あれは絶対にデートなどではなく、あの女狐がルーク様を陥れようとするための作戦なんですわ!」
「(え~あれがデートじゃないなら、何がデートなんですかジュリル様……それは単に嫉妬してるだけですよ……)」
レオンは、小さくため息をついた。
するとルークたちが動き始めたので、トウマとジュリルが前のめりで動き出す。
レオンも遅れて渋々ながら、後を追った。
その後、ルークと謎の女性を尾行し続けるも、ただ単にこの街の観光名所を回ったり、ティータイムをしたり、アクセサリーショップに寄ったりと何の変哲もない、どこからどう見ても楽し気なデートをしていた。
トウマとジュリルは、それをずっと見ながら何やらぶつぶつと言っていたが、途中からレオンは全く聞かずに2人の後を付いて行くのみだった。
そして、この日街でイベントが行われいる広場をルークたちが歩いているのを、怪しい3人組みが出店で売っていた物を食べながら尾行していると、後方から叫び声が聞こえる。
「ひったくりー! 誰か、そこのひったくりを捕まえて!」
「っ!」
いち早く気づいたのは、レオンであった。
直ぐにジュリルとトウマも気付き、振り返ると後方からどけどけと言いながら、魔法を使う輩たちがこちらに向かって来ていた。
「おいおい、こんな街中で魔法を使うとか、犯罪者にしちゃやり過ぎだろ」
「自称親友の言う通りよ、魔法や魔力は認められた場所以外での使用は禁止とされていると言うのに、それを悪事に使うとは許せませんわ!」
「全く同感です」
そして、ひったくり犯の先頭の1人がレオンたちに近付いて、魔法で脅そうとするとが、それより早くレオンが先頭にいたひったくり犯の懐に入り込み、肘鉄を腹部に叩き込んだ。
すると後方から、残りのひったくり犯2人が、レオンにやられた奴を見捨てて、避けるように走り抜けた。
「ジュリル様、任せました」
「レオン、貴方に言われるまでもないわ!」
ジュリルは、2人のうち片方のひったくり犯の前に立ち塞がる。
そのひったくり犯が、どけと大声をだすもジュリルは一歩も引かず、突き出して来た腕を掴むと、突っ込んで来た勢いのまま投げ飛ばした。
「自称親友、残りは任せたわ」
「だから、その呼び方止めろっての!」
トウマは残ったひったくり犯に向かい、足を引かっ掛けるように蹴りだし、相手をふらつかせる。
そのままトウマは、相手に飛び掛かかって抑え込み、3人掛でひったくり犯を捕まえたのだった。
周囲の人たちは、勇敢な若者たちを称えて拍手していた。
数分後には、騒ぎを聞いて駆け付けた警備団の人たちに引き渡し一件落着したのだ。
だが3人は、思わぬ事態で目立ってしまいそこにルークたちが近付いて来て、3人がいる事がバレてしまうのだった。
「何だ、この騒ぎは……あっ」
「どうしたんだよ、ルーク。急に話さなくなって……えっ」
騒ぎの中心にトウマ、レオン、ジュリルがいたことに、私は言葉を失った。
どうしてこの3人がここに居るの? もしかして、最初から後をつけられてた?
辺りにクリスらしき人物も見つからない為、早く着き過ぎたかと思い、近くにある腰掛けられる椅子の様な場所で待つことにした。
ルークにとって、久しぶりの外出でもあり、この日は休日でもある為か、予想よりも多くの人が噴水の時計台近くにいた。
「(集合をここにしたはいいが、あいつどんな格好してくるんだ? こんなに人がいるなら、せめて事前に聞いておくべきだったな)」
などと思いつつ、約束の時間まで持ってきた本を読み待っていると、突然見知らぬ長髪の金髪で眼鏡を掛けた女性に声を掛けらて驚く。
「ねぇ、そこのイケてる貴方。これから、私とデートしない?」
「申し訳ない、今日は友人と待ち合わせをしているんだ。声を掛けてくれたのは光栄だが、別の日にまた見かけたら声を掛けてくれ」
ルークはその相手の顔を見ずに、優しい口調で断った。
心の中では、またナンパかと呆れていた。
ここに来るまでも、女性に声を掛けれていたので、手慣れたように対応したがその女性は立ち去らず、正面に立ったままだった。
それに気付き、目線を向けるとルークは、目を見開いたて黙ってしまう。
すると正面の女性が、何故か小さくガッツポーズした。
「よしっ! どうだみたか、ルーク。お前が見惚れるほど、いい女にお前はいつも変なちょっかい出してたんだぞ。少しは改めろ!」
「……っえ。お前、まさかクリスなのか?」
「おいおい、確かに髪も長めに戻して、服も女性らしくお店の人のおすすめを着ているが、本当に分からなかったか?」
「あぁ、全然分からなかった」
そのルークの言葉は、何故か少し気の抜けた感じだったが、ルークが私に見惚れているからだと受け取って、気分がよくなった。
それに、久しぶりに素の自分でいられるので、ストレスがなく伸び伸びできるのも関係しているのだろうと思っていた。
口調に関しては、少し男ぽっさが抜けてない所もあるが、そこはもう気にしない事にしていた。
「まぁ、逆に言えばここまで完全に素になれば、誰にもクリスだと思われないだろ。まさか、お前まで見抜けないとはな。私の変装は完璧だったという事だな」
「あぁ、そうだな」
「おいルーク。さっきからなんだよ、その気の抜けた返事は? 少しは褒めたらどうだ。お前の為に、服も買ってデートしてやるんだから」
「少し知り合いに似てて、驚いただけだ。似合ってるよ、マリア」
「……う~ん。言わせておいてあれだが、何かお前に言われても、何にもときめかないな~」
「失礼過ぎるだろ、お前。で、今日は、どっちの名前で呼んでいいんだ?」
そう聞かれた私は、一瞬アリスと言いそうになるも、ルークにはマリアで通しているのを思い出し、そっちの名前でと伝えた。
「にしても、本当にクリスの面影が全くないな。服と髪の違いでここまで変わるとは、改めてお前が女だと実感できたわ」
「変な所に関心するな。それで、今日はどこに連れてってくれるんだ?」
するとルークは、首を傾げたので、私も首を傾げた。
そして暫く沈黙が続き、私はもしかしてと思い口を開いた。
「お前まさかだが、デートに誘っておいて何もプランがないとかじゃ、ないだろうな?」
「はぁ? 何言ってるんだ、誘ったのはお前だろうが」
「いやいや、にしてもだな、条件でデートを出してるのはお前だからな。はぁ~お前それじゃいつか、婚約者に見限られるぞ」
「……あ~婚約者ね。それは問題ないよ」
その何故か自信ありげな答え方に、少しムッとしたが、それよりもこの後どうするかの方が大事なので、意識を変えた。
まさか本当にプランを何も用意してないとは、男としてどうなんだよ……少しは考えたりするだろ。
もしかして私がそう思っているだけで、常識はそうじゃないのか? いやいや、今はそんな私の常識がどうのとかは考えなくていいんだ。
全くどうしてこんな性格も悪くて、デート初心者みたいな奴が、学院でモテたりするんだ? ジュリルには悪いが、全く好きになれる箇所が私にはないぞ。
さて、どうしたものか……とりあえず、ここにいても仕方ないし、ぶらつきながら考えるか
「ひとまず、ここにずっといても仕方ないし、適当にデートぽく歩き回るか」
「お前がそういうなら、そうするか」
そう言ってルークが先に歩き出すが、私は一歩もそこを動かなかった。
疑問に感じたルークが振り返り、どうしたと言われるが、私はそっぽを向いた。
全く意図が分からないルークに私はしびれを切らせ、こっちに来いと呼ぶとルークが近寄って来た。
「お前、デリカシーなさすぎだろ。もしかして、女の子とデートした事ないだろ、そんなにモテるくせに!」
「なっ!?」
思っていた以上の動揺を見せたので、これは図星だなと分かり、ため息をついた。
「いい、女の子とデートする時には男がリードするもんなのよ。それなのに、お前はプランもなし、代わりに私が考えた案も、お前がそういうならとか、他人事のように言いやがって。そんな奴とデートしたいとは、この世の誰も思わないわ! というか、こっちから願い下げだわ!」
「っう」
少し目線を落とし、落ち込む様な表情を見せるルークに私は、流石にここまで言えば理解するし、落ち込むんだなこいつもと思っていた。
まぁ、私も経験がある様に偉そうに言っているが、全てマリアからの受け売りなんだけどもね。
私はマリアからの受け売り知識をフル回転させ、デートでの振る舞いをルークに叩き込んだ。
以外にも真剣に聞くルークに、女子との接し方とか興味あるんだと男子の一面を見て、こいつも意外と内面はトウマたちと変わらないのかもしれないと思った。
レクチャーが終了すると、ルークは自身に満ちた顔に戻り、私に手を差し出して来た。
「それじゃ行こうか、マリア」
「なっ……」
「どうしたんだい? 今日は、俺とのデートなのだから手を繋いでほしいな、マリア」
優しい口調と微笑みに、私は不覚にも恥ずかしくなってしまい、うつむきながらその手を取った。
そして顔を上げると、ルークが仕返しとばかりに、やってやったぞと言う顔をしていて、違う意味で顔が赤くなった。
そのまま握力対決の様に、力強く握り合いながら私とルークは歩き出した。
そんな姿を遠くの方から、物陰に隠れながら見つめる怪しい3人組みがいた。
「ちょっと! 手、手を握ってますわよ! どういう事ですの、自称親友!」
「その呼び方止めろ! トウマって言えよ、トウマって! だからさっきも言ったが、俺に聞かれても知らん」
「2人とも、喧嘩してると気付かれるよ。まぁ、この時点で周囲からは、怪し人にしか見られてないと思うけど」
周囲から見ると、3人はあからさまに怪しい感じがにじみ出ていたのだった。
「にしても、やたらと楽しそうに会話するな。ルークが女子と仲いいのなんて、あんま見たことないから、新鮮だ」
「本当ですわ。学院でも、あまり一緒になる事が少ないのに、学院外であんな女狐がルーク様に近付いて、あわよくば陥れようとしているなんて!」
「ジュリル様、さすがにそれはないんじゃないかと……普通にデートしているだけに見えますけど」
「デート? あれのどこがデートですのよ! 絶対に認めませんわ、あれは絶対にデートなどではなく、あの女狐がルーク様を陥れようとするための作戦なんですわ!」
「(え~あれがデートじゃないなら、何がデートなんですかジュリル様……それは単に嫉妬してるだけですよ……)」
レオンは、小さくため息をついた。
するとルークたちが動き始めたので、トウマとジュリルが前のめりで動き出す。
レオンも遅れて渋々ながら、後を追った。
その後、ルークと謎の女性を尾行し続けるも、ただ単にこの街の観光名所を回ったり、ティータイムをしたり、アクセサリーショップに寄ったりと何の変哲もない、どこからどう見ても楽し気なデートをしていた。
トウマとジュリルは、それをずっと見ながら何やらぶつぶつと言っていたが、途中からレオンは全く聞かずに2人の後を付いて行くのみだった。
そして、この日街でイベントが行われいる広場をルークたちが歩いているのを、怪しい3人組みが出店で売っていた物を食べながら尾行していると、後方から叫び声が聞こえる。
「ひったくりー! 誰か、そこのひったくりを捕まえて!」
「っ!」
いち早く気づいたのは、レオンであった。
直ぐにジュリルとトウマも気付き、振り返ると後方からどけどけと言いながら、魔法を使う輩たちがこちらに向かって来ていた。
「おいおい、こんな街中で魔法を使うとか、犯罪者にしちゃやり過ぎだろ」
「自称親友の言う通りよ、魔法や魔力は認められた場所以外での使用は禁止とされていると言うのに、それを悪事に使うとは許せませんわ!」
「全く同感です」
そして、ひったくり犯の先頭の1人がレオンたちに近付いて、魔法で脅そうとするとが、それより早くレオンが先頭にいたひったくり犯の懐に入り込み、肘鉄を腹部に叩き込んだ。
すると後方から、残りのひったくり犯2人が、レオンにやられた奴を見捨てて、避けるように走り抜けた。
「ジュリル様、任せました」
「レオン、貴方に言われるまでもないわ!」
ジュリルは、2人のうち片方のひったくり犯の前に立ち塞がる。
そのひったくり犯が、どけと大声をだすもジュリルは一歩も引かず、突き出して来た腕を掴むと、突っ込んで来た勢いのまま投げ飛ばした。
「自称親友、残りは任せたわ」
「だから、その呼び方止めろっての!」
トウマは残ったひったくり犯に向かい、足を引かっ掛けるように蹴りだし、相手をふらつかせる。
そのままトウマは、相手に飛び掛かかって抑え込み、3人掛でひったくり犯を捕まえたのだった。
周囲の人たちは、勇敢な若者たちを称えて拍手していた。
数分後には、騒ぎを聞いて駆け付けた警備団の人たちに引き渡し一件落着したのだ。
だが3人は、思わぬ事態で目立ってしまいそこにルークたちが近付いて来て、3人がいる事がバレてしまうのだった。
「何だ、この騒ぎは……あっ」
「どうしたんだよ、ルーク。急に話さなくなって……えっ」
騒ぎの中心にトウマ、レオン、ジュリルがいたことに、私は言葉を失った。
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